2015シーズン試合結果

2015Jリーグヤマザキナビスコカップ第2節:名古屋グランパスvsベガルタ仙台

最終更新日時 2015/03/29 11:59

HOME GAME

名古屋市瑞穂陸上競技場 3/28(土) 14:04キックオフ

試合前

山崎川沿いの桜も一気に花が開く陽気に包まれた名古屋市瑞穂陸上競技場。2015Jリーグヤマザキナビスコカップ・グループステージ第2節はホームでベガルタ仙台との対戦となる。

前節、アウェイでの川崎戦に逆転勝利し幸先良くスタートを切ったグランパス。先週、同じく瑞穂で開催されたリーグ・鹿島戦には引き分けたが、今日こそはホームのサポーターと勝利を分かち合いたい。

キックオフ約30分前、ウォーミングアップのためフィールドプレイヤーがピッチへと姿を現すと、グランパスレッドに染まるゴール裏サポーターを中心に拍手と歓声で迎え入れられた。

代表選出や怪我によりベンチ入りを含めリーグ戦から大きくメンバーの入れ替わった今日のグランパス。久しぶりのスタメン出場となる磯村、田鍋、小川、松田の4人だが、リーグ戦を含め今後のシーズンへのきっかけを掴むためにも今日の試合、結果はもちろん、内容面でもしっかりとアピールできるよう、気持ちを高めているようだ。

前半

今日の名古屋、ゴールキーパーは楢崎。ディフェンスラインは右から矢野、牟田、闘莉王、本多の4人。磯村、矢田が中盤底、松田の1トップの後ろに田鍋、小屋松、小川の3人が並ぶ4-5-1のシステムでのスタートが予想される。

前半、メインスタンドから向かって左にエンドを取った赤のユニフォーム名古屋に対し仙台ボールでキックオフ。

1分、名古屋陣内左でボールを受けた仙台・野沢からペナルティエリアへのボールは牟田が右足でクリア。

2分、仙台ペナルティエリア手前左でボールを受けた小川が倒されフリーキックを得る。ここからのフリーキック、小川が右足で上げたボールは仙台・六反が直接抑える。

3分、名古屋ペナルティエリア左でボールを受けた仙台・奥埜からのクロスは楢崎が直接抑える。

4分、仙台ペナルティエリア左から縦を突いた小屋松の折り返しは直接ゴールラインを割る。

5分、闘莉王からのボールを中央で受けた松田が右の田鍋へ、中央へ揃うのを待ちクロスを狙うがボールは仙台・石川に当たりクリアされる。

7分、仙台・ウイルソンが右サイドで縦への突破を狙うが、本多が体を入れボールを奪いクリアする。

8分、名古屋ゴール正面30m弱の位置から仙台ボールのフリーキック。仙台・茂木が右足で直接狙うが、このシュートは枠の左へと外れる。

9分、仙台ペナルティエリア手前左の小川から中の磯村へ、ペナルティエリア手前から磯村が右足で狙うが、シュートは枠の左へと外れる。

10分、仙台陣内ハーフライン付近から名古屋ボールのフリーキック、闘莉王の素早いリスタートに小屋松が仙台・蜂須賀の裏を狙うが、これはオフサイドの判定となってしまう。

【得点】
11分、仙台陣内左で小川の粘りから小屋松、そのまま相手ディフェンスライン裏へのボールに抜け出した松田が仙台・六反との1対1も転がしたシュートでしっかりと決め名古屋が今シーズン初めて先制に成功した。

【得点】
13分、仙台ペナルティエリア内左へ持ち込んだ松田が右足へと切り返し中へ、ここへ走り込んだ矢田がトラップで少しボールは流れたがそのまま左足で押し込み2点差とするゴールを決めた。

15分、仙台ペナルティエリア内左でボールを受けた松田からマイナス方向への折り返し、磯村がスルーしその後ろの小川の足下へとボールが入るがシュートは打てずボールはクリアされる。

16分、田鍋のクロスから得た名古屋・右からのコーナーキック。矢田が左足で上げたボールにニアサイドへ走り込んだ矢野が頭で合わせるが、このシュートは仙台・六反の正面を突きキャッチされてしまう。

17分、ハーフライン付近右で田鍋、矢野と戻し縦へのワンツーはリターンボールで直接タッチラインを割る。

19分、仙台ペナルティエリア手前右の磯村から中へのボール、エリア内左の小川が胸で前へと落としゴールライン付近からの折り返しを狙うが、蹴り出したボールはゴールラインを割ってしまう。

