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細かな雨が時折ピッチに落ちるようになり、冷たい風が吹き始めた味の素スタジアム。しかし、スタンドはまもなく始まる熱戦に向け、両チームサポーターの応援が繰り広げられ、準備は万端のようだ。
試合は、左エンドのホーム・東京Vに対し、赤いユニフォームに身を包んだ名古屋が右にエンドを取る。名古屋の先発メンバーは、GK守護神・楢崎、DFは右から竹内・バヤリッツァ・吉田・阿部の不動の4バック。中盤は、小川・中村・吉村・マギヌンが横1列に並び、FWはヨンセンと玉田の2人。いつものように4-4-2の布陣でスタートした名古屋に対し、東京Vはこれまでの4-5-1からシステムを変えて試合に臨んできた。 |
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試合序盤は、少し固いスタートとなった名古屋に対し、今シーズンここまでホーム未勝利であとがない東京Vが、アグレッシブにボールを奪いに来るという展開。そして、最初にチャンスを作ったのは東京Vだった。
5分、CKからのショートパスを受け取った東京V・服部が、ゴール前へとクロスを上げる。これに合わせたディエゴのヘディングは、ポストの左へと流れて名古屋は難を逃れる。
この後も名古屋は、サイドを中心に東京Vの早いプレッシャーに手こずり、中盤から先へボールを運ぶことが出来合い。しかし、自分達のペースをなかなか作れないながらも、スローインのボールを受け取った小川がダイレクトシュートを試みたり、小川のFKに飛び込んだ吉田のヘッドなど、セットプレーから何度かゴールチャンスを作る。
だが、せっかく流れをつかみかけてもミスが目立ち、この日の名古屋は完全にゲームを支配するところまで持って行けない。結局、お互いゴールを奪うことができず、0-0のスコアレスドローのまま試合は後半へ折り返した。 |
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エンドが変わっての後半も主導権を握ったのは、立ち上がりからアグレッシブに攻撃を仕掛けた東京Vだった。東京Vは、積極的にシュートを放つことでゲームをコントロールしようと試みる。そして後半9分、左に展開したボールを東京V・服部に拾われるとパスをディエゴに繋がれてしまう。ディエゴは、このパスをワントラップするとシュートを放ち、これがゴール左隅に決まってしまう。名古屋は、奪いたかった先制点を、逆に東京Vにとられてしまう。
11分、名古屋1人目メンバー交代:吉村→杉本
ストイコビッチ監督は先制をされると、すぐさま攻撃的な布陣に選手を代え、流れを引き戻そうとする。そして、少しずつではあるが名古屋得意のサイド攻撃が見られるようになる。
20分、こぼれ球を左で拾ったマギヌンからのクロスに、中央でヨンセンが合わせるが、このシュートはボールが大きく浮いてしまう。さらにこれを杉本が頭で飛び込んで押し込もうとするが、ボールはクロスバーを超えてしまった。
20分、東京Vメンバー交代:飯尾→河野
22分、名古屋2人目メンバー交代:玉田→巻
25分、名古屋3人目メンバー交代:マギヌン→深井
僅か5分の間に、両チームの選手が目まぐるしく入れ代わり、特に名古屋は交代枠を全て使い切ることで、勝負に出る。
監督は、杉本と深井のスピードだけでなく、中央にヨンセンと巻の長身の2人を配置することで東京Vのゴールをこじ開けようという強い意図をフィールド内の選手達に示す。
しかし、東京Vは球際での厳しさを見せ、名古屋らしい展開に持って行く事ができない。ジリジリと時間だけが過ぎてしまい、次第に前掛かりになる名古屋。
そして28分。自陣ハーフウェイライン近くで東京VにFKを与えてしまうと、東京V・和田の蹴ったボールから、ファーサイドから名古屋DFの背後に走りこんで来た、投入されたばかりの東京V河野にヘディングシュートを決められてしまう。
今季初の2点ビハインドという、思いがけない展開となってしまった名古屋。悪くとも勝ち点1が欲しい名古屋はリスクを侵して攻め立てるが、引いて守るどころか更なるゴールを狙おうという東京Vに対して、最後まで主導権を握ることができない。名古屋は、ホーム初勝利を目指して、厳しいプレーを見せてくる東京Vのゴールネットをなかなか揺らすことができない。
そして、雨足の強まってきた味の素スタジアムに試合終了のホイッスルが響き、名古屋は0-2で今季初のリーグ戦での敗戦を喫することとなってしまった。 |
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