2015シーズン試合結果
試合前
日没が迫り、多少過ごしやすく感じられるようになってきた松本平広域公園総合球技場。明治安田生命J1リーグ2ndステージ第7節はアウェイで松本山雅FCとの対戦となる。
お盆休み最後の日曜日。チケットはすでに完売、名古屋からも約2000人のサポーターが駆けつけキックオフ前から両チームサポーターの応援が熱を帯びている。ピッチとスタンドの距離が近く、コンパクトにまとまった球技場らしく臨場感たっぷりの中、ウォーミングアップのため両チーム選手たちが登場すると、すでにスタジアムは最高潮に達しているように感じられる。
過去にジェフ市原(現千葉)との対戦を行ったことはある同スタジアムだが、グランパスのほとんどの選手にとっては初となるアルウィン。それでもアウェイのこの雰囲気を「楽しみ」と口にする選手も多く、特別な舞台に試合前から気持ちが高まっているようだ。
前半
今日の名古屋、ゴールキーパーは楢崎。ディフェンスラインは竹内、闘莉王、本多の3人。磯村、矢田を中盤底に矢野、小川の両サイドハーフ。永井、川又の2トップとその後ろに小屋松が控える3-5-2のシステムでのスタートが予想される。
前半、メインスタンドから向かって左にエンドをとった赤のユニフォーム・名古屋に対し松本ボールでキックオフ。
1分、キックオフから前線へのロングボールは矢野が楢崎へと戻し処理する。
2分、センターサークル付近から名古屋ボールのフリーキック。闘莉王からのボールを松本ペナルティエリア内左の川又が頭で前へと流し小屋松が裏を狙うがボールは直接ゴールラインを割る。
3分、竹内から松本ペナルティエリア右の矢野へと縦へのボールを狙うが相手ディフェンスに抑えられボールは直接ゴールラインを割る。
4分、松本・右からのコーナーキック。中央へ戻しゴール前へのボールを体をひねる松本・オビナに頭で合わせられるが、このシュートはクロスバーを越える。
5分、松本陣内左でボールを受けた矢田からのクロスを中央で川又が頭で叩きつけるが、このシュートは枠の左へと外れる。
6分、名古屋ペナルティエリア左の松本・飯尾の前を狙ったボールは直接ゴールラインを割る。
7分、右サイドハーフライン付近で矢野が抑えられえたフリーキック。闘莉王からの左への大きなボールは相手ディフェンスに当たりタッチラインを割る。
8分、左から松本ペナルティエリア内へと突破した小川からマイナス方向へのグラウンダーのボールは相手ディフェンスにカットされてしまう。
9分、右サイドで矢田が粘り戻したボール、竹内からペナルティエリア付近の永井の前へと狙うが、このボールは松本・村山が直接抑える。
10分、名古屋陣内中央右よりでボールを受けた松本・工藤が中央へのドリブルから左足でミドルシュートを狙うが、このボールは枠の右へと外れる。
11分、松本・田中の右サイドから縦へのドリブルは小川がボールをゴールラインへとクリア。
12分、松本・右からのコーナーキック、中央でこぼれたボールは竹内がクリア。これを再び名古屋ゴール前左の松本・オビナへと上げられるが、このボールは競り勝った矢野がゴールラインへとクリア。
13分、松本・左からのコーナーキックは中央で闘莉王、竹内が交錯しながら頭でクリア。
14分、松本・田中からのアーリークロスは闘莉王が触り本多がクリア。
15分、名古屋陣内右から松本ボールのスローイン。松本・岩上がライナー性のロングスローで名古屋ゴール前までボールを入れるが、中央でディフェンスがクリア。
16分、名古屋ペナルティエリア右からのクロスをファーサイドで折り返し松本・喜山に左足ダイレクトで狙われるが、このシュートはクロスバーを越える。
17分、自陣右でパスカットした松本・田中がそのまま縦へのドリブルを仕掛けるが、素早く体を寄せた矢田がタッチラインへとボールをクリア。
19分、竹内から前の矢野を狙った楔のボールは松本・飯尾に密着されタッチラインを割る。
20分、松本・工藤の中央からのドリブルは矢田が体を当てノーファールでボールを奪う。
21分、松本陣内左で足元へのボールを受けた永井が縦へと蹴り出し自ら突破を狙うが、ボールは松本・飯田にカットされてしまう。
22分、名古屋陣内左から松本ボールのスローイン、松本・喜山から名古屋ゴール前へのボールは闘莉王がヘディングでクリア。
23分、名古屋ペナルティエリア内左でボールを受けた松本・飯尾が右への切り返しで矢野のスライディングを交わし右足で狙われるが、このシュートは枠の左へと外れる。
24分、ハーフラインを超えた磯村のインターセプトから縦への強引な仕掛け、ペナルティエリア付近で左へと溢れたボールを小屋松が右足で狙うが、このシュートは相手ディフェンスに当たり枠を外れる。
