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午後7時になっても高い湿度を伴った空気が流れ込み、昼間からの蒸し暑さが残る東北電力ビッグスワンスタジアムで、J1リーグ第15節:アルビレックス新潟戦のキックオフの笛が吹かれた。
試合は、左エンドのホーム・新潟のキックオフで開始。右にエンドを取る名古屋の先発メンバーは、GKが楢崎、DFは右から竹内・バヤリッツァ・増川・阿部の4バック。中盤は、右に小川、左に深井がサイドとして入り、中央には中村と吉村が並ぶ。FWは玉田とヨンセンのツートップという4-4-2の布陣。 |
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この日も立ち上がりから、前節の鹿島戦に続いて古巣との対決となった深井が、積極的にボールに絡むプレーを見せて、名古屋の攻撃にアクセントをつける。
2分、右に持ち込んでいった小川からマイナスのパスを受けた竹内が、中央にパスを流し込む。これに深井が絡むが、DFをかわそうと切り返したところでボールを奪われてシュートまで持ち込むことが出来ない。
前半6分、玉田からのパスを右サイドで受けた小川が一気に持ち上がり、深い位置からゴール前へ絶妙のクロスを入れる。これをファーポストに詰めていたヨンセンが頭で合わせるが、このヘディングシュートは惜しくも新潟GK・北野の正面を衝いてしまう。新潟のホームスタジアム“ビッグスワン”では、未だリーグ戦で勝利のない名古屋だが、千葉とのナビスコ杯を勝利したことで上手く気持ちの切り換えが出来たのか前節の鹿島との敗戦を引きずることなく、しっかりとボールを支配して試合の主導権を握る。
16分、右から深い位置へと持ち上がった竹内から、マイナスのパスを受けた小川がシュートを狙うが、ゴール前に詰めていたヨンセン当たってしまい新潟ゴールを捕らえることは出来ない。そして、立ち上がりから幾度か決定的なチャンスを得ながらも、なかなかゴールを奪えない名古屋に対し、新潟が徐々に落ち着きを見せ始め、徹底したカウンター攻撃を仕掛け始める。
33分、自陣ほぼ中央ゴール正面のところで新潟にFKを与えてしまうと、新潟・マルシオが直接ゴールを狙ってくるが、ボールは壁に当たり、新潟のCKに。これをマルシオが、ニアサイドを狙ったボールを入れてくるが、吉村がクリア。36分、ゴールやや右で新潟・矢野の落としたボールを拾ったマルシオがシュート。しかし、これは精度を欠いて右に大きく流れる。41分、中央でボールを拾った新潟・千葉がロングシュートを放つと、これを楢崎が正面で止めるものの、こぼれ球をアレッサンドロに反応されてしまう。しかし、先にボールに反応した阿部が頭でクリアする好判断で、このピンチを救う。
前半は、両チーム互いに最後の決め手を欠き0-0のスコアレスで試合を折り返した。 |
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エンドが入れ替わり、後半は左エンドの名古屋ボールで試合が再開。「ボールをもっと走らせよう。集中を保って、100%の力を出し切ろう。」と前半のプレーに物足りなさを感じるストイコビッチ監督は、ハーフタイムに選手達に気合いを注入し、ピッチへと送り出した。対する新潟・鈴木監督は「攻撃から守備の時、しっかりとポジションに戻ること。」と、選手達に攻守の切り替えの速さと、更なる運動量を求めた。
そして後半の立ち上がりから、ホームサポーターの大声援を背にした新潟が積極的な攻め上がりを見せてくる。
1分、早いパスを回して、新潟・松下がDFの裏へとダイレクトでパスを入れてくるが、これは阿部がコースを読んでカット。3分、中央でボールを持って入り込んだマルシオが右に上がる新潟・内田にパスを送ると、これを深い位置でゴール前へと上げられてしまうが、飛び出した楢崎がパンチングで弾き出す。
