試合結果 マッチレポート フォトギャラリー
　両チームサポーターで埋め尽くされたフクダ電子アリーナ。午後7時、そのサポーターの声が大きく渦巻くピッチに両チームのイレブンが入場をする。試合は、ホーム・千葉のキックオフで開始する。前半は右にエンドを取る名古屋のこの日の先発メンバーは、GK楢崎、DFは右から竹内・バヤリッツァ・増川・阿部の4人。中盤は、右から杉本・中村・吉村・小川の4人。FWはヨンセン・玉田の2人。いつも通りの4-4-2の布陣で試合に臨んだ。
　1分、左サイドの阿部が吉村にパスを出すが、千葉・下村の背後からの厳しい寄せに潰されてしまう。2分、千葉陣内左中程でFKのチャンス。小川の蹴ったボールは、千葉の選手の頭に弾かれてしまう。
　3分、右からボールを持ってドリブルで千葉・深井が仕掛けてこようとするが、小川と阿部で挟みこんでボールを奪う。5分、左に開いた千葉・ミシェウの中央へと流し込んだパスに、逆サイドから深井が走り込んでくる。しかし、これはタイミングがあわず、ボールは深井の背後を抜ける。

　7分、左から縦パスに抜け出した千葉・青木がクロスボールを入れようとしたが、ゴールラインを直接割る。
　降格圏争いから早く抜け出したい千葉は、前半からアグレッシブなプレーを展開する。逆に名古屋は、思い通りのパス回しがなかなか出来ず、得意のコンビネーションプレーも少ない。この後も千葉の迫力の前に、苦しい展開が続く。

　10分、左でボールをキープして前に千葉・谷澤が仕掛けてこようとするが、玉田が猛烈な勢いでこれに詰め寄り、ボールを奪う。11分、左の小川から右に開いている杉本へとサイドチェンジのボールが出るが、バウンドのタイミングが合わず、タッチの外へ出てしまう。負傷のマギヌンに代わってこの試合に先発出場した杉本だったが、前を向いてボールを持つことが出来ず持ち前のスピード突破を発揮することが出来ない。

　12分、右からミシェウがドリブルで仕掛けて中へと流し込んだボールを受けた千葉・レイナウドが、裏を狙った縦パスを狙ってくる。しかし、増川が上手く足を入れてボールをカットする。15分、中央の中村からパスを受けた杉本が左に開くヨンセンへと長いボールを蹴るが、長すぎてしまいタッチを割ってしまった。
　16分、中央フリーでボールを持ったレイナウドの強烈なミドルシュートはポストの左へ流れる。

　17分、左CKのチャンス。小川の入れたボールにファーポストのヨンセンが詰めるが、千葉GKがキャッチしてしまう。
　21分、右に上がってきたミシェウがマイナスに入れたボールをレイナウドがワンタッチで中へと流しこむと、中央で受けた谷澤が右足でシュートを放ってくるが、クロスバーの上を抜けていき難を逃れる。22分、右から中へとボールを持ち込んだ小川が左足でシュートを狙ったが、これは惜しくもDFに当たって枠の外へと弾かれてしまった。

　27分、中村、ヨンセンとパスが繋がると、右サイドを駆け上がる小川へ。そのまま持ち込んで、小川が狙った右足シュートはゴール前を抜け、左ポストの外へ流れ出てしまう。28分、阿部からの縦パスを杉本が、裏へと抜ける玉田へワンタッチで送るが千葉の選手に当たってしまう。
　32分、左からのCKのチャンス。小川の蹴ったボールからファーポストの竹内がヘディングシュートを放つが、惜しくも右のサイドネットに逸れてしまう。35分、千葉にゴール前で短く繋がれると、味方に当たったボールがゴールに向かって飛んでくるが、楢崎がきっちりと反応して右ポストの外へ弾き出す。37分、千葉陣内左深く、ペナルティすぐ外の好位置でFKを得る。この場面でキッカーを務めるのは小川。ゴール正面に小川が蹴り入れたボールは、DFが頭で跳ね返してしまった。

　ここまでは、お互いに一進一退の状況が続き、千葉サポーターの迫力に晒されながらの緊迫した場面が続く。しかし39分、右サイドでボールを持って前を向いた小川が、相手プレッシャーがないところを見計らって右足を振りぬく。そして、このロングシュートは美しい弧を描いて枠をしっかりと捕らえ、名古屋が均衡を破る先制点を挙げる。
　40分、千葉1人目メンバー交代：青木→早川

　42分、右サイドで相手パスをインターセプトした小川が深い位置まで持ち上がると、中央に上がるヨンセンを狙ってクロスをあげるが、ボールは頭上を抜けて千葉DFに渡ってしまった。ロスタイム、ゴール前へのクロスにレイナウドが飛び込んでくるが、飛び出した楢崎がボールをガッチリと捕らえる。そしてここで前半終了。得意の早いパスワームを見せることが出来ない名古屋だったが、ここまでは千葉の早い攻撃にきっちりと対応して、1点をリードして折り返す試合運びを見せた。
　小川の3試合連続ゴールで試合の主導権を握った名古屋のキックオフで後半がスタート。後半は左から右へと攻め上がる。
　1分、下村からのパスを受けて、ゴール正面でミシェウが前を向こうとするが、バヤリッツァが厳しく寄せてボールを奪う。2分、左から千葉・坂本の放り込んだボールを中央でレイナウドがヘディングシュートに来るが、クロスバーを越える。しかし、今度は右サイドから千葉・早川が入れたクロスを、中央で谷澤がヘディングシュート。これに楢崎が反応するもののボールを抑えきれず、ゴール右隅に決められて同点とされてしまう。

