月刊グラン4月号のご紹介[酒井宣福選手インタビュー]

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結果を出せなければ終わり
その覚悟で毎試合戦う

元日本代表の酒井高徳との兄弟対決としても注目された開幕戦で先発を果たした酒井宣福は、貴重な先制点につながるクロスを供給。また相手を退場に追い込むスルーパスへの走り込みも見事で、2-0の勝利に大きく貢献した。今季、サガン鳥栖から加入しFWの軸として期待される背番号「9」は、どんな思いを持ってグランパスを新天地に選んだのだろうか。

―グランパスからのオファーを受けた時の感想は?

僕は基本的に、いつもチャレンジしたいと思っているので、自分がチャレンジできる選択肢が増えて、素直にうれしいなと思って移籍をすることにしました。

―大宮アルディージャからサガンへ移籍した際は、もしダメだったら引退する覚悟だったとうかがっていますが。

その通りです。今回ももちろん結果を出せなかったら終わりだろうという覚悟でグランパスに来ました。『次があるからいいや』という感覚は僕にはなくて、毎試合そういう気持ちでやっています。

―プロ12年目で初めてJ1のタイトルを現実的に狙えるチームへの移籍となりました。

グランパスは勝つことを当たり前にしなければいけないチームだと思っています。それを実現するために自分も成長したいですし、タイトルを獲るために日々努力をしています。それを目指して全力で戦っていきたいですね。

―昨季はホームでもアウェーでもグランパスから得点を奪いましたが、チームの印象は?

グランパスはやっぱり守備が強固で簡単にゴールを割らせてくれないチームだと思っていました。選手個々のスキルが高いので、わずかな隙を見つけてどうやって勝つのか、そういったところを考えてグランパスとは戦っていましたね。

―酒井選手のシュートも見事でしたが、サガンの戦術がうまくハマった印象です。

サガンは基本的に、常に自分たちの目指すサッカーをやっていこうというスタイルでしたが、その中でもしっかりと相手を分析して、その通りのプレーをしたという感じです。何事も準備をするということが一番大事ですから。

―合流初日から「フィジ(カル)王が来た」と中谷進之介選手にいじられていましたね。

みんなと仲良くさせてもらっていますよ。いろいろコミュニケーションも取っていますし、特に(齋藤)学くんとかマルくん(丸山祐市)とかに優しくしてもらっています。

―フィジカルを鍛え始めたのはいつ頃からですか?

本格的にウエートトレーニングをするようになったのは、昨年の中盤あたりからかな。それまでチームから与えられた筋力トレのメニューはノルマとしてやっていましたけど、自分から率先してはやっていなかったですね。

―筋トレをするようになった理由は?

自分としては、常にできることに対して100パーセントで臨みたいという気持ちがあって、自分にできることは何かと考えた時に、武器は間違いなくフィジカルの強さだと思って、それを前面に出していくのが、一番うまくプレーできるんじゃないかと考えたんです。それならそこだけは他の人たちに負けないようにしようと、シンプルに体を鍛え始めました。

―その効果は実感できていますか?

はい。間違いなく効果が出てきたと思います。サガンで最前線をやることが多くなって、相手を抑え込むことやコンタクトでは負けなくなりましたし、体も動くようになってきました。

様々なポジションを経験
グランパスではFWで勝負

筋トレで自分の強みを前面に出し、自身過去最多の8ゴールを挙げたのは昨年のこと。酒井は2011年にフォワード(FW)としてアルビレックス新潟に入団したが、2年目のシーズンからサイドハーフ(SH)やサイドバック(SB)で起用されるようになり、再び本格的にFWに戻ったのは昨年のことだった。

―酒井選手はSHやSBなどでもプレーできますが、グランパスではFWで勝負したいと宣言しています。そのこだわりは?

FWへのこだわりもありますけど、単純にゴールを取った時の喜びが好きだからグランパスではFWで勝負したいと言いました。SHもSBも時にはボランチもやりましたけど、今は多くの経験をさせてもらったなと、それはそれでありがたかったなと思っています。

―その経験がFWとして生かされているのですね。

そうですね。ボールがない時の状況をしっかり把握できるようになったと思います。SBをやっていた時の景色や、SHから見た景色が分かるので、どこが空いているからそこに動こうという発想ができるようになりました。ピッチを俯瞰して見えるようになったというか、大きくくくれば『気を使えるようになった』。その言葉が自分としては一番しっくりきますね。

―それまでJ1リーグで1ゴールだったのが、昨年8ゴールを挙げることができた理由はそこにあったのですね。

それもありますし、昨年はゲームをつくるという部分で僕が苦労することがほとんどなかったんです。ビルドアップは自分がかかわらなくてもボールを運んでくれるタレントがいたので、自分としては本当に得点を取ることだけにフォーカスできて、そこに対してアクションを起こすことができたから得点が取れたと思います。その点ではグランパスもパスを出せる選手が多いですし、自分で問題を解決できる選手がそろっているので、僕はゴール前で仕事がしたいなって思っています。


続きは『Grun』2022年4月号をぜひご覧ください。

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