2015シーズン試合結果

明治安田生命J1リーグ1stステージ 第3節:名古屋グランパスvs鹿島アントラーズ

最終更新日時 2015/03/23 13:33

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名古屋市瑞穂陸上競技場 3/22(日) 17:04キックオフ

試合前

春の陽気に包まれた名古屋市瑞穂陸上競技場。2015明治安田生命J1リーグ第3節はホームで鹿島アントラーズとの対戦となる。

前節、アウェイでの甲府戦に敗れリーグ戦ここまで1分1敗と勝利のないグランパス。それでも水曜日に行なわれたナビスコカップ川崎戦に勝利。開始早々の劣勢・失点からの逆転勝利の勢いを同じくリーグ戦まだ勝利の無い鹿島アントラーズを相手に、ホーム瑞穂でも見せて欲しい。

キックオフ約30分前、ウォーミングアップのためフィールドプレイヤーが姿を現すと、すでに真っ赤に膨れ上がったゴール裏サポーターに拍手と歓声で迎え入れられた。今週木曜日に発表された日本代表に選ばれた永井はもちろん今日もスタメン出場。スタジアムDJによるピックアップコーナーでも早速取り上げられサポーターから応援歌も鳴り響くが、本人はいたって普通な様子で、これまで通りのプレー心がけ気持ちを高めているようだ。

前半

今日の名古屋、ゴールキーパーは楢崎。ディフェンスラインは右から竹内、牟田、闘莉王、本多の4人。矢野、矢田、田口、永井が中盤に入り川又、ノヴァコヴィッチの2トップによる4-4-2のシステムでのスタートが予想される。

前半、メインスタンドから向かって左にエンドを取った赤のユニフォーム名古屋に対し鹿島ボールでキックオフ。

1分、鹿島・遠藤が右サイドでボールを受けるが本多がマーク、こぼれ球は闘莉王がクリアする。ここからのボールを前線で受けた川又が前へと蹴り出しドリブルを仕掛けるが、鹿島・昌子に体を入れられボールはクリアされる。

2分、左に開いた鹿島・金崎からペナルティエリア方向へのボールは闘莉王がクリア。

3分、名古屋陣内中央左寄りでボールを受けた鹿島・金崎が遠い位置から右足で狙うが、このシュートは枠の右へと外れる。

5分、鹿島陣内左を上がった本多からのアーリークロスは鹿島・曽ヶ端が直接抑える。

6分、右サイド高い位置の矢野からの折り返しをペナルティエリア内右の川又が足下でキープ、戻したボールを田口がダイレクトで中へと狙うがノヴァコヴィッチの背面に入ったボールはクリアされてしまう。

