2014シーズン試合結果

2014J1リーグ第28節:サンフレッチェ広島vs名古屋グランパス

最終更新日時 2014/10/19 13:54

AWAY GAME

エディオンスタジアム広島 10/18(土) 16:04キックオフ

試合前

午後3時を回り強い西日が降り注ぐエディオンスタジアム広島。ゴールキーパー陣に続きフィールドプレイヤーがウォーミングアップに姿を現すと、遠く広島まで駆けつけアウェイ側サポーターゾーンの一角をグランパスレッドに染めるサポーターから歓声で迎え入れられた。

キックオフ約90分前にはスプリンクラーによる散水も行なわれたが、スタンドから見る限り短く刈り揃えられたピッチのコンディションは良好なようだ。火曜日にシンガポールで開催された日本代表vsブラジルに先発出場し90分のプレーを行なった田口は今日もスターティングメンバーに名を連ねる。高温多湿での海外でのゲーム、その後すぐに飛行機を使っての長旅移動と疲労は残っているだろうが、それでも初の日本代表としてプレーした経験からか、表情からは充実しエネルギーの溢れる印象を受ける。

前半

今日の名古屋、ゴールキーパーは楢崎。ディフェンスラインは右から矢野、牟田、闘莉王、本多の4人。ダニルソンが中盤底、川又の1トップの後ろに松田、田口、矢田、永井が並ぶ4-5-1のシステムでのスタートが予想される。

前半、強い西日が背から射すメインスタンドから向かって左にエンドを取った白のユニフォーム名古屋に対し広島ボールでキックオフ。

1分、広島・柏が右サイド高い位置で裏へと抜けボールを受けるが、これはオフサイドの判定。

2分、自陣から広島・塩谷が中央を持ち上がるが、体勢を崩しながら名古屋ペナルティエリア内への低いボールは牟田が見送り楢崎が直接抑える。

3分、広島陣内左で足を痛めた様子を見せる矢田が治療のため一旦ピッチの外へと歩いて出る。

4分、田口からのボールに左サイドをオーバーラップ、コーナーフラッグ付近から本多の折り返しは相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。

5分、名古屋・左からのコーナーキック。田口が右足で上げたボールはニアサイドで相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。ここで矢田がピッチへと戻る。名古屋・左からのコーナーキック、田口からのボールは中央で広島・林がキャッチ。

6分、広島・山岸が左サイド高い位置でドリブルを仕掛けコーナーキックとなる。広島ボールのコーナーキック、ショートで繋ぎ中央へのタイミングを待つがこれを松田がインターセプト、一気に広島陣内へと持ち上がりペナルティエリア付近の川又、左を上がる永井と繋ぎ中への折り返しは相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。

7分、名古屋・左からのコーナーキック。田口が右足で上げたボールはニアサイドで相手ディフェンスにクリアされる。

8分、センターサークル内のダニルソンから縦の川又へ、川又がダイレクトで広島ペナルティエリア付近へ走る矢田を狙うが、このボールは相手ディフェンスにカットされてしまう。

10分、名古屋ペナルティエリア手前で左からのボールを受けた広島・青山から中へのボールに広島・柏が抜け出すが、これはオフサイドの判定。

12分、広島陣内中央の田口から右へ流れる永井へ、ここから戻したボールを矢野がダイレクトで中へと狙うが、このボールは相手ディフェンスにクリアされる。

13分、広島・山岸が左サイドで縦へのドリブルを仕掛けるが矢野が体でコースをブロック、蹴り出したボールは直接ゴールラインを割る。

14分、闘莉王からのボールを広島陣内中央右寄りで受けた川又が倒されフリーキックを得る。

15分、ここからのフリーキック、田口が広島ゴール前へと上げたボールは中央でこぼれ相手ディフェンスにクリアされる。

16分、広島陣内左ゴールライン際で中へと持ち込んだ本多から川又を狙った低いボールは相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。

17分、名古屋・左からのコーナーキック。田口からのボールをニアサイドで矢野が頭で中へとそらすが、このボールはクロスバーを越える。

18分、広島陣内右から名古屋ボールのスローイン。矢田からのリターンを受けた矢野が縦へと仕掛けフリーキックを得る。

19分、広島ペナルティエリア右、タッチライン際から名古屋ボールのフリーキック。田口が右足で広島ペナルティエリア内へと上げたボールをファーサイドの闘莉王が頭で中へと折り返すが、このボールは広島・林が直接抑える。

20分、広島陣内中央の田口から川又へ楔のボール、永井へ落とし縦へのボールにペナルティエリア内へ走り込んだ矢田のグラウンダーの折り返しは相手ディフェンスにクリアされる。