5分、名古屋が鋭いカウンターで攻め上がると、中央でボールを持った玉田が左足を振り抜く。このシュートは、枠を捕らえるが新潟GKの指に触れてコースが変わり、クロスバーを叩いてしまう。名古屋は良い形こそ作るものの、ゴール前での人数を掛けた新潟の守備に手こずり、なかなか先制点を奪えない。更にに選手達はピッチの蒸し暑さの影響もあってか、集中力を切らす場面や不用意なファウルが目立つようになる。
そして13分、阿部の前にこぼれ出たルーズボールを新潟・内田に奪われると、簡単にクロスを放り込まれてしまう。そして、これを逆サイドに飛び込んできた新潟・松下にヘディングでゴールを決められ、新潟に先制点を奪われてしまう。15分、名古屋は、深井に代え杉本を投入し、彼のスピードで攻撃の活性化を図る。しかし、1点を先制して気合いが入る新潟の選手達は、後半に入っても運動量が落ちるどころか、ますますカウンターに切れ味が増し、名古屋にとっては苦しい展開が続く。
18分、自陣中央ゴール正面、約20mの位置で新潟のFK。マルシオが蹴ったボールは、DFが跳ね返す。20分、自陣深く左の位置で新潟のFK。新潟・松下の蹴ったボールは、大きくゴールを越える。22分、セットプレーから小さく出たボールをマルシオが左45度の位置からシュートに来るが、これはポストの左へと流れる。
自陣に引いて人数を掛けた守備を見せる新潟に、得意のサイド攻撃を封じられてなかなか攻撃の糸口を掴めない名古屋だったが、このままでは終われないと徐々にラインを押し上げて攻撃的なスタイルを貫く。23分、中村が左にサイドを変えたボールが阿部に渡り、ゴール前へと鋭くクロスを入れる。逆サイドへ小川が飛び込んだが、その前でクリアされてしまう。
28分、名古屋は玉田に代えて、巻を投入する。新潟陣内の中程左サイドでのFKで、阿部が大きく入れたボールを巻が中へと落とす。これにヨンセンが中央へと入り込んで頭で合わせるが、ボールは僅かにクロスバーの上へ抜けてしまう。後半29分、右CKで小川が蹴ったボールを、増川が技ありのヘディングシュートを新潟ゴールに押し込んで同点とする。このゴールで名古屋が、試合を振り出しに戻すと、追加点を求めて怒濤の攻撃を見せる。
30分、新潟陣内左でのFKのチャンス。中村の蹴ったボールをヨンセンが頭で合わせるが、これはクロスバーの上へ抜けてしまう。34分、吉村からのスルーパスに右から小川が抜け出すと、ゴール前へ低いボールを流し込むが、これは誰も触れることが出来ない。
35分、名古屋3人目メンバー交代:ヨンセン→米山
何とか新潟のゴールをこじ開けて、早く逆転したい名古屋だったが、後半38分。ゴール正面でボールをキープする新潟・矢野にシュートを許すと、こ阻止しようとしたバヤリッツァに当たって不運にもコースが変わってしまう。そして、シュートに反応していた楢崎のタイミングが合わず、伸ばした指先の横をボールが抜けて枠内に転がり込んで新潟に痛い追加点を許してしまう。
終盤、増川を前線に上げたパワープレイを仕掛ける名古屋だったが、サポーターの大声援を得る新潟は、名古屋以上のハードワークを続け、ゴール前でしっかりと体を張ったプレーを見せてくる。ロスタイム、阿部のクロスボールに中央に勢い良く走り込んだ巻のヘディングシュートは、僅かに右に逸れてしまい新潟のゴールネットを揺らすことは出来なかった。
そして4分のロスタイム中で、殆どの時間を名古屋が支配して2点目のゴールを狙ったが、全員が体を張ってくる新潟の固い守備の前にゴールネットを揺らすことは出来ず、またしてもアウェイ新潟の地で悔しい敗戦を喫してしまった。 |
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