2016シーズン試合結果
試合前
11日間におよぶ沖縄キャンプを前日で終え、大阪入りしたグランパス。市立吹田サッカースタジアムのこけら落しとして開催される「Panasonic Cup」。開幕前の重要な一戦をグランパスはアウェイでガンバ大阪と戦う。
始動からちょうど1ヶ月をむかえた2016年グランパス。小倉GM兼監督が新しく就任しタイ、沖縄でのキャンプと濃密なトレーニングが続けられている。沖縄キャンプで行われた練習試合2試合ではともに2失点し連敗。ボール保持時のビルドアップでも満足のいく戦いができず、2月27日のリーグ開幕に向け課題が多く残されている。
収容人数4万人、スタンド全面がガンバ大阪の「青」で覆われた最新スタジアム、そのアウェイ側スタンドをグランパスサポーターが埋めプレシーズンとはいえ徐々に試合前の緊張感が高まってきた午後1時40分、ウォーミングアップのため選手がピッチへと姿を現した。
キャンプ最終日に今シーズンのチームキャプテン就任が発表された田口泰士。右腕には真新しいキャプテンマークが巻かれている。「自覚と責任を感じることで、彼自身のさらなる成長に期待」という監督の言葉どおり、今シーズン名実ともにグランパスの顔として躍動する田口に期待したい。
前半
今日の名古屋、ゴールキーパーは西村。ディフェンスラインは右から古林、大武、竹内、安田の4人。小川、イ スンヒ、田口、矢田の4人が中盤を構成しシモビッチ、永井の2トップによる4-4-2のシステムでのスタートが予想される。
前半、メインスタンドから向かって右にエンドを取った赤のユニフォーム名古屋に対しG大阪ボールでキックオフ。
1分、ハーフライン付近右で戻したボールを受けたG大阪・遠藤へ田口がプレッシャーをかけボールはタッチラインを割る。
2分、名古屋ペナルティエリア内右へ縦へと走るG大阪・パトリックの前へのボールは西村が先に抑える。
4分、自陣左で永井がボール奪取、縦へと持ち上がりG大阪ペナルティエリア手前中央のシモビッチを狙うが、背面で落としたボールはクリアされてしまう。
5分、名古屋陣内右のG大阪・藤本から左足でのゴール前へのボールは西村が直接抑える。
6分、ハーフライン付近中央右の大武から左へのボールは竹内、安田と狙いが合わず直接タッチラインを割る。
7分、ハーフライン付近で田口のパスカットから永井、左で前を狙う矢田へと通しドリブルを仕掛けたところをG大阪・宇佐美に倒されフリーキックを得る。
8分、G大阪陣内中央左から名古屋ボールのフリーキック。田口が右足で上げたゴール方向へと向かうボールは中央を飛び越え逆サイドで直接ゴールラインを割る。
9分、ハーフライン付近でG大阪・アデミウソンからボールをカット、中央の田口が前線の選手を確認しながら前へと運ぶが、タイミングが遅れ出しどころなくボールを奪われてしまう。
11分、矢田からのボールに右サイド高い位置を取った古林、戻したボールを田口がゴール前中央の永井へと狙うがボールはゴールラインを割る。
12分、ハーフラインを超えた位置でG大阪・遠藤を安田、シモビッチで挟みボール奪取を狙うが、触ったボールはタッチラインを割る。
14分、名古屋ペナルティエリア右でボールを受けたG大阪・パトリックからグラウンダーで中へのボールは戻った田口がカット、前へと持ち替えボールをクリアする。
15分、名古屋ペナルティエリア手前中央で味方が落とすボールを受けたG大阪・パトリックのシュートは竹内が体に当てクリアする。
16分、西村からの長いボールをシモビッチが頭で落とそうと狙うが、前方へと流れG大阪・東口が抑える。
17分、ハーフライン付近右の古林から右前へと流れる永井へ、ペナルティエリア右から中央のシモビッチを囮に右後方から走りこむ小川へマイナス方向のボールを狙うが、このボールは相手ディフェンスにカットされてしまう。
19分、名古屋ペナルティエリア手前中央でボールを受け右へとディフェンスのマークを外したG大阪・宇佐美のミドルシュートはクロスバーを越える。
20分、竹内から縦へと浮かせたボールを相手ディフェンス裏へ体を入れ受けた永井がペナルティエリア左から中へのクロスを上げるが、このボールはG大阪・東口が直接抑える。
22分、安田から前へのボールを左コーナーフラッグ付近で触った永井が中への持ち替えを狙うが、ボールはタッチラインへとクリアされる。
