東日本大震災復興支援ふれあいサッカーイベントの模様

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9月25日(日)、仙台市立七郷小学校(宮城県若林区荒井字堀添 53-2)にて、仙台戦メンバー外の13選手と、グランパススクールより、長田コーチ・牧野コーチの2名が参加。小学生1年生〜4年生60名を対象にサッカー教室を行いました。


サッカーを通して、宮城県の子どもたちに"元気と笑顔"を伝えることを目的に行われてきた当イベントは、名古屋グランパス選手会が主催となり、トヨタ自動車東日本株式会社、JPFA(一般社団法人日本プロサッカー選手会)、Jリーグの協力の下、今年で3回目の開催を迎えることが出来ました。

この日、サッカー教室に先駆け、被災地となる荒浜地区を訪問した選手達。

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現地には視界を遮るものはほとんど無く、あるのは無造作に置かれた瓦礫や変形したガードレール、かつて住宅が軒を連ねていた場所には基礎のコンクリートだけが残り、もの悲しく佇むそれらの存在が、かつて仙台を襲った津波の凄惨さを物語っていました。

かつて多くの観光客で賑わっていた深沼海水浴場は現在封鎖され、多くの避難民を救ったという仙台市立荒浜小学校校舎は、学校としての機能は失いましたが、今は緊急一時避難場所となって、その形を残しています。ここで多くの人が住む場所と命をなくしたこと、この地が震災の脅威と教訓を後世に伝えるための『震災遺構』として保存されていくことが伝えられると、選手達は一様にその表情に哀悼の意を浮かべ、ただじっと辺りを眺めていました。

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その後、ふれあいサッカーイベントのため仙台市立七郷小学校に訪れた選手達。前日、仙台一帯では雨が降り天候が心配されましたが、当日は眩しい陽射しが降り注ぐ快晴の空に恵まれました。開始に先駆けて行われた開会式では、西村選手会長と仙台市若林ブロックの伊藤一宏ブロック長による挨拶が行われました。

【西村弘司選手会長】

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おはようございます!まずは今日を迎えるにあたり、協力して頂いた関係者の方々にお礼を申し上げたいと思います。名古屋グランパスを知っている人は手を挙げて!全員ではないですね。今日はみんなにしっかり覚えてもらえるように、短い時間ではありますが楽しく元気にしっかり声を出してやっていきたいと思います!コーチの言うこともしっかり聞いて、僕たち選手と一緒に楽しみましょう!

【仙台市若林ブロックの伊藤一宏ブロック長】

おはようございます!今日は名古屋グランパスのふれあいサッカー教室ということで、大変忙しい中、選手・スタッフの皆さんが来てくれました。短い時間ではありますが、皆さんと一緒にサッカーのお勉強をして頂きます。君たちも含めて、きっと今カメラを持っているお父さんとお母さんも楽しみに待っていたと思います。今日はみんなで楽しみましょう。ケガをしないように、よろしくお願いします!

開会式が終わった後は、 子どもたちに"プロの技"を見てもらうため、デモンストレーションとして、森選手によるリフティングが披露されました。森選手の華麗な足技を前に子どもたちは「すげー!!」と、目を丸くしながらまじまじと眺めていました。リフティングを終えると大きな拍手が挙がり、森選手も「みんなサッカーは好き?でもきっとみんなより僕の方がサッカーが好きです。そう思えるくらい、小さい頃からたくさん練習してきました。みんなもとにかくいっぱいボールを蹴ってたくさん練習して下さい!今日は楽しみましょう!」と子どもたちにアドバイスの言葉を残していました。

プロの技を目にして、俄然やる気がわいてきたところで、お楽しみのサッカー教室が始まりました。

はじめは、ウォーミングアップからスタート。コーチの笛の回数に合わせてグループを作ったり、ジョギングをしながら選手達とハイタッチをしたりして、入念に体を動かしました。体のコンディションがしっかりと整ったあとは、ボールを使ったメニューへと移行。両手でボールを高く上げたり、チーム対抗のボールリレーを行ったりして、少しずつボールに慣れていきました。

途中、再びデモンストレーションの時間が設けられると、野田選手がはるか頭上へとボールを蹴り上げ、これを見事キャッチ。森選手同様、子どもたちから大きな拍手を貰っていました。コツを尋ねられた野田選手は、「センスやな!君たちにはまだ難しいかな!」と少しイジワルな回答をして、子どもたちの笑いを誘っていました。

後半に入り、3つのコートに分かれたところで、いよいよお待ちかねのミニゲームが始まりました。ここでは、子どもたちと選手達対抗で試合は行われ、各コートでは白熱のバトルが行われていました。

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ゴールへ迫る子どもたちを手玉にとるかのように何度もシュートを弾き返していた安田選手。「手加減はせん!大人の厳しさ教えてやる!」と最初から"ガチ"だった野田選手。キレキレのドリブルで子どもたちのゴールへ迫った青木選手。これには同チームの田鍋選手も「ほんとにケガしてたの!?」と面を食らうほど。などなど、各コートでは選手達の『大人気ないプレー』がチラホラと見られ、子どもたちからは「ブーブー!」とブーイングの声が挙がっていました。

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それでも、子どもたちの勢いに負け、ゴールを割られることもしばしば。その時は選手達も悔しそうにしながらも「ナイス!」と子どもたちのプレーを称え、試合が終わったあとには、ガッチリと拍手。サッカーを通して、お互いの絆が深まったようでした。

楽しかった時間も束の間。ミニゲームが切り上げられたところで、最後の閉会式で再び西村選手会長による締め括りの挨拶が行われました。

【西村弘司選手会長】

おつかれさまでした!みんな楽しんでくれたみたいで本当に良かったです。サッカーを楽しむことを忘れず、これからもサッカーを続けて下さい。最初言われたように、森選手よりももっと好きになって、誰よりもサッカーを好きになってください。あと、今日はベガルタとグランパスの試合があるのを知っていますか?明日からはベガルタで良いので、今日だけは名古屋を応援しましょう!(笑)今日はありがとうございました!

西村選手会長の小粋なジョークに「え〜!!」と子どもたちよりツッコミが入ったところで、この日のサッカー教室は円満の中、幕を下ろしました。その後、記念撮影を撮った後は、サイン会が行われ、ボールやバッグ、ユニフォームなど、自慢の愛用品にしっかりとサインをもらった子どもたちは満足げな様子で帰路に就きました。一方、選手達も子どもたちの「ばいばーい!!」という声を背に、少し名残惜しそうにしながらも小学校をあとにするのでした。

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今後も名古屋グランパス選手会と名古屋グランパスは様々な活動を行い、「スポーツの力」を通して"元気"や"笑顔"を伝えていきたいと思います。