アカデミーU-18選手が多文化共生に向き合う 名古屋グランパスSDGsアカデミー2024「在留ブラジルキッズプロジェクト」 U-18サッカープレミアリーグ 2024WEST 第21節 東福岡高校戦「ブラジルDay supported by AZAPA」レポート
2021年から開始した「名古屋グランパスSDGsアカデミー」。今年は在留ブラジルキッズを中心とした外国ルーツの方々とともに、異なる文化の人たちがお互いに住みやすい社会の実現に向けて取り組みます。ステークホルダーの方々とアカデミー選手がともに共創を通して学び、考え、実践いたします。
※企画概要および5月30日(木)に行った目標設定セッションはこちら
※8月20日(火)に行った初回インプットセッションはこちら
※9月16日(月・祝)に行った第2回交流セッションはこちら
※10月27日(日)に行った第3回アイデアセッションはこちら
※11月4日(月・祝)に行った第4回アイデアセッションはこちら
※11月9日(土)に行った第5回アイデアセッションはこちら
12月1日(日)、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024WEST 第21節 東福岡高校戦にて、今年のSDGsアカデミーの活動の集大成となるイベント「ブラジルDay supported by AZAPA」が開催されました。
名古屋グランパスU-18選手たちが在留ブラジルキッズのためにできることは何かを計5回のセッションを通して自ら考え、本イベントが開催されました。
「ブラジルDay supported by AZAPA」イベント施策その1 手作りチラシによるイベント告知
試合当日までの期間でU-18選手たちは、どのようにしたら多くの方々にイベントに足を運んでいただけるのかを考え、手作りチラシによる告知を考えました。チラシは「NPO法人希望の光」の山家ヤスエさまからブラジルコミュニティの方々へ展開いただきました。
チラシ効果もあり、当日は在留ブラジル人の方々含め、多くの皆さまに試合会場に足を運んでいただきました。
スタンドは800人を超えるファン・サポーターで埋め尽くされ、在留ブラジルキッズも試合が始まる前からワクワクした表情を浮かべていました。
「ブラジルDay supported by AZAPA」イベント施策その2 エスコートキッズ
アイデアセッションの中でU-18選手たちから多く出された意見の一つがブラジルキッズたちによるエスコートキッズでした。試合前、ブラジルキッズと選手たちが顔を合わせます。これまでの交流セッションで仲を深めていたブラジルキッズと選手たちは「久しぶり」と声を掛けながら再会を喜んでいました。入場前には各選手からエスコートキッズへグランパスのハンカチがサプライズでプレゼントされました。
緊張の面持ちのブラジルキッズの手を優しく握りしめ、U-18選手たちがピッチへ入場します。
集合写真の時も優しくブラジルキッズをエスコートするU-18選手たち。気合いを入れるために全員で掛け声を上げます。
見事エスコートキッズの大役を果たしたブラジルキッズ。エスコートキッズを終えた一人の女の子は、「緊張したけど楽しかった。もらったハンカチは毎日使いたい。」と話してくれました。
このあと行われた試合では、来シーズンのトップチーム昇格が内定している杉浦駿吾選手の豪快なミドルシュートが決まり82分に名古屋グランパスU-18が先制。その後、東福岡高校に同点ゴールを決められ試合は1-1の引き分けで終わりました。
両チームとも相手ゴールに迫る激しい攻防が繰り広げられましたが、ブラジルキッズも自らチャントを歌うなどして全力で選手たちを後押ししてくれました。
「ブラジルDay supported by AZAPA」イベント施策その3 飲食交流会
試合後、U-18選手と在留ブラジルキッズがブラジル料理を食べながら交流を行いました。
机には小麦粉ベースの生地にひき肉などが入ったパステル、代表的な家庭料理のコシーニャ、ブリガデイロと呼ばれるチョコが並べられ、選手たちと子どもたちは美味しそうに食べていました。
交流会では選手たちが考えたトークテーマを基に、積極的にポルトガル語を使いながら会話を楽しみました。
「ブラジルDay supported by AZAPA」イベント施策その4 ミニゲーム大会・運動会
ブラジル料理を食べて会話を楽しんだあとは、外に出て体を動かしてコミュニケーションを深めました。陸上競技場のピッチではミニサッカーゲームを、トラックでは障害物リレーや玉入れを行いました。
これで「ブラジルDay supported by AZAPA」すべてのイベントが終了となりました。U-18選手たちが企画・実行したイベントにより、ブラジルキッズやそのご両親まで、参加したすべての方が笑顔に包まれていました。
最後にU-18選手を代表してキャプテンの青木正宗(3年)選手からブラジルキッズに挨拶を行いました。「3年生はこのプレミアリーグが終われば卒団してしまうけれど、この活動は来年以降も引き続き1、2年生が盛り上げてくれるから、これからも楽しみにしていてください。」とメッセージを伝えました。
ブラジルキッズからも今日一日楽しませてくれたU-18選手たちに向けて日本語で「ありがとうございました!」と元気よくお礼の言葉を伝えてくれました。
「ブラジルDay supported by AZAPA」を終えた選手たちのコメント
西森悠斗(3年)選手
「自分も昔グランパスのトップチームのエスコートキッズをやったことがあったので、ブラジルの子どもたちも今日の体験を通じてグランパスに興味を持ってもらったり好きになってもらえると嬉しいです。」
野村勇仁(2年)選手
「今日は自分たちが企画したイベントでブラジルの子どもたちに喜んでもらえてよかったです。このような機会がなかったら僕も在留ブラジルキッズに対する知識を得ることが出来なかったし、ブラジル料理を食べたりする機会もなかったと思うのですごく貴重な経験になりました。」
イベントを終えた選手たちは皆充実した表情を浮かべていました。
次回はSDGsアカデミーのふりかえりセッションを行います。これまでの活動の成果や課題を全体で共有して選手たちの学びや成長を分かち合い、次の展開につなげていきます。