セカンドボールを奪うということもですが、悪い失い方をしなかったため、そのあとボールを奪い返したり、相手のダイレクトプレーを奪ったり我慢してボールを繋いだりができていました。相手がボールを持ったときに、ダメージを与えられるような状況にならなかったことで、ほぼ完璧だったというように全部が繋がってきます。セカンドボールのシーンだけがこういう理由でということではなく、ずっと自分たちが気持ちの良い状態でプレーできていたことが良かったと思います。

けがのタイプ的に、阿部選手の場合はある程度まで回復してきた段階でも、完全に痛みが消え何の問題もないという状態に戻るまでは数ヶ月かかるものでした。逆にいうと、そのようなけがは私も現役選手の時に経験していますが、ある程度、あとは痛みを耐えられるかどうかという段階までくるとそれぞれの選手の判断で、これは世界中のサッカー選手が痛みを受け入れるか、完全に治ることを待つか、それぞれのやり方をすると思います。阿部選手の場合は、痛みに慣れながらやるということにトライしましたが、少し前に試合に出た時は、痛みに押されプレーの中で表現できていないと感じる部分がありましたし、ベンチに入り途中からの投入などを続けました。それでもトレーニングの中でもけがを受け入れるんだ、プレーによって痛みが出るということも避けずに続けていたので、それを信用し先発させたところ、あのように結果で応えてくれました。得点以外でも良いプレーができていました。もちろん、もっと自分の中で納得できるプレーはもっと高いレベルにありますが、今日は良い入りをしてくれたと思います。

こちらのリズムでゲームを続けているなかで、山﨑選手が本当に体を張って前へ素晴らしいプレーをし、技術的にも決して簡単ではないアシストを、得点シーンで見せてくれました。前田選手も彼の得意な、素晴らしいタイミングで飛び出し、ドリブルで相手キーパーも抜き去るという彼の良さが詰まったゴールを決めえてくれました。もちろんあそこでゴールを決めたことは良かったのですが、その前にもゴールを決めたかもしれませんし、あそこで決められなくても、今日の流れなら、そのあとにでも決めていたかもしれません。最近そういうシーンで決められず試合を苦しくしたということがあったばかりなので、今日はそれが、こうやって決めればこういう試合になると自分たちで感じたのではないかと思います。