月刊グラン1月号のご紹介[長谷川健太監督インタビュー]

前のページに戻る

サポーターに喜んでもらえる、選手が喜んでいる顔を見る、それが一番のやりがい

長谷川体制1年目の成績は11勝13分10敗、8位という結果に終わった。
失点数「35」はタイトルを制した横浜F・マリノスと同じくリーグ最少。
しかし得点数「30」は降格チームよりも少なくリーグで下から2番目である。
当然のように賛否両論が沸き上がる中、指揮官は「内容は確実に良くなっていった」と来季に向け自信をみなぎらせた。


―長谷川監督は、シーズン終了直後の名古屋グランパスパートナー感謝の会で、「個人的には楽しいシーズンだった」と発言していました。改めてその真意を教えていただけますか?

新しいことにチャレンジした年でした。結果としてなかなかうまくいかない中で、4バックから3バックにシステムを変えたことだけじゃなくて、システムが変わってもアグレッシブに行くという自分たちのやるべきことは変えずに、立ち位置などにこだわって最後まで3-5-2というシステムでやり通しました。そういう意味で自分にとっていろんなチャレンジをしましたし、非常に苦しい中でも楽しくというか、いろいろな発見がありつつシーズンを終えることができて、興味深いというか、自分の中では手応えを感じながら、1年間仕事をさせてもらえたと思っています。

―想定外の出来事も多々あって、対応しないといけないことが多かったようですね。

いるメンバーでどう戦うか、それは毎年考える事ですが、今シーズンは人選的にそろっていかないというか、けが人だったり途中でいなくなったりで、出入りの激しいシーズンでした。そういう限られたメンバーの中で、どうやって結果を求めながら積み上げていくのか。未来につながるような試合を1試合ずつしていかなければならない中で、どういうアプローチをすればいいのか、毎試合考えながらやっていましたが、そういう意味でも自分の中で非常に刺激的なシーズンでした。

―急転直下でグランパスの監督に就任し、長谷川監督がこれまで行ってきたサッカーとは違うスタイルの選手たちが多かった印象もあります。

急転直下とは言っても12月には決まっていたので時間はあったと思いますが、予算的な部分もあったりして、なかなか春の編成に関わることができませんでした。いる選手の中でどうしようかということで、まあ11人のメンバーはある程度そろいますが、そこからどう肉付けをするのか、キャンプで考えながらやっていこうとしていましたが、1週間もしないで中断してしまい、選手それぞれの隔離もあったし、全体練習もできずに名古屋に帰ってきました。1週間前のプレシーズンマッチを豊田スタジアムでやって、次の日に磐田に行って試合をしたんですが、まだ全員そろっていなくて、そのメンバーをミックスして、ほとんどぶっつけ本番で開幕戦を迎えました。その後、大きなけが人は出さずに1年間やれたので、『これでもやれちゃうんだな』って正直びっくりしていますが、選手たちは本当に頑張ってくれましたし、途中でシステムを変えても選手たちはしっかりとアジャストしてくれたので、本当に感謝したいなと思っています。

―シーズン序盤は、本当にキャンプは大事だなと思わせる試合が続きました。

もう本当に手探り状態で、試合をしながら『なるほどね』って、次の試合に向けてどんなメンバーで戦うのか、終盤戦に向けてどういう形で戦っていくのか、本当に探り探りの状態でずっと試合をしていましたので、キャンプは本当に大事です(笑)。

―最初は4─2─3─1で右SHに相馬勇紀、左SHにマテウス・カストロを配置しました。それを逆にしたり、4バックから3バックにしたり、監督はさまざまな手を打ちました。いつ頃このままではまずいなと感じたのですか?

(コンサドーレ)札幌戦を終えてからですかね。ミシャ(ミハイロ・ペトロヴィッチ札幌監督)と試合をしたら、だいたいどんな感じになるのか、何度も対戦しているので『こうならなきゃいけないだろうな』って分かります。もちろん勝っても負けても締まったゲームができるかというのが一つの試金石になるんですが、あの試合は全くぬるい試合になってしまって、なかなか自分の思い描いた戦いにならなかった。なので『これはもう根本的に変えていくしかない』ということでかじを切りました。(サンフレッチェ)広島とのルヴァン杯で3バックに切り替えて、その後に鹿島(アントラーズ)とのリーグ戦、そしてゴールデンウイークに突入していく流れだったと思います。


続きは『Grun』2023年1月号をぜひご覧ください。

grun-23-01.png

GRUN INTERVIEW
2年目への決意
長谷川健太監督

EXCITNG RUSH
2022明治安田生命J1リーグ/第33、34節

「東海テレビアナウンサー 国生千代の名古屋がイチバン!」中谷進之介

綴じ込みミニカレンダー
藤井陽也、仙頭啓矢

定期購読はこちら