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セレッソ大阪 AWAY

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---- KICK OFF

前半
後半

Coach Interview

試合の内容よりも、まず試合を終わって勝ったということから話をしたいと思います。グランパスにとって唯一足りなかったルヴァンカップのタイトル、カップをしっかりと勝ち取ったということで、まず国内で獲得できる全てのトロフィーを獲得したこととなりました。それはグランパスも拘っていた部分ですし、すごく嬉しく思います。今日、そういうゲームに勝ち切った選手たちがこの一年間、二年間と言ってもいいと思いますが、サッカーをするために、本当に色々なものを我慢し犠牲を払ってきました。「勝って報われる」ということも話しましたが、そのようになって本当によかったと思います。勝たなければそういう部分はクローズアップされませんが、勝ったうえで、あの状況でも頑張ったと言われることがこの国の流れだと思います。彼らのためにも、こういう結果になって本当に良かったと思います。

(今日の試合は)時間ごとに色々な姿を見せる、戦術的にお互いに攻めあったり潰しあったり、やりあったりオープンな展開になったり、すごく良いゲームでした。もちろん優勝した我々グランパスのファミリーのみなさんに「おめでとう」と言いたいと思いますし、サッカーファンという括りで、今日はセレッソ大阪のサポーターも多く会場に来てくださり、素晴らしい雰囲気を対戦相手ながら作ってくれたと感じています。セレッソ大阪というチームには若く将来性を感じる選手が多く、素晴らしいサッカーをし、本当に難しいゲームになったと対戦相手として言えます。それだけのサッカーを彼らはやっていましたし、未来を考えても色々なことにつながる良いゲームを両方のチームでできたのではないでしょうか。

通常なら試合後の会見では戦術的な部分や技術的な部分、今日はどう戦ったかということにふれる機会が多いのですが、今日はあえて順番を逆にして、まず言うべきことを先に話させていただきました。最後にサッカーの監督としてどういう試合だったかもコメントしなければいけないと思います。今日はどういう試合だったかと言えば、時間帯によって、我々が最初の20分くらいで主導権を握っていたと思いますし、得点が入ってもおかしくない形も作っていましたが、前半の中盤から終わりまではすごく相手に押し込まれ苦しい時間帯が続きました。その流れを変えるためにどうしようとハーフタイムに準備をしたのと、後半の得点が入った時間帯がすごく良く、そこからお互いにオープンな時間が続きましたが、我々が2点目を決めてからはやるべき戦いができ、勝ってしかるべき戦い方ができたと思います。

  • 前回、天皇杯でセレッソ大阪に敗れたあと中二日での再戦となりました。短い期間でしたが、選手にはどのような修正点を伝えたのでしょうか?

    我々の状況を現実的に見ようと、(日程を)言い訳にしようと思えばできますが、最近の試合の結果が好ましくないことに選手が現在、どのような状況でサッカーをしているか。誰にも失礼なことを言いたくありませんが、(どのような状況で)サッカーをやらされているかという状況を考えると、隔離生活が20日間になるなかで大事な試合が続き、どうやって試合を落としてしまったか。ファイナルまで進出しているルヴァンカップにどうしても頭が少しいっていたのかもしれません。苦しい生活、通常の状態でもメンタルのコントロールが厳しいなかで、(ファイナルが)何日後かに待っている状態でリーグ戦も天皇杯も大事な試合でしたし、それぞれ一つ一つに集中しようと選手たちも自分たちのコントロールをしていましたが、難しかったのかもしれません。ただ、天皇杯で見せた選手たちの姿は、私の知り合いとは思いたくない、一緒にやってきた選手とは思いたくないと。「お前たちはこんなものではない」と強い言葉も使い、彼らをかき立てるようなこともし、自分たちのチカラを信じ、そういう角度から選手にアプローチしたことで、彼らが持っているものを今日はしっかりと出してくれたと思います。

    今日の試合、押し込んだり押し込まれたり、オープンな展開になった時間帯もあったと思いますが、戦術的にどのような狙いがあったのでしょうか?

