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水曜夜の平日開催試合となったナビスコカップ準決勝の初戦。しかし、初の決勝進出の後押しをしたいと願うサポーターで、ホーム側の自由席スタンドは早い時間帯から埋め尽くされている。
午後7時、ナビスコカップのテーマ曲に送られて両チーム選手が入場。
試合は右エンドのアウェイ・大分に対し、左エンドの名古屋のキックオフで試合が開始される。 |
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この日の先発メンバーは、GK西村、DFは右から竹内・バヤリッツァ・増川・阿部の4バック。中盤は、小川・米山・吉村・マギヌンの4人。FWはヨンセンと巻の2人。すっかりお馴染みとなった、4-4-2の布陣だ。
2分、右に抜け出した小川が深い位置で中へ折り返すと、中央にヨンセンが走り込むがコースに体を投げ出したDFに当たってコースが変わりGKに抑えられてしまった。
7分、左で巻の落としたボールをマギヌンが阿部に預けて上がりを見せる。このボールを阿部から貰った吉村は、右に抜け出す小川にパスを出したが、ボールはゴールラインを割ってしまった。9分、左の阿部からのアーリークロスがDF当たって逆サイドへ流れ出たところを、走り込んだ小川がダイレクトでシュートを打つが、ボールはポストの右へ流れてしまう。
10分、中央に入ったパスを大分・森島が落とすと西山がミドルシュートを狙ってくるが、クロスバーの上を大きく抜けていった。13分、中央でヨンセンが競り合ってこぼれたボールに吉村が、すかさずダイレクトで左スペースへと蹴り出したが、左サイドのマギヌンはボールを追い切れずゴールラインを割ってしまう。
15分、大分の右CK。名古屋のサポーターの大きなブーイングを受けながら蹴るのはウェズレイ。右足で丁寧なボールを入れてくるが、名古屋DFがしっかりと縦にクリアする。16分、自陣から西村のボールに一気に抜け出したマギヌンが大分GKと1対1になる。名古屋は、絶好の先制点のチャンスを迎えるが、追走してきたDFに体を寄せられてしまいシュートを放つことは出来ず、惜しいチャンスを逃してしまった。
21分、右から中へと持ち込んだ小川がマギヌンへと当てて落ちたボールを拾うと遠目から左足でシュートを放つが、クロスバーの僅か上へ抜けてしまった。22分、右に上がってくる大分・高橋からサイドを変えたボールに左サイドから大分・金崎が入り込んでくるが、落下点に先に入った竹内が頭でボールを弾き出した。
24分、ロングパスを右サイドにポジションを変えていたマギヌンが、中にボールを落としたところに詰めてきたヨンセンが巧みなトラップから右足で抑えの効いたミドルシュートを放つが、ボールはポストの僅かに左へと流れてしまい、枠を捕らえることが出来ない。
26分、マギヌンが大分陣内中程左寄りの位置で倒され、FKのチャンスを得る。これをマギヌン自らが蹴るが、左足のボールはゴール前に詰めていたDFの頭に跳ね返されてしまう。
28分、阿部がボールを持って仕掛けるタイミングに合わせてヨンセンが縦に走り出すと、彼の足下に阿部から絶妙なパスが出てくる。ヨンセンはトラップでDFをかわそうとするが、ボールが流れてしまいゴールラインを割ってしまう。
34分、左を細かなドリブル見せて上がってきた大分・金崎が中へと切れ込んで右足から強烈なミドルシュートを放ってくるが、クロスバーの上。37分、吉村からのロングボールを右から抜け出した巻が頭で中へと折り返すが、ボールがDFに当たって大きく跳ね上がったところで大分GKが抑えてしまう。
39分、阿部からのクロスボールにゴール前へと詰めた巻が、DFに競り勝って狙ったヘディングシュートは惜しくも左のポストを叩いてしまう。さらに、このこぼれ球にファーポストに詰めてきたヨンセンが膝で押し込もうとしたが、ゴール内に詰めていたDFに蹴り出されてしまい、絶好のチャンスを決めることが出来なかった。
44分、中盤で米山がパスをカットされると、下がってきてパスを受けたウェズレイがミドルシュートを狙ってくる。しかし、このシュートはクロスバーを大きく越える。ロスタイム、大分の速攻から金崎が中央で鋭い突破を見せるが、吉村がカード覚悟の厳しい寄せで潰しピンチを未然に防ぐ。そして前半は、名古屋が押し気味に試合を進めるものの無得点のまま前半を終え、0-0のスコアレスで後半へ。 |
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エンド入れ替わり、後半は左の大分のボールで試合が再開する。
大分1人目メンバー交代:上本→小林
2分、森島の落としたボールに猛烈な勢いで走り込んだ西山にフリーでシュートを許すが、西村がしっかりと反応し外へ弾き出す好セーブを見せる。
5分、右から長い距離を大分・高橋がドリブルで上がってくると、中へクロスと狙ってくるが阿部が落ち着いたプレーを見せて、きっちりとボールをタッチの外へクリアする。
6分、右にフリーで上がる小川にロングパスが通ると、これを持ち上がって鋭くゴール前へクロス上げる。このボールに、逆サイドから巻が詰めるが、その目の前をボールが抜けてしまう。