24分、センターサークル付近でボールを受けた永井が強引に中央をドリブル、相手ディフェンスと交錯しこぼれたボールを小川が右足で狙うが、このシュートは相手ディフェンスに弾かれる。このボールをG大阪に拾われると右を経由したカウンターから中央のG大阪・パトリックに右足で強烈なシューを狙われるが、西村が前へと一旦弾きボールを抑える。
【失点】
26分、G大阪陣内中央から名古屋ボールのフリーキック。田口が縦へと上げたボールは相手ディフェンスがヘディングでゴールラインへとクリア。名古屋・左からのコーナーキック。田口が右足であげたボールはニアサイドでクリアされる。ここからG大阪がカウンター、左サイドでアデミウソンが大武に競り勝ち抜け出すとペナルティエリア付近左から中へ、このボールにG大阪・パトリックが走りこむと戻ったディフェンスと西村も飛び込むがボールはゴールへ。アウェイで先制ゴールを奪われてしまった。
29分、右サイド高い位置から古林のクロス、中央でのクリアをペナルティエリア付近左で拾った永井が右足インサイドで弧を描くようにファーサイドの枠を狙うが、このシュートは右へと外れる。
30分、名古屋ペナルティエリア手前でボールを受けたG大阪・パトリックのシュートは枠の左へと外れる。
32分、G大阪陣内右で古林からの戻しを受けたイ スンヒのクロスは相手ディフェンスにクリアされる。
33分、G大阪ペナルティエリア付近でのクリアミスを矢田が触りコントロールし狙うが、ボールは収まらずクリアされてしまう。
34分、G大阪陣内中央でシモビッチが倒されフリーキックを得る。
35分、G大阪ゴール正面30m強の位置から名古屋ボールのフリーキック。田口からゴール前を狙ったボールは相手ディフェンスにクリアされる。再度田口が前を狙うとこのボールを奪われカウンターを仕掛けられるが、右のG大阪・アデミウソンから中へのボールは古林がヘディングでクリア。
【失点】
36分、名古屋陣内右からG大阪ボールのフリーキック。ゴール前へのボールを中央でシモビッチの裏で体をひねり頭で合わせたG大阪・今野のシュートが左のポストに当たり中へ。2失点目を喫してしまった。
39分、G大阪・宇佐美がセンターサークル付近からドリブルを狙うが戻ったイ スンヒが体を入れノーファールでボールを奪う。ここから左サイドの安田へとつなぎ中へのクロスをシモビッチが頭で合わせるが、このシュートは相手ディフェンスに当たりゴールラインへとクリアされる。
40分、名古屋・左からのコーナーキック。田口が左足で上げたボールはニアサイドでクリアされる。
42分、G大阪陣内中央でシモビッチがG大阪・今野からハイボールを奪うが、ここで相手を倒してしまいファールの判定。素早いリスタートからディフェンスライン裏を狙ったG大阪・パトリックにオフサイドの笛が鳴るが、そのままプレーを続けイエローカードが提示される。
44分、矢田からのボールを左サイド高い位置で受けた永井が右足へと切り返しペナルティエリア付近から右足のシュートを狙うが、このボールはクロスバーを越える。
(アディショナルタイム表示:1分)
アディショナルタイム1、G大阪ペナルティエリア左で安田が縦へと仕掛け中へのクロスを狙うが、中央のシモビッチは2人のディフェンスに密着され飛べず、ボールはファーサイドでクリアされる。
アディショナルタイム2、自陣のイ スンヒから縦へのボールも相手ディフェンスがカット、ハーフライン付近へ運ばれたところで前半終了。
アウェイで2失点。攻撃面でも特にボールを持ってからのプレースピードが上がらず効果的な攻撃は見られなかったグランパス。現時点でのチームとしての完成度の違いも感じさせらえる前半となった。
後半
エンドを替えた後半、名古屋ボールでキックオフ。
1分、G大阪ペナルティエリア手前左、狭いエリアで矢田が中の小川に当てリターンを狙うが、ボールは相手ディフェンスにカットされてしまう。
【得点】
2分、左サイドを上がった安田からゴール前中央へのボールをシモビッチが頭で落とすと、混戦の中を抜けた矢田が左足で押し込み1点差とするゴールを決めた。
3分、ハーフライン付近でシモビッチ、イ スンヒで相手ボールのスローインにプレッシャーをかけボールを奪うが、その際に手に当ててしまいフリーキックを与える。