    お互いのチーム状況がどういうもので今日の試合が行われるか、直前に天皇杯でも直接対戦していました。おそらくセレッソ大阪は多くの選手を入れ替えてくるだろうと。私自身はグランパスのどの選手がプレーするか、天皇杯の時からある程度イメージがありました。疲労の部分では試合の中盤から後半にかけ、もしその先(延長戦)も続くなら不利になるということは想像していました。走ることが徐々にできなくなってきた時にどうスペースを埋めるかを一番気にかけてやりたかったのですが、今シーズン中盤でほぼレギュラーとして出ていた米本が起用できない状態、長澤もACLで韓国に到着後から発熱があり10日間ほど実戦ができない状態があり、あまり長く起用できないかもしれないというクエスチョンがつく状態での起用となりましたが、そこで選手を代え、システムも変えながら、試合の入りは4-4-2でそこから4-2-3-1、そして4-3-3とし、4人で後ろが耐えられなくなってきてからは5-4-1、最後は5-3-2とそれぞれ意図のある変更を選手たちが理解しプレーしてくれました。その時間その時間で相手が少し上回りそうなだったときに戦術の変更を加えながらこの試合を乗り切る、それがこの試合の闘い方でした。

    後半は戦術的にも監督の采配が素晴らしかったですが、前半は少しがっかりもしました。チームとしてはあの戦い方を予定どおりだったのでしょうか?

    どの時間帯に相手に何をされてしまったか、こちらの状況も含め何ができていたかの読み合いということも含め、前半の良かった時間帯に、一番大きなチャンスは前田がゴール前で、コントロールがあと少し良ければというシーンでしたが、あそこで得点が入っていれば相手に何もさせない、こちらが主導権をしっかり走ることで握ろうという展開に前半から持っていくことができたと思うのですが、あそこで決めきれなかったことで相手に自信を与えてしまいました。前半の45分をあのペースで走り切ることは無理でしたし、少し落ちたことで相手に押し込まれてしまいました。後半はまた修正し選手が理解してくれ、結果、試合を通してということでは、狙っていたことをやり切ってくれたのではないでしょうか。

    後半の戦い方は、セットプレーで先制しカウンターから追加点。システム変更もはまり意図通りの戦いができたのではないでしょうか?

    準備の段階で、グラウンドでの選手の配置よりも、相手の特徴に対し何をさせてはいけないという決まり事を作っていました。こういう流れになればこう、こうなればこう、なぜならこうだからという決まりを選手たちがうまくつなぎ合わせグラウンドで表現してくれました。あとは、言われたような形で実際に得点を取ったこともありましたし、リードされてしまっては相手のやり方に対して合わせなければいけなくなりますが、今日はリードしたことで自分たちの望む展開にできたと思います。

    フィッカデンティ監督自身、日本へ来て約8年で初のタイトルとなりました。これまで苦しい時期もあったと思いますが、今日それを達成した気持ちと日本への愛情、なぜ日本での監督を続けてきたかをお聞かせください。

    どういう形で自分の日本への愛情を表現するかというより、実際にどう行動してきたのか。もう8年間日本でずっと仕事をしているということは自分の人生の選択としてやったことです。セリエA(イタリア)の同僚監督からは、私が日本へ行くと知った時に、どうかしてしまったのかと思った人もいたと思います。私自身、一切後悔はしていませんし、振り返った時に間違った選択をしたと思ったこともありません。こういう結果をだせたことはもちろんですが、日本で仕事をすると決めた時に、私の仕事として規律を重んじる、皆に協調性があり、私がどういうサッカーをやりたいかということが、私のイメージしていた日本人の国民性や性格が絶対に私に合うと感じたので、それを信じてやってきました。最初はFC東京へ来たのですが、そこでリーグ優勝のできる可能性があるところまでいきましたし、グランパスへ来てもチームを再建するという目標で昨年はACL出場を決めるところまで来ましたし、全ては言えませんが、色々な結果を出せました。他のチームでも、降格の可能性があるところからの再建、そこから抜け出すチーム作りをできたという手応えもあります。愛情がなければ、そういう結果は出せなかったと思います。

Player’s Comment

4 中谷 進之介 中谷 進之介

  • 優勝達成してどのような気持ちでしょうか?

    すばらしい雰囲気の中、決勝(の舞台)に立った者にしかわからないような雰囲気でできたので、今までの自分の経験になかったような経験をできたのですごくうれしい気持ちです。

    ゲームキャプテンとして臨みました。気持ちの面で違いはありましたか?

