2016シーズン試合結果
試合前
ゴールデンウィークを迎えた2016年。明治安田生命J1リーグ1stステージ第9節はアウェイで浦和レッズとの対戦となる。
前節、ホームでの新潟戦で1ヶ月以上ぶりとなる勝利となったグランパス。しかしその試合で、中盤底を支え相手陣内での高い位置からのプレスに貢献したイ スンヒが通算3枚目となるイエローカードを受け累積により、今節は出場停止となった。現在1stステージ首位の浦和とアウェイでの対戦。相手にボールを持たれる時間が長く、非常に難しいゲームが予想される。
キックオフ約40分前、キーパー陣に続きフィールドプレイヤーがピッチへと登場、1500人を超えるグランパスサポーターに一礼し、ハーフコートでウォーミングアップを開始した。
今日の埼玉スタジアムは4万人近い観客が予想される。前節、ハツラツとしたプレーで勝利に貢献した高橋、和泉のルーキーコンビにとっては初めてとなる完全アウェイでの一戦となるが、本人たちの表情を見る限り、緊張よりも、この環境を楽しもうと気持ちを高ぶらせているようだ。
前半
今日の名古屋、ゴールキーパーは武田。ディフェンスラインは右から矢野、大武、竹内、高橋の4人。小川、田口が中盤底を形成しシモビッチの1トップ、その後ろに古林、和泉、永井が並ぶ4-5-1のシステムでのスタートが予想される。
前半、メインスタンドから向かって右にエンドを取った白のユニフォーム名古屋ボールでキックオフ。
1分、名古屋ディフェンスライン裏を狙う浦和・興梠の前へのボールは戻った大武が体を入れゴールラインへとクリア。
2分、浦和・左からのコーナーキックは中央でクリア、こぼれ球を拾った田口から縦の和泉を狙うが、このボールは相手ディフェンスにカットされてしまう。
3分、浦和・遠藤からボールに浦和・武藤がディフェンスライン裏へと抜けるが、カバーの矢野がゴールラインへとボールをクリア。
4分、浦和・右からのコーナーキック。中央のこぼれ球を古林、小川とつなぎ前線の和泉へと狙うが、このボールも相手ディフェンスにカットされてしまう。
5分、名古屋ペアルティエリア内右へと入った浦和・関根へのボールは永井がクリアする。
6分、小川からのボールを浦和陣内右で受けた古林のクロスは、シモビッチの手前に入った浦和・遠藤にヘディングでクリアされてしまう。
7分、センターサークル付近で永井がボール奪取、そのまま縦へと持ち上がり相手のマークを1人外すが、ペナルティエリア付近で囲まれボールはクリアされる。ここから左サイドでのカウンターを仕掛けられるが、ペナルティエリアまで戻った古林がボールをゴールラインへとクリア。
8分、浦和・左からのコーナーキックはニアサイドの永井がヘディングでクリア。再び左から中を狙われるが、このボールは小川がクリア。
10分、センターサークル付近でシモビッチがパスカット。右の古林へとつなぎここからのアーリークロスに和泉がゴール前中央まで駆け上がるが、わずかに届かずボールは逆サイドへと流れる。このボールを永井が奪いシモビッチへ、ペナルティエリア付近でシモビッチのドリブルはファールで止められる。
11分、浦和ペナルティエリア手前左から名古屋ボールのフリーキック。田口が右足で直接狙ったボールはディフェンス壁に当たり左タッチラインを割る。
12分、浦和陣内左から名古屋ボールのスローインをつなぎ高橋がゴールライン付近から押し返し。しかしこのボールは相手ディフェンスからの跳ね返りが高橋に当たりゴールラインを割る。
13分、浦和陣内右で古林がパスカット、中央で受けた和泉がドリブルで左へと流れるが、スライディングでボールをカットされてしまう。
14分、自陣右で矢野のドリブルを浦和・武藤に倒されフリーキックを得る。
15分、名古屋ペナルティエリア手前中央から浦和・武藤のシュートは大武が体でブロック。
16分、武田からのゴールキックを浦和陣内中央のシモビッチが頭で前へと落とすが、相手ディフェンスを抑えてしまいファールの判定、浦和ボールでのリスタートとなる。
17分、名古屋ペナルティエリア手前右寄りの浦和・柏木から縦へと浮かせたボールは武田が見送りゴールラインを割る。
18分、名古屋ペナルティエリア左から浦和・梅崎のクロスは武田が直接抑える。
19分、名古屋陣内右、高い位置を取る浦和・関根の前へのボールは高橋がゴールラインへとクリア。
20分、浦和・右からのコーナーキックは中央で矢野がクリア、その前に中央密集で浦和のファールとなる。
