2014シーズン試合結果
試合前
秋を感じる涼しさが訪れた日産スタジアム。2014J1第23節はアウェイで横浜F・マリノスとの対戦となる。
日本代表の活動期間による中断も明け2週間ぶりの開催となるJリーグ。グランパスは今週水曜日に天皇杯4回戦を苦しみながら勝ち上がり、中2日という過密スケジュールでのアウェイゲームとなる。
今日の対戦相手は横浜F・マリノス。7月に行なわれたホームでの同カードでは先制されながら終盤、永井のゴールで追いつき1-1の引き分けとなった。その後も勝ち切れない試合が続くグランパスだが、後半戦、そしてリーグ終盤に向け勢いを付けるために、なんとか勝ち点3を持ち帰りたい。
ピッチを囲むトラック上でのチアリーディングなど会場を盛り上げるイベントも終わった午後6時25分、ウォーミングアップのためフィールドプレイヤーが姿を現すと、名古屋からの遠征、そして関東在住組も加わり1500人を超えるグランパスサポーターから大きな拍手で迎え入れられた。
前節、川崎戦で移籍後初ゴールを決めた川又は今日も先発メンバーに名を連ねる。怪我のケネディの復帰が見送られフォワードの位置での出場が予想されるが、登録の理由により水曜日の天皇杯には出場できず、本人にとっては2週間ぶりの公式戦となる。移籍から約1ヶ月が経ちチームにはすっかりと馴染んでいるようで、試合前のウォーミングアップを真剣に行なう中にも時折、笑顔が見られる。
前半
今日の名古屋、ゴールキーパーは楢崎。ディフェンスラインは右から矢野、牟田、闘莉王、本多の4人。ダニルソン、田口の2人が中盤底に、川又の1トップの後ろに永井、L.ドミンゲス、矢田がならぶ4-5-1のシステムでのスタートが予想される。
前半、メインスタンドから向かって右にエンドを取った白のユニフォーム・名古屋に対し横浜ボールでキックオフ。
1分、横浜陣内左から縦へのドリブルを仕掛けた永井がコーナーキックを得る。名古屋・左からのコーナーキック。L.ドミンゲスが右足で上げたボールは中央で相手ディンフェスに当たり横浜・榎本が抑える。
2分、名古屋陣内右の横浜・中村へのボールは闘莉王がカット、牟田が前線へとクリアする。
3分、横浜・矢島が左サイドタッチライン際でドリブルを仕掛けるが、矢野がタッチラインへボールを蹴り出す。
4分、ハーフライン付近でボールを奪った名古屋。右サイドの矢田から縦へのボールに右を上がった永井の中への折り返しは横浜ゴール前を抜け逆サイドでクリアされる。
5分、自陣左、ハーフライン付近でルーズとなったボールを競って田口が引っかけられフリーキックを得る。
6分、横浜ペナルティエリア手前で左の永井から足下へのボールを受けた矢田が左足でミドルシュートを狙うがこのボールは横浜・中澤に当たり、その後相手を抑えてしまい矢田のファールを取られる。
7分、自陣右、ハーフライン付近で田口が横浜・齋藤のドリブルを止めフリーキックを与える。
9分、左から名古屋ペナルティエリア内へグラウンダーのボールに走り込んだ横浜・齋藤の右足は当たり損ない楢崎が正面で抑える。
10分、右サイドでボールを受けた横浜・藤本からのクロスは牟田がヘディングでクリア。
11分、自陣センターサークル付近で闘莉王が倒されフリーキックを得る。このフリーキック、闘莉王から左サイド高い位置を取る本多の前へと狙うが、このボールは戻った横浜・藤本に頭でタッチラインへとクリアされる。
12分、ハーフライン付近で矢野のスライディングでこぼれたボールを拾ったダニルソンがドリブルを狙うが、前へと大きく蹴り出したボールは先にクリアされてしまう。
13分、名古屋ペナルティエリア左でボールを受けた横浜・下平のクロスは矢野が体に当てタッチラインを割る。
15分、右サイド高い位置へのボールを横浜・小林がダイレクトで名古屋ペナルティエリア方向へ折り返すが、このボールは楢崎が直接抑える。
16分、センターサークル内でL.ドミンゲスが横浜・小椋に倒されフリーキックを得る。
18分、左サイドに開いた横浜・矢島のドリブルからサポートに付く横浜・中村へ戻したボールは矢田がタッチラインへとクリア。
19分、自陣でL.ドミンゲスのパスカットから中央の永井がドリブル、右を上がるL.ドミンゲスへと戻し横浜ペナルティエリア内中央の川又を狙ったクロスは横浜・榎本に手前でクリアされる。
20分、横浜陣内中央で川又、L.ドミンゲスとプレズを仕掛け前へとこぼれたボールを矢田が拾いエリア内へと持ち込むが左足でのシュートは横浜・中澤がスライディングでブロック、ボールは矢田自身に当たりゴールラインを割る。
