2014シーズン試合結果
試合前
真冬並みの寒波に見舞われた日本列島。2014J1リーグ最終節はアウェイ、埼玉スタジアムで浦和レッズとの対戦となる。
前節、ホーム豊田スタジアムでの今シーズン最終戦、終了間際に小川のゴールで勝利したグランパス。第34節を終えた時点で勝ち点45、今節は自分達が勝利し他会場の結果次第では最大で順位を8位まで上げられる可能性がある。
今日の対戦相手・浦和レッズは前節で首位陥落、それでも今節の結果次第では逆転優勝の可能性も残されており、すでに完売したチケット、6万人近い観客の前で試合開始からグランパスには難しいゲームが予想される。
上空には青空が広がるが、凍えるような寒さのなか、ウォーミングアップのためグランパスのフィルドプレイヤーがピッチへと姿を現すと、埼玉スタジアムの一角をグランパスレッドに染めるサポーターの完成で迎え入れられた。
今シーズン、クラブとして世代交代を押し進め、また西野監督の積極的な起用によりレギュラーに定着しつつある若い選手にとっても、この完全アウェイでの試合は初の体験となる。今後のグランパスを支えるうえで、この貴重な体験の中で勝利という快感を覚え、そして今シーズンを締めくくりたい。
前半
今日の名古屋、ゴールキーパーは楢崎。ディフェンスラインは右から矢野、闘莉王、牟田、本多の4人。ダニルソンが中盤底、川又の1トップの後ろに小川、田口、矢田、永井が並ぶ4-5-1のシステムでのスタートが予想される。
前半、メインスタンドから向かって右にエンドを取った白のユニフォーム名古屋に対し浦和ボールでキックオフ。
1分、センターサークル付近でボールをカットしたダニルソンから右サイドの小川を狙うが、このボールもカットされてしまう。
【失点】
2分、左サイド高い位置でボールを受けた浦和・梅崎の縦へのドリブルは矢野がゴールラインへとクリア。浦和・左からのコーナーキック、ゴールから遠ざかるボールに楢崎が前へと出るが他選手と重なり触れず、このボールを浦和・槙野がヘディングで合わせると、ゴールポスト下を叩いたボールがゴールエリア内へと落ち、開始早々に先制ゴールを許してしまう。
3分、左サイドをドリブルで上がった浦和・梅崎から中へのボールは田口がカット、タッチラインを割る。
5分、自陣左でダニルソンのパスカットから本多、浦和陣内左の川又へ楔のパスを狙うが、このボールはカットされてしまう。
6分、左から浦和ペナルティエリア内へ抜け出した永井がボールを受けるが、これはオフサイドの判定。
7分、自陣中央の闘莉王から右の小川、一旦川又へ預け小川へと戻し中へのクロスは相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。
8分、名古屋・右からのコーナーキック。田口からニアサイドの川又を狙うが、このボールは相手ディフェンスにクリアされる。ここからカウンターで名古屋陣内へと持ち上がると、エリア内左で受けた浦和・李が左足でのシュートを狙うが、このボールは枠の右へと外れる。
10分、浦和ペナルティエリア付近での小川のシュートはクロスバーを越える。
11分、自陣左での本多のクリアボールをハーフライン付近のダニルソンが競り合い裏へと抜けたボールを矢田が受けるが、浦和ペナルティエリア内へのドリブルは相手ディフェンスに密着されそのままゴールラインを割る。
12分、自陣ペナルティエリア手前でボールを奪った永井のドリブルは浦和・梅崎に当たり跳ね返るが、このボールは楢崎が抑える。
14分、右からハーフラインを超えた浦和・森脇の逆サイドへの大きなボールは矢野が見送りゴールラインを割る。
15分、浦和陣内左の本多から縦へのボールに永井が相手ディフェンスラインの裏を狙うが、これはオフサイドの判定。
16分、浦和・槙野の左サイドで縦へのボールは矢野がタッチラインへとクリア。
17分、ハーフライン付近で闘莉王の胸でのインターセプトから矢田、川又と預け一気に闘莉王が浦和ペナルティエリア付近まで駆け上がるが、ボールは届かずクリアされてしまう。
19分、ハーフライン付近右の矢野から左の本多へのボール、本多がダイレクトで中を狙うがこのボールは浦和・梅崎にカットされてしまう。
20分、自陣左で本多からのボールを受ける永井が浦和・平川のスライディングで倒されフリーキックを得る。
21分、ハーフライン付近右でボールを受ける川又が後ろから押されフリーキックを得る。
22分、このフリーキック、田口から浦和ペナルティエリア内左を狙ったボールは相手ディフェンスにヘディングでクリアされる。
