月刊グラン5月号のご紹介[武田洋平選手インタビュー]

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チーム最年長の苦労人 反骨のキャリアに偽りなし

失点は決してゴールキーパーだけのせいではない。それでも開幕からの失点数の多さに、武田洋平は大きな責任を感じていた。準備してきたものが結果として出てこないジレンマにさいなまれ、心ない誹謗や中傷も甘んじて受け入れた。ただ、まだシーズンは始まったばかり。37歳の大ベテランはどうやってこの苦境から脱出しようと考えているのだろうか。

開幕戦で生じた「焦り」から悪循環に陥った

プロ20年目は激動のスタートだった。2016年にグランパスに加入後、楢﨑正剛(現GKコーチ)やミッチェル・ランゲラック(現メルボルン・ビクトリーFC)と競い合い、第2GKとして支え続けてきた武田洋平。今季は主戦GKと期待されて加入したシュミット・ダニエルがキャンプ中に負傷し、開幕戦のゴールマウスを任された。長いキャリアの中でも、J1開幕戦のスタメン出場は初めての経験だった。

─これまでの開幕戦と違い、心境の変化はありましたか。

それは別になかったですね。去年の最終節も試合に出ていたし、キャンプもしっかり準備できていたので、自分としてはすんなり入れたと思います。

─逆にホーム開幕戦の方が緊張したかもしれませんね。

そうですね、やっぱり豊田スタジアムはすごく独特で、ファミリーもいっぱい来てくれるから、緊張というよりも、ちょっといつもとは違った感覚でした。アウェーの負けを取り返したいと思って臨んだんですけど、複数失点は自分として悔しい結果でした。

─キャンプやプレシーズンは順調だったように見えました。

キャンプは、まずチーム内競争をするというところで、しっかり結果を出していくという心構えでいましたが、公式戦とはまた違った独特の緊張感があって、やることは変わらないですけど、自分としてはキャンプやプレシーズンの方が緊張していたかもしれません。

─2次キャンプに入る直前にシュミット・ダニエル選手がケガで離脱となりましたが。

そこから求められることがちょっと変わってきました。ただ、それは自分にとって良いプレッシャーでしたし、いつもと変わらずに準備をしてきました。キャンプから開幕戦までの練習試合の勝利というのがすごく大事だという話をチームでしていて、そこで結果も出したからみんな自信を持ってスタートをしたつもりだったんですけど、なかなか結果が出なかったですね。

─ディフェンスラインも新しくなった中で、開幕前にもっと課題を洗い出せておけばという面もあったのでしょうか。

キャンプの最後の浦和戦も開幕直前の練習試合も無失点でしたし、流れの中で危ないシーンもあまりなかったから、結果論ですけど(開幕戦の)川崎フロンターレ戦で先制されて、チームとして焦ってしまったと思います。それまで焦った状況がなかったので、連携もなんか悪循環になってしまったと、すごく感じましたね。

武田がJ1の開幕戦で初めて先発フル出場した川崎戦は、前半こそ決して悪くない試合をしていたものの、58分に不運な形で失点を喫すると、そこからズルズルと失点を重ねてしまい0-4の大敗。ホーム開幕戦は2年連続王者のヴィッセル神戸と引き分けて意地を見せたものの、それ以降なかなか勝ち点3をつかめない試合が続いた。

─開幕戦は先制されて「頭と体が動かなくなってしまった」と、長谷川健太監督がコメントをしていましたが、後ろから見ていてヘッドダウンしたような雰囲気だったのでしょうか。

ヘッドダウンというよりもシンプルに(体を)寄せきれないとか、走力も落ちてしまったし、それまでやれていたことが全然できなくなってしまったと思います。やられた後はどうしても足が重たくなるし、相手には勢いが出るので、そこはしんどいけど強い意識を持って一人ひとりがもっと走るとか、もう一回踏ん張ってハードワークをするとかしないといけなかったのかなと。


続きは『Grun』2025年5月号をぜひご覧ください。

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チーム最年長の苦労人
反骨のキャリアに偽りなし
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