2015シーズン試合結果
試合前
雨に見舞われたエディオンスタジアム広島。明治安田生命J1リーグ2ndステージ第9節はアウェイでサンフレッチェ広島との対戦となる。
前節、ホームでFC東京戦に引き分けたグランパス。2ndステージ8試合を終え勝ち点14で7位と、上位争いに残るためにアウェイでの今日の1戦は負けられない状況となっている。
今日の対戦相手は現在ステージ2位のサンフレッチェ広島。ホームでの対戦となった1stステージはグランパスが勝利したが、2012、13とリーグを連覇したチームに勢いのある若手も加わり非常に難しいゲームとなりそうだ。
キックオフ約30分前、ゴールキーパー陣に続きフィールドプレイヤーが姿を表すと、遠く広島まで駆けつけたサポーターの歓声に迎え入れられた。西日本に大きな被害をもたらした台風は過ぎたが、それでも列島全体が不安定な天候に見舞われている第9節。エディオンスタジアムのピッチも朝から降り続ける雨でたっぷりの水を含んでいるようだが、選手達はウォーミングアップの時間を使い、そのピッチコンディションもしっかりと確認しているようだ。
前半
今日の名古屋、ゴールキーパーは楢崎。ディフェンスラインは竹内、闘莉王、本多の3人。磯村、矢田を中盤底に矢野、小川の両サイドハーフ。ノヴァコヴィッチの1トップ、その後ろに永井、川又が控える3-6-1のシステムでのスタートが予想される。
前半、メインスタンドから向かって右にエンドを取った白のユニフォーム名古屋に対し広島ボールでキックオフ。
1分、広島・水本から縦へのボールのこぼれを広島・ドウグラスに左足で狙われるが、このボールは楢崎が正面で抑える。
2分、右サイド高い位置でボールを受けた広島・ミキッチの折り返しは小川がゴールラインへとクリア。広島・右からのコーナーキックはニアサイドの矢田がヘディングでクリア。ここからカウンターを仕掛ける名古屋。左の小川から中のノヴァコヴィッチ、広島陣内へ持ち込み右へと開く永井へ繋ぎ中へ入って左足でのシュートを狙うが、このボールは相手ディフェンスに当たり跳ね返されてしまう。
3分、広島陣内左の本多から左へと流れる永井の前を狙ったボールは直接ゴールラインを割る。
【失点】
6分、右サイドを縦に突き中へと持ち替えた広島・ミキッチからのクロスを広島・ドウグラスが頭で触ると、そのままボールはファーサイドの枠へと収まり開始早々に先制ゴールを許してしまう。
8分、センターサークル内の磯村から左へのボールに縦を突いた永井の折り返しは広島・林が直接抑える。
【失点】
9分、右サイドで小川に体を入れ競り勝ち裏へと抜け出した広島・ミキッチからグラウンダーの折り返しを中央外寄りでフリーとなった広島・佐藤に決められ2点差とされてしまう。
11分、広島陣内で磯村がインターセプトを狙いこぼれたボールに足から飛び込むが広島・水谷と交錯、磯村のファールを取られる。
14分、名古屋ペナルティエリア手前左でボールを受けた広島・野津田の左足のシュートは楢崎が触り枠を外れる。広島・左からのコーナーキック。ショートでつなぎ中へのボールをファーサイドの広島・ドウグラスに頭で浮かせられるが、このシュートは楢崎が枠の外へと弾き出す。
15分、広島・左からのコーナーキックは中央の闘莉王がヘディングでクリア。
16分、名古屋ペナルティエリア手前で広島・ドウグラスが中へと仕掛け左、さらに中へと戻したボールをペナルティエリア手前から広島・佐藤に左足で狙われるが、枠へと向かうシュートは楢崎が弾き枠を外れる。
17分、広島・右からのコーナーキックは闘莉王がヘディングでクリア。
19分、広島陣内右を上がった矢野が左足へ持ち替え中へのボールは相手ディフェンスがカット、これを左で拾った本多が再度中を狙うが、このボールもクリアされてしまう。
20分、自陣左の小川の裏へのボールを広島・ミキッチが足先で大きく蹴り出すが、エリア内左へと動いた楢崎が直接ボールを抑える。
21分、広島陣内左サイド高い位置でボールを受ける矢田が前へと蹴り出した突破を狙うが、このボールは相手ディフェンスにカットされてしまう。
22分、広島陣内左、高い位置でボールを受けた矢田からのクロスは相手ディフェンスに当たりゴールラインを割る。名古屋・左からのコーナーキック。矢田が左足で上げたボールは中央で相手ディフェンスがクリア。
23分、広島陣内中央を上がった闘莉王のミドルシュートは相手ディフェンスがカット、ここからカウンターを狙われるが、左へと開いた広島・ドウグラスの前へのボールはトラップが流れ竹内がクリアする。