10分、左サイド深い位置からマギヌンが上げたクロスを中央で巻がDFに競り勝って頭でスペースへと落とそうとするが、良い形でボールに触ることが出来なかった。11分、右から裏へと抜け出した大分・高橋のボールに、中央に入り込んだウェズレイにシュートを打たれそうになるが、竹内が体を張って阻止する。
18分、ゴール前へと入り込もうとしたマギヌンへと吉村が縦パスを当てるが、体を寄せていたDFにカットされてしまう。19分、右からのCKのチャンス。マギヌンの左足のボールに増川、バヤリッツァがゴール前へと入り込むが、ボールは大分GKがパンチングで弾き出してしまう。
そして20分、「サイドからのスペースを使ってクロスを上げてくるのが一番怖い」と大分・シャムスカ監督が試合後に語ったサイドからの崩しを名古屋が見せる。竹内が、ドリブルで縦に抜けるて右サイドの深い位置から低いグラウンダーのクロスを入れると、大分のゴール前でクリアしようとしたDFに当たってボールがこぼれる。これを、ニアポストに詰めていたヨンセンが膝で押し込んで、ついに大分のゴールをこじ開け、名古屋サポーターが待ちに待った待望の先制点が生まれる。
22分、名古屋・ストイコビッチ監督は、疲れの見えるヨンセンに代え、スピードのある杉本を投入する。
23分、自陣中央ゴールほぼ正面の位置での大分のFK。鈴木がDFの背後へと浮き球を入れてくるが、相手選手に当たって右のポストの外へと流れ出る。
大分2人目メンバー交代:森島→高松
24分、阿部が頭で西村へと戻したボールをウェズレイに奪われると、「自分達のミスから相手にプレゼントを与えてしまった。」(ストイコビッチ監督)という言葉通り、ワンタッチでゴール右に冷静に沈められ、大分に同点ゴールを奪われてしまう。
26分、大分・高橋が中へと入り込んできたところで放った左足シュートが、コースに入った米山に当たって、反応した西村の逆を突いたが、ここは西村が苦しい体勢ながらもボールをポスト右に叩き出す。
29分、左の阿部からのクロスが、ゴール前に詰めている大分DFに当たって反対サイドへと流れる。これを拾った小川が角度のないところから右足でシュートを放つが、ボールはクロスバーの上へ抜けてしまう。
30分、名古屋2人目メンバー交代:米山→藤田
31分、杉本が左で吉村からパスを受けると、グラウンダーのボールをゴール前へと流し込む。このボールに中央を巻が走り込むが、体を投げ出した大分GKに弾き返されてしまった。33分、中央で藤田がボールを右に上がる竹内へと送る。竹内は、ゴール前へクロスを上げようとするが、コースに入ったDFに跳ね返されてしまう。
35分、名古屋3人目メンバー交代:吉村→津田
36分、中央の小川からの浮き球に巻が、DFの間を飛び出してヘディングシュートに行くがオフサイドを取られてしまう。38分、大分陣内中程左寄りでのFKのチャンス。小川の早いボールに一気に上がっていた選手が詰めるが、DFに弾き出されてしまった。
39分、縦に持ち上がってきた増川からボールを受けたマギヌンが、左サイドからゴール前にクロスを上げると、巻がヘディングシュートを狙う。しかし巻は、DFに寄せられてボールはポストの右へ流れる。41分、左からのCKのチャンス。小川がゴール前へと狙ってボールを蹴るが、大分GKに弾き出されてしまった。
42分、大分陣内左寄りでボールを持ったマギヌンが強烈なミドルシュートを放つが、ポストの僅か左へ。
43分、大分3人目メンバー交代:西山→小林(亮)
ロスタイム1、右に上がってきた津田からのクロスを中央で巻が待ち受けるが、クロスボールは前に飛び出してきた大分GKに捕らえられてしまう。ロスタイム2、中央の大分・金崎から左の鈴木へとパスが通ると右足シュートを狙ってくるが、ボールは大きくゴールを越えた。
ロスタイム3、左サイドでマギヌンがキープを見せると、追い越してきた阿部に合わせて縦パスを出す。しかし、大分・森重が体を投げ出してボールをカットしてしまい、チャンスを潰されてしまう。ロスタイム4、右からのクロスがゴール前でこぼれると、藤田がダイビングヘッドで中にボ再びボールをもどすが、杉本と巻はオフサイドポジションのため反応できず、ボールを大分GKに抑えられてしまう。
そして、杉本が拾おうとしたボールを大分DFが大きくクリアしたところで試合終了を告げるホイッスルが瑞穂の空に鳴り響いた。
この日は追加点を奪えずに、引き分けに終わった名古屋。悲願の決勝進出のためには、7日(日)にアウェイで行われる第2戦で勝利もしくは、2点以上を取り合う引き分けが条件となる。しかし、「大分へは守備をしに行くのではない。今日の試合を終え、準決勝の前半が終了しただけ。次の試合は残りの後半90分を戦う事。」と試合後に厳しい表情で語ったストイコビッチ監督の言葉通り、アウェイの地で臆することなく、選手全員が「絶対に勝つ」という強い気持ちをプレーで表現できれば、初のナビスコカップ決勝進出は決して叶わぬ夢ではない。 |
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