2015シーズン試合結果
試合前
明治安田生命J1リーグ2ndステージ第13節はアウェイで柏レイソルとの対戦となる。
この試合で、前人未到といわれるJ1通算600試合を達成する楢崎。この1週間はメディアからもその話題に対する取材が続き意識せざるを得なかったそうだが、会場入りする表情は普段通りで、むしろ周りの選手達が、この記念の試合に対し特別な思いがあるようにも感じられた。
照明が灯され一気に緊張感と高まるスタジアム内に午後6時15分、ウォーミングアップのためGKの楢崎、高木が姿を表すと約1500人の名古屋サポーターからはいつも以上に気持ちがこもった楢崎コールが、そしてホームの柏サポーターからは大きなブーイングが浴びせられた。
キックオフ約30分前にはフィールドプレイヤーもピッチへと出てウォーミングアップが行われる。ピッチとスタンドが非常に近く、日本で1番ともいわれる臨場感に包まれるこの日立柏サッカー場。試合前にはリラックスした表情を見せる選手達だが、楢崎の600試合、そして矢野の300試合出場達成という記念となる今日の試合。これからはじまる90分に向け、全員が闘志を高めているようだ。
前半
今日名古屋、ゴールキーパーは楢崎。ディフェンスラインは右から矢野、牟田、竹内、本多の4人。小川、望月、田口、矢田の4人が中盤を構成し闘莉王、野田の2トップによる4-4-2のシステムでのスタートが予想される。
前半、メインスタンドから向かって左にエンドを取ったアウェイ・名古屋に対し柏ボールでキックオフ。
1分、柏ペナルティエリア手前で野田が落としたボール、田口から左の矢田へとつなぐが、足先で触ったボールは相手ディフェンスにカットされてしまう。
2分、自陣中央で矢野が柏・武富のドリブルを止めフリーキックを与える。
3分、名古屋ゴール正面30m強の位置から柏ボールのフリーキック。柏・クリスティアーノが右足で狙ったシュートはクロスバーを越える。
4分、柏陣内左から矢田が中へと持ち込み中央の小川、右の矢野を狙うが、ここで相手ディフェンスのチェックを受けボールはカットされてしまう。
6分、名古屋ペナルティエリア内へと飛び込む柏・大谷の前を狙ったボールは牟田がマーク、柏・大谷が触ったボールはゴールラインを割る。
7分、名古屋陣内左の柏・輪湖から前のスペースを狙ったボールは牟田がタッチラインへとクリア。
8分、ハーフライン手前のから矢野のクリアボールを野田がダイレクトで前へ、このボールを闘莉王が追うが、ボールはゴールラインを超える。
9分、名古屋ペナルティエリア手前左から柏・輪湖のクロスは直接ゴールラインを割る。
10分、名古屋ペナルティエリア右、外を上がった柏・キムからのクロスは中央の田口が右足でクリア。
【失点】
12分、名古屋ペナルティエリア内左で足下へ楔のボールをワンタッチで前へと持ち替えた柏・工藤に左足でのシュートを狙われると、このボールがクロスバーを叩きながら内へと跳ね返り先制ゴールを許してしまう。
14分、柏陣内、センターサークル付近で田口が倒されフリーキックを得る。ここからのフリーキック、田口が柏ペナルティエリア内左の牟田の前へと狙うが、相手ディフェンスにコースをふさがれボールは直接ゴールラインを割る。
15分、柏陣内左の矢田から、左へと流れる闘莉王の前を狙うが、ボールはタッチラインを割る。
【得点】
16分、柏陣内左で闘莉王のパスカットからのボールを受けた野田がペナルティエリア内へと持ち込み相手ディフェンスと重なりながらボールをコントロール、そのまま右足で押し込み同点とした。
18分、名古屋ペナルティエリア内左で右からのクロスを柏・大谷に右足ダイレクトで狙われるが、このシュートはクロスバーを越える。
20分、名古屋ペナルティエリア手前左から右足へと持ち替えた柏・武富のシュートはクロスバーを越える。
21分、柏ペナルティエリア右で小川からのボールを受けた野田が左足へと持ち替え中央の闘莉王を狙うが、ボールは競り合った相手ディフェンスにヘディングでクリアされる。
24分、センターサークル内から柏ボールのリスタート、素早く名古屋ペナルティエリア手前の柏・クリスティアーノの足元へとボールを入れ反転してシュートを狙われるが、このボールはクロスバーを越える。
25分、柏陣内右で小川からのボールを受けた矢野からのアーリークロスを闘莉王が狙うが柏・菅野と交錯、柏ボールでのリスタートとなる。
