月刊グラン2月号のご紹介

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グラン・インタビュー

未知を切り拓く新たな"旗頭"
和泉竜司

自分の力不足を認めるのは
正直言ってキツかった

 名古屋グランパスが初めてのJ2リーグを戦う2017年、最もブレークが期待され、しかもその可能性が最も高い男といえば、和泉竜司をおいて他にはない。昨季は思うような出場機会を得ることはできなかったが、試合に出れば確かな才能の輝きは見せた。トップ下としての実戦的な技術と得点への高い意識は新人ながらもチームトップクラス。強気だが、冷静な状況分析力とそれをアウトプットする"言語力"にも長けるあたりは小川佳純や矢田旭の系譜を継ぐ明治大出身らしさか。まさしく即戦力の"補強"として和泉はプロの門を叩いた、はずだった。
 だがルーキーイヤーに味わったのは躍動する毎日ではなく、苦難の日々。後悔はないが、反省ばかりの1年を和泉は苦笑混じりに振り返る。そして迎えた新シーズンの幕開けを前に、次代のエースは何を思うか。その言葉は、想像以上の熱を帯びていた。

 プロ1年目に感じたことは、まずはなかなか勝てなかったな、ということです。チームもJ2降格という初めての経験をしましたし、僕自身もこんなに勝てない時期が続くというのは経験したことがありません。試合に出ても勝てない、試合に出られない時期もあって、本当に悔しいシーズンでした。誰もが納得いかなかったと思いますし、今はそれを良い経験だったなんて言えません。でもこれを糧として成長して、1年目にこの経験をしたからこそ、と言えるようになればと思います。僕はグランパスに来たことを後悔なんてしていません。自分が選んだ道で、まだまだ自分の力が足りないのだと感じました。例えばホームのヴィッセル戦(5月8日)は自分が決めていれば勝っていたと思いますし、最後の精度という課題を感じました。結果論ですけど、あの試合で勝つか引き分けるかしておけば、残留していたかもわからない。試合でのミスは多かったと思うんですけど、自分が決められた試合としてあのヴィッセル戦は覚えています。
 このまま終わらせるわけにはいかないし、チームとしても個人としても降格という事実を受け止めて、次にどうやって這い上がっていくかです。またJ1に上がって、そこで優勝争いをするためにはもっと必要なことがありますし、そこを見据えての降格したシーズンにできればいいと思っています。

 和泉は「常勝」という言葉が好きである。元来が負けず嫌いであり、そのサッカーの才能をもって学生時代は勝利の道を突き進んできた影響もある。その男にとって、昨年の勝てない、そして自分がピッチに立てないという状況は一つの挫折でもあった。「プロは試合に出てナンボ」。そう言い残して移籍していく選手は数多いが、思いはみな同じだ。違うのは、理由をどこに求めるか。和泉はそれを自分の力不足として反省の矢印を内側に向けた。彼にも監督の好みや勝てない状況、あるいは負傷など、外的な要因がなかったわけではない。それを潔しとはできなかった向上心の強さは、和泉という選手の代えがたい特長である。

 高校1年生の時に試合に出られない時期がありましたが、僕はほぼ常に試合に出てきましたし、試合結果もどちらかといえば勝つ方が多かった。だから当然、昨季も試合に出してくれって常に思っていましたし、出ればやれるって自信もありました。ただ、いくら実力があっても試合に出なければそれを見せられない。そこをうまく自分で打開、解決できなかったなとは感じています。常に向上心をもって取り組めたとは思っているので、監督に自分をアピールする見せ方に自分の足りない部分があるなと感じています。自分の実力が足りなかったから出られなかったのだと。でも正直言うと、それはキツかったです(苦笑)。
 自分の持ち味はやっぱりゴールに絡むという部分です。昨季は1得点しかできなかったですし、アシストも少なかったんですが、通用するなと感じてはいました。そこをどうやって、もっとアピールというか、自分の強みとして見せることができるか。自分が考えるに、一つのパスで裏に抜けての得点が一番簡単ですし、自分が一番好きなゴールでもあります。そこをもっと見せたかったなという思いはあります。ただチームとしてもなかなか攻撃に時間が割けなくて、うまくできませんでした。でもそれが相手にとって一番嫌ですし、ゴールに直結するプレーですから、狙っていきたい。ミスしてもいいからスルーパスを出したり、裏への動きを見せたり、みんなで常にゴールから考えてプレーするのが大事かなと思いますね。


 「常勝」を常としていた和泉竜司選手は、どうプロ1年目を過ごし、そして「不退転の覚悟で臨む」という2年目を迎えようとしているのか...。続きは『Grun』2017年2月号をぜひご覧ください。

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