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 ナビスコカップ第1節は、Jリーグ開幕戦では互いに譲らず勝ち点1を分け合った京都との再戦となった。
 「開幕であたった時に良いチームだと感じたし、2節では浦和に勝っている。今日はそこに勝ちたいと思った。」
 試合後、京都・加藤監督が語る通りの気合いで、この日のサンガは瑞穂に乗り込んできた。
 一方の名古屋。試合前日会見では「どのゲームに対しても集中して、スタイルを変えることなく、毎試合毎試合集中して戦えば勝つチャンスがあると思う。真面目に取り組みたい。」とストイコビッチ監督が語ったように、相手に合わせることなく自分達のサッカーを継続していく考えに変わりはない。
 それぞれの思惑がぶつかり合う中で、朝からの雨もすっかりと上がり、明るさの増した瑞穂陸上競技場で今季初の公式戦が始まった。
 左エンドの名古屋のキックオフで試合がスタート。
 この日の先発メンバーは、GKは新加入の西村、DFは右から青山・竹内・吉田・渡邊の4バック。中盤は小川・中村・吉村・片山の4人。FWは巻と杉本がコンビを組む、4-4-2の布陣で臨む。

 リーグ開幕戦で名古屋は、立ち上がりの不用意なプレーからPKを献上してしまっていただけに、落ち着いて試合に入りたいところだったが、試合の立ち上がりは京都に先手を取られてしまう。
 5分、中央を京都・柳沢が仕掛けたドリブルから、右サイドから裏へと抜ける佐藤に合わせたパスを出すが、ここは吉田が落ち着いて対応してカットする。
 6分には、パスに抜け出してきた柳沢が中央からシュートを狙うが、古巣相手に燃える西村がタイミング良く飛び出してボールを押さえる。このプレーでチームに落ち着きが見えるようになると、ようやく初先発のFW2人・杉本と巻へとボールを集まりだす。

 10分、左サイドを一気に持ち上がった渡邊が中へと入り込んで右にボールを展開、これを受けた杉本が右に駆け上がってくる青山にあわせてパスを送る。しかし、これは京都DFのスライディングに止められてしまう。
 19分、相手ゴール正面、エリアのすぐ外で前を向いた巻が右足を振り抜くが、ボールが流れてしまい前へとシュートを打つことが出来なかった。

 玉田、マギヌンが不在。ヨンセンと阿部はベンチスタートという状況の中で、名古屋は何とか先制点を奪って試合を楽に進めようとする。しかし、リーグ戦2戦負け無しの京都も全員の動きが良く、両サイドを効果的に使って早い攻撃を仕掛けてくる。京都は特に渡邊や徳重が、何度も攻撃の起点となってチャンスに絡んでくるため、名古屋は両サイドが押し込まれて片山や小川の攻め上がりが少なくなってしまい、防戦が目立つ展開に持ち込まれてしまう。

 38分、左サイドを上がった渡邊が中へと切り込んでマイナス方向へ入れたボールに巻が反応し、ダイレクトでシュートを打つがこれはポストの左へ流れてしまう。
 43分、左から京都・渡邊のゴール前へと入れたクロスボールに飛び込んだ京都・角田にヘディングシュートを許すが、これはクロスバーの上へ外れて難を逃れる。
 エンド入れ替わり、後半は左エンド京都のボールで試合が再開。
 ハーフタイムに「勝つために試合のペースを変えていこう」と監督から気合いを注入された選手達は、ゴールを奪って試合の主導権を握ろうと立ち上がりから果敢に攻め立てるようになる。
 2分には片山が、4分には杉本が良い形で抜け出して、GKとの1対1を迎えるが、どちらもシュートを枠に決めることが出来ない。8分にも、渡邊がDFを振り切って深い位置からゴール前へと入れたボールを中央で巻が頭で狙うが、京都・手島に押さえ込まれてボールに触れることは出来なかった。

 そして、徐々に名古屋へと傾き始めた試合の流れをすぐに察知した京都・加藤監督は、FWの田原を下げて平島を右SBに入れ、角田を中盤に移して名古屋の攻撃を早めに潰す策を打ってくる。対する名古屋も片山に変えて深井を投入し、攻撃のペースアップを図るが、更に京都は、疲れの見えた徳重に代えてアタリバを入れ、早め早めの手を打って勝負に出てくる。

 試合後、「常に攻撃的なサッカーをしたいので、ストライカーを下げることはしたくなかった」とストイコビッチ監督が語ったように、後半27分には相手選手との接触で怪我をした吉村に代え、あえてFWのヨンセンを投入してアグレッシブにゲームを進める策に出てくる。
 しかし33分。カウンターから京都・佐藤のパスを受け右サイドを抜け出してきた平島のマイナスのボールを、中央に走り込んだアタリバにシュートを許しゴールを京都に奪われてしまう。

 35分、名古屋は三枚目のカードを切って三木を投入、疲れの見えた青山を交代させて最後の勝負を仕掛ける。
 サポーターの大声援を受け、名古屋は37分、38分と立て続けにCKのチャンスを得るが、中盤のシジクレイを下げて固く守る京都の壁を突き崩すことが出来ない。42分には、京都陣内右深くで仕掛けようとした中村が倒され、ペルティーエリアのすぐ外という絶好の位置でFKのチャンスを得る。これを深井が左足で直接狙うが、GKに枠の外へと弾かれ惜しくも同点ゴールを決めることが出来ない。

 43分、左のスペースへと出されたボールに追いついた杉本からのパスを、渡邊がダイレクトでゴール前へとクロスを上げる。そして深井がこのボールを受けてシュートに持ち込もうとするが、ゴール前に立ちはだかる京都DF陣を振り切ることは出来なかった。
 結局、最後まで粘り強く京都のゴールをこじ開けようと攻撃に人数を掛けて勝負に出た名古屋だったが、最後まで同点ゴールを挙げることは出来ず、試合終了の笛を聞くこととなってしまった。