前半ももちろん選手たちは闘いましたが、ハーフタイムに時間がありましたのでどういう部分が相手の残しているスペースで、逆に追い込まれてボールを失うという場所についても抜け道がないわけではないことを、具体的なイメージを持ってチームとしてスペースを使おうと話しました。選手はそこをしっかりと理解し、前半とは違った内容となりました。相手を押し込むということができていましたし、それが得点になってもおかしくないシーンも多かったのですが、残念ながら相手にうまく守られてしまいました。

ここから2週間、3週間、あるいは1ヶ月と時間をかけるべき部分はしっかりとかけ、コンディションを上げる作業も同時にやっていかなければいけないと思っていますが、先ず最初の復帰戦を無事に終え、ある程度は動けることを見せてくれましたし、チーム全体としてうれしく思っています。あとは試合をこなしながらコンディションを上げることを待つだけですので、彼自身がどういう状態であるかしっかりと把握したうえで賢く取り組んでくれていると思いますし、時間と共にあとは良くなっていくと思います。

どういう展開でリードしたか、純粋なフォワードの選手が今日はいなかった中でどう闘うか。選手の特徴を生かしながらどう闘うか。大事な先制ゴールを決めたシーンもチャンスを作りながら決めきれないことが続いたなかで、相手が前にバランスを掛けてきたときにどう反撃をするか、ボールを預けられる選手がいないなかでポゼッションをしながら徐々にスピードをいかし相手の裏のスペースを狙い攻撃を続けるという考えがありました。こういう展開なら本来は先ずフォワードにボールを預けチーム全体を押し上げる、という選択肢を選べる状態ではありませんでしたので、その中で守り切る試合をできれば良かったのですが。そういう選手が全員まだ揃っている状態ではない、夢生（金崎選手）もクバ（シュヴィルツォク選手）も山﨑もまだ揃っていない状況で、やりくりしながらやれれば良かったのですが、今日はうまくいきませんでした。選手は良くやってくれたのですが、今日のメンバーでできる逃げ切り方ができなかったことは残念に思います。

ただ、無いものねだりのような話で終えたくありません。前田や柿谷が本来、真ん中で体を張ってというタイプではなく、FWの周りのスペースでうまく動くというタイプなのですが、そういう役割を受け入れこれだけやってくれたこと、「チームのため」という考えを持ち、その位置でプレーすることに何も不満を持たず自分自身がより向上できるようという役割に取り組んでくれています。FWがいればワンサイドで勝てたという考えではなく、こういう結果に終わったのでこういう内容ならこういう展開になっていたかなという程度の考えとして受け入れていただけると。あまり極端な話ではなく、次の試合にどう勝とうかということにいつもチーム全体として取り組んでいますので、次もその時のベストを尽くし闘いたいと思います。