21分、名古屋陣内右高い位置で横浜・中村が左、右と切り返して本多のマークを外し右足でのクロスを上げるが、横浜・矢島に当たったボールはクロスバーを越える。
23分、横浜・下平へのボールに田口がプレスを仕掛けるが、ボールは田口に当たりゴールラインを割る。
25分、名古屋陣内左の横浜・中村からのアーリークロスは楢崎が直接抑える。
26分、名古屋ペナルティエリア内左で体を入れ替えボールを受けた横浜・齋藤のクロスは矢野がブロック、タッチラインを割る。
27分、名古屋陣内右でL.ドミンゲスと横浜・中村が交錯、フリーキックを与える。
28分、名古屋ゴール左寄り35m弱の位置から横浜ボールのフリーキック、名古屋ゴール前へのボールは本多がヘディングでクリア。
29分、名古屋陣内左で横浜・中村から中へのボールは田口がカット、これを拾ったL.ドミンゲスが縦へと持ち上がりさらに左を上がる永井の前へと通すが、ゴールライン付近で追いついてからの折り返しは直接ゴールラインを割ってしまう。
31分、横浜陣内右からのスローインをL.ドミンゲスが落とし右の矢田からのクロスは相手ディフェンスに当たりゴールラインを割る。
32分、名古屋・右からのコーナーキック。L.ドミンゲスからの中央へのボールのこぼれ球を矢田が左足で再び横浜ペナルティエリア内へと浮かせるが、このボールは横浜・榎本が直接抑える。
33分、横浜陣内左でボールをキープする永井の顔に相手ディフェンスの手が当たり一旦ボールを外へと出されるが、出血は無いようで軽くうがいをし、プレーは続けられるようだ。
【得点】
35分、自陣左で本多がヘディングで弾いたボールを中央の矢田が上手く前へと転がしコントロール、左へ開く永井へと繋ぎペナルティエリア手前からのクロス、このボールに右外から一気にゴール前へと走り込んだ川又がファーサイドゴールライン付近から頭で押し込み名古屋がアウェイで貴重な先制ゴールを奪った。
37分、名古屋陣内中央で横浜・小椋のファールに対しイエローカードが提示される。
39分、名古屋ペナルティエリア手前でこぼれ球を拾ったダニルソンが前へと蹴り出しドリブルを狙うが、このボールは横浜・富澤にカットされてしまう。
40分、横浜ペナルティエリア手前左でボールを受けた永井から中へのボールは相手ディフェンスに当たり右タッチラインを割る。
41分、自陣右で横浜・中村から矢野がボールを奪うと右サイドで矢田とボールを交換するが、相手ディフェンスに囲まれ矢田から中への仕掛けはボールをクリアされる。
42分、名古屋陣内中央でディフェンスからの楔を受けた横浜・矢島の左へのボールは牟田がクリアする。
43分、名古屋ペナルティエリア内へ走り込んだ横浜・中村が左後ろからのボールをダイレクトボレーで狙うが、このシュートはクロスバーを越える。
44分、自陣右で矢野が横浜・中村と交錯しフリーキックを与える。
45分、名古屋陣内左タッチライン際から横浜ボールのフリーキック。横浜・中村から名古屋ゴール前へのボールは中央の混戦を飛び越え直接逆サイドタッチラインを割る。
(アディショナルタイム表示:1分)
アディショナルタイム1、左サイドハーフライン付近で後ろ向きでボールを受けた田口がオーバーヘッドで前線へ、川又が左の永井へと狙ったボールはタッチラインを割る。
アディショナルタイム2、名古屋陣内中央の横浜・小椋から左へのボールが直接タッチラインを割ったところで前半終了。
両チームとも、どちらかと言えば静かな展開となった前半。シュート数も少なく大きなチャンスはあまり見られなかったが、それでも名古屋にとっては唯一のビッグチャンスに対し川又がそれを一発で決め先制しての折り返しとなった。
アウェイでのゲーム、後半も多くのチャンスは望めないかもしれないが、それでも1点リードを考え集中した守りから相手の焦りを誘い、追加点を狙いたい。
後半
エンドを替えた後半、名古屋ボールでキックオフ。
1分、横浜陣内中央で田口がカットしたボールを受けた永井がペナルティエリア手前から右足で狙うが、このシュートは横浜・榎本の正面を突きキャッチされてしまう。
2分、横浜陣内左で横浜・下平から縦の横浜・齋藤を狙ったボールは田口がスライディングでタッチラインへとクリア。
【得点】