24分、ハーフライン右で矢野が相手パスをカット、素早く前の川又が拾い縦、中へと持ち替え左足で中央のノヴァコヴィッチを狙うが、このボールは相手ディフェンスにカットされてしまう。
25分、センターサークル付近で広島・ドウグラスが倒れたためボールが一旦外へと出される。
27分、広島・ペナルティエリア手前左でボールを受けた小川から戻したボールを受けた磯村が左足でミドルシュートを狙うが、このボールはクロスバーを越える。
28分、広島ペナルティエリア手前中央で粘ったノヴァコヴィッチから左へのボールに走り込んだ小川が右足で狙うが、このシュートは広島・林の正面でキャッチされてしまう。
29分、右サイド、コーナーフラッグ付近でボールに追いついた広島・ミキッチからの折り返しは闘莉王が頭でゴールラインへとクリア。
30分、広島・左からのコーナーキックは中央の闘莉王がヘディングでクリア、ここで相手選手と闘莉王が交錯し名古屋ボールでのリスタートとなる。
31分、広島ペナルティエリア左でボールを受けた永井がマークの広島・ミキッチを右へと外し右足でのクロスを狙うが、このボールは中央で相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。
32分、名古屋・左からのコーナーキック。矢田が左足で上げたボールは中央で相手ディフェンスがカット、ペナルティエリア手前へのこぼれ球を磯村が右足で狙うが、このシュートは枠の左へと外れる。
33分、右サイドを上がった矢野からのクロスは中央で相手ディフェンスがカット、再び右で拾った矢野が粘りコーナーキックを得る。
34分、名古屋・右からのコーナーキック。小川が右足で上げたボールはニアサイドで複数の選手が重なるが外でクリアされる。このボールを再び右の矢野から中へ、外寄りの闘莉王が頭で折り返すが、このボールも相手ディフェンスにクリアされる。
35分、名古屋ペナルティエリア右で小川のクリアミスを拾った広島・ミキッチからサポートの広島・ドウグラスへ、ここから左足でのミドルシュートは枠の左へと外れる。
36分、広島陣内左へと開いた矢田からのクロスは広島・林が直接抑える。
37分、名古屋ペナルティエリア左から広島・柏が左右に大きく振り左足で中を狙うが、このボールは名古屋ゴール前を通り抜ける。
40分、名古屋陣内中央を持ち上がった広島・青山の右足のミドルシュートは枠の左へと外れる。
41分、広島ペナルティエリア手前で矢田から足元へのボールを受けた磯村が前へと持ち替え左足でのシュートを狙うが、このボールはクロスバーを越える。
42分、左サイドハーフライン付近で広島・ドウグラスへのインターセプトを狙い強く飛び込んだ磯村に対しイエローカードが提示される。
43分、名古屋ペナルティエリア左から中へと持ち込んだ広島・柏の右足のシュートは楢崎が抑える。
44分、広島ペナルティエリア付近中央のノヴァコヴィッチに当て落としたボールを小川が右足で狙うが、このシュートは相手ディフェンスに当たり広島・林が抑える。
(アディショナルタイム表示:2分)
アディショナルタイム1、名古屋ペナルティエリア右から左足へと持ち替え中を向いた広島・ミキッチからのクロスは楢崎が抑える。
アディショナルタイム2、自陣で闘莉王の裏へのボールに広島・佐藤が走るが、ペナルティエリア外へと出た楢崎が左足でタッチラインへとクリア。このリスタート、広島ボールのスローインを中へと入れられたところで前半終了。
開始約10分で2失点を喫した名古屋。注意していた広島・ミキッチに対し、特に2失点目は小川が倒された時点で味方の足が止まったようにも感じられ集中力を欠いたのかもしれない。過去には同スタジアムでカウンターからの失点を重ね大敗を喫したこともあるが、特に後半の開始直後は集中力を高めしっかりと守り、なんとか2点差を追いつくゲームに期待したい。
後半
エンドを替えた後半、名古屋ボールでキックオフ。
1分、左サイドの小川のカットから永井、広島陣内中央のノヴァコヴィッチ、サポートの磯村への落としを狙うが、このボールは相手にカットされてしまう。
3分、広島陣内中央の矢田から楔のボール、ペナルティエリア付近のノヴァコヴィッチが一旦足元へと止め右へと転がしたボールを永井が苦しい体勢から右足で狙うが、このシュートはクロスバーを越える。
4分、右サイド、高い位置で小川と競り裏へと抜け出した広島・ミキッチからのクロスは闘莉王がクリア。
