月刊グラン6月号のご紹介[稲垣祥選手インタビュー]

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「月間MVP」3月を締めくくった
突然の代表招集、2得点デビュー

第3節・柏レイソル戦の決勝ゴールを皮切りに、続くヴィッセル神戸戦、そして鹿島アントラーズ戦で見事なミドルシュートを決め、難しい試合を"ウノゼロ"の勝利に導いた稲垣は、J1リーグの月間MVP(2・3月度)を獲得。その上、W杯2次予選モンゴル戦でも日本代表デビュー戦でいきなり2ゴールと活躍。一気にメディアの注目を集める存在になった。

―あらためて、2、3月の活躍はどう捉えていますか?

 流れのいい月でしたね。肝心なところでゴールが決められたことは評価できると思いますし、それがチームの勝利につながったことは良かったと思います。

―柏戦のゴール前に詰め切った得点も好きですが、とにかくミドルシュートがすごかったですね。

 シュートコースが空いた時に、力みなく余裕を持ってシュートを打てていることが、ゴールにつながった要因だと思います。

―ミドルシュートを"大好物"にするまで、だいぶ練習を重ねてきたと思いますが。

 もちろん練習はしましたよ。高校時代も大学もプロに入ってからもずっと練習しています。でも、ちょっと前まで『試合で全然入らないな、試合だとふかしてしまうな』とか感じていて、それでもずっと練習をしてきました。ここ数年です、ちょっとコツをつかんでいいボールを蹴れる確率が上がってきました。

―どのくらい前ですか?

 ここ3年くらいですかね。その前から得意だと言っていましたが、確率でいうとそんなに高くなく、ここ3年で何となくいい軌道のボールが蹴れているなという感覚を得ていました。そういう意味では今年は本当にたまたま入ってくれているなと。

―たまたまですか?

 そうですよ。昨年もその前の年も、入っていてもおかしくないなと、自分の中では思っていたので。

―そのゴールも含めて評価され、初めて日本代表にも選ばれました。

 本当にびっくりしましたね。代表はないと思っていたので、連戦が終わってようやく休めるなと思っていたら、鹿島戦の帰りのバスの中で連絡が来て、『おめでとう!』って、みんなが祝ってくれました。

―そのまま代表に合流ですか?

 そうですね。服も鹿島の一泊分しか持って行っていなかったので、部屋着は代表の服を着て、パンツとかは代表のスタッフに買ってきてもらいました。外出できずに1週間以上ホテルの中にいたので、時間を潰す道具とかもなかったのが大変でしたけど、妻をはじめ、周りの人たちが喜んでくれたしうれしかったですね。でも1回くらいは家に帰らせてほしかった(笑)。

―代表初出場のモンゴル戦では2ゴールを挙げました。

 点差の開いた状況だったし、いつもは考えないですけど『ちょっと爪痕を残してやろう』と意識はしていました。いつも以上に前線に絡んでいって、その結果がゴールにつながって良かったと思います。

―稲垣選手は中学時代、ユースに昇格できず悔しい思いをした経験があると昨年のインタビュー(8月号)で聞きました。同じような境遇の子どもたちにも夢を与えましたね。

 そうですね。僕がこういう道を歩んでいるからこそ説得力もあるだろうし、自分だから発信できる言葉もあると思います。今、悔しがっていたり、壁に当たっていたりする子どもたちに対して、希望や何かを与えられる存在になれれば、これ以上うれしいことはないですね。

―やはり、その悔しさから相当努力をしてきたと思いますが。


続きは『Grun』2021年6月号をぜひご覧ください。

grun-21-06.png名古屋の心臓
稲垣祥

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