Coach Interview

マテウス(カストロ)のラストゲームということで、チームの士気が非常に高かったと思います。前半の入りも非常に良かったです。セットプレーからのマテウスのすばらしいゴールでしたが、先制できたのが非常に大きかったと思っています。

  • 移籍直前のマテウス選手を起用する難しさもあったと思います。

    本人と話をして、本人的にも「今日の試合をやっていきたい」という想いが非常に強かったです。けがのリスクなどいろいろ考えて、どうするかということで、本人も非常に悩んだと思いますが、最終的にはマテウス本人が「やります」と。無理強いはしていません。

    昨シーズンはマテウス選手一人に頼らなければいけないような状況もありましたが、チームとしての進化も見せられたのではないでしょうか。

    そうですね。途中交代の選手がしっかりと決めたのも非常に大きかったと思っています。

    攻撃への意識、バリエーションなど上積みも見せられたと思います。

    しっかりと狙いを持って、攻守ともにやれたと思っています。中断期間はコンディショニングの難しさがあったと思いますが、フィジカルコーチをはじめ、スタッフがしっかりとスケジュールを組んで、選手も意図を汲んで準備してくれた結果がこういう形になったと思います。

    マテウス選手とは1シーズン半ともに闘いました。彼の存在感はいかがでしたか?

    外から観ていてサイドアタッカーという印象が強かったのですが、実際に来てみて、中もやれそうだなと。チーム事情もあって、FWやシャドーをやってもらいました。マテウスもチャレンジするにあたって不安はあったと思いますが、その中でもすべて前向きにやってくれて、昨シーズンは彼の存在がなければ8位という結果で終われなかったと思います。苦しいチーム状況の中で、マテウスがこのチームの一つの大きな切り札としていてくれたというのは、私自身すごく助かりましたし、感謝しきれません。サッカー選手人生は長いようで短いので、マテウスも日本から離れたくない気持ちは強いと思いますが、いい条件で、サウジアラビアリーグは今は世界のトップ選手を集めているので、マテウスがもう一皮むけて、一回り大きくなったマテちゃんを楽しみにしたいと思っています。サイドから中央といろいろなポジションをこなせると思いますので、Jリーグの代表として、国籍はブラジルではありますが、日本の代表として暴れてきてほしいと思っています。

    今日は守備陣の奮闘も光りました。一歩前に出て奪う守備が良く、相手にチャンスをほとんど作らせませんでした。

    ここのところちょっと失点が多くて、特に前節はセットプレーから2発やられていますので、そういう意味ではしっかりと準備、修正ができたと思います。ただ、1試合良かったからといって、次も、ということではないと思います。前回の試合も選手を代えてからのセットプレーという部分でもやられていますので、誰が出てもしっかりとできるようにチームとして準備をしていかなければいけないと思います。今日はそれぞれが役割を果たしてくれたと思いますし、集中して相手の攻撃をしっかりと抑えてくれたと思います。

    マテウス選手をどう送り出して、交代時にはどんな言葉を掛けたのでしょうか?

    「おつかれさま」ということで、いい形でマテウスを送り出せたと思います。やはり持っている選手なんだと改めて感じましたし、本当に多くのファミリーの皆さまに愛された選手なんだと改めて思いました。

    5日のアルビレックス新潟戦ではマテウス選手はチームを離れてしまいますが、期待の新戦力を起用することができます。

    今日使えなかった新加入の選手もそれぞれ目処は立ちそうなので、今日出た選手はしっかりとリカバリーして、今日試合に絡まなかった選手はトレーニングしながら、中2日というタイトな日程で移動もありますので、コンディションを見極めながらしっかりと準備していきたいと思っています。

Player’s Comment

10 マテウス カストロ

  • 明日でグランパスを離れることが決まっていました。今日はどのような気持ちで試合に臨みましたか?

    とにかくファミリーの皆さんに喜びを届けたいと思って試合に入りました。「楽しくサッカーをしたい」と思っていて、1秒1秒、楽しさを味わいながら、最後にみんなと勝利の喜びを分かち合うことが一番の目的でした。勝利に貢献することができ、うれしいです。

    マテウス選手らしい直接フリーキックでゴールネットを揺らしました。イメージどおりだったのでしょうか?

    そうですね。相手の壁が高かったので、上を通すとバーを越えてしまうと思っていました。どこを狙うべきか考え、キーパーのいる方を狙おうと。変化をつけたらキーパーにとって難しくなるのではないかと思いました。狙いどおりのシュートでした。

    ゴールが決まった瞬間の気持ちは?

    どういう喜び方をすればいいかわからなかったので、仲間と一緒にベンチへ向かって喜ぼうと思いました。

    途中交代をする際、涙を流しているように見えました。どのような気持ちでピッチをあとにしたのでしょうか?

    自分の心にはいろいろな思いがありました。感謝の気持ちをしっかりと伝えたいと思っていました。ここにいた時間というのは、ブラジルにいる時と同じようなものです。第二の母国だと思っています。新しいチャレンジに向かって頑張っていきますけど、ここに戻ってきて、ヒストリーを続けていきたいとも思っています。すべての日本の人々、日本という国を愛しています。心の中に「ここに戻ってくる」という気持ちがあるので、そうなることを願って、その夢を叶えたいと思っています。

    これまで応援してくれたグランパスファミリーにメッセージをお願いします。

    感謝の気持ちしかありません。今シーズン、グランパスが3冠を達成できるように、遠い場所から応援したいと思っています。僕自身、サウジアラビアに行っても試合を観て応援します。グランパスの優勝を心から願っています。本当にありがとうございました。

1 ランゲラック

  • マテウス カストロ選手のラストゲームとなりました。

    ここ数年一緒にプレーしてきて、彼はチームのためを思って本当に一生懸命にプレーしていました。それは本当にすばらしいことです。彼のプレーから出る情熱がチームにいい影響を与えていたので、そういう選手がいなくなってしまうのは残念ですし、寂しいです。ただ、(移籍は)どうしてもサッカーでは起こり得ることなので、仕方がありません。もちろん残念な気持ちはありますが、彼のラストゲームで最高の試合をして、彼を送り出せたことがうれしいです。

    マテウス選手にどんな言葉を掛けましたか?

    試合後、この4年間の「ありがとう」と「お疲れさま」を伝えました。非常に寂しいですが、こういった形で彼を送り出せて本当にうれしいです。移籍というのはサッカーでは起こることですが、僕らはサッカー選手である前に人なので、まずはいいパーソナリティーを持っているかどうかが大事です。仮にサッカーがうまくても、パーソナルの部分でうまくいかない時は自分もそういうコネクション、人間関係を作ることができないですが、マテウス選手は人としても、サッカー選手としてもすばらしい人です。同じチームでプレーはできないですが、この関係はこれからも続くので、そういった意味でも最高の形で彼のラストゲームを終えることができて良かったです。

マテウス選手のコメント全文、INSIDE GRAMPUSにて掲載しております。

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