4分、G大阪ペナルティエリア手前右の小川から中へのボールをシモビッチが体をひねり頭で合わせるが、このシュートは枠の左へと外れる。
6分、G大阪ペナルティエリア左で安田が中へと仕掛け1人抜くが、カバーのディフェンスにボールをタッチラインへとクリアされる。
7分、G大阪ペナルティエリア手前左寄りからシモビッチの左足でのミドルシュートはG大阪・東口に一旦前へと弾きながら抑えられてしまう。
9分、センターサークル付近から矢田が前へとスピードアップ、フォローの永井へとつなぎ左の安田への展開を狙うが、トラップしたボールがタッチラインを割ってしまう。
10分、G大阪陣内中央でイ スンヒのパスカットから矢田、シモビッチ、永井とつなぎ右を右の小川の前を狙うが、ボールは直接ゴールラインを割る。
11分、名古屋ペナルティエリア手前右へのボールに走りこんだG大阪・宇佐美の右足のシュートはクロスバーを越える。
12分、右サイド高い位置へと上がるG大阪・初瀬の前へのボールを狙われるが、安田が密着してボールを触らせず直接ゴールラインを割る。
13分、G大阪陣内左でボールを受けた永井がそのまま縦へペナルティエリア内まで仕掛けコーナーキックを得る。
14分、名古屋・左からのコーナーキック。田口が右足であげたボールは中央の密集を飛び越え逆サイドでタッチラインを割る。
15分、G大阪ペナルティエリア左で永井が粘りこぼれたボールをシモビッチが拾うと、中方向へ持ち込み2度の切り返しで縦への持ち替えを狙うがボールはカットされる。このボールをイ スンヒが右足で直接狙うが、このミドルシュートはクロスバーを越える。
16分、自陣でボールを失うと、名古屋ペナルティエリア手前で矢田がG大阪・藤本を倒しフリーキックを与える。
17分、名古屋ゴール正面右寄り20m弱の位置からG大阪ボールのフリーキック。G大阪・藤本が左足で直接狙ったシュートはクロスバーを越える。
18分、G大阪1人目交代:藤本→阿部
19分、ハーフライン付近のG大阪・宇佐美から右への大きなボールはディフェンス、キーパーも見送り直接ゴールラインを割る。
20分、名古屋ペナルティエリア手前中央へ戻りながら足元へのボールを受けたG大阪・パトリックのターンしてのシュートは竹内に当たり枠を外れる。
【失点】
21分、G大阪・左からのコーナーキックに対し中央後方から走りこんだ丹羽のヘディングをマークできず再び2点差とされるゴールを許してしまう。
22分、名古屋1人目交代:矢田→川又、G大阪2人目交代:アデミウソン→倉田
23分、名古屋・左からのコーナーキック。シュートでつなぎ田口からのボールをファーサイドのシモビッチが頭で折り返すが、ボールはG大阪・東口にキャッチされてしまう。
25分、センターサークル付近のイ スンヒから右サイドを駆け上がる古林の前へと狙うが、ボールはG大阪・藤春にタッチラインへとクリアされる。スローインからのボールをつなぎ中央右寄りで受けた田口のシュートはG大阪・東口が弾きクリアされる。
26分、G大阪ペナルティエリア手前右から名古屋ボールのフリーキック。田口が右足で入れたボールは相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。
27分、名古屋・右からのコーナーキック。田口が右足で上げたボールはニアサイドでクリアされる。
28分、G大阪ペナルティエリア手前左の安田から、田口が中を追い越しその後ろの小川へと狙うが、ボールは相手ディフェンスに奪われてしまう。
30分、自陣でG大阪・倉田からイ スンヒがボール奪取を狙うが、ここで足をつったようでピッチへと倒れこみ担架で外へと出される。
31分、名古屋2人目交代:イ スンヒ→磯村
32分、G大阪ペナルティエリア付近でシモビッチがボールを奪うが、自身の手にボールを当ててしまいフリーキックを与える。
G大阪3人目交代:遠藤→井手口
33分、名古屋3人目交代:シモビッチ→和泉
名古屋陣内右から中へ流れたG大阪・井手口のシュートはディフェンスに当たり枠を外れる。G大阪・右からのコーナーキックは中央の大武がヘディングでクリア。
34分、ハーフライン付近で田口のパスカットから永井、和泉とつなぎペナルティエリア手前から右足で狙うが、このシュートは相手ディフェンスに当たり枠を外れる。名古屋・左からのコーナーキック。田口が右足で上げたボールは中央でクリアされる。