　さらに4分、右から入り込んだ谷澤のシュートに反応した楢崎がボールを弾いたところへ、走り込んできた深井に左足でゴールに押し込まれる。名古屋は、僅か1分の間に千葉に逆転を許し試合を引っ繰り返されてしまう。
　5分、左からのCKのチャンス。小川のボールを中央で増川が合わせに行くが、DFに弾き出されてしまう。

　7分、右から竹内が持ち上がると中へクロスを上げたが、千葉DFに弾かれてしまう。更に、このこぼれ球を拾った小川が中へと入れようとしたが、このボールも集中した守備を見せる千葉DFに弾かれてしまう。
　9分、左から杉本が丁寧に入れていったクロスボールに、逆サイドから詰めたヨンセンが右足でボレーシュートを放つが、惜しくもクロスバーの上に抜け、決定的な場面を外してしまう。

　13分、ヨンセンが中央で落としたところを拾った阿部が遠目からシュートに行くが、クロスバーの上へ。14分、右からの谷澤のクロスに、中央を抜け出してきた深井のワンタッチのシュートはポストの右に流れる。
　後半の立ち上がりに千葉に2点を奪われて逆転されたことが、名古屋の選手から落ち着きを奪う。プレーにも焦りが見えて名古屋らしいパスワークが影を潜めてしまう。
　17分、ヨンセンが頭で落としたボールを右から縦に仕掛けようとした杉本だったが、ドリブルをしようとしたボールがタッチを割ってしまった。

　19分、千葉陣内左深くの好位置でFKのチャンス得る。このタイミングで名古屋は、1人目メンバー交代枠を使い、杉本に代えて巻を投入する。そしてこのFKを小川が蹴るが、ボールは中央でクリアされて右からのCKに。このCKを玉田が蹴ると、中央に増川が詰めるが、ボールはその頭上を抜けてしまった。
21分、阿部が縦に鋭くグラウンダーのパスを入れて巻をスペースへと走らせるが、追い付く前にボールが先にゴールラインを割ってしまう。23分、自陣右深くでの千葉のFK。深井の蹴ったボールは大きく、そのままゴールラインを直接割った。

　25分、吉村が左サイドへとはたいたボールを受けた小川がそのまま持ち込むが、中央へと入り込んだところで、人数を掛けた千葉DFに阻まれてボールを失ってしまう。26分、吉村が斜めに当てたボールを受けようとした巻だったが、芝に足を取られてボールを失ってしまう。
　27分、小川の入れたクロスを中央で巻が頭でスペースに落とすが、誰も反応できない。
　28分、千葉2人目メンバー交代：ミシェウ→戸田

　29分、左タッチ際で小川の送ったパスを深い位置でヨンセンが拾ってマイナスに折り返す。しかし、味方が詰める前に千葉GKが抑えてしまった。
　32分、名古屋は2人目のメンバー交代で、疲れの見える阿部に代え山口を入れる。そして阿部のポジションには小川が入り、右サイドに山口が入る。34分、千葉は3人目のメンバー交代で、深井に代えて巻を投入する。すると35分、ストイビッチ監督も中村に代えて藤田を投入し、最後の勝負に出る。

　37分、バヤリッツァの縦パスを下がって受けたヨンセンが、スペースに落として藤田の攻め上がりを待つが、これはオフサイドの判定。38分、 左から早いリスタートを見せると、玉田、小川と早いパスを繋いで仕掛けるが、トラップが流れたところを寄せた千葉DFに拾われてしまう。

　40分、右から山口が狙い澄ましたクロスを入れると、中央でヨンセンがヘディングシュートを狙う。しかし、ボールをしっかりとコントロールすることが出来なかった。42分、右から藤田が巻とのパス交換でペナルティエリア内へと入り込むが、千葉DFに前を阻まれてボールをカットされてしまう。
　ロスタイム1、竹内の縦を狙ったパスは千葉DFの足に掛かってしまい、縦に抜け出そうとした山口へは届かなかった。ロスタイム2、中央の千葉・工藤からのDFの裏へのパスに走り込んできたレイナウドの右足シュートはポストの右へ。ロスタイム3、右から山口がゴール前へと丁寧に上げると、ニアサイドの巻が頭でボールをねじ込もうとしたが、体を寄せてきた千葉DFに当たってポスト右へ流れ出てしまう。

　最後、右CKのチャンスに玉田の蹴ったボールは、ゴール前で待ち受ける上背のある選手達の頭上を大きく抜けて逆サイドへと流れ出てしまった。そして、ここで大きく主審の両手が上がり、試合終了が告げられてしまう。5連勝で勢いに乗ってフクアリへと乗り込んできた名古屋だったが、千葉の気迫溢れるプレーの前に得意のサイド攻撃を封じられてしまった。そして逆転で一気に勢いを増した千葉から追加点を奪うことは出来ず、星を落とす結果となってしまった。

　試合後、「ホームなので、しっかり勝ち点3を取れるよう良い準備をしたい。」（小川）、「次の浦和戦に向け、良い準備をしたい。ホームでは我々の力を出せるので良い試合をしたい。」（ヨンセン）、と次節に向けた熱い決意を選手達が語れば、「今日のゲームはもう忘れ、しっかり休みたいと思う。そして次節の浦和戦に向け、しっかり目標を絞り戦いたいと思う。」とストイコビッチ監督も、早くも次節の浦和戦を見据えていた。