7分、鹿島・カイオから縦へのボールは闘莉王が見送り直接ゴールラインを割る。

9分、竹内からのボール、鹿島ペナルティエリア手前中央で川又が競り合い裏へと落ちたボールへノヴァコヴィッチが詰めるが、ボールは先に鹿島・曽ヶ端が抑える。

11分、鹿島・西からのクロス、クリアを狙い右足を出した闘莉王のボールがゴール方向へと向きを変えるが、ゴールラインを割る。

12分、鹿島・左からのコーナーキックは名古屋ゴール前を抜け逆サイドゴールラインを直接割る。

13分、本多からのボールに矢田が鹿島陣内左サイドを駆け上がるが、これはオフサイドの判定。

14分、鹿島・カイオがスルーし左へ流れる鹿島・金崎の前へのボールは牟田が先に追いつきクリアする。

15分、本多から縦へのボール、永井が鹿島陣内左で追うが鹿島・西にカットされてしまう。

16分、鹿島陣内左の矢田からのボールに鹿島ペナルティエリア内ニアサイドへ走り込んだ川又がわずかに触るが、このボールは鹿島・曽ヶ端にキャッチされてしまう。

17分、矢田からのボールを鹿島ペナルティエリア内左で受けた永井が中央へと折り返すが、川又、ノヴァコヴィッチの2人がニアサイドで重なりボールは中央でクリアされる。

19分、後方からのボールをノヴァコヴィッチがペナルティエリア内中央でトラップし完全に止めるが、これはオフサイドの判定。

21分、名古屋陣内左の鹿島・カイオから逆サイドへのボールは直接ゴールラインを割る。

22分、ハーフライン手前の闘莉王から縦へのボールに対し川又が相手ディフェンスライン裏を狙うが、このボールは先にクリアされる。

23分、鹿島・西からのアーリークロスは牟田が左足でクリア。

24分、竹内からの楔をセンターサークル付近で受けた川又が倒されフリーキックを得る。

27分、矢野が競り合い裏へのボールを田口が狙うが、このボールは鹿島・山本がクリア。

28分、鹿島ペナルティエリア左でボールを受けた永井が右足へ持ち替え中へと速いボール、ニアサイドの川又が触るがシュートへは持ち込めずボールはクリアされる。

30分、名古屋ペナルティエリア手前左から鹿島ボールのフリーキック。名古屋ゴール前へのボールは中央の闘莉王がヘディングでクリア。鹿島陣内へと戻ったボールを永井が全力で追うが、一旦鹿島・曽ヶ端へと戻しボールはクリアされる。

【失点】
32分、名古屋ペナルティエリア内右を縦へと突破した鹿島・西の折り返しを中央の鹿島・金崎にヘディングで合わせられ先制ゴールを許してしまう。

33分、ハーフライン付近左で川又がつぶれ左へと流したボールをノヴァコヴィッチが前へと蹴り出すがこのボールは相手ディフェンスがカット、アドバンテージを見ていたレフリーが川又に対するファールを取り名古屋ボールのリスタートとなる。

35分、右サイドを上がった竹内からのアーリークロスをノヴァコヴィッチがダイレクトで狙うがミスキック、こぼれ球を田口が拾い永井から本多へと戻しクロスを狙うが、このボールは相手ディフェンスにクリアされる。

36分、名古屋ペナルティリア手前左から中へと持ち込んだ鹿島・カイオの右足のシュートはクロスバーを越える。

37分、鹿島・西からのクロスをファーサイドの鹿島・カイオが頭で折り返すが、このボールは竹内に当たりゴールラインを割る。

38分、鹿島・左からのコーナーキックを鹿島・金崎が頭で合わせるが、このシュートは枠の左へと外れる。

39分、名古屋ペナルティエリア内左でボールを受けた鹿島・遠藤からの折り返しは逆サイドへと流れる。

40分、鹿島陣内右タッチライン際で竹内が粘り落としたボール、これを受けた矢田から中の矢野へと狙うが、矢野が触ったボールはゴールラインを割る。

41分、田口からのボールに鹿島ペナルティエリア左を上がった本多からのクロスはニアサイドでクリアされる。

43分、鹿島陣内左タッチライン際で本多が後ろから引っかけられ得たフリーキック。田口が右足で鹿島ゴール前へと上げたボールはニアサイドでクリアされる。ここからカウンターを仕掛ける鹿島。名古屋陣内左のカイオから右へのサイドチェンジは直接タッチラインを割る。

44分、名古屋陣内中央でボールを受けた川又が鹿島・梅鉢に後ろから倒されると、このプレーで鹿島・梅鉢に対しイエローカードが提示される。

45分、左を上がった鹿島・山本からのクロスは牟田がヘディングでクリア。
(アディショナルタイム表示:1分)

アディショナルタイム1、ハーフライン手前右から鹿島ボールのフリーキック、前線へと蹴り出されたところで前半終了。

ボールポゼッションでは互角だった前半。それでもほとんどチャンスの作り出せなかった名古屋に対しワンチャンスでゴールを決めた鹿島にリードされての折り返しとなった。これで開幕から公式戦4試合連続で相手を追う展開となるが後半、前線の選手達の距離やポジショニングを再確認し同点、そして逆転を狙いたい。