21分、右サイド高い位置でボールを受けた矢野のクロスは相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。名古屋・右からのコーナーキック。田口からニアサイドの川又を狙ったボールは手前の相手ディフェンスにクリアされる。

22分、名古屋・右からのコーナーキック、田口からのボールは再びニアサイドで相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。名古屋・右からのコーナーキック、田口からのボールを矢野が頭で合わせるが、このシュートは相手ディフェンスに当たり枠を外れる。

23分、名古屋・右からのコーナーキック。田口からのボールを川又が触り再び田口へと戻すと、ここからのボールに飛び込んだ永井が頭で合わせるが、このシュートはクロスバーを越える。

24分、広島・山岸の左からのドリブル突破は矢野がブロック、蹴り出したボールは楢崎が見送り直接ゴールラインを割る。

25分、広島ペナルティエリア手前で左の矢田から戻したボール、これを受けた田口からペナルティエリア内右の松田を狙ったボールは相手ディフェンスとポジションを争った松田に当たりゴールラインを割る。

27分、広島・柏が右サイド高い位置でドリブルを仕掛けるが本多がカット、こぼれ球を再び拾われ広島・石原が縦を狙うが、このドリブルも闘莉王が止めボールをクリアする。

28分、広島陣内中央で田口のインターセプトから左の永井、中の川又へのタイミングを狙うが、ここでバランスを崩し足先で触ったボールはクリアされる。

29分、広島ペナルティエリア付近右でボールを受けた松田がバランスを崩しボールがこぼれるが、ここへ走り込んだ矢野が直接クロス、しかしこのボールは相手ディフェンスに当たり左タッチラインを割る。

30分、広島陣内中央でボールを受けた松田が足を引っかけられフリーキックを得る。

32分、広島陣内中央、ゴール正面から名古屋ボールのフリーキック。田口のフェイントを入れダニルソンが左足で直接狙った強いボールは相手ディフェンスの壁に当たり跳ね返されてしまう。

34分、ハーフライン付近で川又が落としたボール、これを受けた矢野が奪取を狙う広島・塩谷ともつれると、相手を抑えてしまいファールの判定を取られる。

35分、広島陣内中央で矢田がボール奪取に成功、ペナルティエリア内左の永井が背面から矢田のボールを受けターンし左足で狙うが、このシュートはクロスバーを越える。

36分、自陣左で矢田の落としたボールを受けた永井が相ディフェンス裏へ蹴り出し突破を狙うが、このボールは直接タッチラインを割る。

37分、名古屋ペナルティエリア左で闘莉王が広島・石原と交錯、フリーキックを与える。

38分、名古屋ペナルティエリア右から広島ボールのフリーキック、名古屋ゴール前へのボールは中央を飛び越え逆サイドタッチラインを割る。

39分、名古屋陣内ハーフライン付近の広島・青山から縦へのボールは牟田がヘディグでクリア。

40分、広島・柏の右サイドで縦へと仕掛けた折り返しは本多がスライディングでゴールラインへとクリア。

41分、広島・右からのコーナーキック、中央でこぼれたボールは牟田が左足で前線へとクリアする。

42分、広島・山岸の左からのクロスは矢野がゴールラインへとクリア。

43分、広島・左からのコーナーキック、ニアサイドへ走り込んだ広島・石原に頭で触られるが、このボールは直接ゴールラインを割る。

45分、右サイドハーフラインを超えた位置でボールを受けた松田が外を上がる矢野を待ってパスを狙うが、このボールは広島・柴崎にタッチラインへとクリアされる。
(アディショナルタイム表示:1分)

アディショナルタイム1、広島陣内右、ハーフライン付近で矢野が倒され得たフリーキック。田口からのボールをペナルティエリア内左の川又が相手ディフェンスと当たりながら頭で合わせるが、このシュートは枠の左へと外れる。

ここで前半終了。

前半、広島のシュートはコーナーキックからのものを含む僅か2本。3-6-1という特異なフォーメーションでボールを奪ってから素早いカウンターを得意とする広島にほとんどチャンスを作らせなった名古屋だが、攻撃では数多くのセットプレーのチャンスも得ながらノーゴールでの折り返しとなった。

後半、やはりここぞというチャンスで高い決定力を見せる広島のカウンターに注意しながらも、自分達のゴールを決めたい。

後半

エンドを替えた後半、名古屋ボールでキックオフ。

1分、自陣センターサークル付近で広島・山岸からのパスを永井がカット、縦の川又へと狙うが、このボールは背面に入りディフェンスにクリアされる。

2分、名古屋ペナルティエリア手前で左からのボールを広島・佐藤が左足で浮かせて狙うが、このシュートは楢崎がキャッチ。

3分、永井からのボールを松田がハーフライン付近で受け縦へとドリブル、フォローの田口へ落とし広島ペナルティエリア内へのボールを川又が胸で落とすが、このボールは相手ディフェンスにクリアされる。