23分、浦和陣内左の闘莉王からのアーリークロス、ニアサイドの永井がヘディングで狙うがディフェンスに密着され打てきれず、ボールはクリアされる。
24分、浦和陣内中央左寄りで本多が倒されフリーキックを得る。このフリーキック、田口から浦和ペナルティエリア内中央を狙ったボールは相手ディフェンスにクリアされる。
25分、浦和・那須へのボールに矢田がプレッシャーをかけると、右へのボールは乱れ直接ゴールラインを割る。
26分、浦和陣内左で本多が倒され得たフリーキック。田口からのボールはファーサイドでクリアされる。
28分、ハーフラインを超えた位置で牟田のカットから田口、前線の矢田と狙い中への折り返しは浦和ゴール前を抜け逆サイドでクリアされる。これを再び拾った名古屋がダニルソンの左足から浦和ゴール前へと狙うが、このボールは浦和・西川が直接抑える。
29分、名古屋ペナルティエリア内左で浦和・宇賀神がボールを受けるが矢野がカット、田口がタッチラインへとクリアする。
30分、自陣中央でダニルソンがカットしたボールを拾った闘莉王が浦和・李に足をかけられると、闘莉王が一旦倒れ込むが、その場で立ち上がりプレーは続けられるようだ。
31分、本多が左サイド高い位置でドリブルを仕掛けコーナーキックを得る。
32分、名古屋・左からのコーナーキック。田口が右足で上げたボールは中央でこぼれるが、相手ディフェンスにクリアされる。ここから名古屋陣内へカウンターを狙った浦和ボールは前へと出た楢崎がクリアする。
33分、浦和陣内右の矢野から田口、ダニルソン、闘莉王と戻し縦を狙うが、このボールはゴールラインを割る。
34分、名古屋ペナルティエリア内左でボールを受けた浦和・宇賀神の左足のシュートは矢野がゴールラインへとクリア。
35分、浦和・左からのコーナーキックはダニルソンが触り小川がクリアする。これを浦和陣内で受けた矢田が粘り左足でシュートを狙うが、このボールはクロスバーに当たり跳ね返ってしまう。
37分、右サイドを上がった浦和・森脇が切り返し中へと持ち込み左足でのシュートを狙うが、このボールは力が無く楢崎が抑える。
39分、浦和ペナルティエリア内でのバックパスにダニルソン、矢田がプレッシャーをかけるが、ここは右へとクリアされる。
40分、名古屋ペナルティエリア内右の浦和・平川から中へのボールは牟田が倒され名古屋ボールのフリーキックとなる。
41分、自陣での闘莉王のクリアを川又が前へと流し、これを受けた永井が胸トラップから強引に右足で狙うが、このシュートは枠の右へと外れる。
42分、浦和・那須の右サイドでのドリブルは永井がマーク、そのままタッチラインを割らせる。
43分、浦和陣内左高い位置でボールを受けた本多のクロスは浦和・西川が直接抑える。
44分、名古屋ペナルティエリア右でボールを受けた浦和・平川のクロスは本多が足に当てタッチラインへとクリア。
45分、自陣右で川又と浦和・宇賀神が交錯、ここは川又のファールを取られる。
(アディショナルタイム表示:1分)
アディショナルタイム1、名古屋ペナルティエリア手前でボールを受けた浦和・柏木の左足のシュートは枠の右へと外れる。
アディショナルタイム2、自陣左でボールを奪った闘莉王から縦へのボールを川又が頭で落とすが、これはオフサイドの判定。
ここで前半終了。
試合開始早々に失点を許したが、その後はお互いに決定機が作り出せない互角な内容。アウェイで難しい展開が続くが後半早い段階で同点、そして逆転ゴールを奪いたい。
後半
エンドを替えた後半、名古屋ボールでキックオフ。
1分、浦和陣内左の闘莉王から縦へのボールはクリアされる。
2分、浦和陣内右の矢野が浦和・宇賀神に足下へのスライディングで倒されると、このプレーで浦和・宇賀神にイエローカードが提示される。
3分、浦和ペナルティエリア手前右から名古屋ボールのフリーキック。田口が右足で浦和ペナルティエリア内へと上げたボールを闘莉王が頭で飛び込むが、このボールはクロスバーを越える。
5分、ハーフライン付近でダニルソンのパスカットから矢田、左の永井と繋ぎ相手ディフェンス裏へと蹴り出し突破を狙うが、このボールはカバーのディフェンスにクリアされる。
6分、自陣ペナルティエリア内で左膝付近を押さえ倒れた闘莉王が自らベンチに向かってバツのサインを送ると、そのまま担架でピッチの外へと出される。
7分、名古屋1人目交代:闘莉王→田鍋
ここで西野監督は矢田を左サイドバックへ、ダニルソンをセンターバックへと移し4バックのシステムを再構築する。
8分、浦和ディフェンスのヘディングで戻したボールはそのままゴールラインを割る。