20分、名古屋ペナルティエリア内右、ゴールライン付近から仙台・茂木の折り返しは闘莉王が見送り楢崎が抑える。

21分、名古屋ペナルティエリア内左の仙台・野沢からのクロスは牟田が体に当てゴールラインへとクリア。仙台・左からのコーナーキックは中央の松田がヘディングでクリア。

22分、仙台・ウイルソンが左から名古屋ペナルティエリアへと持ち込むが牟田がマーク、その牟田に当たったボールは楢崎が抑える。

23分、左サイド高い位置の仙台・野沢の前へのボールは矢野が密着しマーク、ボールは直接ゴールラインを割る。

24分、センターサークル付近の磯村から中央を上がる小川の前へと浮き球を狙うが、ボールは前へと出た仙台・六反が先に抑える。

【得点】
26分、仙台陣内右サイドで松田、矢田とダイレクトでパスを回し外の矢野へ、ここからのクロスにニアサイドへ走り込んだ小川がヘディングで合わせゴール、前半のうちに3点差とした。

28分、カウンターから仙台陣内右を持ち上がった矢田が中へと持ち替えペナルティエリア付近でボール下を強く蹴り伸びるシュートを狙うが、このボールは仙台・六反の正面を突きキャッチされてしまう。

30分、名古屋ペナルティエリア左からのクロスを仙台・奥埜に左足ボレーで狙われるが、バランスを崩した闘莉王が足を伸ばして触りボールは枠を外れる。

32分、自陣右、ハーフライン付近でハイボールを競り合った矢野が相手を押さえてしまいファールの判定、フリーキックを与える。

33分、自陣左でのクリアボールを拾った小川がそのまま仙台ゴール方向へ、このボールに右へと流れながら追いついた松田が右足ダイレクトで狙うが、低く速いシュートも仙台・六反の正面を突き一旦弾かれながらキャッチされてしまう。

34分、仙台・蜂須賀からのアーリークロスは矢野がゴールラインへとクリア。

35分、仙台・左からのコーナーキック。中央での跳ね返しを再び名古屋ゴール前へ、こぼれ球を仙台・茂木が右足で狙うが、このシュートはクロスバーを越える。

36分、名古屋ペナルティエリア左でボールを受けた仙台・梁からのクロスは本多が触り小川がクリアする。

37分、右から仙台ボールのセットプレー、こぼれたボールを名古屋陣内中央の仙台・奥埜が前へと狙うが、エリア内で前へと出た楢崎が直接抑える。

38分、仙台陣内中央で小屋松から戻したボールを受けた磯村が倒されフリーキックを得る。

39分、仙台ゴール正面30m程度の位置から名古屋ボールのフリーキック。これを小川が右足で直接狙うが、このシュートはディフェンスの壁に当たり弾かれてしまう。

40分、名古屋ペナルティエリア左で仙台・ウイルソンがボールを受けるが、矢野がマーク、縦へのドリブルからのクロスはゴールラインへとクリアする。

41分、仙台・左からのコーナーキックはニアサイドの松田がクリア、再び仙台左サイドへとボールを繋ぎ中を狙われるが、このボールは矢野がゴールラインへクリアする。仙台・左からのコーナーキックはゴール前の密集でディフェンスに当たりゴールラインを割る。

42分、仙台・左からのコーナーキック、名古屋ゴール前中央へのボールは楢崎が力強いパンチングでクリアする。

43分、仙台ペナルティエリア手前中央でのこぼれ球を本多が左足で直接狙うが、このシュートはクロスバーを越える。

44分、名古屋ペナルティエリア手前中央でボールを受けた仙台・ウイルソンが闘莉王のマークを右へとわずかに外し右足でのシュートを狙うが、このボールは枠の左へと外れる。
(アディショナルタイム表示:2分)

アディショナルタイム1、左からグラウンダーのボールを名古屋ペナルティエリア内で受けた仙台・ウイルソンのシュートは牟田が体に当て枠を外れる。仙台・左からのコーナーキックは逆サイドゴールラインを割る。

アディショナルタイム2、自陣でボールを回す名古屋。本多へのプレスに楢崎へと戻し右の牟田へ、ここへもボール奪取を狙うプレスを仕掛けられるが、牟田が右へとボールを蹴り出す。このリスタートをハーフライン付近まで戻したところで前半終了。

これまでの前半戦に比べ前線の高さ、強さに欠ける今日の名古屋。しかしながらボールを奪ってからはシンプルに相手ディフェンスラインの裏へ、そして状況時に応じ足下とスペースを使い分けるパスと多彩なパターンから3ゴールを奪っての折り返しとなった。

