2019年スペシャルオリンピックス夏季世界大会inアブダビへ山口素弘アカデミダイレクターが応援訪問

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3月14日(木)~21日(木)まで日本から遠く離れたアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで「スペシャルオリンピックス夏季世界大会」が開催されました。


 名古屋グランパスからは山口素弘AD(アカデミダイレクター)が昨年のユニファイド(※1)フットボールカップ・シカゴに引き続き、ドリームサポーターという立場で、アスリートの皆さんを後押しするために14日~16日の3日間現地を訪れました。

 スペシャルオリンピックスは知的障害のある人たちに様々なトレーニングとその成果の発表の場である競技会を年間を通し提供している国際スポーツ組織であり、その世界大会はオリンピックやパラリンピックと同様に夏季大会・冬季大会を4年毎に開催しています。

 名古屋グランパスは、2018年に愛知県で開催された「2018年第7回スペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲーム・愛知」の大会を支援する目的で、2018年ユニフォームの左鎖骨部にスペシャルオリンピックス日本ロゴを掲出していました。

 山口ADはクラブを代表し、ドリームサポーターとしてスペシャルオリンピックスの様々な活動に参加させてもらっています。

 今回の、夏季世界大会では約170の国・地域から約7,000人以上のアスリートが24の競技に参加。日本からは選手団104名(アスリート67名、パートナー7名、スタッフ含むコーチ28名、役員2名)が11競技に出場し日頃の成果を競い合います。

 訪問1日目の14日に開催された開会式はAFCアジアカップ2019の決勝会場にもなった、シェイク・ザイード・スタジアムで実施されました。

 約40,000席あるスタンドはほぼ満席、選手たちは順番に入場行進を行い、日本は「NIPPON」のコールで日本選手団の有森裕子団長、鈴木大地スポーツ庁長官を先頭に元気に堂々と入場した。約3時間に及ぶ開会式は盛大に行われました。

 訪問2日目は日本選手が出場する様々な競技の応援を行った。卓球のアスリートの激励、女子バスケットボールチームの激励を行いました。

 午後は山口ADと同じ期間に訪問していた元バスケットボール日本代表渡邉拓馬さんと共にユニファイドフットボール体験会へ参加しました。同じく、元フットボールコートジボワール代表のドログバさん、元フットボールブラジル代表のカフーさんも参加し、会場は大変盛り上がりました。ユニファイドフットボールには日本チームも出場しており、山口ADと渡邉さんは日本チームから大歓迎を受け、アスリートたちと共にピッチ内外で楽しそうな笑顔を見せていました。

 夕方は会場を移り、午前中に激励した女子バスケットボールチームの試合と男子バスケットチームの試合を観戦しアスリートたちへ熱い声援を送りました。

 訪問3日目も引き続き日本選手が出場する様々競技の応援を行いました。午前中はバレーボールチームの試合観戦を行い、午後からはユニファイドフットボールの観戦。今年1月に福島のJヴィレッジで開催された日本選手団合宿に山口ADも訪問し、ユニファイドフットボールチームのアスリートたちと一緒に練習を行っていました。

 当時の練習参加時に山口ADは「すごくレベルが高い、良いチーム」と太鼓判を押しており、その期待に答えるかのようにチェコを相手に6-1の快勝。応援に訪れていたアスリートの家族の皆さんもすごく興奮し応援に熱が入っていました。

 夕方には2戦目のハイチとの試合を観戦。こちらは連戦の疲れが出たのか、1-6の敗戦。山口ADはこの観戦を最後に帰国せねばならず、最後にフットボールチームのメンバーに向けて、「帰国するが魂は置いていくので、最後まで楽しんで勝ってほしい」と熱いメッセージを届けました。

 日本チームは24チームで行う予選会ディビジョニング(※2)に参加し、グループ4に入りました。グループ4の5チームと対戦し1勝1分4敗となりグループ4内で4位という成績で大会を終えました。

 夏季世界大会は21日まで続き、日本選手団は金メダル15個、銀メダル18個、銅メダル10個、合計43個のメダルを獲得した。

 ただし、獲得したメダルの数とは関係なく、スペシャルオリンピックスは参加した全てのアスリートが頑張った事を称えられ、メダルやリボンが授与されます。順位だけでなく、競技場に立ち最後まで競技をやり終えた事に対して、一人一人にかわらぬ拍手が送られます。

 一生懸命に競技に打ち込むアスリートの表情はとても印象的であり、山口ADが訪れた会場でのアスリートや応援のご家族の喜ぶ満面の笑顔もとても印象的な訪問でした。

 まだまだ、日本ではスペシャルオリンピックスの活動が広く認知されていないと感じる事も多く、名古屋グランパスは名古屋グランパスのファミリーの皆さんへスペシャルオリンピックスの活動をより一層知ってもらう機会を創り、アスリートたちの笑顔を世の中に沢山届けていけるように努力して参ります。


※1 ユニファイドスポーツ(Unified Sports)
知的障害のある人とない人でチームを作り、練習や試合を行い、スポーツを通じてお互いに相手の個性を理解し合い支え合う関係を築いていく取り組みです。フットボールやバスケットボールの競技があります。

※2 ディビジョニング
スペシャルオリンピックスの競技会では、可能な限り同程度の競技能力のアスリートが競技できるように、性別、年齢、競技能力などによってグループ分け(ディビジョニング)を行います。