「Jリーグ版よのなか科」の模様
Jリーグは、2010年より、Jリーグの人材育成活動における選手教育の新たな取り組みとして、文部科学省の競技者・指導者等のスポーツキャリア形成支援事業を業務受託し、「キャリア・デザイン・サポートプログラム(Jリーグ版[よのなか]科)」を実施しています。
これは、プロの競技者を目指す人材にとって適切な"キャリア" についての考え方や心構え、社会人として適切な就労観や職業観の醸成を目的に実施するもので、将来、地域で活躍、貢献できる人材の育成を目指しています。
幣クラブでは、2013年度より「Jリーグ版よのなか科」を実施しており、今回で4回目の取組みとなります。今年はジュニアユースU13(中学1年生)の選手20名を対象に行いました。講座は全5回のプログラムとなっており、テーマは下記となります。
■8月3日
第1回:Jクラブをとりまく"お金"から仕組みを考える
○ゲスト:代表取締役専務 中林尚夫
■8月4日
第2回:Jリーグがめざすものを考える
○ゲスト:ファンリクルーティングG 大内田勇貴
■9月18日(2回分実施)
第3回:Jリーグをとりまく職業を考える
第4回:職業と「意志」「役割」「能力」の関係を考える
○ゲスト:中日新聞社 淺井俊典 様
○ゲスト:商品企画G 吉村一彦
■9月22日
第5回:自分のキャリアイメージプランを考える
○ゲスト:矢田旭 選手
講座ではアカデミーグループ所属の中井崇之がファシリテーターを務めました。
選手・保護者・スタッフ全員が関わり合い、テーマに沿った個人の考えを発表したりグループで話し合い他の意見を取り入れたりと様々な角度や視点から物事を捉えることにもチャレンジしました。
クラブ経営の成り立ちやJリーグに関わる職業を学んだ選手たちは、「多くの方々に支えられてサッカーができている」、「地域との関わりが大切」などといった意見もあり、自分たちが所属するJクラブという立ち位置を再認識したと思います。
そして、第5回の講座にはサプライズゲストとしてトップチームで活躍する矢田旭選手が大きな拍手とともに登場!子ども達からは「うわー、本物!」「かっこいい!」と一気に会場の雰囲気は盛り上がりました。
グランパスのアカデミーで育った矢田選手は、後輩たちに向けて
「自分もみなんと同じグランパス育ち。三重県から通っていたことを懐かしく思うが、今感じる事は両親をはじめ本当に多くの人の支えがあったからこそ、今の自分がいる。サッカーができる喜びと周囲への感謝の気持ちを大切にしてほしい。また、自分はユースから昇格することができなかった。ただただ、悔しい気持ちしかなく、自分は涙を流すタイプではないが、その時は一人で涙したこともあった。挫折しかかったが、どうしてもサッカー選手の夢を諦めることができなかった。一時、グランパスのことを良く思わない自分もいたが、やっぱりグランパスで育った。グランパスのことが自然と気になっている自分がいた。プロになるなら、"絶対グランパス"という想いが強かった。大学でも苦楽はあったが、その想いがあったからこそ、夢を叶えることができたと思う。みんなにも、夢を諦めず突き進んでほしい。」
と自身の経験談を踏まえて熱い話を語ってくれました。
最後は、中井ファシリテーターから
「具体的な目標を描くことは大切なこと。目標から逆算して今何をしなければいけないか。常に考えながら行動してほしい。そして、自分の考えや想いを素直に表現でき、発信力のある選手を目指してほしい。」と話しエールを送り、よのなか科全日程が終了しました。
U13の選手たちは、この「よのなか科」を通して様々な想いや考え方、また将来の夢について真剣に向き合う貴重な機会になったと思います。日々の厳しいトレーニングに耐え、自分たちが描いた将来プランに向けて、これからも頑張って取組んでくれることでしょう。