月刊グラン7月号のご紹介[藤井陽也選手インタビュー]

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幻の初ゴール
切り替えて次こそは

第12節・横浜F・マリノス戦の後半6分。グランパスは右からコーナーキックのチャンスを得ると、藤井陽也がマテウス・カストロのキックに飛び込んだ。頭で合わせたそのシュートはゴールネットを揺らし、藤井のプロ初ゴールかと思われたが、長いVARチェックの末に得点は取り消され、幻の初ゴールとなってしまった。

―残念ながら取り消されてしまいましたが、すごく良いヘディングシュートでしたね。

 マテウス選手がすごくいいボールを出してくれたおかげもありますね。自分でもすごく良い感触で当てることができたので、まあ『自分は持っていなかったんだな』っていう感じで、次こそはちゃんと決めて、ファミリーの前で喜びたいなって思います。

―前半にも中谷進之介選手が同じような形で点を取っていました。

 チームの約束事として、誰かがニアを狙おうというのは決めていました。キッカーの質と僕たちが中に入るタイミングが合ってきていたし、中谷選手のゴールもすごく良いゴールだったと思います。僕のも入っていれば良かったんですけど...。

―VARの判定を待っている時も、試合後も少ししょんぼりしているような表情でしたね。

 試合にも負けてしまったので、すごく悔しかったですけど、切り替えてやっていくしかないですし、チームとしての狙いもうまく出せるようになっているって感じます。あとはもっと練習をして、毎試合ゴールを決められるような選手になりたいと思っています。

―出場機会が格段に増えてきて、意識も変化しているのではないでしょうか?

 そうですね。今までは試合に出たら『思い切ってやる』ということを考えていましたけど、今こうして継続して試合に出ていることで、もっと自分がチームを勝たせたいという気持ちが大きくなってきましたし、もっと成長したいという気持ちがより強くなってきたなって感じています。

―今シーズンは監督交代したことで、気持ちも新たにスタートしたように感じました。

 監督が代わってすごくチャンスだと思いましたし、キム・ミンテ選手(鹿島)と木本恭生選手(FC東京)が退団したので、キャンプには『絶対にスタメンを取るんだ』という強い気持ちで臨みました。開幕戦は出られませんでしたけど、本当に今年こそはポジションをつかむんだという強い気持ちを持っていたので、今こうして出られていることは一つの成果だと思います。でもチームがなかなか勝てていないので、充実しているけど悔しい気持ちも持っています。

―プロになって3年間、全体練習後の個人練習も頑張ってやっている姿を見てきましたが、なかなか試合に起用してもらえなかったことについてはどう考えていますか?

 それはもちろん自分の力が足りないと感じていました。その中で何ができるか。日々の練習を100パーセントでやることだったり、筋トレとか基本的な体づくりだったり、1対1やパス、一つ一つのプレーの全てをレベルアップできるように心がけていました。その成果をもっと試合で発揮していきたいですし、この3年間は悔しいことばかりだったので、こうやって試合に出られていることは、本当に幸せだなと感謝しています。

―悔しかったというのは、同期が出場機会を得ていたこともありそうですね。

 もちろん同期の活躍はすごく刺激になっていましたが、それ以外にも1年目で試合に出た時に『ある程度やれるな』という自信も持てたので、そういう意味で2年目、3年目は試合に出られなくて悔しい思いがありました。

―なぜ出られないのか悩んでいた?

 まあ、2年目は丸山(祐市)選手も中谷選手もフル出場で、チームも勝っていたこともあって『仕方がないかな』というところもあったんですけど、去年はちょこちょこチャンスをもらっていたのに、その時にいまいち自分の力を発揮しきれないという感じで、もちろんそれは自分の責任ですし、『なんで試合に出られないのか』というよりも、練習するしかないって感じていました。

―その中で、今年のリーグ戦初出場は第3節のサガン戦。前半すぐに緊急出場となりましたが、準備ができていないと監督に怒られたようですね。

 怒られた、まではいってないです(笑)。監督は常に集中力を持ってと言ってくださっていて、あのシーンは、今までああいう形(負傷によるアクシデント)で交代出場することがなかったので、正直油断していました。常に集中しておくことが大事だなと気づかされましたし、これからベンチに入っているときは、万全な準備をしておきます。

―今季初のリーグ戦、どんな思いで臨みましたか?

 もう本当にやるしかないという気持ちでしたね。正直、けが人やコロナの選手が出たことで自分に出番が回ってきましたけど、1失点に絡んでしまいましたが、全体を通してみれば、自分がやれる事はやれたと思います。


続きは『Grun』2022年7月号をぜひご覧ください。

grun-22-07.pngGRUN INTERVIEW
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