36分、G大阪4人目交代:パトリック→呉屋
38分、G大阪ペナルティエリア右の古林から戻したボールを田口がダイレクトで縦の小川へ。トラップで前への持ち替えを狙うが、ボールは相手ディフェンスにカットされてしまう。
名古屋4人目交代:古林→矢野
39分、センターサークル付近から名古屋がカウンター。小川からすぐ横の和泉、さらに左を上がる永井を狙うが、ボールは相手ディフェンスにカットされてしまう。
40分、G大阪5人目交代:宇佐美→大森
41分、左サイドで矢野の裏を取ったG大阪・大森の低いクロスは大武がクリア。
名古屋5人目交代:安田→高橋
43分、G大阪陣内左で永井がパスカット、そのまま縦へと持ち上がり中央の川又を囮に右サイドから中を狙う小川を狙うが、ボールは相手ディフェンスが触りクリアされる。
名古屋6人目交代:小川→明神
44分、G大阪ペナルティエリア手前でボールを拾った田口が前へと持ち替えペナルティエリア内で手を挙げる川又の前を狙うが、この浮かせたボールは前へと出たG大阪・東口に弾かれクリアされる。
45分、G大阪6人目交代:初瀬→内田
(アディショナルタイム表示:5分)
アディショナルタイム1、G大阪・丹羽からのロングボールは竹内がヘディングでクリア。
アディショナルタイム2、田口からのボールに左サイドを駆け上がった高橋から低いアーリークロス、中央へ走りこんだ川又が触りこぼれたボールに右から和泉がスライディングで飛び込むが、ボールはG大阪・東口に抑えられてしまう。
アディショナルタイム3、G大阪陣内左コーナーフラッグ付近で永井、川又が相手ディフェンスにプレッシャーをかけるが、ボールは川又に当たりゴールラインを割る。
アディショナルタイム4、G大阪ペナルティエリア付近で磯村がつないだボールを永井が右足で狙うが、このシュートはディフェンスに当たりG大阪・東口が抑える。
アディショナルタイム5、G大阪・東口から名古屋陣内へのロングボールが入ったところで試合終了。
後半早々に1点返し、相手ゴールエリア付近ではある程度圧力をかけられるようになった。しかしながらハーフライン付近からのスピードアップやディフェンスラインからのビルドアップなど、開幕に向けまだまだ多くの課題が浮き彫りとなるプレシーズンマッチとなった。
試合終了後記者会見
1-3というスコアは率直に悔しいです。失点のパターンを見ても、ガンバ大阪だと感じさせられました。カウンターとセットプレーがガンバ大阪の持ち味であることは理解していましたが、それを得点にしっかりと繋げる、さすが天皇杯チャンピオン、三冠を獲得したこともあるチームだと感じさせられました。
今日はチームとしての狙いを持ちながら勝利を目指すというゲームでしたが、勝つことができませんでした。選手はしっかりと戦ってくれていますし、それを勝利へと結びつけられないのは監督としての差だと思っています。
キャンプから取り組むビルドアップ、ブロックを作っての守りという2つの部分について今日の試合での評価をお聞かせください。
自分たちが目指す高いレベルでその2つができたかと言えば、まだまだでした。練習試合を含め今シーズン3試合目でしたが、最初は形として見えなかったものが今日は少し見えました。それが3試合目となる今日のゲームでの手応えです。まだまだやらなければいけない課題が多くありますし、今日の出来はベース中のベースだという話を選手達にしました。
セットプレーからの2失点について、今後どう修正すべきとお考えでしょうか?
相手をしっかりと捕まえることです。ガンバ大阪のセットプレーの強さは理解はしていましたが、セットプレーに限らず、選手にはまだまだ集中力を含め厳しさが必要です。これからシーズンを戦いながら選手にはハードワークを求めたいと思っています。
今日の試合全体を通し、チームとしてやりたかったことがどのくらい出せたのでしょうか?そして後半でチームが立て直ったように見えましたが、何をされたのでしょうか?
立て直したとは思っていません。前半は同じようにセットプレーから失点をしました。難しいゲームでした。ボールを奪うという部分では狙い通り戦えましたが、そのあとの部分で自分たちの狙った戦いができませんでした。それでも守備から攻撃へリズム、コンビネーションが良くなったことが得点に繋がったのだと思います。