22分、浦和陣内左でシモビッチのキープからサポートの高橋、中の田口とつなぎペナルティエリア内を狙う古林の前へと狙うが、このボールは風に戻されクリアされる。
23分、名古屋陣内右の浦和・森脇からゴール前へのボールは武田が直接抑える。
24分、自陣中央で大武がパスカット、小川からシモビッチと繋ぎ浮かせたボールで1人かわし左の永井を狙うが、浦和・森脇にスライディングでボールをカットされてしまう。
【失点】
25分、名古屋ペナルティエリア内中央で左からボールを受けた浦和・柏木がターンし右足でシュート。武田が両手でボールを触るが、浮いたボールがそのまま枠へと向かい先制ゴールを奪われてしまう。
27分、センターサークル内で大武からのパスカットを受けた田口が左の永井へと狙うが、浦和・関根にタッチラインへとクリアされる。
28分、浦和陣内右コーナーフラッグ付近でボールに追いついた古林からの折り返しは中央でクリアされる。
29分、名古屋ペナルティエリア内左でボールを受けた浦和・武藤からの折り返しは矢野、大武で囲み武田がクリアする。
30分、浦和・関根の右サイドでの縦への仕掛けは永井がボールをゴールラインへとクリア。浦和・右からのコーナーキックは矢野が中央でクリア、こぼれ球に走りこんだ浦和・梅崎のシュートもディフェンスが体でブロック、これをクリアする。
31分、名古屋ペナルティエリア右で浦和・関根の前へのボールは高橋がマーク、カバーの竹内がゴールラインへとクリア。
32分、浦和・右からのコーナーキックは中央のシモビッチがヘディングでクリア。
33分、ハーフライン付近で高橋からのボールを足元で受けた永井が前へと持ち替え中央の和泉の前を狙うが、動き出しを合わせられずボールはクリアされる。
34分、浦和陣内中央で大武からのボールを足元へ受けた小川が前へと持ち替えシモビッチを狙うが、ボールは相手ディフェンスにクリアされる。
35分、浦和ペナルティエリア左でボールを受けた永井からグラウンダーのクロスは浦和・西川が直接抑える。ここからのボールをつながれると浦和・興梠が完全に抜け出し武田と1対1に、ペナルティエリア内で右、左と切り返し武田のマークを外すが、ゴールラインへと戻った竹内、大武がシュートを打たせずボールをクリアする。
38分、ハーフライン付近の田口からボールを回すが、左の高橋へは相手のマークが付き前を向けず、一旦武田へとボールを戻す。
39分、浦和・梅崎が矢野の裏でボールを受けるが、これはオフサイドの判定。
【得点】
40分、浦和陣内右で古林のヘディングでのカットを受けたシモビッチが、誰もが予想しない位置から右足でロングシュート。迎え風に沈むボールを浦和・西川がわずかに触ったように見えたが、このボールがネットに突き刺さり同点とした。
41分、センターサークル内でボールを受け前へと仕掛ける和泉が浦和・柏木に倒され、このプレーで浦和・柏に対しイエローカードが提示される。
43分、ハーフライン付近右でボールを受けたシモビッチが、巧みなボールコントロールで1人交わすとそのままペナルティエリア付近までドリブル、今度は左足でのシュートを狙うが、これは押さえが効かずクロスバーを越える。
(アディショナルタイム表示:1分)
アディショナルタイム1、名古屋ペナルティエリア内を狙う浦和・武藤の前へのボールは武田が直接抑える。
アディショナルタイム2、前線のシモビッチへのボールは相手ディフェンスを押さえたとしファールの判定。
このリスタートで前半終了。
メインスタンドホーム側からバックアウェイ方向へ強い風が吹くスタジアム。向かい風気味の状況で前線へのボールが届きづらく、大きく押し返せない苦しい前半となった。それでもアウェイで先制されながらも、シモビッチのスーパーゴールで追いつき同点での折り返し。
後半も首位の浦和を相手に難しい展開が予想されるが、自陣後方からの風を背に前への推進力を高め、逆転ゴールを奪いたい。
後半
エンドを替えた後半、浦和ボールでキックオフ。
1分、右サイドを上がる浦和・関根の前へのボールは高橋がコースをカット、武田が直接抑える。
3分、名古屋ペナルティエリア右の浦和・関根からのクロスが中央を抜け逆サイドで武藤に触られるが、このシュートは枠の左へと外れる。
4分、浦和陣内右でパスカットした古林から中央の和泉を狙うが、このボールは浦和・槙野にクリアされる。
5分、浦和・興梠の左へと流れるドリブルは矢野が体を前へと入れファールを誘う。
