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 午後7時とはいえ、まだまだ日中の蒸し暑さと熱気が残る瑞穂陸上競技場。名古屋は4年ぶりのナビスコカップ準決勝進出をかけて、ジェフ千葉とナビスコカップ準々決勝の第2戦を戦った。

 名古屋の先発メンバーは、GKは守護神・楢崎、そしてDFは竹内・バヤリッツァ・増川・阿部の4バック。中盤は小川・中村・吉村・マギヌンの4人。FWはヨンセン、玉田の2人。いつも通り4-4-2の布陣で試合に臨んだ。
 前半、右エンドのアウェイ・千葉に対し、ホームの名古屋はいつも通り、左にエンドを取り、右へと攻め上がる。試合は、千葉のキックオフでスタート。
 アウェイでの初戦を1-0で制し、千葉にゴールさえ許さなければ準決勝へと駒を進められる名古屋。この日の試合でチームは、相手の出方を伺いながら慎重な立ち上がりを見せるかと思われたが、前日の練習後の「初戦は忘れて、新たなチャレンジで臨む」と言うストイコビッチ監督の言葉通り、序盤から積極的に両サイドを活かした攻撃を名古屋は見せる。

 4分、右サイド深くで玉田のパスを、竹内がダイレクトでゴール前へと放り込むと、中央に詰めていたヨンセンが頭で枠を狙うが、ポストの外へ。5分、右からのCKのチャンス。マギヌンの早いキックをニアに詰めていた玉田がワンタッチで流し込もうとしたが、DFにカットされてしまう。

 7分、左に抜け出してきた小川のパスを伴走してきた玉田が受けると、左足でシュートを狙うが強いボールを蹴ることが出来ず、右に流れ出てしまう。9分、右CKでマギヌンの蹴ったボールが正面でこぼれたところを中村がシュートに行くが、体を入れたDFに弾かれてしまう。

 11分、左に上手く裏へと抜け出た小川が中央にパスを入れると、玉田がこれを受ける。しかし玉田は、前を向くことが出来ずにボールがこぼれてしまう。更に、これに反応して走り込んだ吉村が強烈なミドルシュートを放つが、ポストの僅か左へそれてしまう。18分、左サイド深くで、玉田と小川が早いパス回しを見せて崩そうとしたところで倒されてしまい、好位置でのFKを得る。19分、このFKを玉田が蹴ると見せて増川が右足を振り抜くが、惜しくも壁の選手に当たってコースが変わり、枠を捕らえることが出来ない。

 27分、自陣中程左でこぼれ球を拾った千葉・新居が、意表を突いてミドルシュートを放ってくるが、ここは楢崎が冷静なプレーを見せて、ポストの外へと弾き出す。33分、左タッチライン際の阿部から、玉田のDFの裏へと走り込むタイミングにあわせてパスが出る。玉田は、これをゴールラインぎりぎりのところでシュートを放つが、ボールは左のサイドネットを揺らしてしまう。

 44分、中央を上がるマギヌンからのパスを貰った玉田が、上がってきた阿部にボールを託すと、阿部はゴール前へ鋭いクロスを上げる。これにヨンセンが頭で合わせようとしたが、千葉・ボスナーの厳しいマークにクリアされてしまう。そして前半は、互いに決め手を欠き0-0のスコアレスで終了する。
 エンド入れ替わり、後半は右エンドの名古屋ボールで試合が再開。「良いゲームだがゴールから離れている。シンプルに、アグレッシブにプレーして、必ずゴールを決めよう。」とストイコビッチ監督はハーフタイムに選手達に指示を出して、物足りない前半の内容を払拭させようと気合いを入れる。

 後半は、立ち上がりから名古屋が前にボールを運ぼうと積極性を見せる。2分、左から持ち上がるマギヌンの入れたクロスボールに逆サイドから小川が飛び込むが、このボールには触ることが出来ない。
4分、名古屋1人目メンバー交代:バヤリッツァ→三木

