2016シーズン試合結果
試合前
時折小雨の舞う豊田スタジアム。明治安田生命J1リーグ1stステージ第2節、今シーズンのホーム開幕戦は昨年の王者サンフレッチェ広島との対戦となる。
キックオフ約40分前、ゴールキーパー陣に続きフィールドプレイヤーがウォーミングアップのためピッチへと登場。まずはゴール裏へと全員が並び、サポーターへ深々と頭をさげ今日の試合、そして今シーズンも全力のサポートに感謝を伝えた。
アウェイで開催されたジュビロ磐田との開幕戦で決勝ゴールを決めたシモビッチ、そして完封に貢献したオーマン。2人の新加入選手にとって、はじめてのグランパスのホームでのゲーム。すでにトレーニングマッチ等で豊田スタジアムのピッチの感触は確認しているが、やはりグランパスレッドで埋め尽くされたサポーターを前に、気持ちが高ぶっているのではないだろうか。
前半
今日の名古屋、ゴールキーパーは楢崎。ディフェンスラインは右から矢野、オーマン、竹内、安田の4人。田口、イ スンヒが中盤底に位置しシモビッチのワントップ、その後ろに古林、矢田、永井が並ぶ4-5-1のシステムでのスタートが予想される。
前半、メインスタンドから向かって左にエンドを取った赤のユニフォームに対し広島ボールでキックオフ。
1分、ハーフライン付近右の広島・ミキッチから縦へのボールはタッチラインを割る。
2分、自陣右で矢野のパスカットから縦へのボールを矢田が触るが、サポートへの田口へは届かずボールはクリアされる。
3分、自陣左から名古屋ボールのスローイン、シモビッチが頭で前へと流し永井が追うが、広島・塩谷と交錯しファールを取られる。
4分、名古屋ペナルティエリア左から中へのこぼれ玉を広島・柴崎に狙われるが、このシュートは楢崎が正面で抑える。
5分、広島陣内中央でシモビッチがパスカット、そのまま縦へと仕掛けるが、左右への切り返しは相手ディフェンスに止められてしまう。
7分、名古屋ペナルティエリア右裏へと抜けた広島・柴崎から中へのボールはオーマンがカット、これを受けた田口のカウンターを狙ったドリブルはファールで止められてしまう。
8分、自陣で竹内のパスカットからシモビッチ、右の古林、斜めに前へと入る永井へつなぐが、ペナルテイィエリア付近で相手ディフェンスにマークに付かれボールを奪われてしまう。
10分、広島・佐々木から縦を狙ったボールはペナルティエリア内で前へと出た楢崎が直接抑える。
12分、名古屋ペナルティエリア右から中へと持ち込んだ広島・ミキッチの左足のシュートは枠の右へと外れる。
13分、広島・ミキッチが右サイドで飛び込む安田の裏へとボールを蹴り出し突破を仕掛けるが、ボールは直接タッチラインを割る。
14分、広島陣内中央の田口からエリア内右を狙う古林の前へと浮かせるが、このボールは広島・林に先にキャッチされてしまう。
15分、名古屋ペナルティエリア中央で右からのこぼれ玉を受けた広島・ウタカのシュートはオーマンが体でブロック、これをクリアする。
16分、名古屋陣内中央でイ スンヒと体を入れ替え前でボールを受けた広島・ウタカからゴール方向へのボールは楢崎が抑える。
【得点】
17分、センターサークル付近でイ スンヒのパスカットから右の古林へ。縦へと持ち上がり相手ディフェンスライン裏、キーパーが飛び出せない絶妙な位置へ低いボールに外寄りにフリーで走り込んだシモビッチが左足で落ち着いて決め、ファーストシュートで名古屋が先制ゴールを奪った。
19分、広島・柏からのクロスは楢崎が前へと倒れながらしっかりと抑える。
20分、広島ペナルティエリア内右でボールを受けた永井からサポートの矢野へ、さらにグラウンダーで中を狙うが、このボールは相手ディフェンスにクリアされる。
22分、広島・ミキッチの右サイドでのドリブルは竹内がボールをゴールラインへとクリア。
23分、広島・右からのコーナーキックは中央でディフェンスがクリア。これを右寄りで拾った古林から左を上がる永井の前へと大きなサイドチェンジを狙うが、ボールはカットされてしまう。
24分、左に開いたシモビッチから広島陣内中央の田口へと戻しペナルティエリア内左を狙う永井の前へと浮かせるが、ボールは直接ゴールラインを割る。
25分、名古屋ペナルティエリア手前右の広島・柴崎から中の広島・佐藤の前へと浮かせたボールは楢崎が直接抑える。
26分、名古屋ペナルティエリア右でボールを受けた広島・ミキッチから中へのボールは直接ゴールラインを割る。