6分、浦和陣内右から名古屋ボールのスローイン。矢野からのロングスローをシモビッチが胸で前へとコントロールするが、浦和・遠藤にクリアされる。
7分、浦和陣内右を持ち上がった古林からのクロスは相手ディフェンスに当たりゴールラインを割る。名古屋・左からのコーナーキック。田口が右足で上げたボールが風に乗りゴール方向へと向かうが、浦和・西川にパンチングでクリアされる。ここからのカウンター、浦和・槙野のドリブルを小川がスライディングで止めイエローカードが提示される。
8分、浦和1人目交代:梅崎→駒井
9分、名古屋ペナルティエリア左でボールを受けた浦和・興梠からの折り返しは矢野がクリア。
10分、浦和陣内右よりでボールを受けた和泉が中央のシモビッチをおとりに自ら縦へ、ペナルティエリア付近で右足のシュートを狙うが、このボールは枠の右へと外れる。
【失点】
11分、名古屋ペナルティエリア内左からマイナス方向への折り返しを浦和・李に左足ボレーで決められ再びリードを許してしまう。
13分、自陣から竹内のクリアボールをシモビッチがヘディングで競り右へと流すが、ボールは相手ディフェンスにクリアされる。
15分、浦和・駒井の名古屋陣内右でのドリブルは高橋がファールで止める。
16分、ハーフライン左でシモビッチからのボールを受けた田口が引っ張られフリーキックを得る。
【失点】
17分、名古屋ペナルティエリア手前中央でボールを受けた浦和・興梠が縦へと突破、右へと流れ右足でのシュートを決められてしまう。
19分、浦和・駒井の右サイドでのドリブルは高橋が体を入れノーファールで止める。
【失点】
20分、名古屋ペナルティエリア内中央で浦和・興梠のキープから左へのボールを浦和・武藤に右足で決められ3点差とされてしまう。
21分、名古屋1人目交代:和泉→松田
22分、浦和陣内右から名古屋ボールのフリーキック。田口から浦和ゴール前へのボールは浦和・西川にクリアされる。
24分、名古屋ペナルティエリア右からグラウンダーのボールを浦和・興梠に触られるが、このシュートは枠の右へと外れる。
25分、浦和・駒井の右サイドでのドリブルは蹴り出したボールを高橋がクリア。
26分、右からのアーリークロスを浦和・興梠に頭で合わせられるが、このシュートはクロスバーを越える。
27分、名古屋2人目交代:古林→小屋松
28分、名古屋ペナルティエリア内右で味方の落としを浦和・武藤に右足で狙われるが、このシュートは枠の左へと外れる。
浦和2人目交代:柏木→伊藤
30分、名古屋陣内左を上がる浦和・関根の前へのボールは直接タッチラインを割る。
31分、浦和陣内右で田口からのボールを受けた小屋松が左のシモビッチへとサイドチェンジ。胸で落とし右足で狙ったシュートは相手ディフェンスに当たりクリアされる。
32分、名古屋3人目交代:小川→矢田
浦和陣内中央でボールを拾った永井が右足で狙うが、このシュートは浦和・西川が弾き枠を外れる。
33分、名古屋・右からのコーナーキック。田口が右足で上げたボールはニアサイドでクリアされる。
34分、名古屋ペナルティエリア右の浦和・森脇からのクロスは武田が弾きクリアする。
35分、浦和陣内左から高橋のアーリークロスに松田がヘディングで飛び込むが、わずかに届かずボールは浦和・西川にクリアされる。ここから右サイドの浦和・駒井へ繋ぎペナルティエリア右から中への仕掛け、折り返しは武田がゴールラインへとクリア。
36分、浦和・右からのコーナーキックはニアサイドで永井がクリア。再び右へと繋がれ中へのボールは矢野がゴールラインへとクリア。浦和・右からのコーナーキックは中央でクリア。
37分、浦和・関根の左サイドでのドリブルは矢野が体を当てそのままゴールラインへと押し出す。
38分、浦和3人目交代:興梠→青木
39分、自陣ペナルティエリア前で田口がパスカット。小屋松から縦へカウンターとなるドリブルはファールで止められてしまう。
40分、ハーフライン付近の矢田から浦和陣内左を飛び出す永井の前へのボールはペナルティエリアを出た浦和・西川に先にクリアされる。
41分、名古屋陣内右から浦和のアーリークロスは矢野が胸で落としクリア。さらに浦和・槙野が名古屋陣内中央を持ち上がるが、ここはシモビッチがファールで止める。
43分、浦和ペナルティエリア右でボールを受けた矢野からのクロスをファーサイドのシモビッチが頭で触り松田が中央へと詰めるが相手ディフェンスと交錯、松田のファールを取られる。