27分、自陣右へと戻った川又に小屋松が競り合ったボールをダイレクトで縦へ、永井が右タッチライン際を追うが、ボールは相手ディフェンスにタッチラインへとクリアされる。
28分、右サイド高い位置で矢野が粘り得たコーナーキック。矢田が左足で上げたボールは中央で相手ディフェンスにクリアされる。
30分、磯村から右へのボールを競った矢野と松本・飯尾が交錯、松本・飯尾がピッチへと倒れ治療のため一旦ピッチの外へと出される。
32分、松本ボールのリスタート、松本・村山から縦へのロングボールは直接タッチラインを割る。
33分、名古屋ペナルティエリア手前中央でボールを受けた松本・喜山の左足でのシュートはクロスバーを越える。
34分、名古屋ペナルティエリア左から裏を狙う松本・飯尾のドリブルは竹内が体を入れファールを誘う。
35分、矢野からのアーリークロスを永井、川又が競り合い裏へのボールを反転しながら左足ダイレクトで狙うが、このシュートはうまく打てず相手ディフェンスにクリアされる。
37分、松本陣内右の矢野から相手ディフェンスラインの裏へ抜ける小屋松の前へのボールは松本・酒井にスライディングでゴールラインへとクリアされる。
【得点】
38分、名古屋・右からのコーナーキック。矢田が左足で上げたボールは松本・村山がパンチングでクリア。再びボールを名古屋がつなぐとペナルティエリア手前右で受けた矢田が中へと流れながらドリブル、ペナルティエリア手前中央から左足でゴール右下へと蹴り込みアウェイの名古屋が欲しかった先制ゴールを奪った。
39分、松本・酒井の右サイドからのドリブルは竹内がマーク、裏へのボールは闘莉王がクリア。
40分、松本・左からのコーナーキック、松本・オビナが楢崎の前へと体を入れるが、その外から楢崎が手を出しボールをクリア。
41分、松本陣内センターサークル付近で磯村がドリブルを止められフリーキックを得る。
42分、このフリーキック、小川が右足で松本ゴール前へと上げたボールは中央で相手ディフェンスにクリアされる。
43分、自陣からのクリアボールを名古屋陣内中央の松本・工藤が頭で右へと流し松本・オビナが追うが、ボールは先に磯村がタッチラインへとクリア。
44分、小屋松からのボールを足裏で触り右サイドタッチライン際で追いついた永井がゴールライン付近から折り返しを狙うが、このボールは直接ゴールラインを割る。
(アディショナルタイム表示:2分)
アディショナルタイム1、松本・村山からのボールを本多と松本・オビナが追い交錯するが、ボールは直接ゴールラインを割る。
アディショナルタイム2、左サイドでボールを受けた松本・岩上から名古屋ゴール前へのボールは闘莉王が頭でクリア。
アディショナルタイム3、松本陣内中央の矢田から縦へのボール、相手ディフェンスが触ったボールを永井がさらに触るが、このボールは松本・村山が抑える。
ここで前半終了。
試合開始からボールポゼッション率では上回りながら松本陣内でラインの圧力を欠き、ボールを奪ったから前線の3人へあずけ縦へと速い松本に対し劣勢のゲームが続いた。しかし徐々に松本陣内でもボールを回せるようになると、コーナーキックの流れから前線に人数をかけるなか、矢田のミドルシュートが決まり1点リードしての折り返しとなった。
後半、ホームで負けられない松本が前線での圧力を高めることも予想されるが、その圧力に耐え追加点を奪いたい。
後半
エンドを替えた後半、名古屋ボールでキックオフ。
松本1人目交代:飯尾→前田
1分、本多へと戻したボールに対し松本・前田にプレスを仕掛けられるが、一旦楢崎へと戻し前線へとクリア。
2分、松本ペナルティエリア左でボールを受けた永井が相手ディフェンスを引きつけ中の小屋松の足元へグラウンダーのボールを狙うが、ここは手前に入った相手ディフェンスに先にクリアされる。
3分、名古屋陣内右からのスローインを松本・前田が受け縦を狙うが本多がマーク、蹴り出したボールは直接ゴールラインを割る。
5分、闘莉王からのボールを松本陣内左で受けた本多からサポートの小屋松、ペナルティエリア手前へと上がった磯村へとつなぎ右足でのミドルシュートを狙うが、このボールはクロスバーを越える。
6分、松本ディフェンスラインへのボールに永井、小屋松、川又と一斉にプレッシャーをかけクリアボールを小川が落とすが、磯村へは届かずボールはクリアされる。
7分、名古屋ペナルティエリア右でボールを受けた松本・オビナから中へのボールは矢野が頭で逆サイドタッチラインへとクリア。
8分、松本ペナルティエリア手前中央の川又が左へと落としたボール、永井が受け縦へと仕掛けるが、このボールは松本・村山に弾かれゴールラインを割る。