3分、右の田口からのパスに左からペナルティエリア内へと走り込んだ永井が切り返し右足でのボール、これが相手ディフェンスに当たり浮き上がるが川又が詰め相手キーパーを前へと出させると、永井がその頭上を越すヘディングでゴールネットを揺らし後半開始早々、名古屋が貴重な追加点を決めた。
6分、名古屋ペナルティエリア左でボールを受けた横浜・中村から中へのボールは闘莉王がヘディングでタッチラインへとクリア。
7分、自陣右で相手のオフサイドによる名古屋ボールのフリーキック、楢崎から右へと開く川又を狙ったボールは相手ディフェンスに密着され触れず直接タッチラインを割る。
8分、自陣中央で牟田からのボールを受けた田口が左の永井の前を狙うが、このボールは相手ディフェンスに先にクリアされる。
10分、横浜・下平から縦へのボールは牟田がクリアする。
11分、ハーフライン付近から右サイドを持ち上がった矢田がペナルティエリア右で右から左と切り返すが縦へのタイミングでバランスを崩すと相手ディフェンスをそのまま倒してしまいファールの判定を取られる。
12分、センターサークル付近で川又が牟田からのボールを胸トラップでコントロールするが、プレー開始の位置でオフサイドとなってしまう。
13分、名古屋ペナルティエリア右でボールを受けた横浜・中村の左足へ持ち替えて中へのクロスは楢崎が直接抑える。
14分、名古屋陣内左で横浜・齋藤がボールを受けるが、縦へのドリブルは田口がボールを触りタッチラインを割る。
16分、横浜陣内右寄りから縦へとダニルソンが持ち上がり中のL.ドミンゲスへ、これをダイレクトで前へと狙うが、このパスは相手ディフェンスにカットされてしまう。
17分、横浜ペナルティエリア付近左でボールを受けた永井が縦へと仕掛けそのままエリア内で左足のシュートを狙うが、このボールは枠の右へと外れてしまう。
18分、横浜1人目、2人目交代:小椋、藤本→伊藤、奈良輪
19分、横浜陣内左の本多から縦へのボールを永井が相手ディフェンス2人の間を破り追うが、わずかに追いつけずボールは直接ゴールラインを割る。
20分、名古屋陣内左へ開きボールを受ける横浜・伊藤を矢野が倒してしまいフリーキックを与える。
21分、名古屋陣内中央左タッチライン際から横浜ボールのフリーキック、名古屋ゴール前へのボールは中央の混戦でディフェンスがクリアする。
22分、名古屋ペナルティエリア手前左でこぼれたボールを横浜・奈良輪が左足で狙うが、このシュートはクロスバーを越える。
23分、横浜陣内中央で田口が横浜・小林に倒されフリーキックを得る。ここからのフリーキック、L.ドミンゲスが横浜ゴール前へとボールを上げるが、ゴール前での混戦の中で名古屋のファールを取られてしまう。
24分、名古屋ペナルティエリア右でボールを受けた横浜・齋藤から中へのボールは直接ゴールラインを割る。
25分、横浜・奈良輪の左サイドでのドリブルは矢野が体を入れボールは直接ゴールラインを割る。
26分、今度は横浜・伊藤が左サイドで縦へのドリブルを狙うが、これも全く同じように矢野が体を入れてコースを塞ぎボールは直接ゴールラインを割る。
28分、闘莉王からのボールを右サイドハーフライン付近で受けた川又が粘って矢田のオーバーラップを即すが、左足で前を狙ったボールは相手ディフェンスにカットされてしまう。
29分、ハーフライン付近で本多から中へのボールをカットされカウンターを狙われるが、素早く戻った本多自身がボールをクリアする。
30分、名古屋ペナルティエリア内左でボールを受けた横浜・齋藤の左足のシュートは枠の左へと外れる。
31分、名古屋陣内右でボールを受けた横浜・小林からのアーリークロスは前へと出た楢崎が直接抑える。
32分、横浜ペナルティエリア右でボールを受けた矢野が前へと蹴り出し右足でのクロスを上げるがこのボールはゴール前を飛び越え逆サイドタッチラインを割る。
33分、横浜3人目交代:小林→兵藤
34分、矢田が右サイド高い位置で得た右からのコーナーキック。L.ドミンゲスが右足で上げたボールは中央の横浜・中澤にヘディングでクリアされる。
35分、名古屋ペナルティエリア手前左寄りでボールを受けた横浜・齋藤の左足のシュートは枠の左へと外れる。
37分、名古屋ペナルティエリア手前でボールを受けた横浜・中村から縦へのボールはカバーに入った闘莉王がクリアする。
38分、名古屋ペナルティエリア内右の横浜・兵藤の前へのボールは本多がゴールラインへとクリア。横浜・右からのコーナーキックはニアサイドの永井がヘディングでクリアする。
