森下龍矢選手スペシャルトークショー及びクラブグランパス来店イベントの模様
12月17日(日)、名古屋グランパスのサポートタウンのひとつである大須商店街において、毎年恒例の「大須年末セールイベント」が開催され、名古屋グランパスから森下龍矢選手が出演、スペシャルトークショー・じゃんけん大会をおこないました。
年末の日曜ということもあり、大須商店街には多くの人たちが訪れ、家族連れの方々も多く、真冬の寒さとなったこの日の天候にも関わらず、誰もが楽しそうな様子を見せて、買い物を楽しんでいました。
そして午後2時。MCの方から森下選手の今シーズンの活躍、新しくなったエンブレムが紹介され、会場の雰囲気が大いに盛り上がったところで森下選手が温かな拍手に迎えられて登場、「僕、あまりトークショー慣れてないんです!」とまずは笑顔で冗談交じりの挨拶を行い、雰囲気を和らげたところからトークショーがスタートしました。
ー今月、新しいエンブレムが発表されましたね。森下選手は新エンブレムの発表イベントに参加されていましたよね?
森下:兄貴(永井謙佑選手)と一緒に参加させていただきました。
ーエンブレム制作のプロジェクトにも携わったということですが?
森下:そうですね。ミーティングが何度かあって、ソシオメンバーの方々と一緒にあのエンブレムが創り上げられました。その過程が僕はすごく素敵だったなと思います。
日頃からサポーターの方々の声、本物の声を聞くっていう機会があんまりなくて。ただ選手とサポーターが椅子に座って向きあって話すみたいなことはほとんどなかったので、今回、そういう機会ができたこのプロジェクトに僕はすごく感謝しています。
ーあらためて、このエンブレムについてはいかがですか?
森下:僕の中で1番はやっぱり色味がすごく好きで、他にも色んなデザインがあったんですけど、特に配色にグランパスらしさがあって素晴らしさを感じるなっていうところが、僕はすごく印象的です。皆からはシャチのロゴに関する意見が多いんですが、僕はこの配色が結構好きです。
ーチームについて伺いたいと思いますが、今シーズン振り返ってみていかがでしたか?
森下:応援してくれたサポーターの方々はもちろん、僕もそう思ってるんですが、ジェットコースターみたいな1年だったなっていうのが一番の印象です。
最初はすごいスピードで走り出しましたけど、夏頃になって結果が出なくなってしまって、本当にそこで凄くもがきましたが、一年をやり終わって得たものも多かったですし、振り返ると良いシーズン、一年だったと思っています。
ーどんなことが得られたんでしょうか?
森下:自分としては一生ルーキーでプレーしたかったんですが、プロの世界はそんな甘くないですし、来年27 歳になるんで、やっぱりこうリーダーとしてというか、一選手、プレーヤーとしてだけじゃなくて、マネジメントもできるような、 一人の大人のプレーヤーとして成長していかなきゃいけないなと思いますので、来年はその 一歩だと思ってプレーしていきたいなと思います。
ー影響を受けたシーンだったり、試合だったり、選手とかそういうのがあったんです?
森下:永井選手が凄かったですね。苦しい時に、僕とかもそうですが、ちょっと下向いちゃったりするんですよね。きついなと思っていても永井選手だけは「もっとやれ!」っていってくれるんで、これがもう一流のベテラン選手かっていうのを思い知らされました。永井選手からは影響をかなり受けたと思います。
ーご自身として、今年は素晴らしい活躍を見せた年だったと思いますが、いかがでしたか?
森下:個人としてすごく充実した1年を過ごすことができましたし、ありがたいことに八咫烏を胸につけてプレーすることもできた年でした。
ー日本代表としていろんな選手と絡むことも多かったと思いますがどうでした?
森下:三笘薫選手とか、ひとつ下の上田綺世選手とか、やはり凄いところで戦っていることで成長していることに驚きました。あと、僕も足は遅い方ではないんですが、伊東純也選手は速すぎましたね(笑)。
ー今シーズンはJリーグの優秀選手賞に選ばれましたが、この一年のご自身の評価はいかがですか?
森下:やっぱり評価は難しくて、一番最初のほうはすごい良かったけど、途中から、やっぱり自分のプレーもそしてチームの波みたいなのを自分が作り出せなかったです。一発で決められる、勝負を動かせる選手にならないといけないなとあらためて思いました。
ただ総合的には良かったねっていわれているのかもしれないですけど、個人的には、課題が本当に明確になった一 年だったと思っています。
ーその課題、これからどう乗り越えていこうと思っていますか?
森下:僕としては泥臭くやることしか知らないので、もう泥水をすするような気持ちで毎日練習したいと思います。ただ、その苦しさが、ピッチに出て成功した時の喜びを倍増させてくれるんです。だから、どんなに苦しくても日々練習して取り組んで、最終的に試合でみんなと一緒に笑えるといいなと思います。
ールヴァンカップについては惜しくも準決勝で敗れてしまいました。感想を伺いたいのですが?