27分、右サイド、ハーフラインを超えた位置でシモビッチからのボールを受ける矢田が後ろから引かれフリーキックを得る。ここからのフリーキック、田口からペナルティエリア手前中央の矢田を狙ったボールはカットされる。
28分、フリーキックから相手のカウンターをイ スンヒがスライディングで止め、このプレーに対しイエローカードが提示される。
29分、広島ペナルティエリア右で田口からのボールを受けた古林のダイレクトでのクロスは広島・林が直接抑える。
30分、広島・右からのコーナーキック、中央でのこぼれ玉から楢崎の頭上を越し狙われるがゴールライン付近の安田がヘディング、イ スンヒがクリアする。
31分、田口から永井、左へと開く矢田へつなぎ広島ゴール前中央へのボールにモビッチが相手ディフェンス内側に体をいれ飛び込むが、このシュートは枠を外れてしまう。
33分、名古屋ペナルティエリア手前左の広島・佐々木から中へのボールはオーマンがクリア。
34分、自陣でのクリアをハーフライン付近のシモビッチが落とし矢田から左の永井へ。広島ペナルティエリア手前左から中へと切り替えし右足でのシュートを狙うが、このボールは広島・林の正面を突きキャッチされてしまう。
36分、名古屋ペナルティエリア内右でボールを受けた広島・柴崎からの浮かせたボールは矢野がカバー、これをクリアする。
37分、広島陣内左で永井がパスカット、そのままペナルティエリア内まで縦へと仕掛けるがマークに密着されシュートへは持ち込めずボールはクリアされる。
39分、センターサークル付近の田口から縦の永井を狙う速いボールはタイミングがタイミングが合わず広島・千葉にカットされてしまう。
40分、名古屋ペナルティエリア内右へと持ち込んだ広島・ウタカの右足のシュートは楢崎が抑える。
41分、広島陣内右寄りのイ スンヒから縦を狙うシモビッチの前へと浮かせて狙うが、このボールは相手ディフェンスにカットされてしまう。
42分、広島・ミキッチからの速いクロスは竹内がゴールラインへとクリア。広島・右からのコーナーキックはオーマンがヘディングでカット、永井がクリアする。
【失点】
43分、名古屋ペナルティエリア内右でディフェンスの裏を取りボールを受けた広島・ミキッチからマイナス方向への折り返しを柴崎に右足で合わせられると、そのシュートが広島・佐藤に当たりゴールへ。同点とされてしまう。
45分、名古屋ペナルティエリア内で混戦となったボールはオーマンがクリア。これを右から左の永井へとつなぎ広島ペナルティエリア付近まで持ち上がり中のシモビッチを狙うが、このボールは広島・林が直接抑える。
(アディショナルタイム表示:1分)
アディショナルタイム1、自陣でボールを回す広島に対しゾーンを作り、飛び込まず距離を保つ名古屋。出しどころがなく時間が過ぎ主審のホイッスルで前半が終了となった。
ディフェンスラインからポゼッションスタイルでラインを上げる広島に対し受け身となった前半。それでもボールは持たせるが決定機を作らせない耐える展開からファーストチャンスでシモビッチがゴール。先制点を奪ったが、前半終了間際に追いつかれ1-1での折り返しとなった。
後半
エンドを替えた後半、名古屋ボールでキックオフ。
2分、ハーフライン付近で浮き玉を狙う広島・ウタカと矢野が交錯、矢野のファールを取られる。
3分、ハーフライン手前左の安田から左へと流れる矢田へダイレクトで狙うが、このボールは広島・塩谷にカットされてしまう。
4分、広島・左からのコーナーキックは中央でディフェンスがクリア。右の田口から前の矢田を狙うが、このボールはタッチラインを割る。
5分、広島・塩谷の右サイドでのドリブルは永井がファールで止める。
6分、センターサークル付近の田口から永井、左へと開く矢田へ通しペナルティエリア左から中へのボールは相手ディフェンスにクリアされてしまう。
8分、名古屋ペナルティエリア手前左から広島・柏のクロスはエリア内の田口がクリアする。
9分、名古屋ペナルティエリア左でボールを受けた広島・柏のクロスはオーマンがヘディングでクリア。
10分、名古屋ペナルティエリア手前右の広島・柴崎から中へのボール、エリア内左へと走りこんだ広島・柏の折り返しは広島・佐藤と交錯しながら楢崎が抑える。
12分、名古屋陣内右から広島・ミキッチの低く速いボールはオーマンがスライディングでクリア。
13分、広島1人目交代:佐藤→浅野
田口からのボールを矢田、左の永井へと狙うがコースが合わずボールはタッチラインを割る。