9分、名古屋・右からのコーナーキック。田口が右足で上げたボールは中央でクリアされる。
11分、浦和・柏木から名古屋ペナルティエリア付近へ浮かしたボールは矢野に当たるが、バックパスとはならず楢崎がしっかりと抑える。
12分、名古屋ペナルティエリア内左でボールを受けた浦和・梅崎の縦へのドリブルから折り返しはダニルソンがゴールラインへとクリア。
13分、浦和・左からのコーナーキックは中央でクリアする。
14分、名古屋陣内右で矢野が浦和・宇賀神と交錯、宇賀神がそのままピッチへと倒れ込んだためボールは一旦外へと出される。
15分、名古屋ペナルティエリア手前右の浦和・阿部から中を狙ったボールは田口が体でクリアする。
16分、名古屋ペナルティエリア内で浦和・柏木の左足のシュートはディフェンスに当たりクリア。
17分、浦和陣内左で相手パスを永井がカット、右寄りの田口へと繋ぐが、味方の形を待つところでボールは奪われてしまう。
19分、自陣中央で田口が倒されフリーキックを得る。名古屋がリスタートを狙うが、浦和・宇賀神がペナルティエリア内で倒れたままのため、一旦ボールを外へと出しプレーを止める。
20分、浦和1人目交代:宇賀神→関根
21分、浦和陣内中央でボールを受ける川又に浦和・槙野が乗り上げ名古屋ボールのフリーキックとなる。このフリーキック、田口から浦和ペナルティエリア内へのボールを川又が頭で逸らすが、このシュートはクロスバーを越える。
23分、自陣から左サイドを一気に持ち上がった浦和・梅崎のグラウンダーのクロスは牟田がクリア。
23分、名古屋2人目交代:小川→松田
24分、名古屋ペナルティエリア手前右で左からのボールを受けた浦和・阿部のミドルシュートは枠の右へと外れる。
26分、自陣で田口のパスカットから左の永井へ、浦和ペナルティエリア内で永井が相手ディフェンスの内側へとボールを蹴り体を入れ替えるが、ここで相手を倒してしまいファールの判定。
27分、左サイドを上がった本多のアーリークロスは相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。
【得点】
28分、名古屋・左からのコーナーキック。田口が右足で上げたボールを中央の矢野が頭で合わせると、相手キーパーの弾いたボールを最後は牟田が押し込み名古屋が同点とした。
29分、浦和2人目交代:青木→マルシオ
30分、名古屋陣内右の浦和・平川からのボールはダニルソンがクリア。
31分、名古屋ペナルティエリア手前から浦和・梅崎のミドルシュートが枠を捉えるが、このボールは楢崎が弾きクロスバーを越える。浦和・左からのコーナーキックはゴールラインを割る。
33分、センターサークル内で矢田が倒されフリーキックを得る。素早いリスタートからボールを繋ぐと右の矢野が浦和ゴール前へと狙うが、このボールは相手ディフェンスにクリアされる。
34分、浦和ペナルティエリア内右でボールを受けた田鍋がワンテンポ外し中へ速いボールを狙うが、川又が反応できずボールは逆サイドタッチラインを割る。
35分、フリーキックからのこぼれ球を拾った田鍋の右足のシュートは相手ディフェンスに当たりゴールラインを割る。
36分、名古屋・右からのコーナーキック。田口からのボールをファーサイドの松田が狙うが、これは相手ディフェンスにクリアされる。
38分、センターサークルの川又から左の永井へ、タッチライン際で追いついた永井からのクロスをゴール前へと上がった川又がしゃがみながら頭で合わせるが、このシュートは枠の左へと外れる。
39分、浦和ペナルティエリア内でのこぼれ球を川又が左足で流し込みゴールネットを揺らすが、これはオフサイドの判定、ノーゴールとなってしまう。
41分、浦和3人目交代:平川→鈴木
42分、浦和・右からのクロスは本多がゴールラインへとクリア。浦和・右からのコーナーキックはニアサイドの矢野がヘディングでクリアする。
43分、名古屋陣内左の浦和・関根から中へのボールは矢野がクリアする。
【得点】
44分、ハーフライン付近で松田が相手パスをカット、そのまま左の永井へと出すと一気の加速で相手ディフェンスを振り切りペナルティエリア内から左足でシュート。このボールがゴールネット上に突き刺さりアウェイ名古屋が逆転に成功した。
45分、永井からのボールに川又が中央を上がり相手ディフェンスをなんとか振り切るが浦和・西川と交錯、ボールはクリアされる。
(アディショナルタイム表示:5分)
アディショナルタイム1、名古屋ペナルティエリア内左のボールは本多が縦へとクリア、浦和陣内で矢田から右へのボールはタッチラインを割る。