森下:カップ戦も含め、なんとかタイトルを獲りたいという中、ルヴァンカップは最後の望みになるものでしたが、その中で勝ち切れなかったですし、豊田スタジアムでは良いプレーを見せてたんですけど、勝てなかったっていうところで、かなり選手としてもショックが大きかったです。ただこの悔しさを来年にどう生かすかも自分たち次第なんで、やっぱり最後の勝負強さ、あと1mmで、何で入ったんだろう?みたいなシーンも今シーズンはたくさんあったんで、その1mm、そのキックをどれだけ集中してできるのかだと思っています。
僕としてはこれはフィーリングなので、本当に感覚みたいな、考えてもそこは生まれないものと思っているので、心とか頭の感覚を研ぎ澄ますしてゆくことだと思っています。これは僕個人の考えですけど、そういうところにはこだわりたい、ブラッシュアップしたい、磨き上げたいなと考えています。
ー今シーズン中、森下選手自身もですが、サポーターの皆さんと向き合って、涙を見せるシーンもありましたが?
森下:本当に応援してくれてる人たちのために戦うことが一番だと思います。やはり自分としては、選手として情けない気持ちになるんです。せっかく寒い中、暑い中、試合会場まで来てくれたサポーターの皆さんに、何も返せないと選手としてはそういうのは情けないですし、負けた時は本当に申し訳ないなって気持ちになります。
だから、そういう気持ちにさせたくない、サポーターには気持ちよく帰っていって欲しいじゃないですか。あの豊スタの長い橋のところ歩いてる時、ウキウキルンルンして帰ってほしいので、そういうのを目標にサポーターの皆さんの笑顔を目標にやることが一番なんじゃないかと思います。
ー今回、日本代表に選ばれましたが、選ばれた時のお気持ちはいかがでしたか?
森下:そうですね。最初に選ばれた時とは違う感情になりました。アジアカップの時もそうでしたが、僕は当落線上にいる選手なので、他の人とは違うヒリヒリ感というか、ここで一発見せないともう二度とないぞっていうような危機感みたいなのはすごく感じていて。前に選ばれた時のうきうきルンルンとは違った、ビシッと引き締まった気持ちになっています。
ーヒリヒリ感っていい言葉だと思いますが、そういうことが自身を燃えさせるようなエネルギーになったりするじゃないですか?
森下:もうほとんどのサッカー選手はそうなんじゃないですか?過酷なポジション争いとか、ライバルとの戦いを経てプロの世界を切り拓いてきているので、そこでのライバル関係、ひりひりを感じることを楽しめる選手は多いと思いますよ。僕もそういった大きな壁をどう乗り越えようかなと考えてます。
ーご自身が目指している時速35キロで走るって、どんな練習をされたらできるようになるんでしょうか?
森下:これまでは筋トレをベースにやってたんですが、それで得たパワーをピッチの上で表現するために陸上選手みたいなトレーニングもやっています。スタートダッシュの時の体の傾きなんかを動画に撮って細かく分析しています。僕は背が高くないし、藤井選手や中谷選手のような自慢のヘディングもできないですので、地上戦でいかに戦えるかが大事だと思いますので足の速さを極めてます。
ー6月に日本代表に選ばれてクラブハウスでの発表の時、長谷川監督がすごい手を叩いて喜ばれていましたが?
森下:そうですね。後で動画を見た時、健太さんが一番喜んでくれてましたね。
ー日本代表戦は元日の試合ですがいかがでしょうか?
森下:1月1日から国立競技場で仕事ができるなんて最高のことですから楽しみです。
ー今後のご自身の目標は?ワールドカップ予選もありますが?
森下:もちろんワールドカップ予選とか、どこどこまで到達したい、みたいな目標はありますけど、まずは時速35キロに到達したいです。僕はそこにもう全フォーカスしてます。多分、35キロ以上で走れるようになれたら、自然とそういったところまでいけるんじゃないかなって僕は思ってます。
ワールドカップとか、大きな目標は目指していますけど、やっぱり目の前のこの35キロで走り切ること、そしていいパフォーマンスをするっていうところが僕の中では一番優先順位が高いです。
※ここで森下選手がリフティングの技を色々と披露してくれました。マイクを手にしながらも巧みなボール捌きを見せて、見学者の方から大きな歓声と拍手を受けていました。
そして、森下選手のサイン入りユニフォームをかけたじゃんけん大会がおこなれ、会場に訪れていた人たちと楽しく交流し、この日のトークショーを盛り上げていました。
ー最後になりますが、今日集まってくださった皆さんに向け、メッセージをいただけますか?
森下:本当にここで話した僕の目標が全て本当のことです。35kmで疾走する姿を皆さん見せるっていうのが、このサッカー選手としての、近々の使命だと思ってるので、最高の僕のスプリントを見ていただけるように、これからも応援よろしくお願いします。僕も一生懸命頑張ります。今日はどうもありがとうございました!
その後、オフィシャルショップ「クラブグランパス」へと移動。事前抽選に当選された方々とのサイン・写真撮影会に参加しました。
「プリザーブドフラワーギフトBOX」をご購入の方は、ご持参のグッズや色紙へのサインに追加で、クリスマスプレゼントとして、森下選手がその場でメッセージを添えたカードをお渡ししました。
約60組、1時間以上に渡っての対応となりましたが、普段の試合の時以上に、まさに無尽蔵のスタミナで元気一杯に皆さんのリクエストに応じ、最後まで丁寧なファンサービスを忘れない森下選手でした。