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午後7時、サポーターの前に両チームの選手がピッチに姿を現すと、それまで風も無く穏やかだったスタジアムの空気が、一気に熱気をはらんで大きく動き始める。この日の新潟戦に勝利をすればチームは5連勝、さらに首位の座を不動のものとするだけに名古屋のサポーターの声援にはいつも以上に力がこもっていた。
この日の名古屋の先発メンバーは、GK・楢崎、DFは右から竹内・バヤリッツァ・増川・阿部の4人。中盤は、右から小川・中村・吉村・マギヌンの4人。FWはヨンセン・玉田の2人。いつも通り、4-4-2の布陣でこの試合に臨んだ。 |
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前半は、右にエンドをとるアウェイ・新潟のキックオフでスタート。
1分、新潟・矢野の落としたボールを受けた新潟・アレッサンドロが縦パスを入れてこようとするが、阿部が足を入れて弾き返す。2分、左サイドで縦に入った楔のパスを上手くスペースに落としたヨンセンが、自ら仕掛けてゆこうとするが、DFをかわそうとして自らボールをタッチの外へと出してしまった。
4分、自陣の阿部から出た長い縦パスに、玉田がトラップをして抜け出そうとするがDFの早い寄せに潰されてしまう。5分、左からのCKのチャンス。小川のボールは、中央でGKに弾き出されてしまう。6分、右サイドでこぼれ球を拾った中村が縦に送ると、竹内が仕掛けてボールを鋭くゴール前に入れる。そして小川が、これに詰めてヘディングシュートを狙うが、DFがしっかりと体を寄せられて前へと飛ばすことは出来なかった。
ガンバとの苦しい試合を制した名古屋の選手達は、この日も立ち上がりからボールを支配して自分達のリズムで試合を進めるものの、攻守のキーマンである中盤の中村・吉村の2人が厳しい寄せにあい決定的な攻撃を仕掛けることが出来ない。
10分、相手選手のドリブルを小川が体を入れてボールを奪うと、ヨンセンへと送る。そして、ヨンセンがワンタッチで落としたボールを受けたマギヌンが、中央に走る小川へとパスを出すが、DFに体を入れられて弾かれてしまう。12分、自陣で相手ボールをカットして繋いだボールを受けた玉田が、中央で一気に持ち上がる。そして玉田は、右に追走してくる吉村へとパスを預けようとしたが、これは長すぎてしまい惜しくもタッチを割ってしまう。
16分、左サイドの小川にボールを預けた玉田が、背後を回って縦に上がる。小川は、縦パスをゴール前へと狙っていれるが、相手の足に弾かれてしまう。20分、左に流れながら新潟・マルシオのパスを受けた松下がDF裏のスペースにボールを入れてくるが、精度が低くゴールラインを直接割る。22分、マルシオが下がってボールをキープ、これを新潟・千代反田が受けて大きくゴール前を狙ってクロスを入れてくるが、楢崎がキャッチする。
25分、相手のセットプレーをクリアしたこぼれ球を拾ったマギヌンが縦に上がろうとするが、新潟DFの早い寄せに挟まれ、ボールを奪われてしまう。28分、新潟陣内中程右タッチ際でのFK。縦に出されたボールを玉田が受けて、マギヌンとのワンツーでペナルティボックス内へと入り込むが、シュート態勢に行く前にDFに囲まれてボールを奪われてしまった。29分、左から抜け出してきた小川の枠を捕らえたシュートは、ジャンプした新潟GKの片手に弾かれてしまう。
33分、右サイドを新潟・アレッサンドロがスピードに乗ったドリブルで仕掛けてくるが、前を阻んだ阿部がボールを奪う。34分、下がってボールを受けた玉田からのボールを右サイドから竹内が丁寧にゴール前へと入れる。このクロスに中央でヨンセンが、ファーポストでマギヌンが待ち受けたが、DFの頭にクリアされてしまった。
