月刊グラン10月号のご紹介[三國ケネディエブス選手インタビュー]

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プロに入って初めてのチャント。チームの「核」としてやらないといけないと思った
サポーターの気持ちをしっかりと背負って、やっていきたい

今季一新されたグランパスのDFライン。その中心として終盤戦のキーマンに挙げられるのが三國ケネディエブスだ。開幕戦では2失点に絡んでしまったが、今では長谷川健太監督に「チームに欠かせない存在」と言わしめるまでの成長を遂げた。身体的なポテンシャルはリーグでもトップクラス。覚醒し始めた大器が目指す未来とは。

開幕戦が一番悔しい

プロ6年目。193センチの長身にスピードを兼ね備えた規格外のセンターバック(CB)は、移籍1年目から押しも押されもせぬ主力としてDFラインを統率している。

―首位とは勝ち点を離されていますが、今の成績を率直にどう捉えていますか。

チームとして少しうまくいっていないという印象ですね。失点が多いので、まずはそこが課題だなと思うのと、攻撃の部分でもいい時はありますけど、そこまでは点を取れていない。複数得点を取れる試合も増えていますけど、とにかく失点をなくせば勝利に近づくと思うので、ディフェンスの選手としてはそこを意識してやっていきたいと思っています。

―守備で手応えを感じているところもあると思います。

試合を重ねていく中で、やっぱり経験値というのもついてきて、開幕当初よりも落ち着いてプレーできるようになってきたし、周りをよく見て声を出せているという感じもしています。

―今振り返ると、第1節の鹿島アントラーズ戦で喫した3失点は相当悔しかったですか。

移籍してきて最初の公式戦ということで、ファミリーの皆さんの期待の声や目線をすごく感じる中で、自分として思い描いていたものとは異なるプレーになってしまったんで、率直に悔しい、プロに入って一番悔しい試合でした。

―後半の2失点目までは、それほど悪い流れではなかったように思います。

前半は本当に集中してやれていて、いい場面も多かったと思います。でも2失点目が自分のマークからの失点で、そこからガラッと自分のプレーが落ちてしまったので、前半のプレーが90分続けられていたら、また違う結果になっていたのかなって思っています。

―第2節のFC町田ゼルビア戦、第3節のアルビレックス新潟戦と連敗はしましたが、最少失点で抑えていました。

良くないところをみんなで修正しあって、チーム力が徐々に上がっていったと思います。ミッチ(ランゲラック選手)が常にポジティブな言葉を掛けてくれて、DFラインはその声ですごく前向きになれました。ミッチのキャプテンシーや(ハ・)チャンレの闘争心、アキ君(河面旺成選手)の冷静さとか、みんなで助け合ってやってきたので、それが徐々に安定してきた理由だと思います。

―チームメートから学ぶことも多いですね。

自分もキャプテンシーとか闘争心とかは持っているとは思うんですけど、それをもっと発揮することでチームの士気も上がると思います。特にCBとしては冷静にプレーすることが大事だと思うので、そこに磨きをかけて、終盤戦はもっとそういうところも出していきたいです。

―ポジションとしては、3バックの全てを任されています。

どこのポジションで出ても自分の役割をしっかり全うして、チームの勝利に貢献することが選手として一番大事だと思っているし、やれなかったことをどんどんやれるようにしていくことが大事だと思うので、生き残る手段の一つとして何でもやれる方向に持っていくんだ、という気持ちでいます。その作業を怠らなかった結果はついてきていると思うし、そこは自分を信じてやってきてよかったなと思っています。

青森山田中時代から逸材として注目されてきた。2018年度の全国高校選手権ではFWとDFの"二刀流"でチームを優勝に導き、鳴り物入りで当時J2のアビスパ福岡に入団。しかしその道は決して順風満帆ではなかった。

―加入当初は、名古屋の守備と福岡の守備の違いに戸惑いがあると話していました。

名古屋の守備はマンツーマンで対応することが多いので、まずはそこで負けないということを意識しています。キャンプ当初は体力的にもすごくきついサッカーだなって感じていたけど、今は90分間しっかりと戦える体になっているので、そこは成長しているかなって思います。

―名古屋への移籍を決めた理由を改めて教えてください。

グランパスのDFラインが一新されるかもしれないという話を聞いて、主力になれるチャンスだと思ったし、自分のキャリアとしてもここでスタメンに定着できなかったら終わりだな、と。そういうチャレンジャー精神というか覚悟でやってきたので、その姿勢が今につながっていると思っています。


続きは『Grun』2024年10月号をぜひご覧ください。

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