月刊グラン12月号のご紹介[藤井 陽也選手インタビュー]

今夏、約1年半の欧州挑戦に一つのピリオドを打ち、名古屋復帰を決めた藤井陽也。負傷などで試合勘を失っていたなかでも主力としてDFラインを引き締め、残留争いにあったチームの救世主となった。自らの思い通りでなくてもまだ未来のあるサッカー人生。彼にとって最適の地である名古屋からリスタートする。
欧州での経験を糧に「グランパスのために」
幼少期からグランパスのサッカースクールに通っていた藤井陽也。プロ4年目にブレイクすると昨年1月、当時ベルギー1部のKVコルトレイクに期限付き移籍。センターバックの主力として不振だったチームを残留に導くと、半年後には買取オプションを行使され完全移籍へと移行した。しかし今季はすね脛のけがで手術をするなど、思うようにプレー時間を伸ばせずチームも2部に降格。欧州の他チームへの移籍も検討したが、最終的には古巣の名古屋へ戻ることを決めた。
─藤井選手には生粋のグランパスOBということで、「もっと世界で活躍してほしい」という声とともに、「帰ってきてくれてうれしい」という声も届いていたと思います。改めて復帰の経緯を教えていただけますか。
そうですね。欧州で満足できるような結果を得ることができなかったですし、ケガでプレーできなかった時間も多かったので、まだまだ向こうでプレーしたいという気持ちは正直ありました。でもベルギーの2部でプレーをするということは考えていなくて、そのなかでグランパスは本当に僕が必要だとオファーをしてくれて、向こうにいた間は少し悩みましたけど、グランパスのために戦いたいという強い覚悟を持って帰ってきました。
─ベルギーとJリーグの違いはどう感じましたか。
ベルギーリーグは縦に速いサッカーで、上位のクラブはヨーロッパチャンピオンズリーグにも出ているので、本当にレベルの違いを感じました。黒人選手のアタッカーも多くて、そういう身体能力を生かした戦術に対してどうやって守るのか、ある程度マンツーマン気味にいくことが多かったですけど、そのなかで、1人で守る範囲を増やすことも求められました。試合を重ねるごとにいろんなタイプのFWと対戦して、Jリーグとはまた違ったタイプの選手が多かったので、自分の引き出しも増えましたし、そういう意味ではすごく成長できたと思います。
─夢だった欧州挑戦をして一番良かったと感じることは。
いろんな面で自分自身が一段階成長できたと思っています。サッカーで言えば通用するって感じた部分も多かったですし、逆に初めてケガをしてプレーできない時間も長かったので、そもそもケガをしない体づくりが必要だと改めて感じました。環境とかいろんな違いがあるなかで対応しないといけないというか、そういう自分自身の弱さも感じたので、日本は慣れ親しんだ環境ですけど、もう1回ケガをしない体を取り戻したい。正直、苦しい時間の方が長かったですけど、そういうことも含めて良かったのかなと思っています。
─当然、まだまだやれるという思いを持っていますよね。
もちろんです。ベルギーリーグでは攻守においてある程度自分のプレーを出せましたし、強い相手にも自分のプレーは通用したと思っているので、そういう意味でももっと向こうでやりたい気持ちはありましたけど、今はもう切り替えています。
─ベルギーでの生活はいかがでしたか。
大変でした(笑)。英語がしゃべれなかったのでめちゃくちゃ大変でしたけど、本当にいろんな人が助けてくれて。向こうでも自分一人じゃ何もできないんだなって改めて感じましたし、周りに助けられて感謝してばかりです。
─コルトレイクには日本人選手も多く在籍していましたね。
僕がいた期間はずっと日本人選手がいて、最初は今(横浜F)マリノスにいる角田(涼太朗)選手とか、その後の半年は高嶺(朋樹)選手(北海道コンサドーレ札幌)と金子(拓郎)選手(浦和レッズ)がいて、3人とも先輩ですごく助けられました。本当に毎日一緒にいたので、選手同士というよりも人間としての関係が深くなったというか、お互いに高め合っていくという仲になりました。
─英語がしゃべれなくても先輩が助けてくれたとか。
英語は僕が一番しゃべれました。いや、嘘です(笑)。英語は1年くらいたった時にはある程度大丈夫になりました。あとは日本で当たり前のことが向こうでは全然当たり前じゃないとか、そういうことも多かったですね。
─藤井選手といえば部屋のお片付けにも課題がありましたが(笑)
そこは全然成長できませんでした(笑)。自分ではもう諦めていて、1人暮らしを始めるようになったら業者さんに頼もうかなって。
─アカデミーに所属する選手たちの中にも海外でのプレーを夢見ている選手が多くいますが、行く前にやっておくべきだと思うことは。
やっぱり英語の勉強をもっとしておけばよかったなと感じていますけど、自分もやろうと思っていてできなかったし、向こうに行って「ヤバいな」って思えば自然にみんなやると思うので、そんなに特別にやっておいた方がいいことはないですね。
続きは『Grun』2025年12月号をぜひご覧ください。
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藤井 陽也
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