9分、名古屋・左からのコーナーキック。小川が右足で上げたボールはファーサイドで相手ディフェンスにクリアされる。
10分、松本ペナルティエリア右から小屋松が小刻みなドリブルで一気にエリア内まで仕掛け中の川又を狙うが、このボールは松本・村山に当たりゴールラインを割る。名古屋・右からのコーナーキックはゴール前を抜け逆サイドでクリアされる。
11分、コーナーキックから前線へ残った闘莉王が左でボールを落とし矢野からゴール前へのボールに川又が飛び込む。しかし松本・村山と交錯し松本ボールでのフリーキックとなる。
12分、センターサークル内で川又が競り合ったボールを矢田から左の永井の前へとダイレクトで狙うが、このボールは松本・飯田にクリアされてしまう。
13分、松本ボールでのフリーキックからクリアを再びつながれると、名古屋ペナルティエリア内右へボールを松本・前田に反転して狙われるが、このシュートは枠の右へと外れる。
14分、名古屋ペナルティエリア左でボールを受けた松本・安藤が縦への突破を狙うが、矢野がマーク、蹴り出したボールは直接ゴールラインを割る。
16分、名古屋ペナルティエリア右でボールを受けた松本・田中のクロスは中央でディフェンスがクリア。
17分、松本ペナルティエリア内右で縦へと仕掛けた矢野のクロス、相手ディフェンスのクリアを拾った小屋松が右足で狙うが、このシュートは相手ディフェンスに当たりクリアされてしまう。
19分、名古屋ペナルティエリア手前右の松本・田中から中へと戻したボール。これをペナルティエリア手前中央で受けた松本・岩上に左へと切り返したシュートを狙われるが、このボールは枠の左へと外れる。
20分、自陣左で小川と松本・岩上が交錯、名古屋ボールのフリーキックとなる。
21分、松本・田中が名古屋陣内右でボールを受けるが永井がマーク、そのままタッチラインを割る。
23分、自陣で矢田がパスカット、ハーフラインを超え永井へとつなぐとペナルティエリア手前から強引に右足でのシュートを狙うが、このボールは相手ディフェンスに当たりクリアされてしまう。
24分、松本陣内左で小屋松が倒され得たフリーキック。小川が右足で上げたボールはゴール前を飛び越え直接ゴールラインを割る。
26分、名古屋ペナルティエリア中央から左へと戻したボールを松本・工藤に右足で狙われるが、このシュートは枠の右へと外れる。
27分、矢田から松本ペナルティエリア内左へのボールを小川が折り返しコーナーキックを得る。
28分、名古屋・左からのコーナーキック。小川が右足で上げたボールはファーサイドよりへと飛んだ松本・村山にパンチングでクリアされる。
29分、松本陣内中央でボールを受けた小屋松が前へと持ち替え右足でミドルシュートを狙うが、このボールは相手ディフェンスに当たり弾かれてしまう。
30分、松本2人目交代:岩間→阿部
右からのクロスを名古屋ペナルティエリア内左の松本・飯田に頭で折り返されるが、このボールは楢崎がしっかりと抑える。
32分、松本・前田の名古屋陣内右での粘りから戻したボールを松本・岩上に名古屋ゴール前へと上げられるが、このボールは直接ゴールラインを割る。
34分、松本・オビナへの楔のボールは竹内が体を当てボールを奪う。素早く松本陣内右に開く川又へと預け戻したボールを矢田が左足で狙うが、このミドルシュートはクロスバーを越える。
35分、名古屋陣内左からのアーリークロスに対しペナルティエリア内右へと飛び出した松本・田中に右足ダイレクトで合わせられるが、このシュートは楢崎が正面で抑える。
36分、松本陣内左でボールを拾った本多がそのまま縦へ上がり中央へと折り返すが、このボールはゴールラインを割る。
37分、名古屋ペナルティエリア手前へのクリアボールを松本・工藤に右足で狙われるが、このミドルシュートはクロスバーを越える。
38分、松本陣内左の小川から中へのボールを永井がトラップ、中央の川又をおとりに後ろから走り込んだ小屋松の足音へのボールをダイレクトで狙うが、このシュートはクロスバーを越える。
松本3人目交代:オビナ→塩沢
39分、松本・阿部から前へのボールは闘莉王が見送り直接ゴールラインを割る。
40分、右から中へと持ち込んだ松本・前田のクロスはファーサイドで足を伸ばした矢野がクリア。
41分、名古屋ペナルティエリア付近右でボールを拾った松本・田中のシュートは小川が体でブロック、これをクリアする。
43分、名古屋ペナルティエリア手前右の松本・岩上から中へのボールは闘莉王が頭でクリア。
45分、ペナルティエリア外の松本・村山へと戻したボールに永井がプレッシャーをかけるが、左へと外しクリアされる。
