月刊グラン11月号のご紹介[重廣卓也選手インタビュー]

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ビッグクラブからのオファー
あり得ないと思っていた

七夕に出されたクラブリリース、「アビスパ福岡より重廣卓也選手が完全移籍で加入」と聞いて、期待を高めた人はどれくらいいただろうか。アビスパでも出場機会が少なく、それ以前はJ2の京都サンガに所属。当の本人でさえ「本当にグランパスからオファーが来たのか」と驚いたほど。その選手がグランパス加入後すぐに結果を出し、チームにとって重要な存在となる。実はそうなるべき理由があった。


-グランパスからのオファーはかなりびっくりしたそうですね?

本当に衝撃的でした。アビスパで試合にも絡んでいない状況を考えて、『ビッグクラブからオファーが来るなんてあり得ない』って勝手に線引きしていたので余計にうれしかったですね。

-しかし、加入後すぐに結果を出しました。長谷川健太監督も「うれしい誤算」と言っていましたが?

実は、最初に健太さんから『ごめん。正直どんなプレーヤーか分からない』って言われたんですよ。僕からしても『もちろんそうだろうな』と思いますし、対戦相手として試合に出たこともなかったので知らなくて当然だなと。そこに対して悔しいという思いは多少ありましたけど、逆に僕自身、開き直ってか、『試合で活躍するぞ』というよりも、まずはチームに慣れること、しっかりコミュニケーションを取ること、練習は強度を高めてしっかり励もうと、自分に向き合うことにしました。その中で、ベンチ入りはできなかったですけど、帯同していた(コンサドーレ)札幌戦で健太さんと話をして、『次のルヴァンカップの(浦和)レッズ戦に出す予定でいるから、そこで重廣卓也はどんな選手なのかを俺に見せてほしい』というような話をしてもらって、そこで初めて試合に臨むスイッチを入れました。

-まずは自分のやるべきことをやって、身を任せる感じだったんですね。

そうですね。『僕のことを知らないから何をしたっていい』って正直思ったんですよ。だからある意味楽でしたね。(永木)亮太くんや(永井)謙佑くんは、ほとんどの人がどんな選手か知っているから、ある程度、期待されるじゃないですか。僕は知られていないから期待なんかされていないわけで、それが僕の中では楽だったというか、思い切ってできるなって思ったので、戦術を理解した上で、自分を思い切り表現しようと思えました。いろんな意味で開き直れて、素直になれた自分がいたので、それが良かったと思います。

-そして戦術にもバッチリと自分のスタイルがハマりましたね。

それは思いましたね。そもそもアビスパの時よりも立ち位置が1列前になったということもあって、自分自身やりやすいポジションになりましたし、守備の面ではアグレッシブに行くことは自分の特長でもあったので。

-ルヴァンカップのレッズ戦でフル出場し、アシストも決めていたことが信頼感にもなって、リーグ戦の初ゴールにつながったと思うのですが?

トップ下というか、シャドーのポジションをやらせてもらっている以上、得点とかアシストは意識しないといけないなと思っていました。ルヴァンカップでアシストができて、すごく前向きになれたと思います。でも実際、ゴールを決めた時は、素直にうれしかったんですけど、爆発はしなかったんです。正直に言うと。

-せっかくのJ1初ゴールなのに喜びが爆発しなかったのはなぜですか?

ゴールの一つ前のプレーで、僕は謙佑くんに『相手のGKとDFの間にクロスを入れて』って話をしていたんです。その次のプレーがあれだったので、謙佑くんに対して『すぐに実行してくれるやん』って驚きと、『さすがだな』っていう思いが先に立って、謙佑くんの方に真っ先に行って『すげえパス。すぐにやってくれましたね』って、自分の喜びよりも謙佑くんに対しての驚きが先に立って爆発しませんでした。

-ファミリーも、とても盛り上がりましたが覚えていますか?

正直、全然、分からなかったですね。すいません。その時は謙佑くんしか見ていなかったので。今思うと、話をした直後にああやって、そこに出してくれたことは、コミュニケーションが取れている証しだと思うので、『謙佑くん、ありがとう』という感じでした。


続きは『Grun』2022年11月号をぜひご覧ください。

grun-22-07.pngGRUN INTERVIEW
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重廣卓也

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