明治安田生命J2リーグ 第15節 愛媛戦前々日 監督会見

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本日5月19日(金)、トヨタスポーツセンターでの非公開トレーニング終了後、風間八宏監督の記者会見を行いました。


風間八宏監督

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─監督ご自身の連戦疲れはありませんか?

疲れはないです。選手も良い状態で、疲れはありません。

─町田戦の勝利で、チームの雰囲気も変わったのではないでしょうか?

自分たちがボールを持つイメージ、ゴール前へと入るところなど少しずつだけど進んでいます。悪い試合の中でも、できていることはやるべきことなので、続けなければならないです。
もう1つはまだできていないこと、それも沢山ありますが、ずっと取り組んでいる、それを試合でやれれば自信になり自分のものになる、その繰り返しです。その意味で、良い選手も出てきている、選手達にとっても段々と面白くなってるのではないでしょうか。

─佐藤選手の状態は、コンディションの問題なのでしょうか?

もちろんコンディションもありますが、トレーニングの中で誰が1番良いものを見せているかという順番もあります。

─町田戦で何人かの選手が痛んだようにも見えましたが?

少し休ませたので試合は大丈夫だと思いますが、明日にならないと分かりません。

─ワシントン選手がイエローカード累積で出場停止となりますが、町田戦では良い働きをしましたね?

ワシントンは良かったね。練習がそのまま試合に出ている、練習から変わろうとしている選手は変わってくる。今のままでは全員足りていませんが、チームを立ち上げてから変わろうとしている選手はどんどん良くなっています。

─試合が続くことで、集中力が保てるなど良い部分もあるのではないでしょうか?

はっきりしています。やるべきことは何なのか、やるべきことを続け、できていないことにもトライし続ける。それはこれからも続くことなので、試合があれば試合を使いながら伸びていかなければならない、トレーニングの時間も大切。それを併用していかなければいけません。

─町田戦でリーグ戦3分の1を終えました。ここまでの印象をお聞かせください。

いろいろなことを含め考えなければいけません。成功も失敗も全て成功だと思っています。その意味でトライし続けることが大切です。その人数が少しずつ増えてきていますし、順調だと思っています。
もちろん、順調といってもプランを立てているわけではなく、選手も生き物であり彼らがどのくらいやれるか、そこからどう変化するか、チームを立ち上げた時と今は全然違います。前の段階の飲み込みと、これからやっていかなければいけないものは全く違い、常にハードルが高くなってきます。自分たちがやればやるほど次のハードルが出てくるので、そういう意味でここまで3分の1、順調だと思います。

─今週からトップとセカンドにチームを分けたトレーニングも開始しました。その意図をお聞かせください。

1つは効率をあげることです。見れていない選手をいなくするよう、そして足りない物が(選手によって)違うので、付けるものも変わってきます。分けて行うのはすごく時間の短縮になる、コーチは大変だけど、手間をかけなくてはいけない。レベルとかそういった問題ではなく、選手個人を見なければいけない。グランパスは人数も多く、けが人も今は少ないため、効率よくトレーニングを行うため、この方が空気もピリっとするし良いと思います。全ては効率を上げるためです。もちろん、その中から良くなった選手は上のグループに加わるし、コーチ陣としっかりと見ています。

─こういったトレーニング方式はしばらく続けられるのでしょうか?

期間を設けるつもりはありません。Jリーグは3つのカテゴリーの選手たちが1つのチームにいます。トッププロの選手、強化の選手、育成の選手。海外ではそれぞれの場がありますが、Jリーグでは1つのチームの中で取り組まなければいけなく、何に重きをおくかとなれば、選手が育つこと。それを考えると、この方法が最も良いと考えています。

─町田戦では久しぶりに先制ゴールを奪い、自分たちのペースで戦いました。先制ゴールを取れる、取れないの差はどこにあるとお考えでしょうか?

まだできないことが多く、相手の最終ラインに仕掛けるということにずっと取り組んでいます。それを選手ができるかできないか、この前は考起(杉森選手)やロビン(シモビッチ)が仕掛けていました。
最終ラインに仕掛けなければ何も意味がないので、それをずっと取り組んでいますが、できる選手とできない選手の違いだと思います。実際に考起が仕掛け、その前のビルドアップの部分でも彼らの中では狭さを感じず突破していった。これが結びついていかなければならず、違いというよりは、質をこれからもっと上げなければいけません。

─杉森選手へは町田戦の前のトレーニングで、全体メニュー後に監督も残り直接指導されていました。その成果が出たのでしょうか?

もちろん出たと思います。これまでにも、自分では分かっていなくても色々な積み重ねがあります。そのうえで、自分で自由を選べるようになると、もっと面白くなると思います。
他にも若い選手が沢山いて、その選手たちも自分で自由を選べるようになれば、彼らのスピードも上がります。今まで、ただ走るとスピードがある印象はあっても、試合ではそのスピードを見たことがなかった。今は判断が早くなり、プレーを選ぶこともできるようになっている。他の選手にももっと、若い選手、ベテラン選手関係なく出てきて欲しいです。

─質で相手を置き去りにするようなシーンも増えてきたのではないでしょうか?

慌ててはいないが、今までよりは見えるようになってきました。質とは限りのないもの、これで出来上がったというものではなく、この前の試合も3-0、4-0で終わることもできる試合でした。フィニッシュワークの部分も含め、質はまだまだ上げていかなければいけません。

─それを試合序盤で出せれば戦いやすくなるのではないでしょうか?

町田戦のようでは足りない、お客さんには最高な展開だったかもしれませんが、チームには。チャンスを多く作らなければ点は入りませんし、チャンスをどんどん増やすためには、1人ずつの個人戦術の芽が繋がればいろいろな物ができてくる。それを楽しみにお客さんが観にきてくれるようトレーニングをしています。

─町田戦は引き分けに終わりそうな試合を勝ちへと繋げた評価もあり、その状況まで持ち込まれた課題もあったかと思いますが?

チャンスはありました。外すことは怒りませんが、チャンスを作れなかったら、そのトレーニングをしなければいけません。もちろんチャンスを決めるトレーニングもしなければいけないが、それは入る日も入らない日もあります。実際は楽に勝って欲しいし、町田戦の展開が意図的なら、それはすごいこと。それでも、あのような試合が一体感であり、グラウンドであの空気を作れるのはサポーターと一緒にいるから。あの空気はそう簡単に作れるものではなく、あの場にいてくれたサポーターにはすごく良かったと思うし、逆にチームにはエネルギーになった。大きなスタジアムのエネルギーを感じたし、あのような場面がもっと沢山生まれればと。もちろん、毎回あの展開では死んでしまうが(笑)、全員が一緒になる瞬間は本当に素晴らしいことで、そのことについては良いゲームでした。