名古屋グランパス クラブの事業活動におけるGHG(温室効果ガス)排出量算定結果について

前のページに戻る

名古屋グランパスでは、トヨタ自動車株式会社と共に取り組む「グランパス カーボンニュートラルアクション with TOYOTA」の一環として、株式会社Zeveroの協力のもと、2025年度(2025年2月~2026年1月)における温室効果ガス(以下、GHG)排出量を算定し現状を可視化しましたので、その結果をご報告いたします。

名古屋グランパスでは、これまでホームゲーム開催時のCO2排出量を算定してきましたが、今回は算定範囲をクラブ全社の事業活動に拡大し、またCO2排出量のみでなく名古屋グランパスの事業活動全体からのGHG排出量を初めて可視化しました。これは今後のGHG削減施策を検討するための基盤を整備することを目的として実施したもので、今回の結果を踏まえ、クラブとして中長期的な削減の方向性を定めました。

  1. 算定対象範囲をクラブ全社に拡大
    これまでの算定は主にホームゲーム開催時の活動を対象としていましたが、2025年度の算定では、GHGプロトコル「コーポレート・スタンダード」(企業や組織が温室効果ガスの排出量を算定・報告するための国際的な基準)の報告フレームワークに基づき、スコープ1(自社の直接排出)、スコープ2(購入した電気等に伴う間接排出)、スコープ3(サプライチェーン全体を通じた間接排出)の3区分について、名古屋グランパスの事業活動全体を対象範囲としました。
    今回の算定を、今後の削減施策を検討するための基盤づくりの第一歩として位置づけ、継続的な情報開示とデータ精度の向上に取り組んでまいります。
  2. 2025シーズン(2025年2月~2026年1月)のGHG総排出量
    合計排出量(マーケット基準):4,585.44 tCO2e
    2025年度(2025年2月~2026年1月)の名古屋グランパス全社における総排出量は、マーケット基準で4,585.44 tCO2e、ロケーション基準で4,591.09 tCO2eとなりました。
    なお、スコープ2は、「ロケーション基準」(電力グリッドの平均排出係数に基づく算定)と「マーケット基準」(購入する電力の排出係数に基づく算定。再エネ導入等の効果を反映)の両方で算定しています。

    注)tCO2e:すべての温室効果ガスの排出量を、地球温暖化への影響度を基準にCO2の重さに換算した単位

    26_1006_GHG_image1.png

    スコープロケーション基準マーケット基準総排出量に対する割合
    (マーケット基準)
    スコープ1(直接排出)115.21 tCO2e115.21 tCO2e2.51%
    スコープ2(間接排出)199.09 tCO2e193.44 tCO2e4.22%
    スコープ3
    (その他の間接排出)
    4,276.79 tCO2e4,276.79tCO2e 93.27%
    合計4,591.09 tCO2e4,585.44 tCO2e100%
    (参考)ファン・サポーター
    の移動・宿泊
    7,816.84 tCO2e7,816.84 tCO2e(任意算定)
    • スコープ1(直接排出):115.21 tCO2e(2.51%)- 社用車の燃料使用、事業所での燃料燃焼など
    • スコープ2(間接排出):193.44 tCO2e(4.22%)- 購入した電気の使用に伴う排出(マーケット基準)
    • スコープ3(その他の間接排出):4,276.79 tCO2e(93.27%)- 購入した製品・サービス、出張、廃棄物処理など、バリューチェーン全体を通じた排出

    算定結果からわかること
    総排出量の93.27%をスコープ3が占めており、その中でも「購入した製品・サービス」が総排出量の82.86%と突出しています。中でも物販関連費と販売費及び一般管理費(その他)の2カテゴリーで全体の55.7%に相当し、グッズ販売や日常の事業運営に関わる調達が排出量の大部分を占めていることがわかります。
    一方、事業から出る廃棄物に伴う排出は総排出量の1.86%にとどまります。
    スコープ2はロケーション基準(199.09 tCO2e)とマーケット基準(193.44 tCO2e)でほぼ差がなく、これは再エネ由来の電力調達がまだ十分に進んでいないことを示しています。今後、グリーン電力契約や再エネ設備の導入を進めることで、マーケット基準での排出量をさらに抑制できる余地があると考えています。
    なお、豊田スタジアムに関連する排出量(施設運営に伴うスコープ1〜3)は以下の通りです。
    豊田スタジアムロケーション基準マーケット基準
    総排出量(スコープ1〜3)370.65 tCO2e365.01 tCO2e
  3. ファン・サポーターの皆さまの来場に伴う排出量
    名古屋グランパスは、GHGプロトコル上「任意算定」とされるファン・サポーターの皆さまの来場(移動・宿泊)に伴う排出量についても算定しました。2025年度のホームゲーム開催に伴うファン・サポーターの移動・宿泊による推計排出量は、7,816.84 tCO2eとなりました。
    これは、クラブ全体の排出量(クラブの事業排出量スコープ1〜3(マーケット基準)+ファン・サポーターの移動・宿泊の合計12,402.28 tCO2e)のうち約63%に相当する規模です。GHGプロトコル上は任意算定の項目ですが、気候アクションを推進する上ではこちらの削減も推進していかなければならないと考えております。