後半

エンドを替えた後半、名古屋ボールでキックオフ。
名古屋1人目交代:竹内→小屋松

1分、鹿島陣内中央でボールを受けた川又が縦へとドリブル突破を狙うが相手ディフェンス2人に囲まれボールはクリアされる。

2分、闘莉王から左サイドを上がる本多の前を狙ったボールは直接タッチラインを割る。

3分、永井からのボールを鹿島ペナルティエリア付近の小屋松が落とし川又がキープ、それを追い越す永井への戻しを狙うがボールはクリアされる。

4分、名古屋陣内右から中への流れた鹿島・遠藤の左足のシュートは枠の右へと外れる。

5分、名古屋ペナルティエリア内右で裏へと抜けボールを受けた鹿島・金崎からの折り返しにフリーの鹿島・カイオが走り込むが、このシュートはクロスバーを越える。

7分、鹿島1人目交代:梅鉢→山村

8分、鹿島ペナルティエリア左で本多とのパス交換のボールを受けた小屋松が右足へと持ち替え中を狙うが、このボールは鹿島・曽ヶ端が直接抑える。

10分、ハーフラインを超えた闘莉王から縦へのボールをペナルティエリア内の永井が頭で競り合うが、このボールはクリアされてしまう。

11分、自陣からのカウンター、味方とのワンツーで名古屋ペナルティエリア付近へと迫った鹿島・カイオのドリブルをエリアぎりぎりの位置で牟田が倒してしまいイエローカードが提示される。

13分、名古屋ペナルティエリア手前左から鹿島ボールのフリーキック、ペナルティエリア内でのこぼれ球のシュートはディフェンスに当たりゴールラインを割る。

14分、鹿島・左からのコーナーキックは中央の川又がヘディング、こぼれ球を鹿島・遠藤が右足で狙うが、このシュートはクロスバーを越える。

15分、鹿島陣内左タッチライン際から名古屋ボールのフリーキック。田口が右足で上げたボールは鹿島・曽ヶ端が一旦弾きながら抑える。

16分、鹿島・右からのコーナーキックは中央で本多が倒され名古屋ボールのフリーキックとなる。

17分、左サイドで縦へと仕掛けた鹿島・金崎の折り返しは闘莉王がクリア。

19分、矢野からのアーリークロスを川又がエリア内で胸で落とすがシュートへは行けずボールはクリアされる。
鹿島2人目交代:遠藤→高崎

20分、鹿島陣内右の矢野からのアーリークロスをペナルティエリア内中央の川又が頭で合わせるが、このシュートは鹿島・曽ヶ端に正面でキャッチされてしまう。

21分、ハーフライン付近左の本多がダイレクトで左の川又の前へと狙うが、このボールは直接タッチラインを割る。

23分、鹿島・高崎が右サイド高い位置でボールを受けるが、自陣へと戻った永井が体を入れファールを誘う。

【得点】
24分、鹿島ペナルティエリア手前左の矢田が左を上がる本多の前へと狙うが、このボールは相手ディフェンスがゴールラインへとクリア。名古屋・左からのコーナーキック。田口が右足で上げたボールを中央の矢野が鹿島・曽ヶ端と重なりながら手前で頭に合わせゴール、この時間に同点とした。

26分、鹿島・カイオが右へと流れながらボールを受けるが本多が密着マーク、カイオが蹴り出したボールは直接タッチラインを割る。

27分、川又からのボールに左サイドを上がった本多のコーナーフラッグ付近からのクロスは鹿島・曽ヶ端が直接抑える。

28分、闘莉王からのフリーキックのボールを受ける永井が抑えられ鹿島ペナルティエリア付近で再びフリーキックを得る。

29分、鹿島ペナルティエリア手前左から名古屋ボールのフリーキック。田口が右足で上げたボールはディフェンスの壁に当たりクロスバーを越える。

30分、名古屋・右からのコーナーキック。田口が右足で上げたボールを再び矢野が戻りながら体をひねり頭で合わせるが、このシュートは相手ディフェンスに当たりクリアされる。

31分、矢田からのパスに鹿島ペナルティエリア内左を縦へと突いた川又の折り返しはそのまま逆サイドへと流れてしまう。

33分、鹿島陣内右でボールを拾った田口が鹿島・土居に引っぱり倒されると、このプレーで土居に対しイエローカードが提示される。鹿島陣内右から名古屋ボールのフリーキック、田口からのボールは鹿島ペナルティエリア付近の密集で名古屋側のファールを取られる。

35分、鹿島3人目交代:金崎→中村
自陣左で本多が鹿島・カイオを後ろから抑えてしまいファールの判定、フリーキックを与える。名古屋陣内右タッチライン際から鹿島ボールのフリーキック、名古屋ゴール前へのきわどいボールはそのまま逆サイドへと流れる。