 6分、左から阿部がボールを持って入り込み、小川とのワンツーでスペースへと抜け出そうとしたが、DFにボールをカットされてしまう。8分、中央で中村が落としたボールを受けた竹内が鋭く縦パスを出してヨンセンを走らせるが、球足が速く、千葉GKへと渡ってしまう。

 9分、中央でボールを持って前を向いた千葉・谷澤のシュートは、右のポストを叩いて難を逃れる。10分、右にこぼれ球を拾った玉田がマイナスに入れたところに、中央へ走り込んだ中村がシュートを放つが、ボールは大きくクロスバーを越えてしまう。

 15分、左に流れ出たボールをヨンセンが拾うと、寄せてきたDFに当ててCKを得る。そして、小川の蹴った鋭いボールをニアサイドに飛び込んできた増川が頭でコースを変える。するとボールは、クロスバーを叩きながらも千葉ゴールに吸い込まれ、待ちに待った待望の先制点がセットプレーから名古屋に決まる。
19分、千葉1人目メンバー交代:新居→苔口
20分、名古屋2人目メンバー交代:中村→米山

 先制するまでは、なかなか良い流れを掴むことが出来なかった名古屋だったが、増川のセットプレーからのゴールがチームに良い雰囲気をもたらし、後半はしっかりとボールを支配し、試合を優位に進める。

 22分、千葉陣内左深くで玉田がボールをキープして相手のファウルを誘い、好位置でのFKを得る。これをキッカーの小川があげると、ファーポストの増川が頭で叩くが惜しくも右に流れてしまい、追加点を挙げることは出来なかった。

 26分、マギヌンからのパスを中央で玉田がワンタッチでコースを変える。更に玉田は、千葉DFの足下を抜くパスでヨンセンを使おうとしたが、ボールをDFに奪われてしまった。
28分、千葉2人目メンバー交代:斎藤→中島

 30分、ゴール前でボールを回されると、最後右から上がってきた千葉・中島がゴール前へと柔らかいボールを流し込んでくる。しかし、ここは楢崎が落ち着いて前へ出てボールを押さえる。
31分、名古屋3人目メンバー交代:ヨンセン→巻

 マギヌンのパスを受けた玉田が遠目から左足のシュートを放つ。しかし、これは左ポストの外へと流れてしまい、枠を捕らえきれない。
32分、千葉3人目メンバー交代:巻→松本

 34分、千葉陣内左でのFK。小川が、クロスボールを入れてると、ファーポストのマギヌンがヘディングシュートを放つ。しかし、これは惜しくもポストの僅かに右へそれてしまう。35分、マギヌンが中へと流し込んだパスを中央で玉田が受けるが、バランスを崩してしまいシュートに持ちこむ事が出来ない。

 37分、左のオープンスペースへと出たボールを千葉・谷澤がスピードに乗って拾いに来るが、三木が体を張ったプレーを見せて押さえ込む。41分、千葉陣内中央ゴールほぼ正面の位置でFKのチャンス。玉田が、左に開いていたマギヌンにパス送る。マギヌンは、これをゴール前へ鋭く入れると巻と玉田が中央へ飛び込むが、DFにクリアされてしまい、ボールに触れることが出来ない。

 自分達の形を掴んで試合を進めた名古屋だったが、千葉の必死の守備に阻まれて、初戦同様なかなか追加点を奪うことが出来ない。そして、1点をリードして試合はロスタイムに入る。

 終了間際、右サイドを抜け出してきた千葉・中島からのクロスボールに、千葉・工藤が中央へと走り込んでくるが、三木がしっかりと体を寄せてシュートを阻止して、危ない場面を逃れる。そして、増川の挙げたゴールを守りきった名古屋は千葉を1-0の完封で下し、ナビスコカップ準々決勝を2連勝。4年振りの準決勝へと駒を進めた。