14分、中盤から縦へのボールに飛び込みオーマンの裏を取った広島・浅野のシュートは枠の左へと外れる。
名古屋1人目交代:矢田→松田
16分、広島・ミキッチの右サイドでのドリブルは自陣へと戻った永井がマーク、ボールをゴールラインへとクリア。
17分、広島・右からのコーナーキックは矢野がヘディングでクリア。このボールを拾った広島が左のミキッチへとつなぎ安田のスライディングを交わし中へのクロスはディフェンスがクリアする。
18分、名古屋ペナルティエリア手前右から竹内のマークを内側へと交わした広島・ウタカのシュートは楢崎が正面で抑える。
19分、広島ペナルティエリア右、高い位置で左足へと切り返した古林が中央へと走り込む松田を狙うが、このボールは広島・林に先に抑えられてしまう。
20分、ハーフライン付近で後ろからのボールを体を入れ替え前で受け突破を狙った永井が広島・千葉に倒され、このプレーで広島・千葉に対しイエローカードが提示される。
21分、名古屋ペナルティエリア右の広島・ミキッチからのクロスは楢崎が弾きクリアする。
22分、ハーフライン付近左のボールを永井がダイレクトで右へ、これに追いついた古林からグラウンダーのボールは相手ディフェンスがカット、拾った永井からサポートの田口とつなぎ右足で狙うが、このシュートも相手ディフェンスに弾かれてしまう。
23分、ハーフライン付近で体を入れ替えカウンターのドリブルを仕替える広島・ウタカをオーマンがスライディングで引っ掛け、このプレーに対しイエローカードが提示される。
25分、名古屋ペナルティエリア右で2度の切り返しでイ スンヒのマークを縦へと交わした広島・ミキッチのグラウンダーのボールを広島・柴崎に合わせられるが、このシュートはクロスバーを越える。
26分、楢崎からのゴールキックをハーフライン付近へと下がって受けるシモビッチに対し2人のディフェンスが密着、ボールはタッチラインへとクリアされる。
27分、センターサークル付近の松田からのボールに左から相手ディフェンスの裏を取った永井がペナルティエリア内で右へと切り返し右足で狙うが、このシュートは広島・林の正面でキャッチされてしまう。
28分、広島・柏からペナルティエリア内へと縦へのボールはオーマンがタッチラインへクリア。
29分、名古屋陣内右を上がった広島・塩谷が田口のマークを振り切り右足で中へと上げるが、このボールは竹内がクリアする。
30分、矢野が広島陣内右、内寄りで縦への突破を仕掛けるがディフェンス2人に挟まれボールはクリアされる。
31分、広島陣内左ハーフライン付近で松田と広島・青山が交錯、松田のファールを取られる。
32分、広島2人目交代:ミキッチ→清水
名古屋ペナルティエリア右で安田のマークを左へ外した広島・清水からのクロスはファーサイドで矢野がクリアする。
34分、名古屋ペナルティエリア手前左から広島・柏のミドルシュートは楢崎が正面で抑える。
36分、名古屋陣内右で広島・柏と広島・ウタカのワンツーは直接ゴールラインを割る。
37分、広島ペナルティエリア手前右で松田が落としたボールを永井がダイレクトで浮かせ狙うが、このボールはクロスバーを越える。
38分、自陣の田口からのボールを広島陣内右タッチライン際で受ける松田が倒されフリーキックを得る。
39分、広島陣内中央右タッチライン際から名古屋ボールのフリーキック。田口が右足で広島ゴール前へと上げたボールは広島・林にクリアされる。
40分、ハーフライン付近でオーマン、イ スンヒの飛び込みから奪ったボール。右の古林からのクロスに永井がペナルティエリア内左へと走り込むが、体勢を崩し右足でのボレーは打ちきれずシュートはクリアされてしまう。
42分、左サイドで田口のパスカットから永井、1度浮かせ左を上がる田口の前へリターンを狙うが、このボールには追いつけずタッチラインを割る。
44分、広島・清水からのクロスは楢崎がキャッチ。素早く右の古林へとつなぎサポートの松田とのワンツーでカウンターを仕掛けるがエリア付近から中へのボールはクリアされてしまう。
45分、名古屋ペナルティエリア左で古林のマークを振り切った広島・青山からのクロスはオーマンがゴールラインへとクリア。
(アディショナルタイム表示:4分)
アディショナルタイム1、広島・左からのコーナーキック、中央でこぼれたボールは竹内がクリア。ここからカウンターを仕掛ける名古屋。松田が粘り永井、左を上がった古林へとつなぎここからのクロスをファーサイドで足を伸ばしシモビッチが合わせるが、このシュートは枠の右へと外れる。
