「新アンセム制作 共同プロジェクト」選手とOBコーチとのミーティング
ピッチで闘う選手を勇気づけるため、そして共に闘うグランパスファミリーの皆さんが一つになるために歌うアンセム。これまでの想いを紡ぎながら、時代を超えて受け継がれる新たな楽曲にしようという「新アンセム制作共同プロジェクト」が進行しています。7月26日(土)には現役選手やOBコーチと意見を交換する「選手、OBミーティング」が行われました。
参加した選手はGK武田洋平選手、MF稲垣祥選手、FW永井謙佑選手の3人。プロジェクトメンバーはサポートソングを手掛けているQaijffのウチダアキヒコ氏、現アンセム考案サポーター、新エンブレム制作に携わった株式会社ワンダーズの岩田玲氏が参加しました。プロジェクトメンバーから現状の課題や変更を検討した理由について説明を行い、選手としてどのようにアンセムを受け止めているのか、気持ちを聞きました。
選手からは、豊田スタジアムではロッカールームから入場待機までの時間をすべて建物内で過ごすため、スタンドの声がなかなか届きづらい現状や、他チームでも、アンセムを聴いて気持ちを高めてキックオフに臨む選手が多いという意見が挙がり、アンセムを歌い始めるタイミングや入場演出とどう合わせるのかという課題もあることが明確になりました。
また、アンセムに限らず、試合中のチャントや「風」に代表されるスタンドからの歌で、選手たちは「今、自分たちに求められているプレーは何なのか」というグランパスファミリーからのメッセージを感じていると言います。アンセムやチャントは勝利のための重要な要素になっていると、選手たちはあらためてプロジェクトメンバーに伝えていました。
そして、6月に行われた第1回ミーティングで出たアイデアや、グランパスファミリーの皆さんから寄せられた約180通を超える意見すべてに目を通したというウチダ氏が作ったデモ曲のうち、パターンの違う3曲を選手たちが聴きました。
どのタイプの曲が選手たちの心に響くのか。すると驚くべきことに三種三様の答えが返ってきました。分かりやすさ、覚えやすさに共感した選手、気持ちを上げるためにアップテンポが気に入った選手、力強さを求める選手と、全員の意見がものの見事に分かれる結果に。作曲したウチダ氏もあらためて音楽の多様性を感じるとともに、「より良い曲を創造できる可能性が広がった」と受け止めていました。
続いて行われたOBミーティングには、トップチームの楢﨑正剛GKコーチ、吉村圭司コーチ、玉田圭司コーチが参加。選手と同様に新アンセム制作の経緯を聞いた後、意外なエピソードを楢﨑GKコーチと現アンセム考案サポーターが披露しました。
現アンセムを作っていた頃は頻繁に練習公開が行われており、現アンセム考案サポーターたちは週に何度も練習場に通っていました。選手たちと会話を交わす中で、楢﨑GKコーチの好きなアーティストを聞き、結果的にその曲が現アンセムになったことに楢﨑GKコーチも驚いていました。
玉田コーチもアンセムをしっかりと認知しており、口ずさみながら入場していたほど。吉村コーチは「今、選手がアンセムをどう捉えているのか」という部分も気にしているようでした。
そして、OBたちにもデモ曲を聴いてもらったところ、こちらも好みが分かれる結果に。そのなかで「実際にスタジアムで、大勢で歌うとどういう雰囲気になるのかが気になる」という意見も出ました。
選手、OBミーティング合わせて2時間ほどの意見交換を終えた後も、課題解消やブラッシュアップに向けて熱く対話を続けたプロジェクトメンバーたち。さらにデモ曲作りを進め、8月24日(日)には第2回ミーティングを実施予定となっています。2026年以降、新瑞穂スタジアムで行われるホームゲームに向けて、グランパスファミリーの誰もが共に歌うことができ、圧倒的なホームの雰囲気になるアンセム作りを目指しています。
参加者コメント
稲垣祥選手
「とにかくグランパスファミリー全員が一つになれることが大切だと思っているので、選手もファン・サポーターもスタッフも含め、すべてのグランパスファミリーが同じ空間で同じ時間を過ごせるようなものができ上がれば、それだけで素晴らしいと思っています。アンセムプロジェクトメンバーの皆さんが、素晴らしいアンセムを作ってくれることを期待しています」
楢﨑正剛GKコーチ
「サポーターの皆さんが歌詞を作って、みんなで広めたアンセムを継続しつつ新しいものを作るということで、すごくいいものができると期待しています。クラブに対する気持ちが一番だと思うので、その想いを強く持った人たちが作ってくれていることに対して安心感があります。完成が楽しみです」
現アンセム考案サポーター カズヤ氏
「選手の感想とこちら側が持っていた考えが合致することも多くあり、いろいろと確認することができました。今抱えている問題を解決できれば、絶対にいいものができると思いました。中途半端なものにしたくないので、曲を作るウチダくんには『理想は高く、そんなに簡単に満足しないよ』とプレッシャーを掛けています(笑)。グランパスファミリーの皆さんもそれを期待していると思うし、みんなが良かったと思えるように、妥協せずにやり切りたいと思います」
ウチダアキヒコ氏
「デモ曲を聴いてもらう瞬間はすごくドキドキしましたけど、本当に貴重な意見が聞けました。選手やOBの皆さんの視点でしか出てこない話も聞けたので、いい対話ができたと感じています。音楽の好みはバラバラでしたけど、アイデアは膨らみましたし、可能性が広がったのはすごくいいことだと思っています。ポジションによって感じ方が違うということも新しい発見でしたね。今のアンセムに対する思い入れも聞けましたし、それを新しくすることに対して、使命感のようなものをいい意味で感じました。新瑞穂スタジアムで『スタジアム全員が歌っている景色を作る』というコンセプトから絶対にブレないように、そしてその目的を確実に達成できるような曲を作って広めていきたいと思います」