    チームを導かなければいけないと思っていたので、僕が弱気なプレーをしたらそれがチームに移るし、メンバー外の選手も含めて全員の気持ちを背負いながらやるという想いがありました。そういった意味でキャプテンマークを巻く、巻かないというところはすごく大きな違いがありました。

    いい試合の入り方をできて、前半から名古屋らしい戦いをできたのが勝利につながったと思います。今日の試合の入り方を含めて、手応えはいかがでしょうか?

    正直、天皇杯でちょっと難しい試合をしてしまったので、もう一度自分たちらしく闘おうと。前半はとにかく“0”で抑えて、後半勝負というか、そこに持っていこうとみんなで話し合いながらやっていました。ゲームの流れ的には難しく見えるし、どうしても堅い試合になってしまうので、おもしろ味には欠けたと思いますけど、それが僕たちだし、自分たちが築き上げてきた戦い方を今日はできたかなと思います。

    トロフィーを掲げた瞬間やファミリーの前に行ってGLAPを聞いた瞬間はどのような感覚でしたか?

    2018年の瑞穂で残留が決まった瞬間とちょっと重なりました。4年間苦しかったけど、ようやくこういう場所に立てて、しかもタイトルを獲れたというのは感慨深いものがありました。苦しかった時期が長かったですし、ほかの取材でも「名古屋のサポーターの方々はその苦しさを長いこと味わっている」と言ったと思うんですけど、そういった方のためにタイトルを獲るという想いが自分の中にあったので、それを達成できてすごくうれしいです。

    ファミリーの笑顔を見てどんなことを感じましたか?

    「こちらがありがとう」というか、みんなが築き上げてきてくれたものがすごく僕たちの力になったので、すごく感謝しました。

    チーム、そして中谷選手自身にとっても大きなタイトルになると思います。どういう影響があると感じていますか?

    この味をもう一度知りたいですね。一度味わった者にしかわからないものだと思うので続けたいです。だからこれを機に名古屋が強くなることを願うというか、僕がそうしたいですし、クラブの規模的にタイトルを獲らなければいけないと何回も言っていると思うんですけど、そういうのを含めて、これからもずっとそういう争いをできるように頑張りたいと思います。

15 稲垣 祥 稲垣 祥

  • 優勝とMVP受賞、おめでとうございます。最高の大会になりましたね。

    ありがとうございます。タイトルを獲るのは本当にいいことだと改めて思いました。

    前半はいい入り方ができ、後半も名古屋の戦いで進められたと思います。手応えはいかがですか?

    天皇杯で0-3の負けを喫してから時間があまりなかったですけど、その中で監督が僕たちに戦術の修正する部分を提示してくれました。それに自分たちが応えて、チーム全員でいい準備ができて、いい試合運びをすることもできました。自分たちらしさを出せたと思います。

    得点の手応えを聞かせてください。冷静に叩きつけたシュートだったと思います。

    いいボールがこぼれてきてくれました。あんなにいいこぼれ球がきたなら、自分が決めなければいけないなと。あのような舞台でも打つ瞬間は、冷静に叩きつけることを意識しながら打てました。

    ゴールが決まったあと、サポーターのいるゴール裏に駆け寄って喜ぶ姿が印象的でした。どのような気持ちが湧き上がって、あのような行動になったのでしょうか?

    天皇杯は0−3で負けるという本当に悔しい結果になってしまいました。0-3で負けている中でも最後まで手拍子で僕たちの背中を押してくれて、試合後も「次に切り替えて頑張って」という言葉を手拍子で伝えてくれました。そういった思いに応えなければいけないと思っていました。グランパスファミリーの皆さんがいるゴール裏での得点だったので、皆さんと喜びを分かち合えて本当に最高でした。

    今シーズンは日本代表に選出され、リーグ戦でキャリアハイの得点を挙げるなど活躍しています。リーグ戦はまだ残っていますが、今シーズンのプレーを振り返っていただけますか?

    今シーズンは結果としてゴールに関わるプレーが多く、数字上でもわかりやすく結果を出せています。僕自身としては、今年になにか変えたことはなくて。こういった数字を残せているのも、今までの苦しい時期、うまくいかない時期を自分なりに消化して、乗り越えてやってこれたのかなと。そういった経験があるからこそ、こういったシーズンを送れていると思います。自分の財産を出せている1年という印象です。

中谷選手・稲垣選手のコメント全文、柿谷選手・前田選手のコメントは、
INSIDE GRAMPUSにて掲載しております。

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