アディショナルタイム2、永井から松田を狙ったボールが背面に当たり溢れるとシモビッチがダイレクトで狙うが、このミドルシュートは枠の右へと外れる。
アディショナルタイム3、名古屋2人目交代:シモビッチ→野田
アディショナルタイム4、自陣中央で永井が引っ掛けられ得たフリーキック。楢崎からのロングボールは相手ディフェンスにカットされる。
アディショナルタイム5、センターサークル付近で広島・ウタカからイ スンヒがパスカット、素早く松田を狙うが、これはオフサイドの判定となってしまう。
ここで試合終了。
前後半を通し広島ペースとなった今日の試合。後半も強引なプレスよりブロックでの守りからカウンターで勝負を仕掛けた名古屋だったが、両チームとも追加点は奪えず。小倉新体制のホーム初戦は悔しい引き分けに終わった。
試合終了後記者会見
引き分けという結果は、今日のゲームの流れから考えると非常に残念という感想です。広島相手ということで、ケアすべきところはケアしながら、奪ったあとに自分たちの攻撃につなげるという形ができていなかった。もっともっとやらなければいけないことがあると感じました。広島の切り替えが早いとはいえ、奪ったあとの攻撃はほとんどできていなかった。広島のチャンピオンである部分を見せつけられたという印象です。攻撃のリズムで言うと、最後に間延びして前に前に出るようになったタイミングで、自分たちのリズムが出せた形でした。最初からリズムを出すにはいろいろなものが足りないと感じました。
奪ってからシンプルにカウンターという流れは、広島対策として監督からの指示だったのか、あるいは展開としてそうなったのでしょうか?
常にゲームの中で奪ったあとのカウンターという狙いどころは逃さないようにと言っています。あえて遅攻であったり、カウンターであったりを、こちらから義務付けてはいません。得点シーンは自分たちのミスでカウンターを受けそうな場面で、逆カウンターのような形になり、そこの隙を付けました。
シモビッチ選手が2試合連続得点と結果を残しました。彼の良さをカウンターの中でも引き出せているのは収穫と言えるのではないでしょうか?
このゲームでは自分たちでボールを繋がせてもらえない流れが続いていましたが、当てどころがあるというのは、選手にとってはありがたいと思います。流れの中でのプレーや、得点シーンであそこに飛び込めるモビリティーを見ても、シモビッチのコンディションは上がってきているのかなと思います。
多くの観客が訪れたホーム初戦となりました。監督として会場の雰囲気にどのような印象を受けましたか?
雨が心配される天気にもかかわらず、2万7000人を超えるお客さまに見に来ていただき、広島相手とはいえ勝利という形で応えたかったのですが、引き分けという結果になってしまい申し訳なく思います。ただ、難しい試合の中で選手たちが耐えて、最後までゴールを狙いにいった部分を、少しは感じてもらえたと思います。非常にいい雰囲気をスタジアムで作っていただいたことは、選手への後押しとなり、非常に力になりました。
佐藤寿人選手がJ1リーグ最多得点記録を更新しました。佐藤選手にどのような印象をお持ちですか?
佐藤選手はジェフユナイテッド千葉の1年目で一緒だったので、よく知っています。その時は線も細かったので、正直ここまでの選手になるとはいませんでした。ただし、当時から非常に頭のいい選手でした。いろいろなチームを渡り歩いたことで、自分のストロングポイント、つまり自分の何が他の選手よりも劣っていて、自分の何が相手よりも秀でているのかをよく理解している選手になったと思います。そういった中で彼のスタイルができていった。コンスタントにあれだけの得点を取れるというのは、本当に素晴らしい。日本を代表するストライカーだと思います。
試合終盤まで2枚目の交代枠を切りませんでした。その判断について、どのように考えていたのでしょうか?
チーム全体が集中して、バランスよくまとまっていましたし、(松田)力の交代によって前への推進力も上がっていました。その中で受け一辺倒にはしたくなかったし、もう一枚の交代によってバランスを崩したくなかったというのが第一ですね。シモビッチはボレーの場面でヒザを気にしていたので、交代させました。足が止まっている選手や攣っている選手もいなかったので、あえてバランスを崩す必要はなかったという判断で、選手交代を最後まで引っ張りました。