39分、横浜・齋藤がペナルティエリア内左で縦へのドリブルを仕掛けるが牟田がカット、矢野がゴールラインへとクリアする。横浜・左からのコーナーキックはニアサイドの田口が右足でタッチラインへとクリアする。
40分、名古屋陣内左から横浜ボールのスローイン、ロングスローのボールをペナルティエリア内の横浜・ファビオが落とし横浜・伊藤が右足ダイレクトで狙うが、このシュートは大きく外れ右タッチラインを割る。
41分、自陣異議でダニルソンがボールを奪うとそのままハーフライン付近のL.ドミンゲスへ、ペナルティエリア付近に持ち込み川又へ渡すと、その川又が倒されフリーキックを得る。
42分、横浜ゴール正面20m程度の位置から名古屋ボールのフリーキック。これをL.ドミンゲスが右足で狙うが、壁を越え弧を描くシュートは枠の左へと外れる。
44分、自陣ハーフライン付近で浮いたボールを前へと狙うL.ドミンゲスの足を引っかけられフリーキックを得る。
45分、名古屋1人目交代:L.ドミンゲス→ヘジス
(アディショナルタイム表示:3分)
アディショナルタイム1、左サイドハーフライン付近で本多が倒れ一旦ボールが外へと出されるが、その場で立ち上がりプレーは続けられるようだ。
アディショナルタイム2、名古屋ペナルティエリア右でボールを受けた横浜・伊藤のクロスは本多に当たりゴールラインを割る。
アディショナルタイム3、横浜・右からのコーナーキックはゴール前ファーサイドでディフェンスがクリア。これを再び右から名古屋ゴール間へと上げられるが楢崎と横浜・矢島が交錯、ボールは枠の右へと外れる。
アディショナルタイム4、このリスタートを楢崎が前線へと大きく蹴り出したところで試合終了。
後半開始早々に名古屋のゴールで2点差とした名古屋。その後も守り一辺倒で押し込まれる事無く奪ってからは縦への早い仕掛けでゴールへ迫るなどアウェイで互角以上の戦いを展開し終わってみれば2-0。同じくアウェイで行なわれたガンバ大阪戦以来、約1ヶ月ぶりとなるリーグ戦での勝利を完封で飾った。
試合終了後記者会見
今日は終始リアクションに迫られる、ディフェンシブなスタイルでのサッカーとなりました。今のグランパスがやれるスタイルは今日のような形でしたが、なんとか守備から攻撃への場面で人数を増やそうと摸索しています。今日は守備に関しては全体で狙い通りボールを奪えていました。そこから効率よく先制、さらに追加点も奪う事が出来ました。結果的には狙い通りと言いたいですが、本来求めているサッカーは全員で、より攻撃的なサッカーです。今日のようなリアクションサッカーは私はあまり好まないスタイルです。それでも今チームが置かれている状況の中で、精一杯のサッカーでした。これから少しずつでも前線へ重心が移るようなサッカーをしたいと思います。前線からの守備は求めているスタイルですし、今日はキーパーから最前線の川又まで意識が高く守られていました。課題は、そこから如何にコレクティブな攻撃を仕掛けられるかという部分です。これから徐々に、そう言ったスタイルへ移行したいと考えています。
今日の試合では勝利と言う結果は出せましたし、これを次に繋げたいと思います。
リアクションサッカーが好みではないと話されましたが、西野監督自身が目指すサッカーへ、数字で現すとどのくらい進んでいるのでしょうか?
それは難しい事です。自分の理想と今のグランパスの現実の中で、自分の理想とするスタイルと、いまグランパスにいるメンバーで構築するスタイルに対し、特にリーグ前半戦はギャップを感じていました。
日頃からアグレッシブに取り込む選手達を尊重すると、今は少し後ろに重心があるスタイルとなってしまいます。ここ数試合、結果は出ていますが実際にはもう少し重心を前に、自分達でアクションを取るスタイルを本来は求めています。今のチーム状況の中で選ぶスタイルでは最低限の結果は出せているかと思います。
川又選手がフォワードとして2試合連続でゴールという結果を出しましたが?
今日は自分としては、最後までスタイルを変えないと言うメッセージがありましたが、今やれる事としては、このスタイルでのスタートをベースとして考えています。今の玉田、ケネディ、小川自身も現状に満足はしていないでしょうが、若手の起用に対し良い意味でチーム内での競争もあります。チームとしてオプションが増えるのは、指導者としては幸せな事です。これからも競わせる事で、より攻撃的になるためのオプションが生まれると思います。そのためのバックアップメンバーが揃っていると言う事に期待したいと思います。