月刊グラン12月号のご紹介[マテウス選手インタビュー]
チームのサッカースタイルは
全員攻撃、全員守備
2021年の開幕戦。敵地の福岡に乗り込んだグランパスは、開始4分に先制点を得る。主役はマテウス。ペナルティーエリアの左角でパスを受けると、2人のDFを鮮やかにかわし最後はGKの股を抜くシュートを決めた。その後マテウスは、55分にこぼれ球を流し込み追加点。20年シーズン、チームトップスコアラーとなったマテウスは「今シーズンもやってくれる」という期待を抱かせるとともに、チームに勢いをもたらした。
―マテウス選手にとって、21年シーズンはどんなシーズンでしたか?
個人的には本当に厳しいシーズンだったと感じています。隔離期間があって自由な時間を失い、家族と離れた環境でサッカーをしなければなりませんでした。僕たちだけではなく、すべてのファミリーが『スタジアムに行きたい、大声で応援したい』という気持ちを制限され、なかなかスタジアムに足を運べなかったこともあって、ファンやサポーターにとっても大変な1年だったと思います。最近は新型コロナウイルス感染症の状況も少し落ち着いてきたので、これが続いていくことを願っていますし、この厳しいシーズンの中で最後の最後にタイトルを獲ってサポーターと喜びを味わうことができて、気持ちが少し収まったかなと感じています。終盤までいろんなタイトルを獲得できる可能性があったので、それが一つだけだったというのはすごく残念でしたけど、でも優勝の喜びをみんなと一緒に味わうことができてうれしかったです。
―開幕戦からすごいゴールを決めて、マテウス選手は今シーズンは50ゴールくらい獲るのではと思ってしまいました(笑)。
ありがとうございます(笑)。開幕前、楽しみな気持ちがどんどん大きくなって、すごくモチベーション高く開幕戦に臨むことができたのを覚えています。試合が始まってすぐに良いゴールを決められてすごくうれしかったし、その後にももう1点決めることができて、大事な開幕戦の勝利に貢献できたことがとても満足でした。自分も今年もっとゴールを決められるんじゃないかなと思っていました。結局、今の数字になってしまいましたが、そんなに悪い数字じゃないと思っています。
―確かに。勝負に直結したゴールも印象的なゴールもありますし、今シーズンはより守備面で貢献していた印象です。連続無失点の記録もつくりました。
我々のサッカースタイルは、全員で闘うことです。全員で守って全員で攻撃する。チームとして守備からスタートしているので、フォワードの選手でも自分のようなサイドアタッカーの選手でも、しっかりと守備をするというところは年々意識が高くなっています。いつも言っているんですが、攻撃の選手としてはもちろんゴールを決めたいし、記録を伸ばしたい。自分のキャリアのためにも数字を残したいという気持ちはありますけど、結果が残せない時もありますし、そういう試合ではしっかりと闘って、スライディングしたり張り切ったプレーをしたりと守備でも頑張ることが大事です。チームが勝利することが第一ですし、そういう意味では、チームとして無失点記録を出せたことは、すごくいいことだったと思っています。
―1点を取るのも1点を防ぐのも同じ1点ですもんね。
本当にその通り。1-0で勝っても5-0で勝っても、みんなの貢献があっての結果です。得点を決めた選手にフォーカスが当たりがちですけど、0点で抑えた人の貢献があったから勝てたとみんなが思っていて、だからいつも全員なんです。
川崎F戦2連敗の原因は
相手のリズムで試合をしたこと
グランパスの前半戦のハイライトは、何を差し置いても川崎フロンターレとの首位攻防2連戦だった。無敗のフロンターレ対1敗のグランパス。「究極の矛盾対決」とあおる声もあった。しかし、結果はグランパスの2連敗。アウェー戦でマテウスはF難度の直接フリーキックを決めたが、勝点を持ち帰ることができず、実質リーグタイトル争いはこの時点で脱落した。
―前半戦のターニングポイントはフロンターレとの2連戦だったと思います。フロンターレとの差を感じたところはありましたか?
両チームともにすごく良いスタートを切って、2連戦でぶつかりました。何をしたら良かったのか、何がいけなかったのか、今でもなかなか思い浮かびませんが、監督不在の中でチームは頑張ったし、残念なのはフロンターレに先制点を取られて、相手のリズムで試合をしてしまったことですね。途中でリズムを取り返すことが難しかった。2試合目も先制点を取られてしまったけど、1試合目と違ったのは、その後に得点を取って同点にできるチャンスまで持っていけたこと。時間がなくて同点や逆転までいけなかったけど、自分の中で唯一良かったと思うのは、あのゴールを決められたことだと思います。
続きは『Grun』2022年1月号をぜひご覧ください。
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