44分、名古屋ペナルティエリア手前右から浦和・李がドリブル、左へ持ち替えたシュートは竹内が体でブロック、これをクリアする。
(アディショナルタイム表示:4分)
アディショナルタイム1、浦和陣内中央でハイボールを競り合った小屋松が倒されフリーキックを得る。ここからのフリーキック、田口が右足で直接狙うと、ディフェンス壁に当たり浮いたボールが枠へと向かうが浦和・西川に弾かれてしまう。
アディショナルタイム2、名古屋・左からのコーナーキック。田口が右足で上げたボールは中央外よりでクリアされる。
アディショナルタイム3、ハーフライン付近右の矢田からのボールに浦和ゴール前へと飛び込んだ松田がその場で右太もも裏付近を押さえコート外へ、メディカルスタッフが駆け寄り治療されるが、そのまま担架で運ばれる。
アディショナルタイム4、浦和陣内左の竹内から中のシモビッチ、さらに中央へと折り返すが誰も走り込めずボールはクリアされる。
ここで試合終了。
後半に入り名古屋ペナルティエリア付近での速いパス回しでボールを支配する浦和を押し返せず、10分過ぎから立て続けに3失点。松田、小屋松、矢田と中盤から前の選手を入れ替えなんとか攻撃の糸口を探るが、決定機まで作れず、最後は代わって入った松田にアクシデント。ゴールデンウィーク初戦はアウェイで1-4の大敗となった。
試合終了後記者会見
完敗としか言えませんし、悔しいです。浦和レッズ相手に自分たちのサッカーをしようと狙いがありました。前半、シモビッチが素晴らしいシュートを決め、盛り返した時間帯はあったのですが、試合を通して見ればやはり、精度における差が出ました。試合の流れを想定していろいろな戦い方を考えましたが、割り切って戦う部分もありました。自分たちのサッカーでどう戦うのか、チームとしてのコンセプト・狙いをどう出せるかが浦和との差であったと感じました。
4失点となりましたが、守備についてはどう評価されているのでしょうか?
ディンフェスライン裏へのボールに対する対応は頭にありました。その部分でしっかりチャレンジするのかカバーに走るのか、あるいはディフェンスのメンバーがスライドするかなど、前半は比較的修正できていました。しかし、失点が続いた時間帯は浦和に左右に振られたところでポジションを失ってしまったりしたことで、相手にゴール前で好きなようにプレーさせてしまいました。もっともっと、自分たちのスタイルを突き詰めなければいけないと痛感させられました。
左サイドバックの高橋選手に可能性を感じました。小倉監督自身はどのように感じられているのでしょうか?
シーズン当初はポジショニングやボールを受けての積極性が足らなかったのですが、トレーニングのなかで積極性や自分のプレーを出せるようになってきています。クロスの質や、ボールを受けて焦らずプレーするなど、良い部分が出せるようになってきています。これからは今以上にクロスの精度や、縦のスペースを切られた場合に中へ入ってなどの幅の広いプレーを求めていますし、サイドチェンジへの対応も求めたいと思っています。
いろいろな戦い方、割り切った戦い方と話をされていましたが、具体的にはどのような考えだったのでしょうか?
浦和の数試合を見た限り、前線に選手を揃え、そこへ精度の高いボールを入れてきます。どうしても枚数が足らないシーンが生じますし、それに対し5バックという考えた方もあったかもしれません。それでも、その相手に対しディフェンスラインがスライドしたりボランチや両サイドハーフの選手が詰めるなどの対応を考えていました。そのような考えをベースに、これまで自分たちがやっているサッカーを浦和相手にどれくらい出せるのかを見たかったという気持ちがありました。
自分たちのサッカーを出せなかった要因は、どこにあったとお考えでしょうか?
精度の違いという部分がありました。例えば浦和を見れば逆サイドへの速いボールや前線の選手によるボールさばきなど、徹底的に精度を高めています。それでも、浦和のウィークポイントはディフェンスラインの裏や、前へと仕掛けた際の裏のスペースだと思っています。そこへの仕掛けを狙っていたのですが、今日のゲームではボールを狙ってからのチョイスが縦ではなく、横への方向となっていました。これはパスの出し手だけの問題だけではなく、受け手の動き出しの問題でもありました。もちろん、私の力不足もあり徹底しきれていません。数ある選択の中で最も効果のある動きを選ぶ、それを突き詰めるともっとチームが良くなります。そこを目指していくことが現状の課題です。