全6試合で競われるナビスコカップ・グループステージ。今日の試合での勝利はもちろん、リーグ戦との過密スケジュールが続く残りの試合を優位に戦うため、得失点差も考え後半もさらなるゴールを奪いたい。

後半

エンドを替えた後半、名古屋ボールでキックオフ。

1分、センターサークル内の闘莉王から縦へのボール、松田が胸で落としフォローの磯村へと繋ぐが相手ディフェンスと接触、ボールはクリアされる。

2分、名古屋ペナルティエリア手前左寄りでボールを受けた仙台・梁の右足でのミドルシュートはクロスバーを越える。

3分、仙台・茂木が右から縦の突破を狙うが、スピードのある本多が体を前へと入れボールを奪いクリアする。

【失点】
4分、仙台・茂木の右からのクロスは本多が体に当てゴールラインを割る。仙台・右からのコーナーキック、中央から外へとこぼれたボールを仙台・ウイルソンに右足で決められてしまう。

5分、右サイド高い位置へと上がった仙台・蜂須賀からのクロスは矢野が頭でクリア。

6分、右から名古屋ペナルティエリア内へと持ち込んだ仙台・茂木の左足のシュートはゴールライン近くで矢野が枠上へと蹴り出しクリア。

7分、仙台・右からのコーナーキックをファーサイドの仙台・蜂須賀に頭で合わせられるが、このシュートは楢崎が正面で抑える。

8分、ハーフライン付近へと下がりボールを受けた松田からの前線へのボールに田鍋がディフェンスライン裏を狙うが、ボールは仙台・六反が先に抑える。

9分、左からのクロスを名古屋ペナルティエリア内まで走り込んだ仙台・蜂須賀に頭で叩き付けられるが、このシュートは楢崎が弾きクロスバーを越える。

【失点】
10分、仙台・右からのコーナーキック、中央でのこぼれ球を仙台・鎌田に右足で決められ1点差とされてしまう。

12分、自陣右でボールを受けた松田が倒されると、このプレーで仙台・渡部に対しイエローカードが提示される。

13分、名古屋1人目交代:田鍋→佐藤

14分、仙台陣内中央右で松田が倒されフリーキックを得る。

15分、ここからのフリーキック、矢田が左足で仙台ゴール前へと上げたボールを牟田が頭で触りネットを揺らすが、これはオフサイドの判定でノーゴールとなってしまう。

16分、左に開く仙台・野沢からのクロスはファーサイドで本多が触り佐藤がクリアする。

17分、左からのクロスのこぼれ球をペナルティエリア手前の仙台・奥埜に左足で狙われるが、このシュートはクロスバーを越える。この前のプレーでゴール前で交錯した楢崎がピッチへと倒れ込んだため、試合が止まりスタッフがピッチへと入る。

19分、楢崎はその場で立ち上がりプレーは続けられるようだ。

20分、仙台ペナルティエリア手前左で磯村からのボールを受けた佐藤の左足でのシュートは相手ディフェンスに当たりクリアされる。

21分、センターサークル内の矢田から左の佐藤へボールを繋ぐがディフェンス2人に囲まれ佐藤が触ったボールはタッチラインを割る。

22分、仙台・右からのコーナーキックはニアサイドの小川がヘディングでクリア。ここから右の仙台・茂木へ繋ぎ名古屋ゴール前へのアーリークロスは牟田がヘディングでゴールラインへとクリアする。

23分、仙台・左からのコーナーキックは楢崎が中央で味方と交錯しながらしっかりとボールを抑える。

24分、仙台陣内へ上がった闘莉王から松田、さらにダイレクトで前へと狙うが、このボールは仙台・六反が抑える。

25分、仙台・ウイルソンが左からペナルティエリア内へと持ち込むが、左右の切り返しも牟田が粘ってボールを触り楢崎が抑える。

26分、仙台陣内左で縦へと突破した佐藤のユニフォームを仙台・蜂須賀が引っ張って止め、このプレーに対しイエローカードが提示される。

27分、仙台陣内中央左タッチライン際から名古屋ボールのフリーキック。小川が右足で仙台ゴール前へと上げたボールは相手ディフェンスが触りゴールラインを割る。名古屋・右からのコーナーキック。小川が右足で上げたボールはニアサイドの仙台・梁がヘディングでゴールラインへとクリア。

