アカデミーU-18選手が多文化共生に向き合う 名古屋グランパスSDGsアカデミー2024「在留ブラジルキッズプロジェクト」第4回アイデアセッション レポート
2021年から開始した「名古屋グランパスSDGsアカデミー」。今年は在留ブラジルキッズを中心とした外国ルーツの方々とともに、異なる文化の人たちがお互いに住みやすい社会の実現に向けて取り組みます。ステークホルダーの方々とアカデミー選手がともに共創を通して学び、考え、実践いたします。
※企画概要および5月30日(木)に行った目標設定セッションはこちら
※8月20日(火)に行った初回インプットセッションはこちら
※9月16日(月・祝)に行った第2回交流セッションはこちら
※10月27日(日)に行った第3回アイデアセッションはこちら
11月4日(月)SDGsアカデミーの第4回アイデアセッションが、前回と同じく本活動にご協力いただいている独立行政法人 国際協力機構 JICA中部にて行われました。本セッションでは、前回のアイデアセッションで考えた施策について、さらに具体的な案に掘り下げしていくことを目的としています。
はじめにアカデミーのパートナー企業でもあるAZAPA株式会社取締役 宮田豊様より、株式会社AZAPAの取り組みについてご紹介いただきました。「共創キャンパス」という活動の中では、大学と連携した社会課題への取り組みを行っており、今まさにSDGsアカデミーを通じて地域の社会課題へ取り組んでいるアカデミーの選手たちも真剣な面持ちで聞いていました。
ここから本格的にアイデアの深掘りに入ります。まず、前回のアイデアセッションで挙げた意見をまとめた用紙を全員で確認しました。自分たちがどのようなアイデアを出したのか、他グループがどのようなアイデアを出していたのかを改めておさらいしました。
今度はそれらのアイデアを頭に入れた上で、ブラジル人キッズへ向けて今年実現できそうな施策を各自で考えました。自らがやりたい施策、理由、場所などの詳細内容を各々紙に書いていきました。
各自やりたい施策を紙に書いた後は、マグネットテーブルでやりたい施策内容が近しい人たちとグループを組みました。似た考えを持つ仲間を探すために選手たちは必死で自分の意見をアピールして仲間を募ります。
マグネットテーブルでグループを作った後は、お互いに意見を出し合いながらアイデアをブラッシュアップさせていきます。アカデミーの選手たちは5W1H(「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」といった英単語の頭文字を取った思考整理のフレームワーク)を意識しながらグループで議論を重ねました。
グループで議論を重ね、具体的な施策を1枚の用紙にまとめていきます。5W1Hの中でも特に「Why:なぜ」を意識して考えることが重要で、選手たちはなぜこの活動が大事なのか、ブラジルキッズの子どもたちがどういうことを望んでいるのか、を深く考えながら施策を検討していき、まとめていきました。
まとめが終わると最後に各グループの発表が行われました。あるグループでは、ブラジルキッズの子どもたちが将来社会に馴染みやすくなるきっかけ作りとして、アカデミーが普段練習するトヨタスポーツセンターでの大運動会を企画しました。また、別のグループではアカデミーの試合当日に「名古屋グランパス ブラジルDay」という冠イベントを開催することを企画しました。試合の宣伝として保見団地へのチラシ配りや、試合当日にブラジルキッズに試合前のウォーミングアップ見学や、選手入場時にエスコートキッズとして参加してもらう施策を考えました。そしてこの「名古屋グランパス ブラジルDay」を毎年開催することも考えており、これからもこの地域に多文化共生が根付いていけるようにという想いも込められていました。
発表が終わり、最後に全員で振り返りと今後に向けての議論を行いました。各グループの意見を聞いたうえで、アカデミーのプレミアリーグの試合に「名古屋グランパス ブラジルDay」という冠イベントを開催する案が良いのではという意見でまとまりました。
選手たちと一緒にSDGsアカデミーに参加しているアカデミーU-18の三木隆司監督は、「トップチームは一昨日(2024JリーグYBCルヴァンカップ決勝で)6万人の大観衆の中でプレーしてタイトルを獲得した。我々アカデミーがたくさんのファン・サポーターの皆さんに応援していただける存在になるにはどうすべきか。今後どのような活動をすると良いのか、一人一人もう一歩踏み込んで考えよう。」と呼びかけました。
今回のセッションの感想として、野村勇仁選手(2年)は「具体的な案を出すことができたが、これからさらに具体化していき、自分たちらしい企画にしていきましょう」と語りました。
今後は11月9日(土)に再び集まり、今回出したアイデアを基に施策準備に入っていきます。