(アディショナルタイム表示:3分)
アディショナルタイム1、名古屋1人目交代:川又→ノヴァコヴィッチ
名古屋陣内右から松本ボールのスローイン。松本・岩上からロングスローのボールは名古屋ゴール前中央で相手に当たり枠を外れる。
アディショナルタイム2、名古屋2人目交代:矢田→田中
名古屋ペナルティエリア右へ斜めに走りこむ松本・塩沢の前を狙ったボールは本多が体を入れブロック、直接ゴールラインを割る。
アディショナルタイム3、自陣左から小屋松の縦へのクリアボールを永井が追うが、松本・村山に先にクリアされる。
アディショナルタイム4、自陣中央で闘莉王が交錯し得たフリーキック。楢崎が前線へと大きく蹴ったところで試合終了。
後半に入り、守りの意識が強まったのかミドルシュート以外にあまりチャンスを作り出せなかった名古屋だが、それでもホームで同点、逆転を狙い前へと出る松本の攻撃を抑えきりアウェイで1-0の完封勝利。内容としては満足はいかないかもしれないが、それでも前節、ホームでの敗戦を取り返す勝ち点3を獲得した。
試合終了後記者会見
初めてこのスタジアムで戦いました。このような素晴らしい雰囲気の中で戦える喜びは、僕だけではなく選手たちも感じていたと思います。風が強いと聞いていましたが、それ以上の松本ファン・サポーターの素晴らしさによって選手たちがよりアグレッシブに躍動していました。本来なら自分達の選手をまず褒めるべきなのですが、このスタジアム、そして松本山雅F.C.というチームに対するリスペクトを表したいと思います。
試合については、今日は松本のチームスタイルを想定し、ゼロに抑え勝ち切ったとということは、全員が集中し戦えたということです。少ない好機でしたが、結果に関しては満足しています。しかしながら内容を見れば、自分達が本来描いている攻守を見せられたというわけではありません。永井と川又をスタートから使いましたし、彼らのポジションは悪くはありませんでした。彼ら2人を中心とした攻撃からのプラスアルファがまだ足りていません。遅攻、速攻の区別や切り替えもまだ足りません。今日は松本の守備のスタイルに対しアタッキングサードでの仕事を増やすため、クロスボールを上げたりペナルティエリア内へと入ったり、まずはペナルティエリアを攻略する意識を高めていけば得点は生まれると考えていました。積極的に高い位置でのポジションを取っていましたが、クロスの精度が低かったと感じています。そして、松本のロングフィードの展開に合わせてしまっていました。もう少し落ち着き、中盤を使った展開に持ち込めば、より自分たちのペースで試合を進めることが出来たと思います。
それでもなお、この雰囲気の中で勝ち切ったということを、今日は最大に評価したいと思います。
3月の開幕戦では3対3の打ち合いとなりました。そこからシーズンが半分終わりましたが?
松本山雅というチームはぶれずに、自分達のスタイルを追求して戦っている印象があります。非常にタフで、全員がハードワークできるチームです。直線的なプレーやコンタクトプレーができますし、シンプルなスタイルを全員が共通理解として持っています。局面ではいろいろなオプションも理解しているようですし「チーム」という印象を持っています。
数少ないチャンスで勝ち切った勝因はどこにあるのでしょうか?
2ndステージのガンバ戦やレッズ戦でも劣勢であったり、自分達が試合をコントロールできていなかったりする状況でも反攻する力がついてきた証拠だと思います。粘り強い、諦めない、という言葉が当てはまるのかはわかりませんが、試合に対する執着心があります。これは1stステージでも全員が持っていました。それに加え、ゲームのクオリティを上げたいという気持ちを選手も持っています。Jリーグの中でトップクラスのスピードやテクニックというように特別な能力を持った選手が多くいます。ただし、まだその力を持った選手達が十分にフィットしているとは言えません。もっともっと良くなると思っています。
矢田選手のゴールについて評価をお聞かせください。
矢田だけではなく、小川も無得点ということに焦っているとは思います。小川にしても矢田にしてもチーム状況に応じ守備的な位置や攻撃的な位置、サイドのポジションなど動かしすぎているかと思っています。得点に関する意識が高いですし、状況に応じ守備に追われる時でもなんとかゴールをという意欲はトレーニングから感じています。矢田にはミドルシュートもありますし、もっと前線にタメがある状況で攻撃的なポジションでプレーすればチャンスはあると思っています。今日のゴールで気持ちが吹っ切れてくれればと思います。