28分、名古屋・右からのコーナーキック。小川が右足で上げたボールをニアサイドの矢野が高いヘディングで合わせるが、このシュートは枠の左へと外れる。

30分、名古屋ペナルティエリア手前からのボールにエリア内のウイルソンが左へと流れながらボールを受け狙われるが、このシュートは牟田が体でクリアする。
名古屋2人目交代:小屋松→田中

31分、仙台・左からのコーナーキックはニアサイドの松田がヘディングでクリア。

32分、名古屋ペナルティエリア内へのボールは本多がゴールラインへとクリア。仙台・右からのコーナーキックは中央の闘莉王がタッチラインへとクリアする。

33分、名古屋ペナルティエリア左へと流れた仙台・奥埜のクロスは闘莉王がタッチラインへとクリアする。

34分、名古屋陣内中央左タッチライン際から仙台ボールのフリーキック、名古屋ゴール前へのボールは楢崎が直接抑える。

35分、仙台ペナルティエリア手前左のこぼれ球を矢田が頭で中の松田へと狙うが、ボールは相手ディフェンスに先にクリアされる。

36分、名古屋3人目交代:松田→グスタボ

37分、名古屋ペナルティエリア手前右から仙台ボールのフリーキック、名古屋ゴール前へのボールは闘莉王が頭で触り矢田がクリアする。ここから相手ディフェンスラインの裏へ左サイドを突破したグスタボがペナルティエリア内で右へと切り返しシュートを狙うが、このボールは相手ディフェンスに当たり枠を外れる。

38分、名古屋・左からのコーナーキック。矢田が左足で上げたボール、中央でクリアを磯村が右足で狙うが、このシュートはクロスバーを越える。
仙台1人目交代:茂木→杉浦

40分、自陣左の矢田から前へのボールをグスタボを追うが相手ディフェンスと接触、ボールは先にクリアされる。

42分、自陣右の小川から前へのボール、グスタボが仙台・石川にパワーで競り勝ち抜け右足のシュートを狙うが、このボールは仙台・六反の正面を突きキャッチされてしまう。

44分、名古屋陣内左で闘莉王が仙台・野沢のドリブルを引っかけてしまいフリーキックを与える。

45分、名古屋ペナルティエリア手前右から仙台ボールのフリーキック、ニアサイドへのボールを仙台・杉浦が足先で触るが、大きくバウンドしたボールはクロスバーを越える。
(アディショナルタイム表示:4分)

アディショナルタイム1、仙台陣内左でスローインのボールを受けるグスタボが後ろから抑えられフリーキックを得る。闘莉王の素早いリスタートから矢田、左の田中へと繋ぐがボールはタッチラインへとクリアされてしまう。

アディショナルタイム2、センターサークル付近の仙台・ウイルソンの前を狙ったボールは牟田が大きく、仙台側ゴールラインへとクリアする。

アディショナルタイム3、仙台・六反からのゴールキックの落下位置を狙った闘莉王が仙台・奥埜と交錯、自陣から名古屋ボールのフリーキックとなる。

アディショナルタイム4、自陣中央の闘莉王から縦へのボールを右へと流れる小川が追うが、ボールは先にクリアされる。

アディショナルタイム5、仙台・六反へと戻ったボールにグスタボがプレスを仕掛けるがボールは前線へと蹴り出される。

ここで試合終了。

後半開始から自陣でのプレー時間が増えた名古屋。再三コーナーキックを仙台に対し与えると、そのセットプレーから2失点。攻撃面でも前半のような素早く効率の良い攻めは見られずシュートは僅か。終盤にグスタボが投入されると、そのグスタボの体の強さを使い相手ディフェンスライン裏へと蹴り何度かチャンスも作り出したが決められず、最後はなんとか1点差を守り切り勝利。

今シーズン公式戦、ホームで初勝利を収めるとともにナビスコカップ・グループステージでは2連勝、勝ち点を6とし今後に期待を抱かせる結果となった。

試合終了後記者会見

150328-nis.jpg思いもよらぬ展開でした。主導権を先に握り、得点をとり、さらに加点が出来ていましたが、内容的に良かったのは最初の20分だけでした。前半は、よくその後の25分をしのげたと思います。ハーフタイムになり、3−0ということでしたので、良い雰囲気というよりも、「この流れは3−3になる流れだ」と言うことを強調しすぎたせいなのか、その通りになりそうなゲーム展開となりました。全体が思いも寄らぬ展開でアドバンテージを取られて、ゲームの進め方というのが統一出来ていなかった前半の終盤から後半だったと思います。

