月刊グラン3月号のご紹介[青木 亮太選手インタビュー]

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ボールタッチで勝負したい
復活し、正確性を求める日々

キャンプ前のミニゲーム。右SHのポジションに入った青木亮太はキレのある動きを見せていた。このオフにしっかり鍛えていたのだろうか。明らかに他のメンバーよりも仕上りがいい。ボールを受けるとワンタッチでDFをかわしシュートを放った。

 まだまだ万全じゃない感じはしますけど、走ることもできているし、フィジカルもしっかりやっているので、少しずつですけど動けるようになってきていると思います。

 今、自分が一番納得できていないのは、ボールタッチの部分ですね。ボールを扱うという部分は感覚を取り戻さないといけないし、90分間戦えるような強さや体力も身に付けないといけない。やっぱり自分としてはボールタッチで勝負していきたいと思っています。ゴール前はそういうタッチの感覚がすごく重要になりますし、ちょっとのトラップのズレでシュートに行けるか行けないか大きな違いが出るので、タッチがうまくいけばもっと速くなりますし、正確性をもっと求めてトレーニングをしていきたいと思っています。

走るメニューが多く、昨年の秋に練習復帰した時よりもキツイと苦笑いする青木。昨年1月、選手全員が顔見せする2019新体制発表会では姿がなかった。その直前に左膝半月板損傷、全治6カ月の大けがと発表されたからだった。

 けがは、接触したわけではなくて、普通にトレーニングをしていて足を踏み外したというか、ちょっと大股に足を出した時に、力が加わっている方向と逆方向に体が入ってしまいました。オフもなるべく体を動かしておかないと、と思っていたので無理したわけじゃないですけど、結果的に無理な動きになってしまったのかな。自分でもセーブしようと思えばできる部分だったので、気を付けてやらないといけないなと改めて思いました。

2014年に流通経済大柏高からグランパスに加入した青木。独特なボールタッチから「宇宙人」と呼ばれ、当時の西野朗監督(現・タイ代表監督)からも高い評価を受けていた。しかし、これから本格化しようという2年目の15年3月、練習試合で相手選手と接触し、左前十字靭帯断裂、左膝外側半月板断裂、左膝蓋骨脱臼の大けがを負ってしまう。長く苦しいリハビリに耐え、ようやく試合に復帰できたのは、およそ1年半後の16年の10月29日。チームはクラブ史上初のJ2降格を喫する直前だった。それ以降は膝にしっかりテーピングを巻き、けがには十分に気を付けていたはずだったのだが......。

 またけがをしてしまって『仕方ない』と思いたい部分はありました。これからも膝を気にしながらプレーをしていくことになると思います。でも選手なのである程度行く時は行きますし、ただそこまで無理をしなくてもいい時は無理をしない。自分の動ける状態を把握しながら、その範囲内でプレーしていって、その幅がどんどん広がっていけばいいなと思います。
同じように渡邉(柊斗)選手も長い間リハビリをしていましたけど、『焦らずやろうね』という感じで、黙々とトレーニングをしていました。

今回、練習に復帰できたのは昨年の9月中旬。診断の6カ月よりも少し時間がかかってしまった。その間、序盤好調だったチームは突如勝てなくなり、クラブは監督交代という伝家の宝刀を抜こうとしている時だった。

 チームはやっぱり良い時も悪い時もあるし、その良くない時期が来てしまった時にどれくらいの早さで元に戻せるかが大事だと思います。自分も早くピッチに戻って力になりたいと思っていましたけど、なかなかうまくいかなくて、でもその時にやれることだけはしっかりやっていこうと思いながらリハビリをしていました。

 ちょっと長くなってしまったけど、やっと戻れた時にちょうど監督が代わりました。新しい監督の戦術をなるべく早く理解しようと思って練習をしていましたが、ちょっと膝の部分の怖さが正直ありましたね。
今年は久しぶりに最初からやれていますし、シーズンも始まったばかりなので、けがには気を付けてやりたいと思います。


新しいシーズンが始まった。
移籍による新加入選手3人と3人の新人選手、そして期限付き移籍から復帰した選手が新生グランパスの新たな力となる。
しかし、その新戦力に加えたい選手がいる。
青木亮太、23歳。卓越した技術を兼ね備える生え抜き7年目だ。
新戦力とするのはおかしいかもしれないが、昨シーズンはケガで出場機会はゼロ。
戦力とはならず、1年間雌伏の時を過ごした。
復活を期す「宇宙人」に、今シーズンにかける思いを聞いた、、、。『Grun』2020年3月
号をぜひご覧ください。

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7年目の「新戦力」
青木亮太

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