36分、鹿島・左からのコーナーキックは中央で川又がクリア。

37分、鹿島陣内左から名古屋ボールのフリーキック、素早いリスタートで永井から左の小屋松へと繋ぎここからの低いクロスをニアサイドへ飛び込んだノヴァコヴィッチが足で合わせるが、このシュートは浮いてしまいクロスバーを越える。

38分、鹿島陣内中央左で永井が倒され得たフリーキック。田口が中央へと上げたボールに飛び込んだ牟田が合わせるが、このシュートは枠の左へと外れる。

40分、センターサークル付近で川又が潰れながら右へと流したボール、これを受けた小屋松がそのまま一気に縦へと突破、ペナルティエリア右からのクロスに、相手ディフェスに付かれながらノヴァコヴィッチが上からのヘディングで合わせるが、このシュートは枠の左へと外れる。

41分、鹿島ペナルティエリア左で田口からのボールを受けた永井がそのまま左足でクロス、このボールを川又が体をひねりながら頭で合わせるが、このシュートは枠の右へと外れる。

42分、名古屋2人目交代:川又→田鍋

43分、鹿島陣内左で永井が競り合い得たフリーキック。田口が右足で鹿島ゴール前へと上げたボールは中央でクリアされる。これを拾った本多から再び田口、エリア内の牟田へと繋ぐが、落としたボールに走り込んだ小屋松のシュートは相手ディフェンスに、そのまま一気に名古屋ゴール前へのロングボールを狙われるが、ここはペナルティエリアを大きく飛び出した楢崎がクリアする。

45分、闘莉王からのボールを左で受けた永井が足を滑らし1度倒れるが、その場で立ち上がるとそのまま中へとドリブル、ペナルティエリア手前から右足で狙うがこのシュートは鹿島・曽ヶ端が抑える。
(アディショナルタイム表示:3分)

アディショナルタイム1、鹿島ペナルティエリア左から中へと持ち込んだ小屋松がさらに切り返し縦を狙うが、ここは相手ディフェンスにコースを遮られボールはクリアされる。

アディショナルタイム2、自陣で本多とボールを競り合った鹿島・カイオが肘を出してしまいイエローカードが提示される。自陣エリアからのフリーキック、楢崎から右へのボールはクリアされる。

アディショナルタイム3、鹿島陣内右から名古屋ボールのスローイン、中央の闘莉王から縦へと浮かせたボールも相手ディフェンスがクリア。

ここで試合終了。

後半に入り矢野を右サイドバックへ、開幕戦でゴールを決めた小屋松を間のポジションへと入れ攻撃を仕掛けたグランパス。徐々に鹿島陣内でのプレー時間が増えると、コーナーキックからサイドバックへと下がりプレーを続ける矢野が同点ゴール。その後もノヴァコヴィッチ、川又が決定的なチャンスを何度か迎えたが枠を捉えられず。終盤は週中日に試合を戦ったチーム同士、疲労も有り長いボールを蹴り合う展開となったが最後までお互い決められず1-1のスコア。グランパスにとってはリーグ戦、ホームで開幕から2試合連続の引き分けに終わってしまった。


試合終了後記者会見

150322-nis.jpgホームで2つドローというのは、勝ちきれない要因があり、やはり納得することは出来ないですし、色々なことにテコ入れをする必要があるように思います。チーム自体が機能していないということでは無いと思います。チャンスも時間帯によっては作れていましたし、決定機もありました。最終的なゴールという結果に結びつくことはありませんでしたが、トライ、チャレンジすることは出来ていました。ただ、勝ちきれないというところにもっともっと小さな戦いだとか細部にこだわったプレーとかを積み上げないと大きな結果に繋がらないと実感しています。

川崎戦で非常にタフなゲームをして結果が出た中で、チームの全体的な雰囲気や状態も良かったので、大きなプラスアルファを持って臨んだ試合となりました。メンバーも最終的に入れ替わりましたが、やれる予感はしていました。

前半はなかなかテンポが上がりませんでした。というよりも、上げさせて貰えなかったというべきでしょうか。鹿島も引きが早く、そこからのカウンターを狙っていたと思います。そこに今のグランパスが攻撃の所で遅攻が出来なかったことが、前半、カウンターを受けたり攻めあぐねた要因だと思います。後半になって、少し全体のテンポやサイドからの攻撃でチャンスは作れていたと思います。少なくとも前半からああいうテンポでボールを動かしていかないと、まだまだ遅攻の戦いというのが上手く出来ないというのが今後の課題になると思います。

Q.決定機といえば、やはりノヴァコヴィッチ選手に期待が掛かりますが、今の彼の状態はどのように見ていますか?

