月刊グラン8月号のご紹介[森下龍矢選手インタビュー]
着実なステップアップ
自分自身を評価したい
地道なトレーニングを積み重ね、スピードもパワーもアップした森下龍矢。身上としていた精力的な上下動だけでなく、得点力も身に付けたことで初めてA代表に選出。6月15日のキリンチャレンジカップ・エルサルバドル戦(豊田スタジアム)に先発してフル出場と、実りの多い前半戦となった。2位で折り返したリーグ後半戦。代表で得た経験を還元し、チームにタイトルをもたらしたい。
6月15日。豊田大橋を下って豊田スタジアムに向かうと、SAMURAI BLUEのユニフォームをまとった森下のポスターが出迎えてくれた。その前には記念写真を撮るサポーターの長い列ができている。選手とすれば、海外のスタジアムの方が代表に選ばれた実感があるのかもしれないが、ファミリーとしては地元でその雄姿を見られるのは、この上ない喜びだ。しかも森下は左サイドバックで先発してフル出場。6-0の勝利に貢献した。
―代表活動の翌朝から、グランパスの練習に合流しました。
妻が大阪まで迎えに来てくれたので、前日のうちに名古屋に戻りました。
―奥さんとは代表について話をしましたか。
めっちゃしましたよ。代表は本当に楽しかったです。練習だけじゃなくて生活も普通に楽しかったので、なんかいつまでもここにいられるなって思いました。
―代表活動は刺激も多かったと思います。何を一番感じましたか。
やっぱり守備のところですね。『球際』の基準が全く違うなっていうのをあらためて感じさせられました。実戦的な練習に入ってすぐ、その球際が、僕の思っていたよりも1メートル近いみたいな感じ。相手がボールタッチするそのタイミングで体を当てておかないといけないので、そこの基準が違うなって。初めてそれを知ることができた良い機会になりました。
―日本代表も海外組が多く、しかも各国のトップクラスのクラブでプレーしている選手が増えました。
そういう選手たちが集まる場所に来られたことはすごく誇らしいと思います。肩を並べたと言われることもありますけど、全然中身は違うというか、これからも見つけた課題に対して克服する努力をしていかないといけないなと、まざまざと感じさせられた合宿でもありました。
―まだ足りないという感覚が強かったのでしょうか。
(2019年の)ユニバーシアードを戦った同期とか、みんながA代表や海外移籍していく中で、置き去りにされた感じがありました。そんな中、Jリーグでもがきながら頑張ってきて、やっとここまで来ることができた、という達成感もあれば、(代表に)行ったら行ったで『まだ足りないんだ』っていう感覚にもなりました。複雑ですけど、そこはしっかり整理して帰ってきました。
―また新しいステップを踏みましたね。
僕は、キャリアは絶対に階段であるべきだと思っていて、やっぱりすっ飛ばすといいことがないのかなって思うんですよ。いきなり何も残していないのに海外移籍するとかは、僕の中では良くないと思っているので、しっかりJリーグで階段を上ってここまで来られたことは自分自身を評価したいし、まだその階段の途中であることは自分で認めないといけないところだと思っています。
―取材する立場から見ると、今の森下選手なら代表に選ばれて当然だと思っていました。自分の中で「近づいている」という意識はありましたか。
いや、本当になかったですね。森保(一)監督が公言していますけど、やっぱり海外移籍しないと日本代表のテーブルには乗りづらいところがあるので。しかも僕はJリーグで何かを成し遂げたかというと、何もしていない。だから今年優勝して、そういうテーブルに早く乗りたいという気持ちで取り組んでいました。それがなぜか半年早く来たので、まさしくびっくりしたという気持ちでした。
続きは『Grun』2023年8月号をぜひご覧ください。
GRUN INTERVIEW
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