26分、柏・クリスティアーノの前を狙ったボールは本多がマーク、ボールはタッチライン方向へと流れる。
28分、センターサークル内でボール奪取を狙った矢野と柏・武富が交錯、名古屋ボールでのフリーキックとなる。
29分、名古屋ディフェンスライン裏を狙う柏・クリスティアーノの前へのボールは竹内がマーク、エリア内で前へと出た楢崎が先に抑える。
30分、柏ペナルティエリア左でボールを受けた矢田が左足で低いシュートを狙うが、ボールは相手ディフェンスに当たりクリアされる。
32分、柏ペナルティエリア手前左から野田がエリア方向へのドリブルを仕掛けるが相手ディフェンスと接触、ボールはクリアされる。
33分、左からのクロスに対し柏・菅野が味方ディフェンスと交錯こぼれ球を野田が右足で狙うが、このシュートは相手ディフェンスにクリアされてしまう。
34分、柏陣内左を上がった本多からのクロス、柏ゴール前中央の野田をおとりに外から走りこんだ闘莉王が頭で狙うが、このシュートは枠の左へと外れる。
35分、柏・クリスティアーノの右からのクロスは矢野が頭でクリアする。
36分、名古屋ペナルティエリア左から中へと流れた柏・クリスティアーノの右足のシュートが牟田に当たりコースが変わるが、楢崎がシュートを両手で弾きクリアする。
38分、中盤から縦へのボールに柏・工藤がディフェンスライン裏を狙うが、これはオフサイドの判定。
39分、ハーフライン付近左で本多が柏・武富のドリブルを止めフリーキックを与える。
【失点】
41分、名古屋ペナルティエリア左でディフェンスライン裏へと抜けボールを受けた柏・輪湖からのクロスを中央の柏・工藤に頭で合わせられ、再びリードを許してしまう。
42分、柏陣内右を上がった矢野から、エリア内へ走る小川の前へと浮かせたボールは相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。
43分、名古屋・右からのコーナーキック。田口が右足で上げたボール中央でのこぼれ球をペナルティエリア手前の小川が右足で狙うが、このシュートは相手ディフェンスに弾かれてしまう。再びボールを拾った名古屋が右の田口へと繋ぎ中への突破を止められフリーキックを得る。
44分、柏ペナルティエリア手前右から名古屋ボールのフリーキック。田口が右足で上げたボールはニアサイドで相手ディフェンスがクリア。このボールにコーナーフラッグ付近で追いついた田口からのクロスは相手ディフェンスがゴールラインへとクリア。
45分、名古屋・右からのコーナーキック。田口が右足で上げたボールは柏・菅野がパンチングこぼれ球を矢田が左足で狙うと、相手ディフェンスに当たり跳ね返りをさらに闘莉王が狙うが、ボールは柏・菅野にクリアされてしまう。
(アディショナルタイム表示:2分)
アディショナルタイム1、自陣右で小川がボールを奪われるが、左の柏・武富の前を狙ったボールは直接タッチラインを割る。
アディショナルタイム2、名古屋ペナルティエリア右から柏・クリスティアーノの中へと蹴り出したドリブルは矢田が体を入れファールを誘う。このリスタートを楢崎が蹴ったところで前半終了。
ボールポゼッションで大きく上回った名古屋。それでも失点直後に追いつき、その後の逆転のチャンスがあったが決められず、再度勝ち越されての折り返しとなった。
後半もアウェイで柏ペースの厳しいゲームが予想されるが、前線の闘莉王、野田へとボールが入ってからのカバーを厚くし同点、逆転ゴールを奪いたい。
後半
エンドを替えた後半、名古屋ボールでキックオフ。
1分、ハーフライン付近の柏・クリスティアーノの足下へのボールは本多がタッチラインへとクリア。
2分、柏ペナルティエリア左、高い位置でボールを受けた本多が相手とのタイミングを外し中を狙うが、ボールは柏・キムにタッチラインへとクリアされる。
4分、柏・左からのコーナーキックを中央の柏・キムに頭で合わせられるが、左上隅へと飛んだボールは楢崎が反応し右手でクリアする。
5分、柏陣内左を上がった本多からのクロスは中央の小川、手前に入った相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。
6分、名古屋・左からのコーナーキック。田口が右足で上げたボールは中央で相手ディフェンスにクリアされる。
7分、ハーフライン付近で矢野のパスカットから縦へのボールを闘莉王がダイレクトで右の小川へと狙うが、相手ディフェンスと交錯しコースが外れたボールはタッチラインを割る。