35分、左CKのチャンス。小川のボールに中央で増川が飛び込むが、飛び出した新潟GKがボールをキャッチしてしまう。36分、左タッチ際で玉田からヨンセンと繋いだボールを、縦に上がるマギヌンへと送るが、オフサイドの判定。37分、吉村から左のマギヌンへとパスが繋がるとゴール前にクロスを上げる。そして、中央のヨンセンがヘディングシュートを放つが、シュートは新潟GKに阻まれてしまった。
38分、左サイドの阿部からの縦パスを玉田が中央で受け、前を向こうとしたところ倒されて、相手陣内深くやや左寄りの絶好の位置でのFKを得る。これを玉田が蹴ると見せかけて小川が右足で直接ゴールを狙ったが、ボールは壁の選手に阻まれてしまった。
41分、自陣でマギヌンが奪ったボールを左の小川に繋ぐと、縦に走る玉田にあわせてパスを送る。玉田は、左から寄せてきたDFをかわして角度のない位置からシュートを狙うが、ポストの左に抜けてしまう。43分、右サイドのマギヌンからDFの裏へと抜け出したヨンセンに綺麗にパスが通るヨンセンが右足でダイレクトシュートを狙ったが、寄せてきたDFの足に阻まれ、枠へと飛ばすことは出来なかった。
44分、新潟1人目メンバー交代：木暮→寺川
そして、名古屋は相手選手との接触で負傷したマギヌンに代えて、急遽杉本を投入する。ロスタイム、縦にペナルティエリア内へと侵入を試みた杉本のゴールライン際からの右足シュートは、ニアサイドで新潟GKに阻まれてしまう。そして前半は互いに譲らず、0-0のスコアレスで終了。
前半終了間際のマギヌンの途中交代で、スタジアムは一瞬嫌な雰囲気に包まれたものの、杉本の登場で停滞しかけていた名古屋のリズムがようやく加速し始め、チームは良いムードで後半へと折り返した。 |
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エンド入れ替わり、後半は右エンドの名古屋のボールで試合再開。
1分、右からのCKのチャンス。玉田の蹴ったボールは、ニアサイドの相手選手の頭に弾かれてしまう。2分、左の阿部から出されたアーリークロスをヨンセンが縦に落とすと、中央へ入り込んだ小川が左足でダイレクトにシュートを放つ。しかし、このシュートはクロスバーの上を抜けてしまった。
そして4分。小川が右サイドに張り出した吉村にパスを出すと、そのままエリア内にフリーラン。吉村から出されたパスをゴール正面で玉田が落としたところに、スペースへと入り込んだ小川が、右足から狙い澄ましたシュートを新潟ゴール右隅に突き刺して、見事先制点を叩き出す。この小川の今シーズン8点目そして瑞穂での初ゴールが、名古屋に勢いを与えた。
5分、右CKのチャンス。玉田の蹴ったボールは大きく、逆サイドへと流れてしまう。
7分、小川からのパスを受けて左サイドを抜け出した玉田だったが、中へと入れようとしたボールはDFに弾かれてゴールラインを割ってしまう。9分、自陣右での新潟のFK。マルシオが大きく前線へと蹴り込んできたが、ボールが直接ゴールラインを割る。11分、左から新潟・松下が縦に抜け出してくると切り返しで竹内を抜き去ろうとしたが、竹内が粘り強さを見せて、きっちりとボールを奪い去った。
12分、新潟の右CK。松下のボールは、ゴール正面の中村が頭で弾き出す。13分、新潟・内田からのスルーパスに矢野が抜けだそうとするが、増川と阿部が良い連携を見せて中への侵入を阻む。14分、左タッチ際でパスを受けた杉本がそのまま縦に勝負を仕掛けると、中へと切れ込んだところでペナルティボックスの外から強烈なシュートを放つ。しかし、これは惜しくも新潟GKの正面を衝いてしまった。
前半から続いていた新潟の球際での厳しさも、時間が経つにつれて徐々に運動量が減りはじめ、先制点を奪って勢いに乗り始めた名古屋が、良いリズムで試合を進められるようになる。
