月刊グラン2月号のご紹介[吉田豊選手インタビュー]
ルヴァン杯タイトル獲得で
王者としての雰囲気が出た
吉田豊は2008年ヴァンフォーレ甲府でJリーガーとしてのキャリアをスタート。その後、清水エスパルス、サガン鳥栖を経て2019年にグランパスの一員となった。そして2021年シーズン、吉田はようやく一つの勲章を手に入れる。それはもちろん歓喜に震えたルヴァンカップのタイトル。プロになり14年目で初めてトロフィーを掲げることができた。
―2021年シーズンは吉田豊選手にとってどんなシーズンになりましたか?
本当に充実したシーズンでしたし、自分としても大きな1年になりました。やっぱり、タイトルを獲れたことが本当に大きかったですね。プロ14年目にして初タイトルでしたけど、『タイトルを獲るってこんなにいいものなんだ』って素直に感じました。
―優勝が決まった瞬間の思いは?
もう『やったぞ!』っていう感覚だけですよ。タイのACL(AFCチャンピオンズリーグ)では1カ月以上、韓国からは3週間くらい隔離生活があって、食事の面とか本当にきつかったし、本当に大変な思いや辛抱をして、いろんなものを犠牲にした中で、ルヴァンカップのタイトルが獲れて、『今まで我慢してきて良かったな』とか、『辛抱強くやってきて良かったな』と強く思いました。やっぱり生半可な気持ちじゃあ、このタイトルは獲れなかったと思うので、選手もそうですけどスタッフやファミリーの皆さん全てが、本当に一丸となって獲ったタイトルだと思いました。
―すごくいい笑顔が写真に収められていました。
メールとか電話とか、いろんな方からお祝いのメッセージを送ってもらったんですけど、その中でも『いい表情してたね』とよく言われました。本当にありのままというか、自然に出た笑顔だったと思います。僕だけじゃなくて、周りの選手やスタンドのファミリーの皆さんも笑顔になっていて、やっぱり最高の瞬間だなって、写真を見ても改めて『タイトルっていいものだな』って思いますね。
―ルヴァンカップ決勝は、ACLで敗退し、天皇杯も負けた直後で、唯一残ったタイトルでした。
直前まで『四冠を獲れる可能性があるのはグランパスだけ』と言われていた中で、タイトルを一つも獲れなくて終わるのと、一つでもタイトルを獲るのとでは、次のシーズンに向かう気持ちが全然違うので、いい形で臨めるという面で良かったと思います。
―タイトルを獲得してからチーム内に変化はありましたか?
そうですね、やっぱりタイトルを獲った後のゲームを見ると、みんなに充実感というか、今までも自信を持ってやれていましたけど、『王者としての雰囲気が出ているな』と感じますし、練習の雰囲気にしても一つのダッシュにしても、やっぱり競争のレベルが高くなった気がします。
自分が出場した時は
100パーセントに力を出す
吉田豊の2021年の成績は、リーグ戦全38試合に出場し1ゴール3アシスト。ACLやカップ戦、天皇杯を含めると55試合すべてに先発出場とフルにシーズンを戦った。ただ途中交代した試合にしても、終了間際のほんの数分間ピッチから外れただけ。抜群のスタミナと安定感でチームの勝利に貢献し続けた。
―左サイドバックのチーム内競争は吉田豊選手の独壇場でしたね。
そんなことはないですよ。たまたま(フィッカデンティ前)監督が相手チームの分析や、選手同士の相性を考えて選んでくれただけだと思います。まあ少しは信頼してくれていた部分もあると思いますが、出られない選手もいるので、自分が出た時には『絶対に100パーセントの力を出す』という気持ちを込めて戦っていました。
―スタートダッシュも決まって、9試合連続無失点という記録もつくりましたが守備が安定していた要因は?
やっぱり、2020年からの積み重ねが大きかったと思います。しっかり守る時はブロックをつくって守って、相手が網にかかった瞬間に縦に速いサッカーというか、2本とか3本とか、少ない本数のパスで相手ゴールに迫るという、ゴールに直結する縦に速いサッカーができていました。シーズンの始めからそれが明確で、誰が試合に出ても同じようなサッカーができていましたし、元をただせばキャンプからそういうチームづくりができていたことが一番大きかったと思います。
―データ的にもゴール前に迫るスピードが平均1秒くらい速くなっています。
そうですか。ボールを奪ったら、まずは前線の選手が裏に抜けるということを考えていましたし、選手のクオリティーも高いので、そういう意識が数字の部分にも出たのかな。
続きは『Grun』2022年2月号をぜひご覧ください。
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