8分、柏陣内左の本多の前を狙ったボール、相手ディフェンスのクリアを矢田がダイレクトで再度縦へと狙うが、ボールはゴールラインを割る。
9分、柏陣内右ハーフライン付近で矢野が引っ掛けられ得たフリーキック。田口からのボール、柏ペナルティエリア内でのこぼれ球を拾った相手ディフェンスを牟田、野田の2人で囲むが、野田のスライディングはファールを取られる。
10分、柏陣内中央の闘莉王がトラップを浮かせ左の野田へ。野田が右足へと持ち替え中へのボールを外よりの闘莉王が頭で落とし田口が右足ボレーで狙うが、このシュートはクロスバーを越える。
12分、自陣右で小川が柏・小林を倒しフリーキックを与える。ここからのフリーキック、名古屋ゴール前へと上げらられたボールを中央の柏・キムに頭で叩きつけられるが、このシュートは楢崎が正面で抑える。
14分、柏1人目交代:秋野→茨田
名古屋陣内右を上がった柏・クリスティアーノからのクロスは牟田がクリア。
15分、柏・クリスティアーノの右からのドリブルは本多がチェック、ボールはゴールラインを割る。
16分、柏・右からのコーナーキックは中央の矢野がヘディングでクリア。
17分、名古屋1人目交代:望月→川又
柏ペナルティエリア内左から野田が中へと仕掛けコーナーキックを得る。
18分、名古屋・左からのコーナーキック。田口が右足でニアサイドへ低く上げたボールを竹内が逸らすが、ボールは相手ディフェンスにクリアされる。
19分、柏ペナルティエリア左で本多が縦へと仕掛け中へのクロス、相手ディフェンスのカットを拾った矢田が再び左足で中へと浮かせるが、このボールも相手ディフェンスにクリアされる。
20分、柏陣内中央から右へと流れた矢田が左足へ持ち替え逆サイドの野田を狙うが、ボールは相手ディフェンスにクリアされる。
22分、柏陣内中央から野田がドリブルを仕掛けフリーキックを得る。
23分、柏ゴール正面右寄り28m程度の位置から名古屋ボールのフリーキック。田口が右足で上げたこぼれ球を左の牟田が中へと浮かせるが、このボールは相手ディフェンスにクリアされる。
24分、名古屋ペナルティエリア右を縦へと突いた柏・キムからのクロスは矢野がクリア。
25分、名古屋陣内右の柏・キムからのアーリークロスは闘莉王がゴールラインへとクリア。
26分、柏・右からのコーナーキックはニアサイドの野田が頭で触り牟田がクリアする。
27分、柏陣内左から名古屋ボールスローイン、川又の足元へと入れ味方のフォローを待つが、相手ディフェンスに囲まれボールはクリアされてしまう。
28分、柏陣内左で本多が小川と縦へのワンツーを狙うが、リターンボールは柏・キムに前を抑えられ直接ゴールラインを割る。
30分、柏陣内左で小川の胸トラップを奪われカウンターを仕掛けられると、名古屋ペナルティエリア手前右の柏・クリスティアーノに右足で狙われるが、このシュートは枠の左へと外れる。
32分、柏陣内中央右から名古屋ボールのフリーキック。田口が柏ゴール前へと上げたボールは柏・菅野が直接抑える。
33分、柏陣内右で矢野の外を回った矢田の右足のクロスは柏・菅野が直接抑える。
35分、自陣でボールを回す柏に対し野田がプレスをかけるが、ボールは柏・菅野へと戻しクリアされる。
36分、名古屋2人目交代:野田→田鍋
柏2人目交代:武富→大津
37分、センターサークル付近の牟田から右の矢野へのボールが背面に入り、パスカットを奪い返そうとした矢野が相手を倒しイエローカードが提示される。
38分、ハーフライン上右で矢田が足下へのスライディングを受けフリーキックを得る。
39分、フリーキックからの流れ、牟田が前へと落としたボールに反応した闘莉王が左足でシュートを狙うが、柏・菅野の指先をかすめたボールは右のポストに嫌われてしまう。
40分、柏3人目交代:小林→中川
41分、矢野が柏ペナルティエリア右で縦への突破を狙うと、これを倒した柏・輪湖に対しイエローカードが提示される。柏ペナルティエリア右から名古屋ボールのフリーキック。田口が右足で上げたボールはニアサイドでクリアされる。
42分、名古屋ペナルティエリア左の柏・輪湖からのクロスを右の柏・工藤に頭で折り返されるが、このボールは本多がクリアする。
43分、自陣中央で牟田からのボールを受ける矢田が柏・大谷に後ろから倒され、このプレーで柏・大谷に対しイエローカードが提示される。
【失点】