同じようなリズムで何となく攻撃していたために、後半の立ち上がりに相手の勢いを喰らって、その後は完全なリアクションにならざるを得ませんでした。後半開始4分、10分で失点すればああいう形になってしまいますが、そこをなんとか抑えられたことは良かったと思います。

ゲームの流れを得たのは最初の20分だけでしたが、今日はある程度選手が入れ替わった中で、1人1人の持ち味や自分のスタイルを出せていたと思います。いないメンバーと同じようなパフォーマンスは出来ないですし、磯村・田鍋・小川・松田あたりの先発メンバーは、とにかく自分のプレースタイルを何回も繰り返してチャレンジしていました。そうすることで、色々なコンビネーションや良いパフォーマンスは必ず生まれますし、それを繰り返せと伝えていましたので、スタートは非常に良かったと思います。

最初、磯村の縦のボールから攻撃のスイッチが入りましたが、あれがリズムやペースを握れた瞬間じゃないかと思う程、あの1本のパスは前半の主導権を得るための大きなプレーだったと思います。それも含めて、彼の持ち味だったと思います。そういうメンバー達が、ゲームを作ってくれた前半だったと思いますが、ハーフタイムには「良いゲームが出来ているが、まだ半分。前半の終盤のようなプレーがあれば苦しい後半になる」と伝えていきました。ただ、あまりアドバンテージがない方が良い気もしています。拮抗した中でゲームをしていれば緊迫感があるシビアなプレーが出来たかもしれませんので。とにかく、最後逃げ切れたというのは良いことですし、貴重な勝ち点3をもぎ取った感じがします。

Q.立ち上がり、特に相手守備陣の裏のスペースを上手く突けていたと思いますが、その辺りの評価をお願いします。

仙台は、今年はさらにディフェンシブな堅守速攻型で、時には最終ラインを両サイドのMFを含めて、6−3−1くらいのシステムの中で守りきっているチームです。ただ、同じラインに6人いようが8人いようが、その間を抜けて行ければ1人でもそれを破れるということを、小屋松や松田に話しましたし、そこを狙っていけとも言いました。その6人や8人の前で仕事をするのではなくて、そこの間であったり、ビハインドの部分を繰り返して狙うことで2人のプレースタイルも活きてくると思います。

そういう部分から、相手のゴールに体を向けて、ボールを引き出したり、そういうプレーの中で良いイメージを持って入っていたのが良かったのだと思います。縦を意識して、スピード感ある展開の中で突破できていたと思いますし、彼らもそういうところを狙っていたと思います。パスを出しても横ばかりに動かすのではなく、有効な縦パスを入れていたと思いますので、その点は狙い通りだったと思います。

Q.後半になって、磯村選手の縦パスがあまり出ていなかったように感じましたが、チームとしてどの辺りが機能していなかったのでしょうか?

磯村だけのゲームメイクということではありませんが、まずは失点することで全体が引きました。立ち上がりに見せた、前へ出ていく動きもボールの動きも少なく、その中で失点をしていたので、完全に縦に展開してポゼッションしていく感覚が失せましたね。それでも、あの時間帯で3失点目を喫しなくて良かったと思います。

敵エンドでボールを動かしていく時間帯がなくなって、そのゲームの流れを読んだ上で、組み立てていくとか、悪い流れを断っていくとか、その流れを自分達のリズムに持っていくようなレベルにはまだなっていないのだと思います。まだまだ闘莉王にコントロールされてポジショニングしているようでは、また後半のような流れになってしまうし、やはり前半の様に、ボールを引き出したり、前に参加したり、自分からアクションを起こしてやらなければなりません。後半になって少し運動量が落ちたのは間違いないでしょう。前半はトライアングルが良い距離感の中で、ボールを動かしていましたが、どうしてもディフェンスに追われた後半だったと思うので、切り替えていく瞬間というのが見つけられませんでした。

Q.佐藤選手を攻撃的なポジションで起用していきましたが、その意図をお聞かせ下さい。

前からトレーニングの中でも使っていましたし、ここ1週間トライさせていました。今日は田鍋の調子があまり良くなかったため、両サイドのMF をどうキャスティングしてこうかと考えていく中で、推進力やクロス、サイドアタックなど特にそういった攻撃的なところを持っているので、そこを期待して起用しました。後ろは本多で、前に圧力を掛けて、クロスやシュートを活かせと入れていきましたが、今日はなかなか突破の瞬間がなかったため、その後は5バックにしていきました。高い位置での期待した動きというのは出来なかったと思います。