自分の役割と言うか、ポイントになるターゲットプレーヤーとかフィニッシャーとしての自分の仕事というところで、少し動きがセンターの方によりがちでしたし、動きのダイナミックさに欠けていた印象です。今日はトップ下だったため、さらに川又の空いたスペースであったり、入れ替わって前戦に飛び出していく動きであったりを要求していきました。もう少しダイナミックに左右に動くプレーがあればもっと全体の動き出しを作れたと思います。それでも、彼の状態は悪くはないと思います。ただ、自分の役割に執着し過ぎているようにも感じています。「ゴールに」という意識が強すぎる部分があると思います。

Q.今日は川又選手がトップに、そのトップ下にノヴァコヴィッチ選手が入りましたが、この布陣の評価をお願いします。

機能しているとは言えないです。並べてもなかなかギャップでターゲットにボールが入り辛いようでしたし、ノヴァコは動きも取れますし、足下に収まります。ボランチとのトライアングルでセンターミッドフィールドである為、その中で矢野・永井・川又あたりが、フリーな状況で抜けられる瞬間を見つけていました。

やはり中盤の構成にあまり参加出来ていなかったように思います。川又との縦の関係の中で、ギャップを作って、そこで2人のコンビネーションというのもなかなか出来ていませんでした。2人ともサイドからのクロスに対する意識が強すぎて、その前の構成に少し顔を出すタイミングや回数が少なかったように感じています。

Q.カウンターを受けてディフェンスラインがリトリートして対処した際に、ボランチの戻りが遅いように感じましたが、ボランチの部分の切り替えについての評価もお願いします。

前半の流れの中から、サイドからそうやってコーチングをしたり、ハーフタイムにも旭と泰士のポジションがどうしてもワイドになったり、2人がオフェンシブにポジションを取り過ぎていたので言い聞かせました。

土居選手をケアしなければいけない状況でしたので、どうしても2人が同時にオフェンシブに極端にサイドに入ると、センターでカウンターを受けることもありました。とにかく土居選手をフリーにしすぎていたため、そこで良い形で相手に付け入られてしまっていました。どうしても2人のオフェンシブな意識が強くて、バランスであったり、2人のポジショニングが非常に良くなかったと思います。やはりどちらかがサポートに参加して、もう1人はバイタルで、最終ラインに近いポジションでトップ下を見ていくという意識はあるのですが、流れの中でどうしてもオフェンシブに向いていきがちでした。後半になって多少は改善され、ビハインドの中で泰士も出て、旭は少し残り気味ではいましたが、どうしても2人ともボールに釣られていました。

Q.両サイドハーフからのクロスのクオリティに関してどのように考えていますか?

去年から本多辺りには、こういうトップのゲームでクロスがなかったり、2、3本だとかと言うことを年間通じてやったとしたら、それはどんなにトレーニングして良いボールを上げても、なかなか精度が上がっていくものではないと話しています。こちらが「もう10本クロスを上げろ」と言う前に、こういうゲームで色んなチャレンジをする意識を持って欲しいと思っています。それでも、出て行くタイミングは良かったと思います。彼はかわしてクロスを上げるタイプではないですし、フリーランでスペースに入り込んでワンタッチで上げるとか、ワンツーで出て行くとか、という形では本数はあったと思います。

ただ、やはり相変わらず精度に問題があります。やはりやり切るというか、「このボールに合わせろ」と中の選手達に感じさせないと、中もそういう動きが取れなくなります。今日は川又もノヴァコも逆に矢野がいたり永井がいたり、ある程度ボールが中にいけば何か起こるようなシフトでもありましたので、そういう意味では、滞空時間もあったと思いますし、チャンスのボールが特に前半に多かったと思いますが、結果に繋がらなければ、精度が高いとは言えませんね。

ただ、そういうポイントに入っていこうとする意欲は着実に増えていると思いますし、今までよりもスムーズに入っていける感覚は本人も感じていると思います。今はまだ褒められるレベルではありません。ただ、ゲームの中でそういうチャレンジを増やしていけば、もっと良いボールが入れられるはずです。