44分、名古屋ペナルティエリア内右から縦を突いた柏・大津からの低いボール、ペナルティエリア内左の折り返しを柏・中川に押し込まれ2点差とされてしまう。
(アディショナルタイム表示:4分)
アディショナルタイム1、名古屋ペナルティエリア内右で縦を突いた柏・クリスティアーノの折り返しは牟田がヘディングでクリア。
アディショナルタイム2、自陣左で竹内が柏・中川を引っ掛けフリーキックを与える。
アディショナルタイム3、名古屋ペナルティエリア手前右から柏ボールのフリーキック。柏・クリスティアーノが低く狙ったシュートを楢崎が弾き詰められるが、ディフェンスがタッチラインへとクリア。
アディショナルタイム4、ハーフライン付近の闘莉王から中央の川又へと当て左の小川へ、ここからのクロスを中央へ走り込んだ闘莉王が頭で合わせるが、このシュートは柏・菅野の正面を突きキャッチされてしまう。
アディショナルタイム5、柏ペナルティエリア手前中央の闘莉王から右へと落としたボールに走り込んだ田口の右足のシュートは相手ディフェンスに弾かれてしまう。
ここで試合終了。
後半に入り、同点を狙う名古屋と、1点リードし守備からのカウンターで追加点を狙う柏。徐々に柏陣内でのプレーも増えゴールへと迫るが、最後の部分で決められず。すると後半アディショナルタイム直線に柏に2点差とされるゴールを決められここままタイムアップ。楢崎の600試合、矢野の300試合と節目になるメモリアルゲームを勝利で飾れず、試合後はサポーターからため息がもれた。
試合終了後監督会見
両チーム共にアグレッシブに戦いました。グランパスもスタートから、レイソルのポゼッションに対して中盤でのプレスでコンパクトに、まず守りから入る対応をしていました。そのような狙いがあったのですが、そこから効果的な攻撃には結びつきませんでした。その状況で柏に高い位置での起点を作られ、2失点をしました。前節、自分達がやったことをやられたような印象です。コンパクトな陣形で戦う狙いはできていましたが、失点に関しては、自分たちの狙いの裏を決められたと感じています。 後半は中盤の構成も多少リスクを冒し、川又を投入してからは、3トップ気味としました。中盤の守りが少し薄くなりましたが、何とか好機をつかめるよう戦っていました。その中で、3失点目はカウンターからということで、やむをえなかったと感じています。アグレッシブに戦えた部分を、今後整備し、クオリティを上げていきたいと思います。
楢崎選手が通算600試合出場を達成しました。その楢崎選手に関する評価をお聞かせください。
ここ最近、楢崎はそれを言われ続けており、今日のミーティングで改めてそれを言うのはやめました。逆に彼はチームメイトに気遣い、ざわざわさせて申し訳ないと謝っていました。本人は、通過点の1つと考えているようですし、我々も気負わせないようにしていました。矢野も300試合でしたし、全員で喜べるような試合をしたいという気持ちがありましたが、3失点をし、試合後のロッカーではあまり声もありませんでした。なんとか勝って、けじめのゲームにしてあげたかったのですが、残念です。
今日は前半、ディンフェスラインの裏を狙われるシーンが多かったですが後半はどう修正したのか?
前半は、工藤選手をけん制するラインコントロールを考えていました。前後だけではなく、左右にスライドするコントロール意識も高める必要がありました。左右にスライドする意識は高いのですが、まだまだ洗練はされていません。相手の出し手と受け手に対してのタイミングやポジショニングでは成熟させる必要があります。ディフェンダーが1対1で相手に上回れるようなディフェンス力は持っていませんし、ボールに対してのディフェンスに切り替えているなかで、レイソルの崩し方が1枚上手だったと思っています。
柏レイソルは2人のセンターバックでラインを押し上げる戦い方が特徴でしたが?
4バックでしたが、ビルドアップの際は中央のセンターバックが広がり仕掛けてきます。その位置を闘莉王と野田の2人でチェイスする必要がありました。エドゥアルド選手についてはロングフィードが得意なことは想定していましたし、それに対し本多のポジショニングも正確に取れていました。それでも、相手がルックアップをしたところへ飛び込む、その瞬間が遅れていました。相手に持たせても、そこから出たボールに対するディフェンスが足りませんでした。2失点目は矢野と小川の間を簡単に通されましたし、そのあたりに対する連動がまだまだ足らないと思います。