5分、広島ペナルティエリア手前左寄りで川又ドリブルの足元を引っ掛けられフリーキックを得る。広島ゴール正面左、28m程度の位置から名古屋ボールのフリーキック。ノヴァコヴィッチが右足で直接狙うが、このシュートはクロスバーを越える。
6分、広島ペナルティエリア手前左でボールを受けた矢田の左足でのミドルシュートはクロスバーを越える。
【失点】
7分、自陣で広島・野津田にパスをカットされるとそのまま左から縦へ、ペナルティエリア内左から中へと持ち替えマイナス方向へグラウンダーのボールにファーサイドから走り込んだ広島・ドウグラスに左足でのシュートを許し、またも後半開始早々にゴールを奪われてしまう。
10分、広島陣内中央で右の竹内から中の磯村へ戻すボールをカットされそのままカウンターを受けると一気に名古屋ゴール前へと持ち込まれるが、ゴール前の混戦で名古屋ボールのフリーキックとなる。
11分、広島陣内左の本多からペナルティエリア付近のノヴァコヴィッチの足元へのボール、これをノヴァコヴィッチが前へと転がすが、走りこむ小川へは合わずボールはクリアされる。
12分、名古屋陣内中央を上がった広島・野津田のミドルシュートを楢崎が弾くと、こぼれ球に対し広島・ドウグラスに詰められるが、このシュートは枠の左へと外れる。
15分、広島陣内左を上がった闘莉王から楔のボールは相手ディフェンスにカットされる。
16分、広島ペナルティエリア手前左で矢田がドリブルを倒されフリーキックを得る。
17分、広島ゴール左45度、25m程度の位置から名古屋ボールのフリーキック。矢田が浮かせたボールを外の竹内が頭で中へと折り返すが、このボールは相手ディフェンスにクリアされる。再び左へとつないだ名古屋。クロスボールをゴール前右のノヴァコヴィッチが頭で叩きつけるが、このシュートはゴールライン付近で広島・林に弾かれてしまう。
18分、広島1人目交代:佐藤→浅野
後方からのボールを代わって入ったばかりの広島・浅野がファーストタッチで前へと流すが、このボールは楢崎が直接抑える。
19分、広島ペナルティエリア手前右よりでボールを受けた永井が、中のノヴァコヴィッチに相手マークが付く状況で右足でのミドルシュートを狙うが、このボールは枠の左へと外れる。
20分、名古屋ペナルティエリア内右でボールを受けた広島・浅野の右足のシュートは楢崎が一旦弾きながら抑える。
21分、ノヴァコヴィッチからのボールに右サイドを上がった矢野の右足のクロスは広島ゴール前を飛び越え逆サイドタッチラインを割る。
名古屋1、2人目交代:小川、川又→杉森、田中
22分、名古屋ペナルティエリア左を上がった広島・柏から中へのボールは竹内がカットする。
23分、広島陣内右、高い位置で矢野からのボールに永井が広島・水本の裏を狙うが、相手を引いてしまいファールをとられる。
24分、名古屋ペナルティエリア右でボールを受けた広島・浅野の中へのドリブルをエリア内ギリギリの位置でのスライディングで本多が倒してしまいPKを与えてしまう。
【失点】
26分、このPKを広島・浅野にゴール右下へと決められ4点差とされてしまう。
27分、名古屋3人目交代:本多→牟田
広島陣内中央で矢田が倒されフリーキックを得る。
28分、このフリーキック、矢田が左足で広島ゴール前へと上げたボールは外でクリアされる。ここから広島・浅野が一気にカウンターを仕掛けるが、ディフェンスに対応した矢田がボールをタッチラインへとクリアする。
30分、広島ペナルティエリア手前右の矢田から縦へのボールにディフェンスライン裏へと抜ける杉森が倒されPKを得る。
31分、このPKを闘莉王が枠の右へと狙うが、広島・林に弾かれてしまう。
広島2人目交代:野津田→皆川
【得点】
32分、名古屋・右からのコーナーキック。矢田が左足で上げたボールをニアサイドの矢野がヘディング、相手ディフェンスに当たったこぼれ球を牟田が右足で蹴り込み1点を返した。
33分、広島ペナルティエリア右から杉森、矢田、永井とつなぐが永井からダイレクトで縦へのボールは相手ディフェンスにカットされてしまう。
【得点】
34分、広島陣内中央左寄りのノヴァコヴィッチからペナルティエリア内右へのボールにフリーで抜け出した永井が倒れながら頭で合わせ、この時間になって2点差とするゴールを決めた。
36分、名古屋陣内右の広島・青山から中へのボールは逆サイドゴールラインを割る。
37分、広島ペナルティエリア内右で矢田が落とし外から杉森が右足で狙ったシュートはクロスバーを越える。