17分、玉田からのパスを右で受けた小川が持ち上がると、グラウンダーのパスをゴール前へと入れる。これにヨンセンが反応して中央へと走り込むが、戻った新潟DFの足に弾かれてしまい、触れることは出来なかった。20分、左からの新潟のCKのこぼれ球を、前に仕掛けたバヤリッツァが縦へと抜け出す杉本へパスを送る。スピードに乗って縦に仕掛けようとした杉本だったが、追走する新潟・松下のファウルに遭い、倒されてしまう。
22分、竹内からの縦のスペースへのロングボールに追い付いた杉本が深い位置から中へと折り返すが、中央に入り込んだヨンセンの背後に流れてしまった。24分、新潟陣内中程左タッチ際でのFKのチャンス。小川の蹴ったボールはゴールに向けカーブを描いて飛んでいったが、ボールには誰も触れる事が出来ずゴールラインを割ってしまった。
27分、右の新潟・内田からのクロスボールを中央であわせたアレッサンドロのヘディングシュートはクロスバーの上へと抜ける。
28分、名古屋2人目メンバー交代：吉村→米山
32分、阿部からのサイドチェンジのボールを右サイドで受けた小川が中央へと落とすと、これに米山が走り込んでシュートを狙うが、ボールを抑えきれずクロスバーを大きく越えてしまう。33分、自陣左での新潟のFK。マルシオが蹴ったボールが枠を捕らえてくるが、ここは楢崎がパンチングでボールを大きく弾き出す。34分、名古屋はここで3人目の交代としてFWの玉田に代え、守備のスーパーサブとも言える山口を投入してストイコビッチ監督は守りを固めに入る。
35分、中央でボールを持って前を向いた山口が強烈なミドルシュートを放つと、これを新潟GKがファンブル。これを前線にポジションを取っていた中村が詰めるが、GKがボールをキャッチしてチャンスを決めることは出来なかった。
39分、中央のマルシオからのスルーパスにアレッサンドロが中央を抜け出してくるが、前に出た楢崎がボールをきっちりとボールを抑える。40分、右から松下の入れてきたゴール前へのクロスは、増川が左足で豪快にクリア。41分、小川の落としたボールを中央で受けた中村が左足でシュートをするが、DFに当たって弾かれてしまい惜しくも追加点は挙げられなかった。
42分、左からの新潟のCK。短く繋いだボールを松下が直接狙ってくるが、楢崎が片手でボールを枠の外へと弾き出していった。43分、セットプレーのこぼれ球を、右からマルシオが鋭く入れてくると、これを中央で矢野に合わせられそうになるが、阿部が落下点へと入りきっちりとボールを弾き出す。
そして44分、カウンターで自陣から中央を抜け出してきた小川が、左から上がりをみせる杉本の前のスペースへと長いパスを出す。新潟GKは、これを阻止しようとペナルティボックスを飛び出してくるが、先にボールに追い付いた杉本のワンタッチのシュートがGKに当たりながらも無人のゴールを捕らえて、名古屋は追いすがる新潟を突き放す決定的な2点目を挙げる。
ロスタイム、自陣で短いパスを繋ぎながら相手を揺さぶると、新潟の選手の足が止まったところを見計らって裏へと出たボールに山口が飛び出す。しかし、先にボールを新潟GKが抑えてしまいシュートを打つまでには至らなかった。
そして、4分のロスタイムもきっちりと名古屋が主導権を握る。チームは、残された時間を有効に使って新潟にチャンスを全く作らせることなく、5連勝を決める試合終了の笛がスタジアムに鳴り響いた。
「新潟というチームには借りがあり、同じチームに1シーズンで勝ち点を6も与える事は優しすぎる。今日はしっかり勝ち点3を獲る」と選手達と誓ったストイコビッチ監督の言葉通りの結果を選手達が見事示し、名古屋は2-0で新潟を下し2戦連続での完封劇で5連勝を飾った。 |
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