月刊グラン2月号のご紹介[稲垣祥選手インタビュー]

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2023年は本当に両極端な時期を過ごした
近い将来、「ああいう経験があったから」と言えるようにしたい

期待が膨らんだ前半戦、もどかしさを解消できずに時が流れていった後半戦。
2023年シーズンのグランパスは、前半と後半で違う顔を見せた。
最終的な順位は6位と22年シーズンよりも二つ順位を上げたが、チームとして何を積み上げられたのか。
主将の稲垣祥に総括してもらうとともに、近い将来のリーグ優勝への道筋を語ってもらった。


23年シーズン、2季目の主将を務めた稲垣祥は、警告の累積で出場停止となった最終節を除き、リーグ戦33試合に出場。「チームの心臓」として代えの効かない存在だった。アップダウンの激しかったシーズンをどんな思いで引っ張っていたのだろうか。

―23年シーズンを振り返っていただけますか。

自分たちの自信につながる部分もあったし、未熟さを感じる時期もあったし、本当に両極端な時期を過ごしました。僕個人としてもそうですけど、クラブとしてその経験を糧にして成長していかないといけないし、成長していくための経験ができたんじゃないかなと思います。近い将来振り返った時に『ああいう経験があったから』って言えるようにしていきたいし、絶対に苦しい時期はどのクラブにもあることなので、やっぱりこの経験をどう活かすかですね。

―前半戦は好調でしたが、どう感じていましたか。

それをよく聞かれますけど、実際にはどの試合もギリギリの勝利で、『押し込まれたな』とか『自分たちのやりたいことができなかったな』とか、そういう試合でも結果を出すことができていました。逆に後半戦は、特に最後の方はギリギリで勝てなかった試合がいっぱいあって、勝ちゲームを落としている感覚でした。

―前半戦も後半戦も、やることは変わらずにできていたということになりますか。

そうですね。少なくとも狙うべきポイントとか、コンセプトとか、チームとしてどうやっていくのかというところ、微調整はありながらも方向性は変わらずにやっていましたし、その時々でチームの課題に向き合って、振り返りながら修正していく姿勢もよかった。毎試合相手の対策を練りながら、自分たちの引き出しの中から何を出して戦っていくのかとか、そういう作業もできていたと思います。

―紙一重の試合が多いということは、Jリーグは実力が伯仲しているということですね。

それは本当にそう思います。上位でも下位でもそんなに大きな差があるとは思えない。ただ、1試合を見たら紙一重の勝負だと思いますけど、シーズンを通して見た時に優勝した(ヴィッセル)神戸とは紙一重だったのかと言われると、彼らにはしっかりとした実力があったし、差もしっかりあったな、と認識しています。

11月25日の第33節、アウェーでの神戸戦は相手よりも多くの得点機をつくりながら決め切れず、目の前で歓喜の瞬間を見せつけられた。優勝を目指したチームとしては悔しい結果になったが、シーズン全体では長谷川健太体制2年目の上積みも確かに感じられた。

―22年シーズンは得点力不足が課題でした。それもキャスパー・ユンカー選手の加入で大きく改善されました。

もちろん彼が加入してくれたのは大きかったし、得点を取るための一つのパターンがつくれたことも大きかった。逆にしっかりといいシーンをつくれば決め切ってくれるという存在がいるだけで、そこ以外のプレーもよくなるので、いろんな効果をキャスパーが与えてくれたと思います。

―その中で、稲垣選手は変わらずボックストゥボックスで、敵のゴール前まで進入していました。

そこは監督の要求でもありますし、ボックスまで入っていくとか最後のシーンに絡んでいけるように意識はしていましたね。立ち位置も少し高くなって、あまり後ろに重たくならないようにというのも気をつけていました。見ていて分かるかどうか微妙な立ち位置ですけど、中でやっている選手はいろいろ変化をしながらやっていた感じです。

―前半戦はタイトルを意識しながらのプレーだったと思います。

もともとタイトルを目標にしていたので、まあいるべき順位にいる、というぐらいの感覚で、そんな特別に意識をするとかはなかったし、うまく循環しながらでしたけど、チームとしてはそれぞれの試合で課題に向き合って、『難しい時が来るかもしれないから今のうちにつぶせる課題はつぶしておこう』っていう姿勢で取り組んでいました。勝ち続けながらも危機感を持ちながらできていたことは、今振り返っても悪くなかったと思います。


続きは『Grun』2024年2月号をぜひご覧ください。

grun-24-02.pngGRUN INTERVIEW
Vへの道筋 −we're half way there−
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