4分、名古屋・左からのコーナーキック。田口からのボールは中央を抜け逆サイドでクリアされる。これを再び拾った名古屋。闘莉王からペナルティエリア内左の永井、ゴールライン付近で粘り外の本多からのクロスに川又が広島・千葉ともつれながら頭で合わせるが、このシュートはクロスバーを越える。

6分、左サイドを大きく上がった広島・山岸からの折り返し矢野がゴールラインへとクリア。広島・左からのコーナーキックは中央の闘莉王がヘディングでクリア。このボールを競り合った松田が広島・高萩と交錯、広島ボールのフリーキックとなる。

7分、名古屋陣内左から広島ボールのフリーキック、広島・高萩が名古屋ゴール前へと上げたボールを広島・佐藤が頭で触るが、このシュートは楢崎が抑える。

8分、名古屋陣内中央で広島・高萩のドリブルをダニルソンが引っかけリーグ戦通算4枚目となるイエローカードが提示されてしまう。

10分、名古屋ゴール正面30m強の位置から広島ボールのフリーキック、広島・塩谷が低く狙ったシュートは壁に当たり跳ね返す、これを拾ったダニルソンがドリブルで持ち上がると、このダニルソンを倒した広島・塩谷に対しイエローカードが提示される。

11分、広島陣内中央でダニルソンが競り合い前へとこぼれたボール、これを永井から左サイド高い位置を取る闘莉王の前へと狙うが、ここは広島・塩谷にコースを抑えられボールは直接タッチラインを割る。

【失点】
13分、名古屋ペナルティエリア内へ飛び込んだ広島・高萩の後ろからのボールへのヘディングは楢崎が弾くが、ボールをディフェンスがクリアしきれず、最後は広島・石原に押し込まれホームの広島に先制ゴールを許してしまう。

【失点】
15分、名古屋ペナルティエリア手前右で粘りボールを拾った広島・柏からのクロスにオフサイドぎりぎりで飛び出した広島・佐藤にヘディングでのゴールを許してしまい2点差とされてしまう。

16分、広島ペナルティエリア付近で矢田から縦へのボールを川又が左へ流れる永井へと狙うが、このボールは相手ディフェンスにクリアされる。

18分、広島・塩谷の右サイドでのドリブルは戻った永井が体を入れファールで止める。

19分、名古屋ペナルティエリア内左へと走り込んだ広島・水本からの折り返しを倒れながら広島・佐藤に合わせられるが、このシュートはクロスバーを越える。

20分、右サイド高い位置を取る広島・柏の前へのボールは本多が足を伸ばしタッチラインへとクリア。

21分、名古屋ペナルティエリア右でダニルソンが広島・石原を引っかけて広島ボールのフリーキック、名古屋ゴール前へのボールは闘莉王がヘディング、ゴールラインを割る。

22分、広島1人目交代:佐藤→皆川
広島・左からのコーナーキック、名古屋ゴール前で浮いたボールをオーバーヘッドでクリアしようとしたダニルソンが相手選手と交錯、なんとこのプレーでダニルソンに対しこの日2枚目となるイエローカードが提示され相手にPKを与え、さらに退場となってしまう。

【失点】
24分、このPKを広島・水本にゴール左下へ決められ3点差とされてしまう。

25分、広島陣内中央の田口からペナルティエリア内左の矢田の前を狙ったボールは直接ゴールラインを割る。

27分、名古屋1人目交代:松田→グスタボ
広島2人目交代:高萩→森崎

28分、広島ペナルティエリア手前で永井の落としたボールをグスタボから右の矢田へと狙うが、タイミングが合わずボールはクリアされる。

29分、自陣左で本多が広島・柏のドリブルを引っぱりフリーキックを与える。

30分、名古屋ペナルティエリア右から広島ボールのフリーキック、広島・森崎が左足で直接ゴール方向へと狙うが、このボールは楢崎が抑える。ここからのリスタートで左サイドを突破した永井の角度の無いところからのシュートは広島・林に弾かれ枠を外れる。名古屋・左からのコーナーキック。田口からのボールは広島・林がパンチングでクリア。

31分、広島陣内右を上がった矢野からペナルティエリア方向へのボールは相手ディフェンスにクリアされる。

33分、広島陣内中央を持ち上がった田口がペナルティエリア付近の川又に当てリターンを狙うが、ここはボールをクリアされてしまう。

34分、広島ペナルティエリア手前右からグスタボが縦へのドリブルを仕掛けるが相手ディフェンスとコースが重なり交錯、グスタボのファールを取られる。

36分、名古屋ペナルティエリア内右でドリブルから体を入れ替えた広島・石原が闘莉王と交錯、これも闘莉王のファールとしてPKを取られてしまう。
名古屋2人目交代:矢田→磯村