アディショナルタイム2、名古屋3人目交代:川又→中村
自陣左でダニルソンのパスカットから中村、左の永井へと繋ぐがハーフラインを超えた位置で永井が倒されフリーキックを得る。
アディショナルタイム3、フリーキックからのリスタートを繋いぎ左からのクロスを松田が頭で合わせるが、このシュートは浦和・西川に正面でキャッチされる。
アディショナルタイム4、名古屋ペナルティエリア手前から浦和・のミドルシュートは楢崎が弾きクロスバーを越える。浦和・左からのコーナーキックは中央で繋ぎダニルソンがクリア。
アディショナルタイム5、名古屋ペナルティエリア手前左で中村と相手選手が交錯、浦和ボールのフリーキックとなる。
アデイョナルタイム6、このフリーキック、名古屋ゴール前でのこぼれ球に複数の選手が重なるが、これは浦和のオフサイドとなる。
アデイョナルタイム7、このリスタートを楢崎が前線へと大きく蹴り出したところで試合終了。
前半に先制を許し後半、フィールドの中心である闘莉王を怪我で失った名古屋。それでも崩れる事なく戦いを続けると、その闘莉王を隣で見て多くを学ぶ牟田がプロ初ゴール。さらに浮き足立つ浦和のミスに乗じ永井が逆転ゴールを決めリードすると、最後は西野監督が方程式通り中村をピッチへと投入。しっかりとこのリードを守り切り、最終節で逆転優勝を狙う浦和の夢を阻む意地の勝利。勝ち点を48とし10位で2014シーズンを終えた。
試合終了後記者会見
今日は注目されるゲームで、浦和レッズの相当な圧力を受けながらのゲームとなることは想定していました。しかしながら、自分達の力みが抜けた分、良い状態でゲームに入ることができ、コントロールしている部分もありました。早々に失点しましたが、それから落ち着いて戦い、特にディフェンス面で全体の意識、狙いがしっかりと取れた上で僅かに相手に対し先手を取れていました。
ハーフタイムの雰囲気も全員がアグレッシブでしたし、後半に追いつけば試合をひっくり返すことが出来るという非常にポジティブな雰囲気でした。闘莉王の離脱がありましたが、さらに結束が固まり相手のゴールを目指した戦いが出来たと思います。
これまで闘莉王選手が欠く事でチーム内が落ち着かなく印象がありました。今日の試合でそうならなかった要因はどこにあったのでしょうか?
それでも闘莉王が下がってから押し込まれる時間が続きました。ダニルソンのセンターバックでのコントロールに不安もありました。それでも田口が上手くチームをコントロールしはじめたのを感じました。確かに闘莉王を欠くと落ち着ける場所が少なくなりますが、今日は牟田、田口のあたりでゲームを良い方向へと引き出していました。
結果的に今日の勝利がJリーグの優勝争いを左右する事となりましたが?
いま、この会見場へ上がってくるところで他会場の結果を知り驚きました。何かをアシストした感じはありますが(笑)、今日は我々にとっても最終節でしたし、このような雰囲気の中で戦える、そして勝つというほど痛快なことはありませんし、それを実践できました。内容についてはまだまだですが、全員がなんとかしなければという戦いは出来たと思います。
今日の試合で来シーズンに繋がるようなポイントはあったのでしょうか?
今シーズンは当初からディフェンスラインに入れ替わりがあり、シーズンに入ってからも怪我人の続出がありました。ケネディ、玉田といったオフェンスでの中心選手の離脱もありました。今年のグランパスのチームスタイルを作り上げるのは難しいシーズンでした。1試合1試合でやりくりするのが精一杯でしたし、ナビスコカップを含めるとほとんどの選手が出場をしたのでは無いでしょうか。キャリアの少ない選手も出場させる中で、なかなかチームの方向性を定めるのは難しい状況でした。
しかしながらリーグ後半戦から永井を左サイドの位置へとコンバートし、ディフェンスラインでも安定が見られました。矢野が右サイドバックの位置で起用されることが本人にとっても本意では無いとは思いますが、固定したメンバーで戦う事でディフェンスの力も上がりました。また、牟田や本多という若い選手が後半は安定してきました。田口の成長もありました。若い選手達がなんとかしなければという力を感じられました。当然来シーズンは、さらにステップアップできると個人的に期待しています。
中村、玉田、ケネディの3選手が抜けますが、来シーズンはしっかりとしたチームスタイルを確立させ戦いたいと思いますが、若い選手が今シーズン大きく伸びたと感じていますし、彼らの来シーズンに期待しています。