月刊グラン1月号のご紹介[稲垣 祥選手インタビュー]

在籍6年目。チームが苦しいシーズンを送る中で、稲垣祥は特別な存在感を見せてくれた。タックル数やボール奪取率、1試合当たりの走行距離はリーグトップクラス。ボランチというポジションながらチーム最多のゴールを奪い、7月には4年ぶりに日本代表に選ばれた。ベテランになっても進化を続ける裏にあった努力とは。
新しい自分へ常に進化
次のクリスマスに34歳の誕生日を迎える稲垣祥。11月30日時点では1試合を残しているものの、リーグ戦全てに先発フル出場し10ゴール5アシストといずれもチームトップの成績を挙げている。ベテランと呼ばれるような年齢になってフルタイムフル出場というだけでも驚きだが、結果まで過去最高の成績をたたき出したプレーぶりには、素直に敬服するしかないだろう。
─稲垣選手にとって今季最も大きかった出来事は「Inagaki coffee」の発売ですか(笑)
いやいや、あれはまだ序章に過ぎないですよ(笑)。もっとこだわれると思っているし、そもそも焙煎からやりたいという気持ちもあって。やっぱりコーヒーは焙煎で味が結構変わるので。
─そこまで本格的なのも楽しみです。コーヒーは例えばスイッチが入ってモチベーションアップになるとか、プレーに影響を与えるアイテムですか。
モチベーションというよりも僕の場合はリラックスですね。リラックスしたい時に飲むことが多いから。だけど夜は飲まないですよ。
─いろいろあった2025年はどんなシーズンでしたか。
思い描いたものではなかったし、理想でもなかった。結果として本当に何も勝ち取れていない厳しいシーズンだったと思います。ただ、どうしても歯車がかみ合わなかったり、悪い循環に陥ってしまったりするシーズンがあって、今年はグランパスもそういう良くない循環に入っていた。でも、そんな中でも最低限の残留は決めることができました。それはクラブとして一つ大きなことで、残留できたことで次につなげることもできる。また一歩クラブとしての可能性は残せたなと思っています。
─チームとしては苦しみましたが、稲垣選手の個人データは軒並み伸びています。そうなるように練習などにも変化を加えたそうですが。
シーズン途中ではないですけど、取り組み方とか向き合い方は変えたりしました。
─それを変えたきっかけは。
それは去年(2024年シーズン)2試合出られなかった時があったので、そこから(長谷川)健太さんともいろいろ話しつつアドバイスをもらいました。自分自身を見つめながら「現状維持は衰退だ」という、簡単に言えばその境地に至って、もう1回自分を押し上げ始めたという感じです。
─ベテランになるほど変化を恐れるようになると思いますが、よく踏み切ったなと感じます。
その時は自分自身、別にパフォーマンスが落ちているという実感はそこまでなかったし、自分はまだやれるって思っていました。ただ、客観的に見ても数字が落ちていたし、実際に2試合出られなくなったということもあったので、向き合わざるを得なくなった。あとはやっぱり、健太さんはこれまで相当な人数の選手を見つつ指導をしてきて、多分あの人の中でしっかりとした「ものさし」がある中でのアドバイスだと思ったので、そこの説得力もありましたね。
─具体的にどんな練習をやり始めたのですか。
体に刺激を入れるトレーニングを結構増やしました。休むよりも刺激を入れてパワーアップしていく方向で。これまではずっと試合に出ていたというのもあって、あまりそういうことはしていなかったんです。どちらかというと試合に向けてコンディション調整をずっとやっていました。でも歳を取ってきたのもあって、自分の体に刺激を入れないとスイッチが入らない、入りづらくなっていたので、そこを変化させたという感じです。
─プレーを見てもスイッチが入っていないなんて全く分からないです。
周りからはそう見えるだけで、自分自身の中ではその感覚はあるので、そこは細かく向き合っていましたね。
─2024年の2試合(第2節・FC町田ゼルビア戦と第11節・ヴィッセル神戸戦)に出られなかったことが危機感というか、復活のターニングポイントだったんですね。
危機感も悔しさもあったし、納得がいかないという気持ちもあるし、っていう感じですかね。だからもう一つ成長しないとダメなんだというのを意識しながら、今も常にもう一つ上のレベルにというのを自分に課しています。
続きは『Grun』2026年1月号をぜひご覧ください。
・Man of the Month
挑戦が生んだ
キャリアハイ
稲垣 祥
・THE MATCH
2025明治安田J1リーグ第36~37節
RE:PLAY 永井謙佑
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