【失点】
37分、このPKを広島・石原に中央へ決められ4点差とされる。
広島3人目交代:千葉→ファン

38分、広島陣内右でグスタボがドリブルを仕掛け引っかけられるがノーファール、ボールはクリアされる。

40分、名古屋陣内左でボールをキープした広島・青山からペナルティエリア方向へのボールは楢崎が抑える。

43分、ハーフライン付近で磯村からグスタボの足下へのパスはボールが収まらずクリアされる。

44分、名古屋陣内左コーナーフラッグ付近から広島ボールのフリーキック、名古屋ゴール前へのボールはニアサイドの矢野がヘディングでクリア。

45分、永井からの楔のボールを広島ペナルティエリア内中央でゴールを背にし受けた川又がその場でターンし左足で狙うが、このシュートは枠の左へと外れる。
(アディショナルタイム表示:4分)

アディショナルタイム1、右サイドを上がった広島・柏からのクロスは牟田がヘディングでクリア。

アディショナルタイム2、右からのクロスを名古屋ペナルティエリア内中央左寄りの広島・皆川が頭で合わせるが、このシュートはクロスバーを越える。

アディショナルタイム3、広島ペナルティエリア手前から田口がドリブルを仕掛け右へとこぼれたボールを矢野が右足で狙うが、このシュートは相手ディフェンスに当たりゴールラインを割る。

アディショナルタイム4、名古屋・右からのコーナーキック。田口からのボールを闘莉王が胸で落とすがシュートへは持ち込めずクリアされる。

ここで試合終了。

後半は互角の立ち上がりだったが、この試合、広島にとって最初のビッグチャンスでゴールを許すと連続しての失点。その後もダニルソンの退場と2本のPKから失点を重ね終わってみれば0-4のスコア、アウェイでストレスの溜まる敗戦となった。


試合終了後記者会見

141018-nis-1.jpgゲームは往々にして、ある時間帯を境にがらっと内容が変わる事があります。それでも、今日のゲームは内容が予想以上にちぐはぐしたとものなりました。前半は自分達が悪いゲームをしたとは思っていませんし、ハーフタイムでポジションや選手を代えたわけではありません。主に守備面で良い対応をしていましたし、そこからさらに攻撃面を強調するという、至ってシンプルな指示で後半のピッチへと送り出しました。

しかしながら後半は、自分達のミスから自滅する展開となりました。集中力を欠いたり、審判への不要な異議などで自分達からペースを崩し相手に良いリズムを与えていました。全てが悪い内容という試合だったとは思いませんが、明らかに自滅してしまったことが残念でした。

Q.田口選手が日本代表から戻って最初の試合となりましたが、代表での経験をする前後で、何か違いを感じたでしょうか?

田口もそうですし、広島の選手も代表という高いステージを経験し国内へ戻っての試合では、違うステージでプレーしている感があります。田口は戦術的な部分を含め、今なにをすべきか、誰よりも2つ3つ先の状況を想像しながらプレー出来ていました。そこに余裕が生まれてた結果、間違いなくチーム内では感覚的に一つ速いプレーをしっかりと出来ていました。代表では厳しいゲームでしたが90分間を戦ったことが大きな財産だったと思います。今日も試合後、なぜこのような結果になってしまったか理解し、チームメイトに伝えている姿が非常に逞しく感じました。

Q.ダニルソン選手が最初のイエローカードを受けてから冷静さを欠いているようにも感じましたが、あの時点での交代という選択肢は無かったのでしょうか?

1枚もらった時点で累積により次節は出場できないことは分かっていました。その状況で誰かと交代させる考えもありましたが、ゲームを成立させたいという考えもありました。カードを1枚もらった選手を交代させていてはチームも試合も成り立ちません。イエローカードを1枚もらった状況で集中力を欠いたプレーが続けば考えますが、あの時点では考えていませんでした。

Q.前半は完全に抑えていた相手が後半、多少システムを変え、前へと圧力を高めてきたように感じました。その事に対して選手はどのように対応したとお考えでしょうか?

後半、明らかに広島のシステムが変わったり、青山選手が前へ来たとは極端には感じませんでした。それでも戦い方として、まず縦へのボールを入れるなどテンポが上がっていることは感じました。後半開始からボールポゼッションを相手に取られリズムを取られていると感じました。それは広島が、前半の戦い方ではゴールを決められないと判断したためだと思います。その事自体の予測はしていたのですが、自分達の攻撃へ仕掛ける姿勢が乏しくなりました。そこで相手の第2、第3の攻撃を受けてしまうのが、後半戦の序盤でした。