    算定の前提
    • 2023年度観戦者アンケートの結果を参考に、来場手段の割合を自家用車61%、公共交通機関39%(回答が不明確だった一部を公共交通機関として区分)として算定
    • アウェイチームのサポーターは、対戦相手チームのホームタウンである都市から豊田スタジアムまで、公共交通機関(鉄道、または鉄道と航空機の組み合わせ)を利用したものと仮定
    • ホームゲームのサポーターは、名古屋駅から豊田市駅までの区間を自家用車または鉄道で移動したものと仮定
    • 移動はすべて往復として算定し、アウェイサポーターは1泊の宿泊を伴うものと仮定
    • 排出係数は環境省の公表値を使用

    アウェイ・ホーム別の内訳は以下の通りです。
    観客の種類アウェイホーム
    2025年度の観客総数26,829人586,174人
    移動の排出量(往復)647.90 tCO2e6,323.83 tCO2e
    宿泊の排出量845.11 tCO2e0 tCO2e
    小 計1,493.01 tCO2e6,323.83 tCO2e
    観戦者お一人あたりの平均排出量は12.75 kgCO2eです。同じ距離を移動する場合でも、交通手段によってCO2排出量には大きな差があります。

    26_1006_GHG_image2.png

    ※2023年度観戦者アンケートに基づく推計(回答が不明確だった一部は公共交通機関として区分)
    ファン・サポーターの来場手段の内訳

    26_1006_GHG_image3.png

    交通手段別の排出量比較(旅客人・km当たり排出原単位/環境省公表値)


    自家用車での単独移動と比べ、鉄道やバスなどの公共交通機関、またご家族・お友達との乗り合わせでのご来場は、一人あたりの排出量を抑えることにつながります。名古屋グランパスでは、これからも関係各所と連携し、パークアンドトレインの推進や環境配慮型車両(ハイブリッドやEVなど)を活用したご来場の促進などファン・サポーターの皆さまとご一緒に環境にやさしい来場方法考えてまいりたいと思います。
  4. 今後の削減方針
    名古屋グランパスは、今回の算定結果を踏まえ、以下の削減目標を掲げます。

    • 2035年までに、スコープ1・2の温室効果ガス排出量を2025年度比68%削減
    • 2050年までに、スコープ1~3の排出量ネットゼロを目指す

    ・ファン・サポーターの移動に伴うGHG排出量は、上記目標の対象外としていますが、引き続き実態の把握と削減に向けた検討を進めます。

    26_1006_GHG_image4.png

    ネットゼロに向けた削減ロードマップ(イメージ)

    この目標の設定にあたっては、クラブとともに「グランパス カーボンニュートラルアクション with TOYOTA」に取り組むトヨタ自動車が掲げるネットゼロ目標の考え方を参考にしています。トヨタ自動車の基準をもとに名古屋グランパス独自の事業実態を踏まえて設定した目標となります。

    また、目標設定にあたっては、GHGプロトコルの報告フレームワークに則った算定を行うとともに、今シーズンからJリーグが参画する「Sport Positive League」の評価指標や「SBTi」基準・枠組み(企業が設定すべき温室効果ガス削減目標の国際基準)との整合性も踏まえながら検討を進めています。
    今後も、これらの枠組みを参照しながら、信頼性のある目標設定と情報開示に取り組んでまいります。
  5. 算定における前提条件・留意事項
    GHG排出量の算定にあたっては、以下の前提条件を設けています。
    • スコープ3の一部カテゴリー(購入した製品・サービス等)は、環境省の排出原単位データベースを用いた金額ベースの推計であり、個々の商品の原材料や製造工程における削減努力は反映されていません。
    • 以下のスコープ3カテゴリーは今回の算定対象外としています:上流の輸送・配送、上流リース資産、販売した製品の加工、販売した製品の使用、下流リース資産、フランチャイズ、投資
    • ファン・サポーターの移動・宿泊については、観戦者アンケート結果や一定の仮定に基づく推計であり、実際の排出量と異なる可能性があります。
    これらの前提条件により、実際のGHG排出量よりも多く算定されている可能性があります。より精緻な算定を行うためには、さらなるデータ収集・分析が必要ですが、現状は算定工数の制約から上記の条件で算定を行っています。
  6. 今後について
    名古屋グランパスは、この算定結果を今後の削減施策を検討するための基盤として活用し、トヨタ自動車と共に取り組む「グランパス カーボンニュートラルアクション with TOYOTA」を一層推進し、グランパスファミリーの皆さまと一緒に、持続可能な環境づくりに向けてこれからも取り組んでまいります。

参 考

◆「温室効果ガス排出量算定報告書」
https://nagoya-grampus.jp/news/assets_c/2026/10/26_1009_NagoyaGrampus%20JP-Emission_Summary_Report_2025.pdf

◆グランパス カーボンニュートラルアクション with TOYOTA
https://nagoya-grampus.jp/club/sdgs/climatechange/carbonneutralaction/