38分、広島陣内中央の闘莉王から右の矢野へのボールは相手ディフェンスにカットされてしまう。
【失点】
40分、名古屋ペナルティエリア右の広島・ミキッチの縦への一瞬の加速から右足で中へのクロスを広島・ドウグラスにヘディングで決められ5失点目を喫してしまう。
41分、広島陣内中央の磯村のドリブルが倒されフリーキックを得る。
42分、広島陣内中央から名古屋ボールのフリーキック。ノヴァコヴィッチが右足で直接狙うが、このシュートはクロスバーを越える。
広島3人目交代:ミキッチ→佐々木
44分、名古屋ペナルティエリア左でボールを受けた広島・佐々木のグラウンダーのクロスは中央で闘莉王がクリア。
45分、広島陣内中央右よりで永井が後ろから引かれフリーキックを得る。ここからのフリーキック、矢田が左足で広島ゴール前へと上げたボールに矢野が飛び込むが、ボールは相手ディフェンスに当たりゴールラインを割る。
(アディショナルタイム表示:4分)
アディショナルタイム1、広島ゴール前で闘莉王が倒れ、担架でピッチの外へと出される。
アディショナルタイム2、名古屋・右からのコーナーキック。矢田が左足で上げたボールは中央でクリアされる。
アディショナルタイム3、広島ペナルティエリア手前左から矢田の反転して前へのボールは直接ゴールラインを割る。
アディショナルタイム4、ハーフライン付近の磯村から右の牟田へのボールはタッチラインを割る。
アディショナルタイム5、広島陣内左から小刻みなドリブルで中へと持ち込んだ杉森のシュートは広島・林に倒れながら正面でキャッチされる。
ここで試合終了。
後半に入っても失点を重ねた名古屋。さらに、雨でボールが転がらない状況でパスミスからのピンチが続けられた。セットプレーからの流れで2点こそ返したが、2-5というスコアに、チームとしての完成度の違いを見せつけられる敗戦となった。
試合終了後記者会見
ご覧の通り、守備が崩壊したゲームでした。サンフレッチェ広島の戦略、戦術に見事にしてやられたゲームでした。開始早々にあのように失点し、さらに難しいゲームとなりました。広島はポゼッションよりもカウンターが脅威でしたし、そこを警戒していました。それでも自分達から広島にプレゼントするようなパスミスの連続でした。相手には精度の高い攻撃陣がいますし、むしろ良く5失点で終わったなという印象もあります。どうしても点を取らなければいけない状況となり、ある程度リスクを冒した攻撃からの切り替えでカウンターを受け続ける状況でしたが、簡単に相手にカウンターを与えすぎていました。
0-2という状況ではまだゲームが終わっているわけではありませんし、そこで耐えなければいけない時間帯でした。後半の立ち上がりは悪くはありませんでした。しかし、結果的にその状況で奪われた3点目が致命的でした。
相手のミキッチ選手への対応がポイントだったかと思いますが?
小川のサイドというよりも、本多のビルドアップにも問題がありました。相手の両サイドにマッチアップするという状況に、長い時間さらされることは想定していました。また、相手の最大のストロングポイントであるフリーランニングで裏を突かれ、そこへボールを入れられてのダイレクトプレーは最大限に注意していたので、そこは避けるよう指示をしていました。その点はうまく対応していましたし、2失点目については致しかたない部分もあります。相手を止めるよりは、自分達のボールで相手の裏を狙う、攻撃的な意味で相手の両サイドを止めることが目的でした。両サイドの2人は大変な試合だったと思いますし、彼達2人の問題ではなく、自分達の攻撃を遅らされている状況からビルドアップでの組み立てに問題がありました。その部分が、主導権を握られなかった最大の要因でした。
途中から入った杉森選手の評価をお聞かせください。
杉森については、2トップの下に入りボールをしっかりと受け、チャンスがあれば自ら突破することを求めていました。まずボールを引き出した上で、前の2人を使ったり、自分でも厳しい位置へ入るプレーを続けるよう求めていました。ボールはうまく引き出せていましたが、相手にとっては守りやすい位置で受けることが多かったように思います。PKを得たようなプレーが今後、もっと増えればと思います。まだリーグ戦では2試合目ですが、アグレッシブにボールを引き出し、前に仕掛ける姿勢は良かったと思います。次のナビスコカップに向けては、どれだけの戦力が確保できるか、そもそも18人揃うのかという問題もありますし、まずはその部分からの見直し、立て直しが必要です。