U-18選手が多文化共生に向き合う 名古屋グランパスSDGsアカデミー 今年も「在留ブラジルキッズプロジェクト2025」第1回インプットセッション
2021年から始まった「SDGsアカデミー」。
U-18の選手たちが、この活動を通して共創パートナーの皆さんとともに社会課題の解決に取り組んできました。
今年は昨年に続き「ブラジルキッズプロジェクト」と題し、愛知県に数多く暮らすブラジルにルーツを持つ子どもたちが、将来の夢をもってイキイキと暮らせる社会を目指して、さまざまなステークホルダーの皆さんと共に、自分たちにできることを考え、実践していきます。
初回となった7月6日(日)は、まず昨年行った活動を振り返り、何が出来て、何が出来ていなかったのかを認識しました。
そして、今回共創パートナーとしてSDGsアカデミーをご支援いただく株式会社マイナビに所属しているグランパスアカデミー出身でトップチームでも活躍した磯村亮太さんからのビデオメッセージが放映されました。
続いて、日本スポーツツーリズム機構で理事を務める染谷栄一さんによる「スポ―ツのチカラ」を学ぶ講義が行われました。
アメリカで女性の社会参画がまだ進んでいなかった時代、法律によってまずは学校におけるスポーツの現場での男女平等が進み、それによって大きく社会が変わっていった例が説明されました。
「スポーツで社会は変えられる」という染谷さんの語りかけにアカデミー選手たちも大きくうなずいていました。
続いて、ジュビロ磐田で長く活躍し、昨年現役を引退した山田大記さんによる講話が行われました。
山田さんは、現役時代から「子どもの貧困」を解決するために様々な活動を行ってきました。
そうした活動を始めたきっかけとなった出来事として、児童養護施設での一人の少年との出会いがあったといいます。
児童養護施設を訪問し、子どもたちとサッカーをしている時に一人すごく上手な少年がいたため、山田さんが「将来はサッカー選手になるの?」と聞いたところ、当時小学校3年生だったその少年は「自分は施設にいるしサッカーはやめて、サッカー選手になることもあきらめた」と答えたそうです。
小学校3年生といえば、まだ無邪気に「将来はサッカー選手になる」という年齢だと思っていた山田さんは、その言葉に衝撃を受けたといいます。
そして、これまでの自分の活動では、そうした子どもたちの抱える根本的な問題の解決アプローチできていないと感じた山田さんは、プロサッカー選手として自分にできることをあらためて考え直したそうです。
そのほか、「プロサッカー選手としてトップレベルになっていくためには、才能だけでは限界が来る」など、自身の経験を交えた話に、アカデミー選手たちは真剣に聞き入っていました。
最後は、この日2つの講義を通して感じたこと、これからSDGsアカデミーにどのように取り組んでいくかといったことを自身で書き出し、共創パートナーの皆さんを交えたグループでそれぞれ共有しました。
スポーツのチカラ、そしてスポーツ選手が社会活動をする意義について学んだアカデミー選手たち。次回は、愛知県に住むブラジルキッズたちの現状や彼らを取り巻く課題について学ぶ予定です。