オフザピッチ研修「暴力・暴言・体罰・ハラスメント」について理解を深めよう
名古屋グランパスのアカデミーではオフザピッチ研修としてアカデミー・スクールスタッフを対象に「暴力・暴言・体罰・ハラスメント」について学びました。
講師は、井神法律事務所の井神貴仁弁護士に務めていただきました。
井神先生は、サッカーの経験があり、且つ、指導者をされていた職歴もあり、サッカー現場で得た知識や体験談も織り交ぜながら進行して頂きました。
概 要
研修日時:
2020年10月15日(木)10:30~12:00(90分間)
参加対象:
アカデミースタッフ / スクールスタッフ 約40名参加
研修内容:
- JFAサッカーファミリー安全保護宣言
- 暴力・暴言とは / 暴力・体罰の処分
- ハラスメントとは(パワハラ・セクハラ)/ 暴言等の処分
まず初めに、「JFAサッカーファミリー安全保護宣言」について6つの項目内容を再確認しました。
その後、暴力や暴言について掘り下げ、これまで実際に起きた裁判の判例を参考に見解や捉え方をお話頂き、様々なケーススタディで理解を深めていきました。大事なのは事前に問題となる言動を回避することです。その一方で、指導者が問題を起こしてしまったらどのような処分があるのか、という点もJFAが定める懲罰規定を用いて1項目ずつ丁寧に説明頂きました。井神先生からは「何気ない言葉や行動であっても、相手の受止め方次第では、これまで積み上げてきた指導者としての素晴らしいキャリアと信頼は一瞬で失ってしまう可能性はあります」と話されました。
ハラスメントに関することも、まずは言葉の定義から理解していきました。その後、具体的な質問に対し、スタッフは自分の考えを整理し発言。一方的な研修は避け、双方向が発信し合う参加型で進み、参加者も良い緊張感を持ちながら時間は経過していきました。
質疑応答では、何名かの指導者から質問も挙がり、スタッフが日常的に抱える危機感や指導現場に立つスタッフの責任感と使命感を感じさせられました。
スポーツ現場における暴言や体罰・ハラスメント等に関するニュースは決して少なくはありません。
関係性も、「クラブスタッフ→指導者」・「指導者同士」・「指導者→選手」・「指導者→保護者」・「保護者→指導者」など様々なケースが想定されます。
また指導者である前に一人の社会人として、常にリスク管理ができ、且つ、全体をオーガナイズしていくマネジメント力が強く求められる時代であると痛感しました。
まずはこれまで同様に、選手育成のサポートやサッカーの魅力(仲間の存在、楽しさ、勝負など)を伝えることを実行し、今回の研修で学んだこと・再確認したことを今後の指導現場で活かしていきたいと思います。
最後に、井神先生から「目的を達成する手段は1つではありません。相手の立場に立って考えることが大切です」と助言いただきました。
スタッフ一同、今まで以上に相手の立場に立って物事を考え、その状況に相応しい言葉や行動で更なる選手成長をサポートして参ります。
井神先生、貴重なお話をありがとうございました。