月刊グラン10月号のご紹介[原輝綺選手インタビュー]

派手なプレーや言動で目立つタイプではない。それでも原輝綺がピッチに立つと、チームは不思議と安定感が増す。複数の役割を柔軟にこなし、状況に応じて周囲を生かしながら勝利へ導く万能戦士。それを築いたのは、求められるものに対して逃げずに全てを吸収するプロとしての在り方だった。プロ10年目、悲願のJ1タイトルを目指す。
監督の要求に応え味方を生かす
新シーズンのファーストゴールは、この男の右足から生まれた。DFの原輝綺。クロスのこぼれ球をしっかり捉えると、ボールは相手に当たりながらゴールに転がり込んだ。「コースもなかったのでディフレクションして入るのは狙い通りでした」。起死回生の同点ゴールを挙げても、勝ち点3を得るためすぐに自分のポジションに戻っていった。
─第2節の鹿島戦で、今季のチームファーストゴールを決めました。でもそれほど喜ばなかったですね。
オウンゴールだと思っていたんです。まだ同点でしたし、まさか自分の得点になるなんて、「公式さん、本当にありがとう(笑)」って感じです。
─あの位置からのシュートはこれまでもありましたが。
ありましたっけ? あんまり覚えてないです。僕はゴールへのこだわりがそこまで強くないので。もちろん取れればいいですけど、自分のゴールは副産物みたいなもので、前の選手が取れるなら、それに越したことはないと思っています。
─以前も自分の役割は、チームメートを生かすことだと言っていました。今季は新加入選手もなく同じメンバーで戦っていますから、原選手にとってプラスに働きそうですね。
そうですね。今いる選手の特長は分かっていますし、その選手がやりたいプレーやタイミングも分かっているつもりです。もちろんその試合の状況によって変わりますけど、味方の特長を考えて、その瞬間にどういうプレーを選択するのが良いのか判断しています。すでに選手の特長が分かっているという点では、覚える作業が一つ省けるので、自分自身としてはやりやすいですね。
─開幕戦でも印象的だったプレーがあって、試合の終盤、杉浦選手に差し込んだ鋭い縦パスは原選手らしいなと。
相手は退場者が出てベタ引き状態で、最初は外から攻めようと思っていましたけど、サイドハーフも下がっていたので、そこで数的優位をつくるのは難しいと思っていました。「真ん中から攻めたいな」と思っていたんですけど、なかなか自分が真ん中に入っていったタイミングでボールが来なくて、縦パスの回数としては多く試せませんでした。あの場面、最初は背後へ蹴ろうと思っていましたけど、相手のセンターバックが早めにスタートを切ろうとしていたし、センターバックの間も割れそうな感じがした。(杉浦)駿吾もいたので「そこに入ってくれ」と思って速いパスを出しました。後で話をしましたけど、駿吾もパスが出てくると思っていなかったらしくて。それはパスの出し手としては複雑なんですよね。分かりやすいパスだったら当然相手にもバレてしまうし、でも今回は味方まで騙してしまいました(笑)
─あの週の練習で、全く同じ形で杉浦選手が素晴らしいゴールを決めていたので、そのシチュエーションを思い出して、練習通りに入れたのかと思いました。
ああいうプレーは常に狙っています。ただ、そのまま入れても分かってしまうので、DFとの駆け引きやタイミングをずらしながら、その時の練習を思い出したというよりも、これまでの積み重ねで、相手を見て縦パスを入れた感じですね。
─プロで継続的に活躍できている理由の一つが、そういった状況判断にあると思っています。
前の選手も経験を積めば、ああいう状況でどう動けばいいのか分かってくると思います。駿吾も試合を重ねてきていますし、これからそういう準備や出し手との関係ができてくれば経験値も上がって、ああいう場面で決めてくれると思います。自分も今年でプロ10年目ですけど、いろんな監督の下でやってきて、それぞれの良いところを学びながらやってきた感じです。
─10年間で、国内だけでも12人の監督に師事しています。意識していたことは。
監督が求めていること、やりたいことをいち早くキャッチして実行するというのは、常に意識をしてやってきました。それをベースに、余裕ができたら自分のスタイルを出していく。それしかできないというのもありますけど、それがうまくハマった10年だったと思います。
続きは『Grun』2026年10月号をぜひご覧ください。

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原輝綺 - THE MATCH
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