アカデミーU-18選手が多文化共生に向き合う名古屋グランパスSDGsアカデミー2024「在留ブラジルキッズプロジェクト」第2回交流セッション レポート
2021年から開始した「名古屋グランパスSDGsアカデミー」。今年は在留ブラジルキッズを中心とした外国ルーツの方々とともに、異なる文化の人たちがお互いに住みやすい社会の実現に向けて取り組みます。ステークホルダーの方々とアカデミー選手がともに共創を通して学び、考え、実践いたします。
※企画概要および5月30日(木)に行った目標設定セッションはこちら
※8月20日(火)に行った初回インプットセッションはこちら
9月16日(月・祝)豊田スタジアムにて第2回交流セッションを行いました。本セッションではアカデミーU-18の選手たちが、在留ブラジルキッズと初めて顔を合わせることとなり、交流セッションを通じてお互いを理解しあうことを目的としています。
はじめにU-18選手たちが一足早く豊田スタジアムの会場に到着し、株式会社名古屋グランパスエイト 広報・ホームタウン部 ホームタウンG 城田による説明のもと、前回行われた初回インプットセッションのおさらいを行いました。
前回のおさらいが終わると、早速ブラジルキッズが会場に到着し、交流がスタートしました。緊張した面持ちで会場に到着したブラジルキッズはこれからどんなことが始まるんだろうというワクワクとドキドキの表情をしていました。一方、U-18選手たちは、笑顔で迎え入れるものの、言葉が通じない子どもたちにどのように話しかけたら良いのかわからず、困惑した表情を浮かべていました。どうすれば良いかわからず手元にある紙の資料を眺める選手もいれば、片言ながらもコミュニケーションを取ろうと話しかける選手もいました。既にこの瞬間から交流セッションは始まっています。
子どもたちが席に着いた後は、自己紹介からスタート。合計8つのグループに分かれ、グループ内でお互いの名前や好きなサッカー選手などを紹介し合いました。ここでもコミュニケーションがうまく取れて盛り上がるグループもあれば、じっくりお互いの話を聞くグループもあり、様々な交流の仕方が生まれました。
自己紹介の後は本日のメインであるミッションラリーに移ります。ミッションラリーとは、ジェスチャーゲーム、クイズ、ターゲットシュート、モルックなど、豊田スタジアムの会場に用意された様々なミッションをグループ毎にクリアしていき、各ミッションで手に入れるキーワードを集め、1つの文字を導き出すまでをゴールとする体験型チャレンジです。U-18選手たちとブラジルキッズが協力し合いながら、各グループでミッションに挑みます。
グランパスの試合が行われる際の選手たちのウォーミングアップエリアも会場の1つ。普段足を踏み入れることのない空間に入るとブラジルキッズは目を輝かせていました。そのウォーミングアップエリアで行われたモルックではグループ同士の対決が行われ大盛り上がり。ブラジルキッズが投げて見事高得点の的に命中すると、自己紹介の時のたどたどしさから一転、グループ全員でハイタッチしながら喜びを分かち合っていました。
ロッカールームなどではクイズにチャレンジしました。ポルトガル語で書かれたクイズがわからないU-18選手たちはブラジルキッズに助けを求めていました。また、クイズの内容もブラジルに関する知識が必要で、U-18選手たちはクイズを解きながらポルトガル語やブラジルに関する知識を習得していました。
他にもターゲットシュート、トンネルボールチャレンジ、ジェスチャーゲームなど、各ミッションをグループメンバーで協力しながら挑戦していました。ミッションをクリアするたびにU-18選手たちとブラジルキッズたちが段々と打ち解けて、絆が深まっていることが伝わってきました。
ミッションをクリアしてキーワードを集めたら、最後に1つの文字につなげ合わせます。完成した文字は"JUNTOS"。JUNTOSは日本語で「一緒に・ともに」という意味。ともにミッションラリーにチャレンジし、最後にはグループメンバー同士が1つになることが出来たことを表しているような文字が完成しました。
ミッションラリーが終わった後は軽食までの時間を利用してウォーキングサッカーを行いました。走ることが禁止されているウォーキングサッカーですが、グループ対決ということもあり白熱した試合が行われました。U-18選手たちはここですごさを発揮。卓越したスキルを見せながら相手のゴールに迫るも、子どもたちも必死になってボールを追いかけ、大いに盛り上がりました。
ウォーキングサッカーが終わると、最後に軽食をみんなで取りました。用意されたのはブラジル伝統の料理「コシーニャ」。体を動かして腹ペコのブラジルキッズとU-18選手たちはおいしそうに食べていました。
最後にU-18選手を代表して、キャプテンの青木正宗選手から御礼の言葉がありました。「はじめは緊張したり言葉が通じなかったりしてコミュニケーションが取りづらかったけど、ミッションラリーを通じて子どもたちとたくさん接することができとても楽しかったし、子どもたちとの交流を深めることができて良かったです。また次回も楽しめると良いと思います。」と語りました。
また、ブラジルキッズのサユリちゃんは、「とても楽しかったです。また選手たちとたくさん遊べると嬉しいです。」と語ってくれました。
今回の交流セッションを通じて実際にブラジルキッズと交流を深めることができたU-18選手たち。次回以降はブラジルキッズの現状を掘り下げていきながら、多文化共生のために、自分たちにできることはどんなことがあるのかを選手たち自らが考えていきます。